face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。

地元青森県弘前市にあるFMアップルウェーブのラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(日曜17時)のスタッフのひとりとして曲の持ち込み、選曲、DJ(ブレストコナカ名義)を担当しています。毎週様々な音楽特集とメッセージテーマを設け、弘前大学ラジオサークルのメンバーと大人とでわんさか語り合う番組です。少なくとも東北イチ、珍盤をかける頻度の高い番組を自負しています。

またチャート愛好家として、ビルボードジャパン最新チャートを様々な視点から分析し、弊ブログに記載しています。

お問い合わせやご意見、メディア出演のご依頼などがございましたら、Twitterアカウント(@Kei_radio)宛にダイレクトメッセージにてお願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

ドレイクがビートルズ超え、テイラー・スウィフト初登場も「Old Town Road」強し…6月29日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の6月24日月曜に発表された、6月29日付最新ソングスチャート。リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が12週目の首位を獲得、前週トップ10入り曲数でビートルズに並んだドレイクが今週「Money In The Grave」でビートルズ超えを達成、またテイラー・スウィフトが「Me!」に続き「You Need To Calm Down」を2位に送り込んできました。

リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」はストリーミングで12週目の首位となる9160万を獲得(前週比8%ダウン)、デジタルダウンロードは前週比16%ダウンの59000で2位に転落、ラジオエアプレイは9580万で前週比3%ダウンの3位に。今週ラジオエアプレイがマイナスに転じたことで全指標がダウンし、「Old Town Road」はピークを超えたことになりますが、ストリーミングが通常の倍の数字を獲得していること、ラジオエアプレイも強いことを踏まえれば史上最長となる16週1位の記録を更新出来るかもしれません。

 

2位にはテイラー・スウィフト「You Need To Calm Down」が初登場。

LGBTコミュニティへのヘイトに対するメッセージソングとなり、多数の著名人ならびにビーフを繰り広げていたとされるケイティ・ペリーを招いたミュージックビデオも話題となりました(詳細はこちらに)。「You Need To Calm Down」はデジタルダウンロードで79000を獲得し、同指標での最多首位獲得曲数を17に伸ばしています。ストリーミングは3900万で同指標3位、ラジオエアプレイは2420万で同指標50位に登場しました。

それでも「You Need To Calm Down」を1とすれば「Old Town Road」は1.8となり、未だ大差が付いている状況。前週までの8週間「Old Town Road」は2位との差が倍以上となっていたため、「You Need To Calm Down」はある意味一矢報いたのかもしれません。ちなみに総合ポイントで8週もの間2位に倍以上の差を付けたというのは史上2位の記録であり、最長記録はホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992-1993)の9週間となります。

「You Need To Calm Down」は「Old Town Road」に1位を阻まれた6曲目。仮に次週以降1位の座を奪えなかったならば「Old Town Road」は2位止まりの曲を最も多く輩出させた曲として記録を更新することになります。これまでの記録はブライアン・アダムス「(Everything I Do) I Do It For You」(1991)およびパーシー・フェイス・オーケストラ「Theme From A Summer Place」(1960)の5曲でした。

 

今週3位に順位を落としたものの、ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」の勢いはましています。ストリーミングは前週比13%アップの4380万(同指標2位)、デジタルダウンロードは同1%アップの21000(同指標4位)、ラジオエアプレイは同16%アップの5860万(同指標9位)。ラジオエアプレイにおいてビリー自身初となるトップ10入りを果たしています。そのラジオエアプレイを制したのはカリード「Talk」(総合4位)で、前週比8%アップの1億1470万とさらに数字を伸ばしています。

7位にはドレイク feat. リック・ロス「Money In The Grave」が初登場。

ドレイクの地元、トロントのバスケットボールチームであるラプターズNBAを制した記念でリリースした2曲入りEP『The Best In The World Pack』からは35位にも「Omertà」が入りましたが、リック・ロスをフィーチャーしたこちらが7位に到達。ストリーミングは3140万を叩き出し同指標4位、デジタルダウンロードは17000で同指標9位に登場しています。初登場でのトップ10入りは今回が20曲目、そして客演も含めると今回が35曲目となるトップ10入りとなり、前週クリス・ブラウンへの客演曲「No Guidance」がトップ10入りしたことで並んだばかりのビートルズを抜き、トップ10入り記録で単独2位となりました。首位のマドンナまではあと3曲ですが、そのマドンナは今週『Madame X』がアルバムチャートを制した一方、ソングスチャートトップ10内に曲を送り込んでいないこともあり、ドレイクの逆転はほぼ確実と言えるでしょう。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

2位 (初登場) テイラー・スウィフト「You Need To Calm Down」

3位 (2位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

4位 (3位) カリード「Talk

5位 (5位) エド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」

6位 (4位) ジョナス・ブラザーズ「Sucker」

7位 (初登場) ドレイク「Money In The Grave」

8位 (6位) ポスト・マローン「Wow.」

9位 (8位) ダベイビー「Suge」

10位 (9位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

次週はリル・ナズ・X初のEP『7』がアルバムチャートで初登場を果たす予定で、アルバム単位のセールスにより(曲単位での)デジタルダウンロードが下がることが予想されますが、ストリーミングとラジオエアプレイにはもう少し火が付きそうな気がします。また前週リリースされたショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」のミュージックビデオが現段階で再生回数7300万を突破しており、(アメリカでの再生回数のみがカウント対象となるものの)次週高位置での初登場が予想されます。

三浦大知「片隅」のチャートアクションが高くない状況に…その原因と今後の改善策を考える

先週水曜に発表された、6月24日付ビルボードジャパンソングスチャートで22位にランクインした三浦大知「片隅」について、そのチャートアクションに関する私見を記載します。

 

 

最新週でシングルCDセールスおよびルックアップ指標が初加算となった「片隅」ですが、初加算週での22位、2289ポイントという数値は共に、大ブレイクを果たすきっかけとなった「Cry & Fight」(2016)以降のシングルCD表題曲では最も低くなりました。水曜のビルボードジャパン各種チャート発表時、気掛かりとつぶやいたのですが。

通常ならばその原因等を自分なりに解析した上でブログに掲載するものの、今回はツイートの段階でその原因と思しきものを掲載したこともあり、三浦大知さんファンから少なからず混乱と困惑を招いたとの指摘をいただきました。遅ればせながらお詫び申し上げます。

 

 

ではあらためて、今回のチャートアクションの原因をまとめてみます。まず、最新週に至るまでの「片隅」のチャートアクションを記すと。

※各指標について

 ・ポイント:総合ポイント

 ・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)

 ・上記の理由により50位未満、総合ポイントで比較不能時は※で表示

 ・各指標について

  (詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)

   CD:シングルCDセールス

   DL:デジタルダウンロード

   ST:ストリーミング

   RA:ラジオエアプレイ

   LU:ルックアップ

   TW:Twitter

   MV:動画再生

   KA:カラオケ

 ・各指標毎順位において

   [-]:ランク圏外(101~300位)

   [ ]:(ブランク):ランクインせず(カウント対象前を含む)

   [?]:未表示もしくは計算不能

※これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2019/4/22   53   15       21    
2019/4/29 89   80 -     20    
2019/5/6 -   -       42    
2019/5/13                  
2019/5/20 -   -            
2019/5/27 -   -            
2019/6/3 -   94            
2019/6/10 -   72       22    
2019/6/17 -   87   -        
2019/6/24 2289 22 14 46   23 11 16    

 これまでの楽曲の動向は上記ツイートのリンク先に記載していますが、ここで比較として3曲挙げてみます。いずれもシングルCD初加算週を含む4週分です。

・「U」

 (2017年8月2日シングルCDリリース、7月12日デジタルダウンロード配信開始)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2017/8/7 ?  ?      47   46    
2017/8/14 3659 8 7 29   3 13 13  
2017/8/21 1297 35.4% 42 45 47   13 26 93  
2017/8/28 76 78 89   27 28    

 

・「Be Myself」

 (2018年8月22日シングルCDリリース、8月1日デジタルダウンロード配信開始)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2018/8/27 99       15   55  
2018/9/3 3688 11 12 12 2 14 52  
2018/9/10 1961 53.2% 27 66 47 55 3 23  
2018/9/17 969 49.4% 46 89 72 14 34    

(※ 2018年度まではカラオケ指標は導入されておらず加算対象外。)

 

・「Blizzard」

 (2018年12月19日シングルCDリリース、11月9日デジタルダウンロード配信開始)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2018/12/24 3518 11   12 42 3   2 9  
2018/12/31 7400 210.3% 2 5 8 14 2 8 3 5  
2019/1/7 4828 65.2% 6 25 10 16 10 14 5 5  
2019/1/14 3548 73.5% 10 19 20 17 10 16 14 9 -

「Blizzard」は映画の大ヒットもあって突出した動きを示していますが、他方自身が出演したCMソングの「Be Myself」および深夜ドラマの主題歌「U」と、タイアップの付いた以前のシングル群に「片隅」は及んでいないことが解ります。


この比較により、「片隅」の弱点がいくつか見えてきます。

① デジタルダウンロード指標の順位が低い

② ストリーミング指標が300位以内に入っていない

③ ラジオエアプレイ指標の順位が低い

Twitter指標の順位が高くない (特に「Blizzard」との比較において)

⑤ 動画再生指標が300位以内に入っていない

これらのうち⑤については、昨夏「Be Myself」をリリースした後に提示しています。

その後、「Blizzard」が今年上半期のビルボードジャパンソングスチャートで13位に入ったこと(【ビルボード 2019年上半期HOT 100】米津玄師「Lemon」2018年年間に続いて総合首位獲得 あいみょん 「マリーゴールド」が続く(コメントあり) | Daily News | Billboard JAPAN(6月7日付)参照)やそのヒットの要因(下記ブログエントリーに記載)をみるに問題点をクリアしたものと思っていたのですが、対照的な結果になってしまったように思います。

付け加えるならば、今回はラジオエアプレイも非常に低い結果に。この原因はどこにあるのでしょうか。

 

 

今回の「片隅」におけるスケジュールを確認してみます。

・4月1日 ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ)の挿入歌を担当決定とのアナウンス

・4月10日 シングル「片隅 / Corner」(ダブルAサイド)のシングルCD発売日がアナウンス

     「片隅」がドラマ挿入歌になることが発表

     『白衣の戦士!』放送開始

・4月11日 「片隅」デジタルダウンロード配信開始、ストリーミング解禁

・5月28日 「片隅」ミュージックビデオ(YouTubeバージョン)解禁

・6月5日 LIVE DVD & Blu-ray『DAICHI MIURA LIVE TOUR ONE END in 大阪城ホール』より「飛行船」映像解禁

・6月11日 「片隅 / Corner」特設サイト公開→こちら

     「Corner」デジタルダウンロード配信開始、ストリーミング解禁

・6月12日 「片隅 / Corner」シングルCD発売

     LIVE DVD & Blu-ray『DAICHI MIURA LIVE TOUR ONE END in 大阪城ホール』より「Blizzard」映像解禁

 LIVE DVD & Blu-ray『DAICHI MIURA LIVE TOUR ONE END in 大阪城ホール』は6月24日付オリコン週間ブルーレイディスクランキングを制覇しているのとは対照的と言えそうですが、初週のシングルCD売上枚数をみると「Be Myself」(映像盤有り無しの2種での販売)が12634枚だったのに対し「片隅」(映像盤有り、DVDかブルーレイの違いによる2種での販売)は8962枚。この差を大きいとみるか否かは評価が分かれるかもしれません。

 

しかしながらシングルCDセールス同様に”所有”を示す指標であるデジタルダウンロードが低いのが気掛かりです。デジタルダウンロードはシングルCDリリースに先駆けて配信開始されていてもシングルCDセールス指標初加算週に上昇する傾向がある(ゆえに、CDをデジタルが駆逐するとは言えないだろうというのが私見な)のですが、今回は再浮上はしてもそこまでの上昇には至っていません。デジタルダウンロードは先行配信された際にファンが購入(後にシングルCDも購入しますが前もって音源は手に入れたいというファン心理があるでしょう)、CDが出たタイミングで曲のリリースを知り気になった知ったライト層、すなわち歌手のファンというわけではないが曲や歌手に好印象を抱いている方が買う傾向があるものと捉えていますが、そのライト層にいつも以上に届いていないのではないかと思うのです。その理由のひとつには、「片隅」が今に至るまでテレビで披露されていないことが挙げられると思います。また、シングルCDは2種とも映像盤が同梱され、CDのみのバージョンがないことで価格が高くなり買い控えが生じた可能性はゼロではないかもしれません。映像盤がマルチアングル収録とのことでそのこだわりは解れど、ライト層にどこまで訴求出来たのかが気になります。

 

その”届いていない”だろうことは、ライト層のファーストコンタクトとしての位置付けになると思しき”接触”指標群、ストリーミングおよび動画再生の少なさから察することが出来ます。ただし、動画再生指標が300位以内に入っていない理由にはもしかしたら【ISRC未付番によりカウントされない】可能性もあるかもしれません。YouTubeでのミュージックビデオにおける動画の説明欄(”もっと見る”とクリックすると表示されます)には動画の著作権管理団体等が記載されていないのが引っかかっています。ISRC付番の有無とビルボードジャパンでの集計可否については(追記あり) 三浦大知のチャートアクションが内容の良さに追いついていない…その原因と改善策を探る(2018年9月17日付)の最後の方で言及していますが、「片隅」はミュージックビデオ解禁から現在までに120万を超える再生回数を記録しており、仮に「Blizzard」を機に海外のファンの方が増えたとしても動画再生指標は日本での再生回数が加算対象となるゆえ、同指標で300位以内に達しないのは未付番が理由ではないかと考えるに至っています(ただし、未付番だと断言することは出来ません)。

いや、実際はISRCの加算対象であったかもしれません(そうであれば、この仮説をTwitter等で言及したことをお詫びします)。その場合、動画再生指標が300位に満たなかった別の仮説も出てきます。それは、接触を示す指標群の全体の再生回数が増加し各指標の300位のレベルが高まったことで「片隅」は再生回数が一定数あったとしても300位以内に入らなかったという可能性。この仮説については、6月17日付のビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標の解説で興味深い指摘が。『当週と昨年の同時期(2018年6月18日付チャート)の再生回数と比べると、トップ100の平均が150%増なのに対し、トップ10の平均は226%』とあり(『』内は【ビルボード】Official髭男dism「Pretender」が歴代最高記録を更新しストリーミング3連覇 菅田将暉が2位に初登場 | Daily News | Billboard JAPAN(6月12日付)より)、ストリーミングは全体のレベルが底上げされていることが解ります。ゆえに、仮にテレビ出演等を果たし昨年並のストリーミング再生回数を稼いだとしても順位は低くなるというわけで、スマートフォンの普及や月々のデータ通信量の上限が上昇している傾向等を踏まえるに、動画再生にも波及しているものと考えます。

仮にISRC付番済でも全体のレベルの底上げにより埋もれてしまったのであれば、個人的にはショートバージョンでの公開が気になっています。ショートバージョンが再生回数を稼げず他指標にも波及しないだろうこと、そして「片隅」が前作から一転してショートバージョンでの公開となったことに違和感を覚えるということは、以前まとめて記載しました。

一度フルバージョンで公開した「Blizzard」で成果を出した後にショートバージョンに戻すという手法は、映像盤同梱のCDを購入するわけではないライト層(のみならず、CDプレイヤーを持っていないファンもいらっしゃるかもしれません。その根拠はCDの購入が音楽に触れる最善の選択肢なのか? この1ヶ月の出来事から考えてみる(6月22日付)で引用した調査等からも推測出来ます)にとってはモヤモヤが生じるのではないでしょうか。それも上の疑問視エントリーで書きましたが、短尺へのエディットの仕方があたかもショートバージョンでも1曲として成立しているように錯覚してもおかしくないゆえ、尚の事です。

 

”全体のレベルの底上げ”については、Twitterでも同様のことが言えるでしょう。「Blizzard」におけるいわゆるファンを主体とした活動、いわゆる”ブリ活”がチャートアクションで功を奏したことを踏まえ、今回も同種の活動が行なわれたかもしれませんが、埋もれてしまった可能性があります。

(この、Twitterにおける全体のレベルの底上げに関しては思うところがありますので、日を改めて述べたいと思います)。

 

最後にラジオエアプレイ指標ですが、(追記あり) 三浦大知のチャートアクションが内容の良さに追いついていない…その原因と改善策を探る(2018年9月17日付)において、「Be Myself」まではチャートアクションが伴っていなかったとしてもラジオエアプレイが常時、非常に高いことが利点だと記載しました。しかしながら今回は同指標23位と伴っていません。ラジオ局は以前から三浦大知さんの実力を知りながらテレビ出演が叶わない状況を憂い応援していた(ゆえにOA数が多かったもの)と捉えているのですが、この数年で一気に認知度が上昇したこと、そして「Blizzard」の大ヒットにより進んで応援することをしなくなった可能性があるかもしれません。また、彼のチャレンジングな姿勢といえば今回は「Corner」に強く表れていますが(後に紹介するサイト等でその姿勢を確認出来ます)、そちらをラジオ局や番組が推していたとしても解禁日が発売週だっただろうことを踏まえれば、同週のラジオエアプレイにおいて「片隅」と「Corner」の票割れが起きていただろうことも否めません。出来れば2曲双方を聴き比べる形でかけたならばリスナーにとっても刺激的だったと思うゆえ、聴き比べによる票割れだと信じたいところですが。

 

 

以上、今回のチャートアクションの原因を列挙してみました。では、今回はどうすればよかったのか、そして今後につなげるにはどうするのが好いか考えてみます。

 

まずはテレビ出演が必須でしょう。今後夏にかけてテレビ局各局が長時間の生放送音楽番組を組み、既に三浦大知さんの出演がアナウンスされているところもあります。そこで「片隅」を披露して息の長いヒットを狙うこと、そして次の作品のリリース以降は新曲リリースのタイミングでテレビ出演することが必要になるでしょう。今のテレビ局が特番攻勢、言い換えれば通常番組が毎週放送されない状況にあるゆえ、最高のタイミングでテレビ出演することは難しくなっているのですが、特に『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)効果は非常に大きいとみています。

さらには動画再生指標において、「Blizzard」でフルバージョン公開したもののショートバージョンに戻したことの功罪を必ず顧みて、罪のほうが多かったならばフルバージョンでの公開を行うことも検討しないといけませんし、ISRCの付番を今一度徹底する必要もあります。またデジタル解禁からシングルCDリリースに至るまでの曲への興味を落とさぬべく、公開等のタイミングを工夫することも効果的です。たとえば米津玄師「Lemon」のようなデジタルダウンロード→ミュージックビデオ→シングルCD→レンタルという4段階解禁や、星野源「アイデア」(シングルCD未リリース)のようにほぼ全ての指標を月曜解禁という手段は有効と言えるでしょう。

ただ単にデジタル先行配信を常態化するのではなく、先行配信に意味を持たせることが重要です。同時配信にするならば、発売週にどれだけのインパクトを持たせられるかが大事だと考えます。デジタルとは別に、ラジオ番組での最速オンエア等ラジオでの仕掛けを図ることも重要でしょう。

 

 

さて今回のシングルCDにおいて、個人的に興味があるのは、「片隅」のメロディラインを用いた「Corner」の存在。

非常に面白い試みがされており、「片隅」を聴いた方は「Corner」を聴いてきっと驚くことでしょう。下記記事は主に三浦大知さんの声に着目したものですが、「Corner」についても説明されています。

この対になった2曲から思い出したのが平井堅「POP STAR」(2005)と「fake star」(2007)。対を成しているというこの2曲のマッシュアップとなる「POP STAR×fake star (MASH UP version)」も制作され、「fake star」のカップリング等に収録されています。

この手法を用い、「片隅」と「Corner」をマッシュアップしたバージョンを制作して音楽番組で披露すると、受け手に与えるインパクトは大きいのではないでしょうか。双方の曲への興味が生じ、またマッシュアップという手法も知らしめることが出来ると思うのですが如何でしょう。さすがに「片隅 / Corner」に追加収録してシングルCD化というのはコストがかかるのみならず元のCDを買った方には負担が増えるゆえお勧めは出来ませんが、ひとつの策にはなるかと思います。

担当ラジオ番組『わがままWAVE It’s Cool!』、今日で遂に1000回目です

自分がスタッフの一員を務めるラジオ番組、『わがままWAVE It’s Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)、今日の放送が通算1000回目となります。800回の際にもブログに載せましたが、もう4年近く経つのですね…あっという間です。

 

 

自分の(音楽)人生をたどると必ずラジオが出てくる…ということは、Instagramで一時期流行った”私を構成する9枚”になぞらえたエントリーで記載しています。

13年前に地元に戻ったのですが、どうしてもラジオ番組に関わりたい思いが強く、番組を制作するNPO法人コミュニティネットワークCASTの門戸を叩き、現在に至ります。至極個人的なことを言えば、番組の存在がブログ共々自己表現の場になっている…時折自分勝手な思いの吐露になっているかもしれませんが(申し訳ありません)、番組は貴重な場所になっています。そして『少なくとも東北イチ、珍盤をかける頻度の高い番組』(はじめにより)の意識のもと、社会人の先輩後輩のみなさん、弘前大学ラジオサークルの学生のみなさんと作り上げています。

たとえば最近の珍盤過剰傾向な【なかにし礼】特集回はこちら。

また、音楽特集ではスタッフ持ち回り企画も用意。自分の場合は『HIT』リリース直後に三浦大知さんを、『Finally』リリース直後に安室奈美恵さんを特集しています。

 

今回は記念すべき1000回目ということで、音楽特集は曲名・歌手名に【1000(千・Thousand)】が付く曲をお送りします。感慨に浸る暇はないくらい賑やかな放送になると思いますので是非お付き合いください。

番組冒頭で発表するメッセージテーマにちなんだメッセージ、および音楽特集に沿ったリクエストの宛先は下記からお願いします。

FMアップルウェーブのホームページ経由

・メール:788 @ applewave.co.jp

・FAX:0172-36-1105

サイマル放送で全国何処からでも聴くことが出来ます(詳細はこちら)。

今週、そして1001回以降もよろしくお願いいたします。

CDの購入が音楽に触れる最善の選択肢なのか? この1ヶ月の出来事から考えてみる

昨日のWANIMAのストリーミング解禁が話題になっていますね。

Twitterでは”サブスク解禁”の文字が多く見られ、彼らの影響力の大きさを実感。歓迎する声が多い印象を受けます。個人的にも解禁は嬉しいのですが、他方で解禁に至るまでの葛藤を如実に示した自筆の文章には引っかかるものがあり、私見をツイートしました。

葛藤を文字にすることには肯定の見方もあり、一日を経て、”これが今の日本の音楽業界の現状の意識を如実に示したものかもしれない”と感じるようになりました。

 

それにしても、WANIMAはなぜ自筆の文章で”CD”と表現したのでしょう。デジタルダウンロードでも所有することになるのですが。デジタルでもいいから”アルバム”を(アルバム単位で)買ってくれ、でもよかったのではないかと思案するうちに。

この疑問が浮かび上がって来ました。

いただいた反応の中には、CDプレイヤーはあるけれど読み込みが面倒でストリーミングもしくは(ストリーミング未解禁の作品は)プレイパスで聴く、新調したパソコンに付いていなかったので外付けを用意という声が。リアクションしてくださった方に感謝申し上げます。

 

今やCDプレイヤーを内蔵したステレオは家電量販店の隅のほうにあることが多く、”コンポ”という表現はほぼ耳にしません。自分は今年ノートパソコンを新調しましたが、DVD/CDが内蔵されないものが大半になった印象があります。”スマートフォンに直接挿してインポート出来る”と訴求する外付けCDプレイヤーが出ていることもあり、CDの使用頻度や利用方法はこの四半世紀で大きく変わったと実感しているのですが、これらの感覚を半ば実証するかのような結果が。

一昨年秋に発表された年代別における音楽の意識調査では『10代は11.6%、20代は11.1%が、家族も含めてCD再生機器を所有していなかった』という結果が出た一方、『音楽商品・サービスにお金を支払った経験が1年以内にある』人のうち『年代別では、最も割合が高いのは10代の74.3%』という結果に(『』内は全て上記記事より)。10代は他の年代に比べてCDの購入およびレンタル率も高いながらCD再生機器未所有率も高く、また定額制音楽配信サービスの月額料金支払率も高いことから、音楽に触れてもCDという媒体を用いない方が確実に出てきていると言えそうです(ちなみにデジタル音源の購入は他の年代と比べそこまで大きな差があったとは言いにくい一方で、ハイレゾ音源購入率が高いのは面白い傾向と言えます)。

調査期間は今からほぼ2年前ゆえ、現在は定額制音楽配信サービスがもう少し広がっているものと考えます。たとえばauによる、機種変更等でのApple Music利用料金半年間無料キャンペーンもその動きを加速させ、”CDレス”とでも言うべき傾向が更に加速しているかもしれません。そうなると、デジタルダウンロードやストリーミングが未対応のCDが出たとしても手にしない方は若年層を中心に増えることが見込まれ、レコード会社や歌手側はその点を意識した戦略を練る必要があるでしょう。若年層は音楽にお金を落とす傾向が高いわけですから、CDにこだわらない姿勢が問われているかもしれません。

 

他方、CDレスは若年層だけの問題ではないでしょう。デジタルでの所有(購入)や接触は年齢が上がるほど割合が減っていますが、他方でCD購入率が年齢に比例して高くなるわけではありません。CDレスは言いすぎかもですが、”(有料で楽しむ)音楽レス”という表現がしっくり来そうな気がします。また、CDプレイヤーを購入しづらくなったであろう環境を考えるに、購入したCDをどうやって聴くのか、そもそもCDプレイヤーはきちんと所有しているのかも気になります。年齢が上がるほど、CDを聴きたくとも(ネット)ショッピングの環境や行動範囲の低下等に伴いCDプレイヤーを用意出来にくい可能性が高まるものと思われます。

 

そこで登場するのがこちら…と、通販番組みたいなフリになりましたが、実際の通信販売で”CDプレイヤーをプレゼント”なる企画を発見し、驚きました。

先月テレビで大量にCMが流れていた、演歌歌手三山ひろしさんの作品集の通信販売において『期間限定プレゼント「アイワ社製 CDラジオ」を差し上げます』という企画があったのです(『』内は上記プレスリリースより。現在はプレゼント期間終了)。CDラジオという表記に若干の違和感を覚えつつ、なるほどこれがあると聴きたくとも聴けないという不満が解消される!…と思ったのですが、もしかしたらCDプレイヤーがないのは演歌を好んで聴く主に年配の方も同様なのかと。となると、CDソフトを売った(もしくは以前から所有している)としても聴くことの出来ない環境が増えていることが想起出来るわけで、年配の方にこそデジタルの重要性(CDと代替可能、もしくは共存出来ること)を周知しないと、彼らにとっての音楽を聴く楽しみが消えかねないなと思った次第。そしてレコード会社も歌手側にとっても、その周知徹底は緊急の課題ではないかと感じています。

日曜にデジタル解禁された安室奈美恵『Finally』が再浮上、しかしソングスチャートでは勿体無い事態が

6月16日日曜、安室奈美恵さんがベストアルバム『Finally』(2017)等をデジタルダウンロードで配信、またこれまでの作品をApple Music限定でストリーミング配信開始したことは、解禁当日に記載した通りです。

最新6月27日付ビルボードジャパン各種チャートではこの解禁効果が表れています。

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『Finally』はデジタルダウンロード2位に初登場し、総合ソングスチャートでも6位に再浮上を果たしました。ツイートでも触れましたが、ビルボードジャパンの集計期間は月曜はじまりで日曜終わりとなるため、解禁効果はわずかに1日のみ。にもかかわらず『Finally』が総合アルバムチャートでトップ10内に返り咲くのですから、彼女の解禁を待ってた方は多かったのだと実感します。

さらに『Finally』からは、6月24日付ビルボードジャパンダウンロードソングスチャートでタイトル曲が24位に、「How do you feel now?」が91位にそれぞれチャートインを果たしました。特に「Finally」は同チャートでトップ40入りを果たしたことで総合ソングスチャートでも100位以内に入る可能性も考えられたのですが、他指標が伴わずランクインは叶いませんでした。

「Finally」はシングルCD化されていないため、ソングスチャートではシングルCDセールスおよびルックアップを除く6指標で勝負することになります。解禁日が事前にラジオ局に周知徹底されていたならば解禁日にアルバムの代表曲として「Finally」を流しラジオエアプレイ指標も稼ぐことが出来るでしょう(が、安室奈美恵さんのプロモーションにレコード会社がどこまで力を注げたかは不明)。短尺ながらミュージックビデオも存在し、カラオケ指標もある程度見込め、Twitterでは曲名イコールアルバムタイトルゆえ(歌手名と共に)アルバム名でつぶやいてもカウント対象になることから幾分加算されるものと想像していました。

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「Finally」のCHART insight(上は初登場から今まで、下は直近の11週を表示)をみると解禁効果により32週ぶりに300位以内にランクインしたことが解りますが、指標毎をみると100位以内となったのは先述したデジタルダウンロードおよびTwitter(94位)のみで、他指標は300位以内にも入っていません。安室奈美恵さんの楽曲を管理するレコード会社のプロモーションも影響していると考える(さらには、仮に日曜ではなく月曜解禁だったなら集計期間フルで活かせたのにと思う)のですが、ストリーミング指標が300位未満であり未加算となったことが、個人的にはとりわけ勿体無いと思うのです。ストリーミングの公開先を限定することが楽曲のさらなるヒットにつながりにくいということは、以前から申し上げていたことです。

仮に全てのサービスでストリーミング解禁していたならば、日曜解禁でも総合ソングスチャートで100位以内に入り、チャートインが評判となって次週更に順位を上げる可能性があったかもしれず、機会損失ではないかと考えます。日曜に解禁日を設定したことに意図があったのかもしれませんが、レコード会社等はプロモーション施策の議題のひとつにこの解禁日設定もきちんと取り上げていただきたいと切に願います。仮に解禁日を先週月曜に設定していたならば、最新週の全体の売上動向をみるに『Finally』がアルバムチャートで首位を獲得出来た可能性もあったと思うゆえ、なおさらです。

米津玄師「海の幽霊」が大ヒットの基準をクリアするために必要なこととは?…6月24日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

6月10~16日を集計期間とする、6月24日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、NEWS「トップガン」がシングルCDセールス等3指標でトップを獲得し、総合でも首位に立ちました。

前作よりセールスがおよそ2万5千増加したほか、特筆すべきはTwitter指標。3形態で発売されたシングルそれぞれの3曲目(全形態で異なる曲が収録)が3、4、6位に入り、総合でも55~60位以内にランクイン(「weeeek」はリミックスが収録されていますが、オリジナル版がチャートイン)。ここ最近NEWSのTwitter指標は高いと感じていましたがそれが実証された形です。また昨年度成し遂げられなかった2万ポイント超えを達成しています。

今週はシングルCDセールス1~3位の作品が総合でも同じ順位となりましたが、いずれもシングルCDセールス指標が突出。

1指標が突出し、他指標が伴わない曲は翌週急落する傾向にあります。

上記エントリーで例示した曲は極端な例かもしれませんが、しかし全体にこの傾向があるのは間違いありません。たとえばNEWSの昨年のシングルはシングルCDセールス加算2週目の総合ポイント前週比が13.4~17%となっており、「トップガン」が次週4000ポイントを下回る可能性が高いと言えます。そして大ヒットの指標は瞬発力以上に、如何にロングヒットに至れるか、さらには【3週以上7000ポイントを超える】ことが条件だと考えています。

その点においては今週6位のOfficial髭男dism「Pretender」(今週6位)はシングルCDセールス指標初加算週から5週連続で7000ポイント超えを達成、シングルCD未発売ながら菅田将暉まちがいさがし」は中1週のブランクがありながらも今週まで合計4週7000ポイントを超えています。そして菅田さんに同曲を提供した米津玄師さんによる「海の幽霊」は今週2週目の7000ポイント超えを果たしているのですが…3週目はもしかしたら厳しいかもしれないと思うのです。

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  順位 P 前週比 CD 売上 前週比 DL 売上 前週比 ST 再生 前週比
2019/5/6 92   -                  
2019/5/13 -   ?                  
2019/5/20 -   ?                  
2019/5/27 -   ?                  
2019/6/3 -   ?                  
2019/6/10 9 4449 ?                  
2019/6/17 1 16899 379.8%       1 134911 -      
2019/6/24 5 8011 47.4%       1 56196 41.7%      

(CD:シングルCDセールス DL:デジタルダウンロード ST:ストリーミング

 P:総合ポイント

 [ - ]:前週数値がなく計測不能、[ ? ]:前週の数字不明につき計測不能)

 

今週の「海の幽霊」は総合ポイント前週比が47.4%。ミュージックビデオ公開の翌週に配信が開始され前週のチャートで初加算となったデジタルダウンロード(今週はチャート構成比の7割程度を占拠)の前週比は41.7%で全体の前週比に近く、デジタルダウンロードの大幅減に全体が牽引される形となっています。

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  順位 P 前週比 CD 売上 前週比 DL 売上 前週比 ST 再生 前週比
2019/4/8 -   -                  
2019/4/15 -   ?                  
2019/4/22     ?                  
2019/4/29 -   ?                  
2019/5/6 54   ?                  
2019/5/13 -   ?                  
2019/5/20 -   ?                  
2019/5/27 2 10524 ?       1 114355 -      
2019/6/3 3 7123 67.7%       1 74204 64.9%      
2019/6/10 8 4500 63.2%       1 46608 62.8%      
2019/6/17 2 10024 222.8%       2 46267 99.3% 2 3425494 -
2019/6/24 4 8966 89.4%       2 34417 74.4% 2 4424776 129.2%

一方、「まちがいさがし」の場合はデジタルダウンロードを配信するもストリーミングおよびミュージックビデオ未解禁の状態が3週ほど続き、6月3~10日付では総合ポイントの前週比が6割台となっていますがこれはデジタルダウンロードの前週比と比例する形。前週、先述した2指標が初加算となり総合ポイントは倍増、同時にデジタルダウンロードもほぼ横ばいに。最新週では総合ポイントは下がったもののデジタルダウンロードの前週比とは乖離しています。

 

無論、この2曲はタイアップ先の話題性や視聴率および興行収入等に差があるかもしれません(とはいえ、たとえば「海の幽霊」が主題歌に起用された映画『海獣の子供』の質の高さについては伺っており、個人的にも興味を抱いています)。また「海の幽霊」がミュージックビデオ解禁→デジタルダウンロード開始であるのに対し「まちがいさがし」は順番が逆であり、一概に比較は出来ないと言われるかもしれませんが、ストリーミングの解禁と未解禁の差はこの2曲では明確で、【ストリーミング(の解禁)が総合ポイントの減少を緩やかにする】【”接触”(ストリーミング)が”所有”(デジタルダウンロード)を牽引する】ことが示されたように思います。ストリーミングの解禁やフルバージョンでのミュージックビデオ解禁による接触指標の充実がデジタルダウンロードという所有指標を減らすという声もよく聞こえてくるのですが、その指摘は必ずしも正しいとは言えないでしょう。

Official髭男dism「Pretender」も例示すると、より分かりやすいかもしれません。

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  順位 P 前週比 CD 売上 前週比 DL 売上 前週比 ST 再生 前週比
2019/3/25 -   -                  
2019/4/1     ?                  
2019/4/8 -   ?                  
2019/4/15     ?                  
2019/4/22 -   ?                  
2019/4/29 26 1595 ?       16 ? - 54 ? -
2019/5/6 21 1821 114.2%       19 ? ? 20 ? ?
2019/5/13 20 1827 100.3%       20 ? ? 18 ? ?
2019/5/20 8 3494 191.2%       13 10452 ? 8 1612654 ?
2019/5/27 3 7986 228.6% 9 12914 - 2 22333 213.7% 2 2831825 175.6%
2019/6/3 2 7267 91.0% 29 2636 20.4% 2 22449 100.5% 1 3750297 132.4%
2019/6/10 4 7490 103.1% 40 1932 73.3% 3 22021 98.1% 1 4259716 113.6%
2019/6/17 4 7669 102.4% 33 1638 84.8% 4 17657 80.2% 1 4614979 108.3%
2019/6/24 6 7430 96.9% 33 1478 90.2% 5 15661 88.7% 1 4845726 105.0%

「Pretender」はデジタル解禁後にシングルCDをリリース。タイアップ先の映画の大ヒットも相俟ってデジタル2指標が伸びているのが解りますが、他方シングルCDセールスは2週目に前週比20.4%と大きくダウンしています。それでも総合ポイントが前週比91.0%と高く推移し、デジタルダウンロードも前週超えを達成していることから、ストリーミングが全体を、またデジタルダウンロードを牽引していると言えるでしょう。「Pretender」からも、ストリーミングを解禁することの重要性を実感するのです。