face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。ラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)のスタッフのひとりを担当しています。

お問い合わせやご意見などは、Twitterアカウント(@Kei_radio)宛にダイレクトメッセージにて、お願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

本日発売、イギリス版Now最新作『Now 97』トラックリスト

前作からおよそ3ヶ月半ぶり、イギリスの最新ヒット曲をまとめた『Now』シリーズ最新作、第97弾が本日リリースされました。日本での取扱は少し遅くなる模様(たとえばAmazonでは翌週発売と表示、予約したところ到着が8月10日前後とありました...さすがに遅すぎる気が)。しかしながら今回も充実したラインアップですので、下記にトラックリストを掲載します。

7/21発売『Now That's What I Call Music! 97』(UK版) トラックリスト

(順位は全英(UK)、全米(US)とも総合チャートのもの。7/20午後時点でのWikipediaを参照。曲名のリンク先はYouTube)

(disc-1) 

01. Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber「Despacito (Remix)」(UK1位・US1位)

02. DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne「I'm the One」(UK1位・US1位)

03. Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean「Feels」(UK4位・US26位)

04. Jonas Blue feat. William Singe「Mama」(UK4位)

05. Clean Bandit feat. Zara Larsson「Symphony」(UK1位)

06. Little Mix feat. Stormzy「Power」(UK8位)

07. Liam Payne feat. Quavo「Strip That Down」(UK3位・US28位)

08. The Chainsmokers & Coldplay「Something Just like This」(UK2位・US3位)

09. David Guetta feat. Justin Bieber「2U」(UK5位・US16位)

10. Harry Styles「Sign of the Times」(UK1位・US4位)

11. Shawn Mendes「There's Nothing Holdin' Me Back」(UK4位・US8位)

12. Rita Ora「Your Song」(UK7位)

13. Olly Murs & Louisa Johnson「Unpredictable」(UK32位)

14. Bruno Mars「That's What I Like」(UK12位・US1位)

15. Jason Derulo feat. Nicki Minaj & Ty Dolla $ign「Swalla」(UK6位・US29位)

16. Katy Perry feat. Migos「Bon Appétit」(UK37位・US59位)

17. Nick Jonas feat. Anne-Marie & Mike Posner「Remember I Told You」(UK97位)

18. Lady Gaga「The Cure」(UK19位・US39位)

19. Camila Cabello「Crying in the Club」(UK14位・US47位)

20. Niall Horan「Slow Hands」(UK7位・US19位)

21. Miley Cyrus「Malibu」(UK11位・US10位)

22. Ariana Grande「One Last Time」(UK2位(2017) 24位(2015)・US13位(2015))

(disc-2)

01. French Montana feat. Swae Lee「Unforgettable」(UK3位・US9位)

02. Sigala & Ella Eyre「Came Here for Love」(UK6位)

03. Maggie Lindemann「Pretty Girl (Cheat Codes & Cade Remix)」(UK9位)

04. The Weeknd「Rockin'」(UK26位・US44位)

05. Little Mix feat. Machine Gun Kelly「No More Sad Songs」(UK15位)

06. Jax Jones feat. Demi Lovato & Stefflon Don「Instruction」(UK38位)

07. Cheat Codes feat. Demi Lovato「No Promises」(UK18位・US74位)

08. Disciples「On My Mind」(UK15位)

09. J Hus「Did You See」(UK9位)

10. Kendrick Lamar「Humble」(UK6位・US1位)

11. Future「Mask Off」(UK22位・US5位)

12. Kygo & Ellie Goulding「First Time」(UK34位・US67位)

13. Martin Garrix & Troye Sivan「There for You」(UK41位・US94位)

14. Rudimental feat. James Arthur「Sun Comes Up」(UK18位)

15. Hailee Steinfeld「Most Girls」(UK37位・US66位)

16. Selena Gomez「Bad Liar」(UK23位・US20位)

17. Neiked feat. Mimi「Call Me」(UK55位)

18. RAYE「The Line」(UK65位)

19. Fifth Harmony feat. Gucci Mane「Down」(UK47位・US42位)

20. HAIM「Want You Back」(UK56位)

21. JP Cooper「Passport Home」(UK86位)

22. Take That「Giants」(UK13位)

23. Artists for Grenfell「Bridge over Troubled Water」(UK1位)

収録曲は”クリーンバージョン”となるため、仮に収録曲で気に入ったものがそちらだった場合は元の楽曲を購入することをお勧めします(特にヒップホップ)。

 

個人的な注目はカルヴィン・ハリスがヒップホップおよびポップの名手を招聘した「Feels」。

たとえば『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)チャートを制したこの曲。海外でのチャートアクションはさほど振るわないものの、同曲を収録したカルヴィン・ハリスのアルバム『Funk Wav Bounces Vol.1』は好事家を中心に絶賛されており、自分もこの38分弱の音世界に何度もトリップしています。アルバムについては、bmrで荘治虫氏が徹底解説しており読み応え十分です。

 

その他、フィフス・ハーモニーと脱退したカミラ・カベロの、共にリスタート曲が収められるというのは心憎いというか、良くも悪くもスキャンダラスな気もしますが...聴き比べてみる分には両作品の収録はありがたい限りかと。そんな『Now 97』、是非手にしてみてください。

米ソングスチャート、10週以上の長期政権曲をおさらい

ビルボード、最新7月29日付ソングスチャートにおいて、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が10週目の首位に立ったことは一昨日お伝えしました

その流れを受けて、米ビルボードでは以下の記事を掲載。さて、「Despacito」はどこまで伸びるのか?

ツイートのリンク先には10週以上首位獲得曲、35曲が掲載。そのうち2000年以降の楽曲はなんと22曲で全体のおよそ63%。しかし13週以上となると10曲にとどまり、2000年以降の楽曲はマーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015 14週)、ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009 14週)、マライア・キャリー「We Belong Together」(2005 14週)とわずか3曲、全体の30%しかありません。時代と共にチャートを構成する指標の比率が変わったり、そもそも指標そのものが変わってきていることで、最近では一度火が点くと長期政権になりやすいのでしょうが、しかし3ヶ月を超える特大ヒット...となると難しいのかもしれません。

 

「Despacito」は最新チャートにおいて、各指標の数値的には微減していますがライバルは不在。しかし、ジャスティン・ビーバーがフィーチャーされたリミックス版のミュージックビデオが未だに出ていないことから、今後そのビデオが登場するという”仕掛け”が功を奏せばストリーミングが伸びて更なる長期政権が担えそうな気もしますが、果たして?

デイトリック・ハッドンによるソウルクラシック使いな「Glory」に心躍る

R&Bの要素を持つゴスペルは”コンテンポラリー・ゴスペル”と呼ばれています。このブログでは以前、エリカ・キャンベルによるマイケルマナーな「Nobody Else」などを紹介してきました。

男性ゴスペル歌手でコンテンポラリー・ゴスペルといえば、その筆頭に挙げられるのはデイトリック・ハッドンでしょうか。下記ブログでは彼のこれまでの作品のうち、ザ・ウィークエンド、ボビー・ヴァレンティノ(というかボビーをプロデュースしたティム&ボブ)、そしてプリンスを踏襲した曲を紹介しています。

そのデイトリック、8月4日にニューアルバムをリリースすることが決定。今回のアルバムは”デイトリック・ハッドン&ヒル・シティ・ワーシップ・キャンプ”という(クワイア)名義でのリリース(アルバムタイトルも同じ)。クワイア...すなわちコーラスグループではコンテンポラリー・ゴスペルは見込めないのでは? そんなことを先行シングル「A Billion People」からは感じていました。これはこれで良い作品なのですが。

しかし、アルバムに収録される「Glory」を聴いて驚き、そしてガッツポーズ。ソウルクラシックにしてサンプリングで愛用される、エムトゥーメイ「Juicy Fruit」を取り入れた(であろう)トラックになっているのですから。

サンプリングのデータベース、WhoSampledによると、「Juicy Fruit」は85曲に用いられています。例えば。

シディベ「I'm Only Dreaming」は、松尾潔氏が昨年のベストソングランキングで19位に挙げたミディアム(ランキングについては松尾潔 2016年 ベスト・メロウソング トップ20 - miyearnZZ Labo(1月25日付)を参照してください)。いずれの曲も「Juicy Fruit」のドラムパターンを(主体に)用いており、サンプリング曲を聴いてきた身には「Juicy Fruit」を用いた曲には抗えないんですよね。

 

今回のデイトリック・ハッドン&ヒル・シティ・ワーシップ・キャンプによる「Glory」は、ゴスペルでもサンプリングを用いるという柔軟性、そしてゴスペル(クワイア)とR&Bとの相性の良さを改めて示す好例になったと思います。また、80年代マイケル・ジャクソンを意識したと思しき「Come By Here」も素敵なのでこちらも是非。

 

トラックリストはこちら。また今回紹介した3曲および「Fireworks」がApple Musicで現段階で聴取可能(→こちら)。このアルバム、今から本当に楽しみです。

米ソングスチャート、ライバル不在の「Despacito」が10週目のトップに

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の7月17日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、7月29日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が遂に10週目の首位を獲得しました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

なんといっても「Despacito」の強さが際立ちます。史上35曲目となる10週以上の1位獲得曲となりました。しかも先週に続いて3指標全てで1位獲得という”完全勝利”。実際は全指標で前週に比べて下降しているものの2~3%ダウンに留まっており、未だ安定していると言っていいでしょう。最長1位獲得曲がマライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」の16週(1995-1996)でしたが、他にライバルも見当たらず、ひょっとしたら記録更新もあり得るかもしれません。

ライバルになり得るとすれば2ランクアップで2位に浮上したDJキャレド feat. リアーナ&ブライソン・ティラー「Wild Thoughts」でしょうか。しかし最高位を更新したとはいえストリーミング2位、デジタルダウンロード10位、ラジオエアプレイ8位と「Despacito」に遠く及ばず、しかもストリーミングではわずか1ランクの違いながら「Despacito」の6割強しか再生されていないというのですから、如何に差があるか理解出来るでしょう。

2位以下は団子状態と言える中、1月28日付で初登場首位を記録したエド・シーラン「Shape Of You」は今週5位に留まり、これでトップ5在籍27週で歴代首位タイとなりました。同じく27週を記録しているのはザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(2016-2017)ですが、次週以降ライバルが登場しなければ単独トップもあり得るかもしれません。

 

さて今週トップ10入りしたショーン・メンデス「There's Nothing Holdin' Me Back」がチャートの嵐になるかといえば、正直微妙かもしれず。

日本デビューを果たし、またキャリア史上3曲目のトップ10入りとなった(「Stitches」最高4位(2015)、「Treat You Better」最高6位(2016))ことでチャート常連になった感のあるショーンですが、この曲が上昇した要因はiTunes Storeでの69セント安価販売、およびアコースティックバージョンの登場によるゆえ。デジタルダウンロードは前週比2%上昇に留まっているのですが同部門2位に上昇しています。この安価販売等を機に更に多くの注目を浴びればより高みに行けるのでしょうが果たして。ちなみにデジタルダウンロードの数値は57000であり「Despacito」のおよそ46%でしかありません。本当に「Despacito」の勢いたるや...ですね。

 

 

ラジオエアプレイ2位の数値は記事では明かされていませんが、デジタルダウンロード、ストリーミングであまりにも1位と2位の開きがあるゆえ、「Despacito」はあと数週トップに留まることは間違いないでしょう。では虎視眈々とその座を狙うのは誰か?というわけで、もうすぐトップ10を以下に。全て初登場とのこと。

・ジェイ・Z「The Story Of O.J.」(23位)

・ジェイ・Z「4:44」(35位)

・ケシャ「Praying」(25位)

また21サヴェージ「Bank Account」も33位に。こちらはビデオなし。ジェイ・Zおよび21サヴェージは今週のアルバムチャートで1位と2位を獲得しておりそこからのナンバーが高位置に登場したという次第。ちなみにジェイ・Zについては本来前週付のアルバムチャートに登場するべきなのですが...その理由等はジェイ・Z新作『4:44』が今年4番目のデビュー記録で全米チャート初登場1位に | bmr(7月17日付)に掲載されていますのでそちらを是非。また、ケシャについては再出発となるシングルであり、正統派バラードを用意したということに大きな意味が込められていると実感。応援したいと思います。

w-inds.の新曲「Time Has Gone」がまたも凄いことになっている

やはりこの曲の素晴らしさは紹介しないといけませんね。

ツアー開幕直前、このような形で新曲を発表した(現時点でリリース予定はない模様)のは、それだけこの曲が自信作であるという証拠。TD(トラックダウン。『レコード制作で、数多くのチャンネルに分けて多重録音されたものを混ぜ合わせ、音質や抑揚を決めて一つの曲にまとめていく過程』の意味。『』内はコトバンクより)までKEITAさんが手掛けているのですから驚きました。

 

個人的に特に強く惹かれたのは、今年上半期に好事家の間で話題になった彼らによる「We Don't Need To Talk Anymore」でみられた手法がこの曲でも用いられている点。

たとえばボーカルドロップ。こちらについては音楽ライターの柴那典氏が書いたこの記事が解りやすいです。

この曲で洋楽トレンドを見事に咀嚼したこと(しかもそれがKEITAさんによるもの)を示したw-inds.ですが、この曲でもボーカルドロップを使用。真のサビは(たとえば1番においては)1分06秒以降、”Time”の繰り返しからのタイトルフレーズのリフレインとなるのですが、こちらにはボーカルチョップ(ボーカルドロップと混同しやすいですが、ボーカルチョップは『あらかじめ録音された音声をずたずたに切り刻んで、細かくランダマイズして再生する手法』のこと。Akihiko Matsumoto Web - Vocal Chop / ボーカルチョップより)も用いられています。しかしながら単にボーカルチョップを用いたのみならず、サビ後半のタイトルフレーズのリフレインにおいて、機械化された声に生声が被せられているのが実に面白いんですよね。それにより、単にボーカルドロップのもつ高揚感(乱暴に言い換えれば、何も考えなくとも楽しめる感覚)を抱けるのみならず、この曲の持つ歌詞世界の輪郭をよりくっきりと浮かび上がらせる効果があるのです。

この曲の歌詞はまだ公開されていませんが、おそらくは”喪失”がテーマ(モノクロのミュージックビデオもそれを意味しているのかもしれません)。愛する人を失って変に気持ちが宙に浮く感覚と、そして気付いたときには悲しみの淵にいた...という歌詞の主人公の心情が、このボーカルドロップ、そしてボーカルチョップと生声のブレンドに表れているように思います。

 

 

もっともっとこの曲についての研究が必要と思いつつ、しかし曲を聴く毎に新たな発見がある他、単純に何度聴いても飽きないというのは見事としかいいようがなく、w-inds.恐るべし!なのです。

”キミにきめた”から呼び起こされた昭和語尾カタカナ問題

Twitterのトレンドには企業等によるプロモーションも掲載されており、昨日は映画『ポケットモンスター』最新作のサブタイトルより【#キミにきめた】がトレンド最上位に掲げられていました。で、昭和人としてはこの曲が浮かんでしょうがなく。

サビ前の”♪けって~!”のいい意味での脱力感たるや。

 

個人的に思うのは、”キミ”もさることながら、歌詞に出てくる”当るサ”の”サ”に代表される語尾のカタカナ問題こそ昭和あるあるではないかと。余談ですが自分の母は、頼み事をする際メモに”お米3合炊いておいてネ!”と書いていて、”ネ!”を見るたびにうわわわ...と。普通に書いてくれと思ってしまうわけですが、昭和時代に青春を過ごすと語尾のカタカナ問題は問題ではなく極々自然な習慣なのかもしれません。

 

で、調べるうちに、昭和最後の時代(の素晴らしさ)を現代に取り戻さんとするアイドルが今年放った楽曲にありました、カタカナ問題の件。

タイトルの”アイツ”もだけど、大サビにおける”何か違ってたカナ”の”カナ”にはグッと来てしまいました。ベッド・イン、こういうところにまで昭和感を徹底させているだなんて、なんて素晴らしい人たちなのでしょう。

そんな彼女たちが9月6日に発売するニューシングルのタイトルは「CO・CO・RO グラデーション」。今度はベッド・インの曲を契機に”CO・CO・RO”のような表現が使われた昭和歌謡を探してみないといけませんね。