face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。

地元青森県弘前市にあるFMアップルウェーブのラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(日曜17時)のスタッフのひとりとして曲の持ち込み、選曲、DJ(ブレストコナカ名義)を担当しています。毎週様々な音楽特集とメッセージテーマを設け、弘前大学ラジオサークルのメンバーと大人とでわんさか語り合う番組です。少なくとも東北イチ、珍盤をかける頻度の高い番組を自負しています。

またチャート愛好家として、ビルボードジャパン最新チャートを様々な視点から分析し、弊ブログに記載しています。

お問い合わせやご意見、ご依頼などがございましたら、faceknk @ gmail.com宛にお願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が遂に首位へ、ドージャ・キャットは初のトップ10入り…4月4日付米ビルボードソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の3月30日月曜に発表された4月4日付最新ソングスチャート、11週連続で首位の座に就いていたロディ・リッチ「The Box」が遂に陥落、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が初の首位を獲得しました。また、ドージャ・キャット「Say So」が9位に入り、初のトップ10入りを果たしています。

61年以上の米ビルボードソングスチャートの歴史において1097曲目となる首位を獲得したザ・ウィークエンド「Blinding Lights」。3月20日にリリースされたアルバム『After Hours』が今週のアルバムチャートで初登場首位を獲得した勢いがソングスチャートにも波及した形です。アルバム収録の14曲はすべて100位以内にエントリーを果たしています。「Blinding Lights」以外は下記に。

 ザ・ウィークエンドの首位獲得は今回が5曲目。今週4位に入った「Heartless」が昨年12月14日付で首位を獲得して以来となり、『After Hours』からは2曲目の首位輩出に(その他は「Can't Feel My Face」(2015)、「The Hills」(2015)およびダフト・パンクをフィーチャーした「Star Boy」(2017))。「Blinding Lights」はストリーミングにおいて前週比54%アップの3210万を獲得し同指標を制覇(「The Hills」以来2曲目)、ラジオエアプレイは同15%アップの8220万(同指標3位)、ダウンロードは15000を獲得し同指標3位をマークしています。今週首位の座から陥落したロディ・リッチ「The Box」については記事に3つの指標についての詳細な情報がないのですが、前週のストリーミングが4140万だっただけに、急激な勢いの低下を感じずにはいられません。なお、ザ・ウィークエンド「Heartless」はストリーミングが前週比157%アップの1940万を獲得したこともあり、総合で4位に再浮上しています。

「Blinding Lights」をザ・ウィークエンドと共に手掛けたのはマックス・マーティン。ソングライターとして23曲目、プロデューサーとして21曲目の首位を獲得しました。ソングライターとしてはポール・マッカートニー(32曲)、ジョン・レノン(26曲)に続き、プロデューサーとしてはビートルズ作品でおなじみのジョージ・マーティン(23曲)に次ぐ記録となっています。

9位にはドージャ・キャット「Say So」が5ランクアップし、自身初のトップ10入りを果たしました。ラジオエアプレイは前週比23%アップの5210万を獲得(同指標14位)、ストリーミングは同7%ダウンの1540万(同指標18位)、ダウンロードは同2%アップの6000(同指標21位)と、3指標どれも10位以内には入っていませんが、安定した数値を獲得しています。

3曲目の米ビルボードソングスチャートエントリーにして今週初のトップ10入りを果たしたドージャ・キャットについては下記記事で詳しく紹介されています。

そして「Say So」は元々TikTokでヒットしていたのですが、ミュージックビデオ制作においてはそのTikTokで人気のダンスを採り入れた上、ダンスの考案者をミュージックビデオに招いています。

TikTokやそのユーザーと歌手との理想の関係性が「Say So」をトップ10ヒットに導いたと言えるかもしれません。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

2位 (1位) ロディ・リッチ「The Box」

3位 (3位) デュア・リパ「Don't Start Now」

4位 (16位) ザ・ウィークエンド「Heartless」

5位 (5位) ポスト・マローン「Circles」

6位 (4位) フューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」

7位 (7位) ハリー・スタイルズ「Adore You」

8位 (8位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

9位 (14位) ドージャ・キャット「Say So」

10位 (6位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

次週はデュア・リパ「Don't Start Now」に注目。今週もラジオエアプレイを制していますが(前週とほぼ変わらず9820万を獲得)、アルバム『Future Nostalgia』を当初の予定より1週間前倒しで先週末リリースし、次週のアルバムチャートで初登場予定。ソングスチャートにどこまで波及するでしょうか。

この世界に安息を…R&B歌手の遠隔共演による「Count On Me」の美しいカバーに浸る

未曾有の被害が発生し、収束がつかず出口が見えなくて不安な時はエンタテインメントに救われることがよくあります。日本でもこれから自宅にとどまることが増えていくかもしれませんが、そんな中でアメリカではこのような素晴らしいプレゼントが。

1990年代から活躍するR&B歌手のデボラ・コックスそしてタミアが、プロデューサーのシェップ・クロフォードのピアノに乗せて「Count On Me」を披露。それもそれぞれの場所で。離れていても音楽が私たちの心を近づけてくれる…デボラがつぶやいたその想いは、”私を頼りにして (Count On Me)”という曲に乗せて伝わってきます。

「Count On Me」のオリジナルは、ホイットニー・ヒューストンとゴスペル歌手のシーシー・ワイナンズによる、ホイットニー主演映画『Waiting To Exhale (邦題:ため息つかせて)』サウンドトラック収録曲。全編をベイビーフェイスがプロデュースし、ホイットニーをはじめ女性R&B歌手が大挙参加。1997年のグラミー賞において、最優秀アルバム賞にノミネートされました。そこからシングルカットされた「Count On Me」は米ビルボードソングスチャート最高8位を獲得。ゴスペル歌手参加曲では異例となるトップ10ヒットとなりました。

サントラは上記Spotify等でも聴くことが出来ますが、CDは中古店で300円程度で売られていると思います。輸入盤でも歌詞が付いていますのでそちらもお勧めします。

YouTube動画はデボラ・コックスおよびタミア、それぞれの公式アカウントで公開されています。上記はデボラ・コックスの動画(を添付したもの)ですが、タミアの動画(→こちら)の説明文を最後に引用させていただきます。

Even though we’re apart I love that we are all finding creative ways to keep connected and stay together during these times. My friends @Deborah Cox , Shep Crawford and I found comfort in this beautiful song and we hope you will too. 

 

私たちは離れているとしても、こんな時でもつながり続け、一緒にいるための創造的な方法を見つけていくのが大好きです。 友人のデボラ・コックス、シェップ・クロフォードそして私は、この美しい曲に安らぎを見つけました。この曲が皆さんの安らぎになることを願っています。

Da-iCEがゴールデンタイムの音楽番組に登場…しかしながら拭えない疑問と、その解決策

TBSではこの春から新しい音楽番組、『CDTVライブ!ライブ!』がスタート。通常放送は月曜22時枠ですが、明日放送の初回は19時からの4時間特番となり、ゴールデンタイムで放送されます。

その初回放送、出演者の中に実力派男性ダンス&ボーカルユニット、Da-iCEの名が。

メンバーの花村想太さんが今月放送の『おやすみ日本 眠いいね!』(NHK総合 4月以降は不定期での放送)に出演したり、今秋上映されるミュージカル『RENT』の主役マークにダブルキャストのひとりとして抜擢される等、露出が目立っていく中でのゴールデンタイムでの登場は嬉しいのですが、しかし引っ掛かるところが。

今作はあくまで芸人、EXITの客演としての登場という形。披露曲「I got it get it」は先週EXITがリリースした『EXSID』には収録されるものの、Da-iCEが4月29日にリリースするアルバム『FACE』には未収録なのです。

とはいえ、生でのパフォーマンスにより、花村想太大野雄大両名の歌唱力の高さ等で気になる方が続出する予感がします。

 

Da-iCEについては弊ブログでもその実力の高さ等を何度か紹介しており、Official髭男dismの藤原聡さんが提供した「FAKE ME FAKE ME OUT」は昨年の私的ベストのひとつに挙げています。

実力派であり且つCDセールスが順調に推移しているものの、たとえば『ミュージックステーション』には未だ出られていません。そして3年前の下記ブログエントリーにて記した、Da-iCEを含む出演希望の4組については終ぞ叶わないままです。

EXITの客演としてでなければ、Da-iCE単体では出られないのではないか?…『Mステ』において、映画で共演した山崎まさよしさんとの共演でなければDISH//北村匠海さんの出演は叶わず、しかも番組からグループ名が語られなかったことが昨年11月にあったことを思い出し、強い疑問を抱かずにはいられません。その『Mステ』の件および放送の5日後に公正取引委員会から示された見解を踏まえ、【退所(退社)した芸能人だけではない、救われるべきは厚遇される芸能事務所所属歌手のライバルとみなされる側である】と以前記載しました。

今回のDa-iCEにおいても、ゴールデンタイムの音楽番組への出演がこの先叶わないのではないかという予感がします。ならば歌手側やレコード会社、そしてファンは明日の番組出演を機に、Da-iCEを気になったライト層予備軍をどう惹き込むかを考えて実行し、彼らをメディアが無視出来ない存在にまで高めていく必要があるでしょう。尤も、【退所(退社)した芸能人だけではない、救われるべきは厚遇される芸能事務所所属歌手のライバルとみなされる側である】という考えを公正取引委員会が抱いてくれることも重要だと思います。

 

個人的には、『CDTVライブ!ライブ!』にOfficial髭男dismが出演するならば、即興セッションで「FAKE ME FAKE ME OUT」を披露してほしいものです(難しいことは承知ですが、それを承知で記載します)。明日は三浦大知さんも出演されるのですが、その三浦さんと深く関わるダンスパフォーマンスグループのs**t kingzが同曲の振り付けを手掛けているゆえ尚の事です。

複合指標のビルボードジャパンソングスチャートにおけるAKB48の弱さ/乃木坂46の強さを、シングルCD以外から検証する

今週水曜に発表された、最新3月30日付ビルボードジャパンソングスチャートではAKB48「失恋、ありがとう」が首位を獲得しました。一昨日のブログでも紹介しています。

一方、今週シングルCDをリリースした乃木坂46「しあわせの保護色」は、次週4月6日付の首位獲得が濃厚。今作もシングルCDではミリオンセールスが見込まれています。

この「しあわせの保護色」、最新ソングスチャートにおいてCDリリース前週にもかかわらず、配信解禁が功を奏し19位に上昇しています。

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この動き、AKB48「失恋、ありがとう」と比較すると大きな違いが見て取れます。

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一昨日も記載した通り、「失恋、ありがとう」はサブスクの再生回数を基としたストリーミングや動画再生といった接触指標群が300位未満である一方、「しあわせの保護色」ではCDセールス反映の前週ながら既に300位以内にランクイン。また「失恋、ありがとう」はシングルCD初加算週の前週が100位未満(300位以内)であることも解ります。

 

実はこの2曲の動向、AKB48乃木坂46、もっと言えばAKBグループ(48グループ)と坂道グループとの違いを端的に表していると断言してよいでしょう。シングルCDに係数が適用されるようになった2017年度以降にリリースされた、AKB48および乃木坂46のシングルCD表題曲における、シングルCDセールス初加算週前後の3週分のチャート動向をみると明らかです。

まずはAKB48

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そして乃木坂46

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実は「しあわせの保護色」におけるシングルCDセールス加算前週の順位は、2017年度以降のビルボードジャパンソングスチャートにおいては最も低いのですが、一方でAKB48のシングルCDセールス加算前週の順位は「#好きなんだ」の36位が最高という状況。また接触指標群にも大きな違いがありますが、これは坂道グループが特段高くなっているものであり、対してAKBグループのみならず多くのアイドルにおける弱点となっていることは以前記載しています。

しかしながら上記ブログエントリーの内容に加え、シングルCDセールス加算前週における【ダウンロードの順位】、そして【総合ソングスチャート100位以内の在籍曲数】にも大きな差があることが解ります。

アイドルファンにおいてはダウンロードよりもシングルCDという形で所有したいという思いが強いことは、CDがグッズの側面も持ち合わせていることを踏まえれば自然なこと。しかし坂道グループはダウンロードも(CDの売上ほどではないにせよ)結果を残しています。これは坂道グループのファンが他のアイドルファンより、CDが出るまで待てないという曲への意欲の高さゆえかもしれません。また、ダウンロードはコアなファンではなくとも気軽に曲単位(1曲あたり300円未満)で購入出来るのですが、AKB48グループにおいてはその接触指標群の弱さを踏まえるに、ライト層が付いていないことも予想されます。特に近年の楽曲におけるダウンロードの弱さは、チャートを分析するあささんが書いたAKB48のダウンロードランキングを見れば明らかです。先述したシングルCDの係数使用についても記載されておりますので、勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。

そして乃木坂46における100位以内在籍曲数の多さについては、曲がロングヒットしていることに加え、カップリング曲のランクインはシングル全体の注目度が高いことの証拠といえます。たとえば先週、Twitterにて乃木坂46「しあわせの保護色」のカップリングである「I see...」がSMAPっぽいと盛り上がっていましたが、実際この「I see...」は最新週で30位まで上昇。

「I see...」はストリーミングで55位に初登場し、同指標にて「しあわせの保護色」超えを果たしていますが、たとえばこの曲をSpotifyにて検索するとシングルCDの様々なタイプに収録されたカップリング曲を一堂に会したアルバムとして配信されているところにたどり着きます。言い換えれば、シングル表題曲を検索すれば「I see...」にたどり着くわけで、このような分かりやすいパッケージ化の戦略が功を奏したと言えるでしょう。事実、こちらもカップリング曲である「じゃあね。」もまた、総合チャートにランクインを果たしています。

他方、SpotifyAKB48「失恋、ありがとう」を確認すると、シングルCDの種類毎にアルバムとして括られているため、カップリング曲にたどり着くまでにワンクッション多くかかってしまうのです。この配信方式が再生回数獲得の弊害になっているのではないかと考えるのですがいかがでしょう。

(他にタイプB・Cおよび劇場盤、さらに単曲のアルバム化版も有り。)

 

AKB48「失恋、ありがとう」も乃木坂46「しあわせの保護色」も、共にシングルCDリリースに先駆けて先行解禁されていますが、ともすればファンの意識やレコード会社側の戦略の差が、シングルCDセールスだけに頼らないチャートアクションに成るか否かに繋がっていると言えるでしょう。これを踏まえ、曲をより長く愛してもらうための戦略を行い、チャートの順位と曲の知名度を比例させ歌手のブランドを高めていくことが、アイドル歌手側やレコード会社側には求められるはずです。

THE YELLOW MONKEY「未来はみないで」、エミネム feat. ジュース・ワールド「Godzilla」から感じるサブスク歌詞表示の重要性

一昨日発表された3月30日付ビルボードジャパンソングスチャートでは、THE YELLOW MONKEY「未来はみないで」が登場2週目にして10位に上昇、トップ10入りを果たしました。

Spotifyで複数回聴くうちにこの曲の好さにハマったのですが、同サービスで表示される歌詞を見て、その韻の踏み方に唸らされた次第です。ながら聴きだけではその細工に気付かなかったかもしれません。

 

その歌詞(ヒップホップにおけるリリック)の重要性を感じる出来事が最近みられました。米ビルボードにおいてはアルバムがチャートに初登場を果たす週、収録曲も大挙上昇することはよくありますが、アルバムの勢いが落ち着くのと比例して曲もダウンするかそれともキープし続けるかは、曲の内容もさることながらその施策が重要になってきます。その点において、この曲は成功例と言えるかもしれません。

今年2月1日付の米ビルボードにおいて、『Music To Be Murderd By』でアルバムチャートを制したエミネムは、ジュース・ワールドをフィーチャーした「Godzilla」を同日付のソングスチャートで3位に送り込みました。

翌週12位に急落し、以降20→28→36→37→42位とダウンの一途を辿るかと思いきや、3月21日付で32位、そして最新3月28日付では23位に浮上。前週はリル・ウージー・ヴァートが大量エントリーを果たす中で上昇に転じたことに驚きますし、最新週ではさらに上昇を果たしています。

上記ミュージックビデオのリリースは日本時間の3月10日。画面左下に登場するレモネードのパッケージは、リリカルレモネードという、現在のヒップホップを牽引すると言っても過言ではないメディアを示すマーク。その起業者、コール・ベネットがビデオの監督を務めています。

アルバムリリースから2ヶ月近く経過してからのビデオの公開は遅い気もしますが、そもそもアルバムが事前のプロモーションなしに突如リリースされたことを踏まえれば、ミュージックビデオの制作自体予定がなかったのかもしれません。そして、2月1日付米ビルボードソングスチャートで最高位にランクインしたのが「Godzilla」だったことから、この曲を制作曲に決めたものと考えます。リリカルレモネードはジュース・ワールドの輩出に大きく貢献したため、エミネムがリリカルレモネードにお願いしたのかもしれません。

ミュージックビデオ公開初週分の再生回数は3月21日付ソングスチャートのストリーミング指標に寄与していますが、そこに至るまでにエミネムはこの「Godzilla」で魅せた高速ラップについて”#GodzillaChallenge”と名付け挑戦を煽ったことで、曲が先月末あたりからSNSで人気を博したのです。

リリックビデオは米では当然になりつつあるものの、一週間後にミュージックビデオを公開するならばわざわざ制作しなくとも…と一瞬思うのですが、エミネムの挑戦に応えたい人を惹き込むにはうってつけの動画だったわけです。これらビデオの存在も相俟って、3月中旬には米Spotifyデイリーチャートにおいて「Godzilla」が10位台まで回復し、米ビルボードでも上昇しているのですから、このリリックを意識したキャンペーンが功を奏したと言えるでしょう。そのSpotifyでも「Godzilla」のリリックがきちんと表示されており、リリックを見ながら聴いて覚える方のニーズにSpotifyが応えていると言えます。

 

しかし、Spotifyでは特に新曲において、歌詞表示が不十分な状態です。たとえば日本向けのプレイリスト”New Music Wednesday”では、新曲に入れ替わる直前の24日夕方の段階で歌詞が掲載されていたのが72曲中16曲、わずか22%しかありませんでした。洋楽においてはCD全盛の頃から輸入盤のブックレットに歌詞(リリック)が掲載されていないのがデフォルトだったのでやむなしとは思うのですが、一方で邦楽は歌詞掲載が当たり前だったと考えるに、歌詞が気になっても未掲載と知ったユーザーが曲に対してマイナスのイメージすら抱きかねないと思うのです。歌詞未掲載の理由は解りかねますが、是非とも歌手やレコード会社側には歌詞を発表当日のタイミングで掲載すべく動いてほしいと思いますし、Spotify側は歌手側に働きかけてほしいと思います。

ドラマの最終回に合わせて曲はピークに、Uruのリリースタイミングも効果あり…3月30日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

 

3月16~3月22日を集計期間とする3月30日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位のOfficial髭男dism「I LOVE...」は2位へ後退、AKB48「失恋、ありがとう」が初登場で首位に立ちました。

首位を獲得はしたものの、真のヒットと断言するには言えない状況です。

上記ミュージックビデオは3月上旬に公開され、またサブスクも解禁済ですがこれら接触指標群が非常に弱く、またシングルCDのミリオンセールスに対しルックアップが6位と激しく乖離していることから、ライト層且つユニークユーザー数が少ないこと、コアなファンに支えられていることが読み取れます。ライト層が少ないとシングルCDセールス加算2週目のポイント前週比が小さくなる傾向があるのですが、AKB48は最近のシングルCD表題曲において4曲続けてポイント前週比が5%未満。前作「サステナブル」に至っては3.2%となっており、「失恋、ありがとう」が前作並の水準で推移すれば、次週50位未満に急落することもあり得るでしょう。シングルCDセールスに長けた曲は、翌週の動向をみて真のヒットかを確認する必要があります。

 

一方、前週通算3週目の首位を獲得したOfficial髭男dism「I LOVE…」はダウンするも2位に。

こちらは7週連続で2位以上をキープし、今週まで3週連続でポイント前週比110~115%以内を達成。集計期間に最終回を迎えたドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS)の話題も相俟って、「I LOVE…」はサブスク再生回数で最高記録を更新する等、数値が可視化された4指標すべてが伸びているのです。

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ストリーミング、動画再生のみならずダウンロードも最高値を更新、シングルCDセールスは加算初週に次ぐ成績を収めています。これは間違いなくドラマの最終回効果であり、またその前の回(3月10日放送の第9話)が番組最高となる総合視聴率23.5%を獲得したことも大きく寄与しているはずです(ビデオリサーチ調べ・関東地区の結果)。総合視聴率はタイムシフト視聴率も合算(リアルタイム視聴率との重複分は削除)したものであり、同じくタイムシフトである配信サービスでも大ヒットしているだろうことが想像出来ます。

面白いのは、ここにきて「Pretender」(今週総合3位)が「I LOVE…」と呼応するかのように3週連続でポイント前週比100%超えを達成していること。特にシングルCDセールスは83位に入り、昨年の『NHK紅白歌合戦』出場の余韻が残っていた1月27日付以来9週ぶりに100位以内にランクインを果たしています。下記CHART insightにおいて、黄色の折れ線がシングルCDセールスを示しています。

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ドラマがヒットし主題歌に起用された歌手に注目が集まると、その歌手の他の曲も接触指標群を軸に上昇することは自然な流れですが、そのようなライト層の拡大のみならず、Official髭男dismの所有動向の高まりからは【ライト層からコアなファンへの昇華】という動きも見られると考えます。なおアルバムチャートにおいては、「Pretender」等が収録された『Traveler』(今週6位)がKing Gnu『CEREMONY』(同7位)を、その初登場以来はじめて上回ったことも書き記しておきます。

 

今クールのヒットドラマといえば、『恋はつづくよどこまでも』同様にTBSが放送した『テセウスの船』ですが、主題歌であるUru「あなたがいることで」が9位に入り、遂にトップ10入りを果たしています。

全話平均13.4%、日曜に放送された最終回は19.6%を記録したドラマ主題歌の「あなたがいることで」は初登場以降、シングルCD未リリースながらストリーミング、動画再生といった接触指標群が緩やかに上昇し続けていました。

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そしてこの動きはアルバムにも波及。この曲を収録したアルバム『オリオンブルー』は今週のアルバムチャートで5位に初登場。ソングスチャート共々、トップ10入りを果たしたのです。

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最終回放送週にアルバムがタイミングよくリリースされたことで、シングルCD未発売もあってフィジカル欲が高まっていた方をアルバム購入に誘導出来たと言えるでしょうし、「あなたがいることで」がダウンロード指標で初登場からずっと10位以内をキープしていたことを踏まえれば、アルバムのダウンロード指標が2位と高いのも頷けます。一方でアルバムリリースは、ストリーミングの上昇にも寄与します。Uruさん側がアルバムリリースのタイミングを最終回放送週に合わせてきたのかは断定出来ませんが、しかしドラマファンの熱を上手く取り込んだと言えるのではないでしょうか。 

 

ドラマ主題歌の「I LOVE…」も「あなたがいることで」も、最終回の盛り上がりがうまく波及しています。無論ドラマの質の高さや話題性も鍵にはなりますが、Uruさんのチャートアクションを踏まえれば、ドラマに呼応したアクションを起こせばソングス/アルバムの両チャートで存在感を示せることが証明出来たのではないでしょうか。