face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。ラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)のスタッフのひとりを担当しています。

お問い合わせやご意見などは、Twitterアカウント(@Kei_radio)宛にダイレクトメッセージにて、お願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

いい意味でヤバいかもしれないラジオキャンペーンと、悪い意味でヤバいと思う地元ラジオ局の姿勢

全国のラジオ局が一丸となった、新しいキャンペーンがはじまりました。

キャンペーン自体は『ラジオとまだ接触したことのない10代の人たちにラジオに気軽に触れてもらうため』の施策(『』内はNHK・民放連共同ラジオキャンペーン 『 #このラジオがヤバい 』がスタート!(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース(2月18日付)より)。実はこのキャンペーン、一昨年から昨年にかけて"#スマラー"普及を図っていましたが思惑は外れたように思います(私見新年度、ラジオ業界の大変革(2018年4月1日付)に掲載)。これまでのキャンペーン一覧はWikipediaに掲載されていますが、キャッチコピーが格好悪かったり、自ら略すことで使い勝手の良さを示したつもりがピンとこなかったりで好感を抱けなかった一方、"~がヤバい"というよく用いられる言葉を使うことでこれはアリかもと思う自分がいます。さらにキャンペーンサイトをざっと見た限りですが、10代向けキャンペーンであるはずがホームページには"10代向け"の文言がなく、それもまた好印象です。

 

ラジオが若年層リスナーを獲得するには…を考えるに、YouTuberやボカロPといったインターネット発の方をラジオに招き入れることも手段のひとつではないかと。ネットラジオに比べて実際のラジオ局は時間等に制約がありますが、ラジオ制作に長けた者から知識や技術を投じられることで、より洗練され聴き心地の好い番組が出来ると思います。そう感じたのは、昨日偶然このラジオを耳にしたため。

動画投稿サイトでの歌い手として音楽活動をスタートさせ、公式YouTubeチャンネルの登録者数が現段階で87万人を超えるEveさん。今月リリースしたアルバム『おとぎ』がビルボードジャパン、最新2月18日付アルバムチャートで4位に初登場し、また収録曲「僕らまだアンダーグラウンド」が同日付ソングスチャートで29位にランクイン、ラジオ指標では首位を獲得した今注目の歌手なのです。

(ミュージックビデオを手掛けたのが錚々たる面々ながらこの曲の動画再生指標が一度も300位以内にランクインしていないのが不思議です。1月24日に公開され現段階までに381万再生となっているため、おそらく登録の問題があるかと。)

そんなEveさんが今回『出張ぼっちラジオ』という特番に出演し、事前に公式ホームページで募集したメッセージ(コーナーへのネタ投稿含む)を踏まえながら自身の楽曲を紹介。不慣れな点がいい意味で愛くるしく、そして音楽と喋りのギャップに驚きました。ギャップといえば中島みゆきさんが筆頭に挙げられますが、みゆきさんもまたラジオの人であり、ギャップってミステリアスな世界観を形成する一要素だよなあと実感。Eveさんも素顔を明かしていませんよね。

その名は以前から知っていましたが曲を知るまでには至れずなインターネット発の歌手は少なくないのですが、仮に彼らがネットでラジオを放送していたとして、そのラジオを"たまたま流れていたから聴くことが出来た"というシチュエーションはほぼ皆無でしょう。そのラジオを放送するYouTubeや動画投稿サイトには自らアクセスせねばならず、ラジオのようにつけっぱなしにしていたら耳にしたということはありません。強い私見と前置きして書くならば歌い手等の方々はそのクオリティが高いながらもインターネットの世界以外での認知が足りていない、逆にラジオはインターネットで活躍する方々の作品を好んでかける傾向にないと感じており、今回のようなインターネット発の歌手を呼び込む企画は歌い手にもラジオ業界にも好いのではないかと思っています。個人的にはラジオを聴いてEveさんが強く気になりました。

 

 

さて、自分がこの『出張ぼっちラジオ』をどこで聴いたか…それが問題。偶然ラジオから流れてきたのは間違いないのですが。

このエフエム青森の日曜19時枠については今年はじめに問題を提示しています。

改善案も記載しているのですが、エフエム青森は先月は少なくとも2週分、今月は4週のうち初週を除く3週も『Joint&Jam ~global dance traxx~』を休止しています。さらに、『出張ぼっちラジオ』については特別番組欄に記載していませんでした。

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(昨夜の段階でのキャプチャを掲載します。問題があれば削除いたします。)

『出張ぼっちラジオ』が問題だというのではなく、放送するならばきちんと前もって特別番組に掲載してほしいですし(これは『出張ぼっちラジオ』にもEveさんにも失礼です)、何よりも『Joint&Jam ~global dance traxx~』サイドに非礼極まりないと思うのです。しかも先に引用したEveさん側のツイートを見るに、2月頭の段階で既に特別番組放送が決まっていたわけですから尚の事。『Joint&Jam ~global dance traxx~』が今もレギュラー番組であることをタイムテーブルで確認しましたが、英語の全角やカタカナの半角が用いられていること、そして『Joint&Jam ~global dance traxx~』でDJ JINさんとタッグを組むのはDJ HERIさんなのに"HER"という誤植…ホームページに時間を割けるスタッフがいないのか、やる気がないのか、それともその両方なのか? 事情はわからないものの、見にくくまた無礼であることには間違いありません。このタイムテーブルは何年も前から指摘しているのですが…。

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以前からエフエム青森には何度となくここで、編成やホームページの問題を指摘していますが、ここまで来るともはや改善する気力がないのでは、と思ってしまいます。自分が感じる悪い意味でのヤバさが最悪の事態に結実してしまう前に、改善を強く求めます。

Foorin「パプリカ」がロングヒットの兆し…さらなるヒットのために改善すべき点が?

昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合他)の影響は、未だにチャートに残っています。米津玄師「Lemon」のように今一度ピークを迎えるものもあれば、あいみょんマリーゴールド」のようにリリース時もヒットしていながらそのピークを超えるものも。そして今日紹介するこの曲は、以前の瞬発的なピークを大きく上回り、徐々に売れてきているのです。

・Foorin「パプリカ」(2018)

曲を手掛けたのは米津玄師さん。

みんなのうた』(NHK総合他)で昨年8月および9月の曲にもなり、来る東京オリンピックに向けてNHKがオンエアを続けるこの曲。実はシングルCDセールス指標は加算初週である2018年8月27日付で17位となり、総合で23位を記録したのですが、翌週から長きに渡り100位圏外に。それが今年1月14日付で総合32位にカムバック。以降緩やかながら上昇し、最新2月18日付では最高位となる21位に到達しました。

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1月14日付の集計期間は紅白放送日を含んでおり、先述した「Lemon」や「マリーゴールド」の再浮上が多く見られた週。

Foorin「パプリカ」も紅白で披露されましたが、この曲の動向をみるといろいろ面白いのです。

 

まずはシングルCDセールス。週間最高売上は先述した加算初週での4965枚。一方、紅白で"多くの方に見つかった"週、1月14日付の売上は965枚。売上はピーク時の5分の1未満であり、また順位も23位対32位(前週は100位圏外)で1月14日付のほうが低いのですが、しかし総合ポイントでは1525対1649となり後者が上回っているのです。シングルCDセールス指標は紅白以降、順位的には20位台後半~30位台に留まるのですが、セールスは6週連続で前週超えを達成しています。

日付 CD順位 CD売上 前週比
2019/1/14 29 965
2019/1/21 26 1413 146.4%
2019/1/28 30 1576 111.5%
2019/2/4 37 1666 105.7%
2019/2/11 35 1800 108.0%
2019/2/18 32 1929 107.2%

(※1月7日付は100位未満のため同日付の売上枚数は把握出来ず。)

 

そして特筆すべきはストリーミングとカラオケのふたつの指標。ストリーミングは2018年8月27日付では100位はおろか300位以内にも入っていませんでしたが、1月14日付で43位に登場した後、順調に推移し最新2月18日付では13位に。また2019年度からカウント対象となったカラオケですが、1月21日付になってはじめて300位以内に入り、最新2月18日付では初の100位以内となる75位を記録しました。

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カラオケ指標のない2018年8月27日付と同指標が加算された最新2月18日付を単純比較することは難しいものの、仮に前年度にカラオケ指標があったとして、それでも総合ポイントは最新分のほうが高いはずです。同曲におけるカラオケ指標の推移、また一般論ですがカラオケ指標の盛り上がり方は他指標と異なり、ピークに至るまでの時間が長い傾向があるゆえです。

 

実はシングルCDセールス指標も、2018年8月27日付以降100位圏外となって以降、一度として300位未満とはならず、同指標のカウントは継続しているのです。子どもや子どもの親の声を聞く環境にないため詳細は判りかねますが、NHKの各番組(『みんなのうた』や『シャキーン!』等)で「パプリカ」が流れたことで子どもが興味を抱き、学校等でこの曲を教材として用いたことによりニーズが定期的に発生したのではと推測、それが紅白で"化けた"というのが自分の見方です。ダンスビデオを発売の1ヶ月前から公開したことは、振り付けを覚えて学校等で歌ってね、という思いゆえかもしれません。

 

無論次週以降ランクダウンの可能性は否めませんが、シングルCDセールスの安定(実はデジタルダウンロードも似た動きに)、ストリーミングの上昇、そしてカラオケの100位以内ランクインにより、「パプリカ」はロングヒットとなる可能性が高いと考えています。ラジオ指標は新曲主体の印象があるため難しく、Twitter指標はたとえば米津玄師さんとの共演等大きなトピックスがない限り難しいでしょう。となると、さらにチャートを押し上げるには動画再生指標が鍵といえるでしょうが、実は同指標のみ、一度として300位以内に入っていないのです。しかも発売直前に2本目のビデオをアップしていながら。 

ダンスおよび世界観ミュージックビデオの2本で、現段階でおよそ2990万もの再生回数を誇る「パプリカ」ですが、ビデオを発信する公式YouTubeアカウントがFoorinではなくNHKゆえなのか、2本とも動画において楽曲登録がなされていません。

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(上記は今朝の段階でYouTubeに掲載された情報をキャプチャしたものです。登録情報を紹介するために貼付しましたが、問題があれば削除いたします。)

比較として、米津玄師「Lemon」(→YouTube)の動画の詳細を確認すると、ソニーミュージックをはじめとする楽曲著作権管理団体が登録されていることが解ります。 「Lemon」はミュージックビデオ登場から現在までの50週間、動画再生指標3位以内に常に登場しており、登録がきちんと行われていればチャートのカウント対象となるわけで、逆に言えば「パプリカ」の楽曲登録の不徹底が動画再生指標カウント非対象の要因ではないかと怪しんでいます。

そういえばつい先日前、中島美嘉雪の華」における問題も提示したのですが(こちらは登録情報違いというもの)。

発売元である(大きく言えば)ソニーミュージックには、YouTubeの対応強化をお願いしたいところです。

グラミー賞司会&受賞者関連の新作、今週次々にリリース

今年のグラミー賞については様々な見方があり、否定的な声も目立ちます。批判は毎年の様に起こることではありますが。

書き起こし職人のみやーんさんが触れたのは、『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)で今週水曜に音楽ジャーナリストの高橋芳朗氏がお送りしたグラミー賞総括のまとめを踏まえてのものかと。この日の放送を生で聴くことが出来なかった自分は、翌日確認の上で感じたこと(番組で述べられたヒップホップの冷遇についての違和感や、グラミー賞側への取材依頼)を連投ツイートしていますので、こちらにも。

このような意見もあるということを知っていただければ幸いです。

 

さてこの1週間、グラミー賞に関連した新作が相次いでリリースされていますので紹介。

・カーディ・B & ブルーノ・マーズ「Please Me」

ブルーノ・マーズ feat. カーディ・B「Finesse (Remix)」および前回のグラミー賞で主役となったブルーノふたたび! これが実に素晴らしい90'sミッドR&Bなのです。下記は音楽評論家の林剛氏のツイートですが、音楽に造詣が深い方が次々に興奮するくらい、この曲のきらびやかさ&セクシーさが本物であるということがよく解ります。そして。

否定出来ないし、また否定してはいけないと思います。

『24K Magic』からの流れを見事に引き継いだ「Please Me」ですが、果たしてCD化されるのでしょうか。カーディ・Bの、女性では初となるグラミー賞最優秀ラップ・アルバム賞受賞作『Invasion Of Privacy』が今月ようやくCD化されますが、同賞受賞式で披露された「Money」およびこの曲が収録されるかは不明。

 

アリシア・キーズ「Raise A Man」

今年のグラミー賞、司会を担当したアリシア・キーズの新曲は、2分台も出現する近年のヒット曲とは一線を画す、6分台の大作。アリシアは2002年(第44回)のグラミー賞で最優秀新人賞等を獲得しているのですが、その時のライバルのひとりが今週アルバムをリリース。

インディア・アリー『Worthy』

アリシア・キーズインディア・アリー共にグラミー賞のタイミングでリリースしてくるのは嬉しいですね。カーディ・B & ブルーノ・マーズも含め、次週以降のチャートアクション等が楽しみになってきました。

映画発のリバイバルヒットはトップ10ヒットになるか? 「Get Wild」と「雪の華」の最新チャート動向

最新2月18日付、ビルボードジャパンソングスチャートをひとつかみ。昨日は動画再生指標に関連した私見を掲載しました。

近年のチャートにおいてはリバイバルヒットが少なくない傾向があります。荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」のようにBGMとして用いられた動画が話題となる件、数年前の楽曲をタイアップで起用しその選曲がセンスの良さを感じさせるホンダのCM曲等ありますが、やはり目立つのは映画関連のヒット。なんといっても『ボヘミアン・ラプソディ』により、サウンドトラックおよびベストアルバム共々クイーンの楽曲がヒットしたのが筆頭に挙げられるものの、ソングスチャートでは結局一度もトップ10入りすることはありませんでした。まだ可能性は無きにしもあらずですが。

上記は1月28日付ソングスチャートを踏まえてのエントリーでしたが、映画のタイトルにもなったクイーン「Bohemian Rhapsody」(1975)はその後、16→28→27位と推移。最後に盛り上がるタイミングがあるとすれば映画賞で快挙を成し遂げた際になると思われ、しかもその可能性は不明なことから今後下がる可能性は否めません。

 

さて、そんな映画関連では現在2曲が上昇中です。

TM NETWORKGet Wild」(1987)

フルではないですが、動画来ましたね!

先週公開された映画、『劇場版シティーハンター <新宿 プライベート・アイズ>』主題歌で、1月28日付で58位に登場した後、73→73→38位と推移。次回のチャートの集計期間は公開1~2週目分にあたるため、興行収入ランキングで初登場4位を記録した映画の熱が冷めやらなければ、勢いを維持するかさらなるヒットが期待出来ます。

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この曲についてはシングルCDが廃盤の模様ゆえシングルCDセールスおよびルックアップ指標が期待出来ないものの他指標が一斉に上昇。個人的には4週連続で100位未満ながら動画再生指標が今後盛り上がってくることに期待したいですね。上記ミュージックビデオ(残念ながらショートバージョンですが)はお笑い芸人出演CMの基礎になったものであり、そのCMと比較して観たがっていた方も多いはず。7日木曜に公開された上記動画が勢いを増していけば、動画再生指標100位以内も有り得そうです。この形は以前自分が望んでいたものゆえ、嬉しいですね。

 

中島美嘉雪の華」(2003)

今月1日に公開された映画『雪の華』のモチーフになった楽曲。実は毎シーズン、冬になると総合チャートで300位以内に入っていたのですが、映画公開のタイミングで今シーズンは冬のはじめから存在感を発揮し、この5週では43→44→32→13→12位とトップ10目前まで来ています。

面白いのは、この曲においては最新2月18日付においてシングルCDセールス指標が100位未満ながらランクインしている点。タワーレコードでシングルの情報をみると廃盤となっていないことから、映画を観た人がシングルCDを購入するという流れがわずかながら生まれていることが解ります(廃盤か否かの判別基準は難しいのですが、オンラインショップの在庫表記をみると解るという声があり、タワーレコードの情報を紹介しました)。

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他方気になるのは、今週動画再生指標が"突如"ランクインしている件。「雪の華」のCHART insightは2014年度から計測されている(つまりはそれだけ昔からランクインしている)のですが、動画再生指標のランクインは今回がはじめて。上記ミュージックビデオ自体2012年1月6日に公開されているので不思議に思い、ミュージックビデオに登録されている楽曲情報を確認すると。

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(上記は今朝の段階でYouTubeに掲載された情報をキャプチャしたものです。登録情報を紹介するために貼付しましたが、問題があれば削除いたします。)

ライセンス所持者こそ日本主体ですが、歌手名は中国の女優で歌手のハン・シュエさんとなっています。なぜこのような登録になったかは不明ですが、もしかしたらミュージックビデオにおける登録情報がおかしなことになっているため動画再生指標にカウントされないのではないでしょうか(そして一方では別の動画に「雪の華」が登録され、そちらがカウントされているとも言えそうです)。これがきちんと直っていたならば、クイーン「Bohemian Rhapsody」が成し遂げられなかったソングスチャートトップ10入りも有り得たはずです。映画『雪の華』が登場2週目の興行収入ランキングにおいて前週より6ランク大幅ダウンしているゆえ(3→9位)、急いで修正しないと映画効果も得られないまま失速しそうな気がします。

動画再生指標の上昇が新しいヒットの手法に…しかし邦楽では厳しい? 2月18日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

2月4~10日を集計期間とする2月18日付チャートが昨日発表されたビルボードジャパン。Kis-My-Ft2「君を大好きだ」が、IZ*ONEの日本デビュー作となる「好きと言わせたい」を僅差で交わし首位に。ジャニーズ事務所所属グループとしては前週のジャニーズWEST「ホメチギリスト」に次ぐ2連覇を達成しました。

しかしながら気掛かりな点が。今週の1位、2位共に。

実際、前週初登場で20位以内に入った9曲のうち、今週も20位以内をキープしているのはわずか2曲しかありません。

前週の9曲中、1指標、それもシングルCDセールスもしくはデジタルダウンロードという"所有"に関連した指標のみで総合ポイントの過半数を占めた曲が実に8曲もありました(残る1曲もほぼ5割という状況)。

が、その中で今週チャートを上昇したのはONE OK ROCK「Wasted NIghts」のみ(14→6位)。同曲は今週リリースのアルバムの先行曲という位置付けもあり、アルバムの機運が高まる流れで上昇したことになるでしょうが、とはいえ他に上昇はおろかキープした曲がないのは寂しい限り。所有指標に特化した(総合ポイントの過半数が占められた)曲が、ストリーミングや動画再生指標等、"接触"に関連した指標をどう上げるかが複合指標チャートの勝負どころであることが解りますし、その意味ではKis-My-Ft2もIZ*ONEも次週どうなるか…私見と前置きしますが、懸念しているところです。

 

 

さて、前週のチャートでいきなり動画再生指標トップに立ったのがダイナソーJr.「Over Your Shoulder」。総合でも18位に登場したこの曲は今週69位に急落も、動画再生指標は5位にとどまっています。同じく前週急伸した楽曲の動画再生指標をみると、U2「One」が5→29位、マッチボックス・トゥエンティ「If You're Gone」が6→56位、アズテック・カメラ「The Belle Of The Ball」が14→37位(いずれも総合チャート100位未満)。このチャートアクションの不思議については前週、推測と前置きした上でブログに記載しました。

この動画再生指標急上昇の件について、ビルボードジャパンが昨日、ダイナソーJr.「Over Your Shoulder」を中心に取り上げ、見解を発表しています。

同曲がいきなり上位にチャートインしたのは、先日某バラエティ番組で取り上げられた地上波番組コーナーが一般ユーザーによってYouTubeにアップロードされ、そのBGMとして使用されていた同曲の再生回数がカウントされたことによると思われる。大きく数字を伸ばした動画自体は前週調査した時点ですでに削除され視聴することはできないが、いくつか関連動画が残っているため当週も再生数を伸ばしているものの、前週ほどの勢いは衰えつつあるようだ。

【ビルボード】Kis-My-Ft2「君を大好きだ」が3冠で総合首位獲得 総合2位のIZ*ONE「好きと言わせたい」とわずか約250ポイント差 | Daily News | Billboard JAPAN(2月13日付)より

おそらくは自分の推測がほぼ間違っていなかったことに。とはいえ『TOKIOカケル』でガチンコファイトクラブが言及された2月6日が集計期間となる今週のチャートでは意外に伸びなかったなあと思うのですが、違法アップロードの指摘を受け削除されたことで、動画がきちんと観られなくなったことが影響しているのでしょう。

ただ今回の出来事が、今後のヒットの作り方のヒントになったのではないでしょうか。

一般ユーザーによる既存楽曲を使用した動画は、その楽曲の使用が権利者によって禁止されていない限り、このような使用によって再生回数を伸ばすことは可能だ。ただし、映像自体が無許諾である場合、削除対象となる。本件は、一般ユーザーがアップロードした楽曲や動画についてYouTubeのシステムが十分に機能していることを示し、権利侵害とならなければ新たなバズを生みだし、メディアに報じられることでそれを一層拡大させることができた一例と言えるだろう。

【ビルボード】Kis-My-Ft2「君を大好きだ」が3冠で総合首位獲得 総合2位のIZ*ONE「好きと言わせたい」とわずか約250ポイント差 | Daily News | Billboard JAPAN(2月13日付)より

自分もガチンコファイトクラブが要因と推測した2月10日付ブログの締めに、似た意見を記載。こちらはテレビ映像に関する指摘ではありますが、『動画の違法性の問題視は勿論必要なことですが、コンテンツを持つ側が著作権をきちんとクリアにした上でYouTubeにアップすることも今後求められるかもしれません』と書きました。

 

さて、この権利関係をクリアしたと思しき動画によって、新たなヒットが今週生まれています。

今週の動画再生指標を賑わせたのがDJで音楽プロデューサーのマシュメロ。

実はアメリカで、バスティルをフィーチャーした「Happier」が最新2月16日付米ビルボードソングスチャートで8→2位へジャンプアップしたのですが、日米共にマシュメロの楽曲を押し上げたのは、ゲーム『フォートナイト』が2月2日土曜に開催したヴァーチャルライブに彼が登場したことでした。

上記ブログエントリー内リンク先ではヴァーチャルライブ直後のマシュメロの楽曲の、おそらく世界における急上昇の度合いを紹介する記事を貼付しましたが、日本での動向は下記に。

こちらのYouTubeチャートは2月1日から7日を集計期間とするためビルボードジャパンのそれと若干ずれますが、ライブの余韻が8日以降も続いたものと思われます。

この『フォートナイト』で披露されたヴァーチャルライブの模様は、同日中にマシュメロの公式YouTubeチャンネルに登場しており、現段階でおよそ2384万回の再生回数を記録しています。

この動画には「Alone」や「Happier」等が登録されており、この動画を観たことで登録楽曲の再生回数が伸びるのみならず(これはガチンコファイトクラブと似たカウントアップ手法と言えるでしょう)、この曲を気に入った方がライブで用いられた楽曲を彼の公式YouTubeチャンネルで聴くことでその再生回数も各楽曲にカウントされることに。そしてなにより、上記動画は『フォートナイト』の権利関係をクリアしているだろうからこそマシュメロの公式YouTubeチャンネルに掲載可能なんですよね。

 

このヴァーチャルライブによる動画再生指標上昇→総合チャート急伸という流れもまた、新たなヒットの手法と言えるでしょう。ダイナソーJr.を例とするガチンコファイトクラブとの違いは、権利関係をクリア出来ているかどうか。そういえば昨日ブログに掲載したゴスペルライブの動画に関しても、放送したBETの公式YouTubeチャンネルに掲載されており(ただこの場合、各動画には楽曲が登録されていないのですが)、放送等したものを歌手/局の公式YouTubeチャンネルできちんと掲載するという流れは外国ではデフォルトになっているようです。

そういえば昨日のBLACKPINKの記事で紹介された米番組でのパフォーマンスの模様も、番組公式YouTubeチャンネルで視聴出来るようになっています。

これらの例を日本に置き換えるならば、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)や『スッキリ』(日本テレビ)等でパフォーマンスした映像が、その日のうちに放送局や歌手の公式YouTubeチャンネルに掲載されるということですが、日本でこのようなことが出来るかと言われれば極めて難しいというのが現状でしょう。肖像権等の問題もあるでしょうが、何より難解な著作権法が立ちはだかっているような気がします。その流れで書くならば、著作権法をより雁字搦めにしかねない改正の流れが昨日報じられました。

2004年の輸入盤CDが手に入らない可能性を否定できなかった同法改正から追いかけている身には、あくまで私見と前置きして書くならば、著作権法がネット時代に即して変わることも、また広く国民に著作権とは何かを普及させる動きもないまま、ただ権利者の一方的な権利ばかりを強く守ることを目的に、あたかも違法建築物かの如くその都度付け加えられているかのような印象があります。一度柔軟な見方で、時代に即した対応を行わないと、マシュメロやBLACKPINKのようなアップロードは日本においては夢のまた夢でしょうし、国内はもとより海外に日本の楽曲を輩出することは極めて難しいのではないかと思うのです。

 

この2週のビルボードジャパンソングスチャートで、動画が急激に再生回数を上げることで動画再生指標および総合チャートが上昇することがよく解りました。ただ、取り上げた2つの例は違法アップロード、および海外の作品(日本でも観ることは出来ますが)であり、仮に邦楽で同種の仕掛けを行いたいと思う歌手やレコード会社があったとして、しかし日本の柔軟性のない法律等に為す術ないと思っているのではないかと…そう考えると、邦楽ではしばらく今回のヒットの施策を用いることは難しいのではないかと悲しみ、現状の権利に関する環境を訝しむ自分がいます。

スーパーボウル前に開催されたゴスペルイベントから、ゴスペルの"今"を知る

最新、2月16日付米ビルボードゴスペルソングスチャートではカーク・フランクリン「Love Theory」が2連覇。以前予想した通りの状況となっています。

この曲は、5月にカーク・フランクリンが主催するフェスの宣伝を兼ねてのリリースでは…と書いたのですが、もしかしたらこちらでの披露も目的のひとつだったのかもしれません。

アメリカ最大のスポーツの祭典であるスーパーボウル。その一大イベントの前には様々な催しが行われますが、"スーパーボウル・ゴスペル・セレブレーション"もそのひとつ。カーク・フランクリンをはじめ、「Won't He Do It」が特大ヒットとなったコリン・ホーソーン、ベテランのヘゼカイア・ウォーカーやザ・ワイナンズ、R&B界からはこちらも昨年「Leave It Smokin'」で存在感を示したタミア等、錚々たる面々が参加しています。そしてこの模様はイベント直後の2月2日に放送され、翌日のスーパーボウルに華を添えました。

この模様、放送したBETの公式YouTubeチャンネルで一部をチェックすることが出来ますので紹介。こういう局等の公式YouTubeチャンネルがきちんとアップするシステム、日本でも倣ってほしいよなあと思わずにはいられません。

 

・カーク・フランクリン「Love Theory」

・コリン・ホーソーン feat. レクレー「Unstoppable」

最新ゴスペルソングスチャートで12位に急伸したこの曲。イベント直後(放送前)の2月1日にレクレーを招聘した新バージョンをリリースしたことが影響を与えています。

・ターシャ・コブス・レナード「This Is A Move」

・ヘゼカイア・ウォーカー & ザ・スーパーボウル・ゴスペル・NFLプレイヤーズ・クワイア「I'll Make It」~「Jesus Can Work It Out」

・ザ・ワイナンズ & タミア「Tomorrow」~「It's Time」

タミアが今後、ゴスペルでも活動していくのかもしれません。だとしたらとても楽しみです。

 

この5本の動画だけでも、今のゴスペルの様々なスタイルが見て取れますので、ゴスペルに少しでも興味のある方は是非御覧ください。