face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。ラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)のスタッフのひとりを担当しています。

お問い合わせやご意見などは、Twitterアカウント(@Kei_radio)宛にダイレクトメッセージにて、お願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

米ソングスチャート、「Despacito」歴代単独2位となる15週1位! ライバルは3曲?

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の8月21日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、9月2日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が15週目の首位を獲得し、首位獲得週で単独2位に浮上、最多週数記録まであと1週に迫っています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)の16週にあと1週と迫る、15週目の首位獲得。面白いのは、ラジオエアプレイで5位にランクダウン(しかも前週比11%ダウン)しているものの、ストリーミングおよびデジタルダウンロードでは首位をキープ、しかも後者においては前週比2%上昇しているのです(ストリーミングは同6%ダウン)。通常は先にデジタル2指標が落ちた後にラジオエアプレイが減っていくのですが、「Despacito」は独特の動きをしていることが解ります。

今週も2位をキープしたDJキャレド feat. リアーナ&ブライソン・ティラー「Wild Thoughts」はここにきて一気に差を詰め、前週1.46:1だった差が1.19:1にまで縮まっています。ですがこれは、iTunes Storeにおける69セントでの安価販売に伴うデジタルダウンロード上昇(前週比126%アップ)ゆえ。逆に言えば次週、反動でデジタルダウンロードが減少し一気に失速することが予想されます。一方「Despacito」はここにきて、ジャスティン・ビーバー参加のリミックス版を安価販売しているそうで、逆に「Despacito」が次週引き離す可能性は十分といえるでしょう。

 

となると、「Despacito」はこのまま1位を続けて「One Sweet Day」に追いつき追い越すのでしょうか? というわけでいつになるかは分かりませんが、”次の1位候補”を考えてみます。

 

①カーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」

28→14→8→3位と一気に上昇。女性ソロ歌手且つ客演なしでのトップ3入りはアデル「Hello」およびメーガン・トレイナー「No」がヒットした昨年上半期以来であり、無論今年初。それだけに勢いと強さを感じます。各指標はいずれも2桁の伸びを示していますがそれでも「Despacito」はデジタルダウンロードでは3倍近く、ラジオエアプレイでは4倍弱もの差をつけており、早々に追いつくのは難しいかもしれません。

 

ジャスティン・ビーバー & ブラッドポップ「Friends」

8月17日木曜に発売されたジャスティン・ビーバーの新曲(ブラッドポップとの共作)。初日のセールスは16000となり、週間での数値が気になるところ。次週9月9日付での初登場が見込まれており、ジャスティンを抑えるのがジャスティンになるのか注目したいところ。

 

テイラー・スウィフトのニューシングル?

噂レベルではあれどビルボードが記事で言及しているのがテイラー・スウィフトのシングル。昨日ブログで触れていますが、仮にリリースされれば情勢は間違いなく変わるでしょう。

 

 

「Despacito」の首位獲得週記録に注目が集まっていますが、今年12週もの首位を記録したエド・シーラン「Shape Of You」にも注目。今週9位にランクインしたことで32週目のトップ10入りを果たし、トップ10入り週数で歴代トップに並びました。ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(2016-2017)、リアン・ライムス「How Do I Live」(1997-1998)を追い越すかどうか、こちらも次週のチャートに注目です。

テイラー・スウィフト、ニューアルバムは9月? それとも10月以降?

表題の件、個人的にはとても大きな問題なのです。

 

テイラー・スウィフトTwitterInstagram等をいきなり"全消去"したことが話題になっています。

上記サイトにまとめられているのとほぼ同じ内容が昨日の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)で報じられそこで知ったのですが、実はテイラー、新曲さらにはアルバムリリースが近いのでは?という噂が。Twitterではハッシュタグ"#TS6IsComing"がトレンド入りしたようで、アルバムタイトルも『Eclipse』ではないかと持ちきりになっています。

前作『1989』においては先行シングル「Shake It Off」がアメリカで2014年8月18日にリリースされ、アルバムは10月27日にリリース...というスケジュールでした。このためグラミー賞では2015年に「Shake It Off」が、アルバム『1989』(および後のシングルカット曲)が翌2016年のノミネート対象となり、『1989』は『Fearless』以来二度目となる最優秀アルバム賞を受賞しました。

 

で、今回の『Eclipse(仮)』、果たしてアルバムがいつ出るのかが実は大事なところ。つまりは、9月中にリリースされたなら来年のグラミー賞(今年9月までのリリース作品が対象)、その賞レースに関わってくるわけです。

 

あくまで個人的には、アルバム自体は10月以降のリリースになるものと考えています。というのも。

まあこの記事においては、『÷ (Divide)』がグラミー賞有力作品と言われている中で(実際に記事の直後にリリースされたアルバムは大ヒット)、テイラーにお株を奪われたくないというエドの個人的な思いが強く反映されているわけですが。しかしながらエドとテイラーは友人であり、テイラーエドに配慮する可能性はゼロではないでしょう。

そしてもうひとつ、テイラーが最も配慮するかもしれないのがケンドリック・ラマー。今年リリースされたアルバム『DAMN.』が今年上半期ナンバーワンヒットとなっています。

ケンドリックの前作『To Pimp A Butterfly』はグラミー賞において『1989』に敗れてしまいましたが、実は『To Pimp A Butterfly』がグラミー賞を獲るべきだと最も強く考えていたのがテイラーなのではないかと。

尤もこれは自分の推測の域を出ないのですが、今度こそケンドリックに獲ってほしいと願う思いがあれば、テイラーが『Eclipse(仮)』を出し控えるという可能性は高いのではないか、と思うのです。

 

 

ただ一方では、近年顕著になった"突然のアルバムリリース"をテイラーが踏襲する可能性もあります。今や必ずしもCDという形で(一般)流通させなくてもよいと考える歌手が少なくなく、またはフィジカルに先駆けて配信リリースを行い話題性を作る歌手が多い時代です。そんな中、一時ストリーミングに批判的だったテイラーがこの夏"帰ってきた"ことは、突然の配信リリースに対応出来るいわば地固めをしたと言えるわけで、今後は配信を活用したプロモーションも積極的に行うのではないかと思うのです。

 

とはいえ、テイラーは元来カントリー出身。カントリーを聴く人たちは保守的な人が多いと言われ、若者より年配者が、配信よりフィジカルを希望する方が少なくないと考えれば配信先行ではなくきちんとCDの形でも同時リリースさせる配慮は示すかもしれません。ただし次作がカントリー寄り(回帰)であればの話ですが。

 

 

そんなわけでテイラー、次作はどうなるのでしょうか。最後に、あくまで個人的な意見を記載するならば、いくらなんでもSNS等の全消去はないよなあという思いがあります。

実力派"元夫婦"がこの秋のR&Bを彩る

デビューから四半世紀を迎えるシャンテ・ムーアが、来月6日にリリースされるアルバム、『The Rise Of The Phoenix』から「Something To Remember」のミュージックビデオを公開した...と紹介した日本の記事にレスポンスしています。

"Arigato"が世界共通の言葉になっているようで嬉しいですね。

それにしても、彼女の声の魅力が衰えていないのは見事。アルバムから春に先行公開された「Real One」はアダルトR&Bソングスチャートで最高10位を記録し、多くの支持を集めています。

 

さて、シャンテに負けじとアルバムをリリースする予定なのが、元夫のケニー・ラティモア。夫婦として2枚のアルバム(うち2枚目のディスク2がゴスペル作であることは以前ブログで触れています)をリリースしており仲睦まじいところをみせていたのですが、離婚後のふたりの仲は不明(まあ詮索するのは無礼なのですが)。しかしアルバムのリリースが10月13日(予定)ということで、およそ1ヶ月という短い間でのリリースに、受け手の中にあの頃のふたりを想起してしまう人はきっといることでしょう。

そんなケニーの新曲、「Push」がこれまた素晴らしいのです。動画ではまだ1分強の公開ですがApple Musicでは全編公開中。

Push - Single

Push - Single

80年代っぽいアレンジや歌い出しがマイケルを想起させ、とても心地よいのです。しかしながらサビの着地点はいつものケニーらしく、瑞々しさと落ち着きを併せ持った仕事っぷりに唸らされます。

 

 

共にこの秋のアルバムリリースがとても楽しみ。声やアレンジの瑞々しさを保ちながらも風格を増していくという、一見相反するものをきちんと併せ持つ人たちに、R&B界の層の厚さを感じます。

自分が大好きな編曲パターン、切なさを醸すアウトロ曲集

最新のベストアルバムにも収録されている、「僕は愛を語れない」のアウトロが大好きでして。

45秒以上もの長い時間、ギター・ベース・ホーン隊が切なくも高まり、絡み合っていくアレンジが大好物だと気付いたのです。

で、この手の作品は他にも。

Negicco「矛盾、はじめました。」

安藤裕子「さみしがり屋の言葉達」

「僕は愛を語れない」の編曲は川口大輔さん、「矛盾、はじめました。」はconnieさんとNEGiBAND、そして「さみしがり屋の言葉達」は山本隆二さん...とバラバラ。つまりこの種のアレンジは決してどなたかの(言葉は悪いですが)手癖ではないんですよね。しかもNegicco関連で以前言及したのですが、今から30年近く前の作品、松任谷由実「届かないセレナーデ」(アルバム『LOVE WARS』収録)もまたこの手のアレンジ。歌詞をリフレインさせつつフェードアウトという形ではありますが、ここでの余韻もまた同じ。編曲は夫である松任谷正隆さんということで、このアレンジの原型、起源が知りたいところです。

 

ふと浮かんだのは、この有名曲をスロウ且つ切なくさせたのかなと思うのですが...果たして。

【Diggin'】90年代以降R&B/ヒップホップにおける"Family Song"

星野源さんが今週リリースしたシングル、「Family Song」が大ヒット中です。

アイドルを抑えて現在セールスチャート首位。セールス単体のみならず、その他の指標を加えればビルボード・ジャパンの総合ソングスチャートは間違いなく制しそうです。

 

この曲、一聴していいなと思えたのは、根底にソウルミュージックのエッセンスが溢れているため。ソウル/R&B好きな自分にはたまらない作品になっています。その点について、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが音世界、そして曲テーマについて長文ながら見事な解説を寄せています。

ソウルミュージックにおける"Family"については、芳朗さんが寄稿しているように家族以上の意味があるということ、そしてそこには黒人差別という問題が根底にあったということは薄々理解していたのですが、その理解が星野源さんの今作を聴いてくっきりした次第。実は今の日本だって、他国(やそこから移住した人)への蔑視や同性愛嫌悪といった少数派差別、多様性に寛容になれないという状況が顕在化していますよね。その暗い状況の中で「Family Song」は、ソウルに根ざしたアレンジを施すことで柔らかく聴こえながらも実ははっきりと【愛】を謳うことで、不寛容の芽をいつの間にか絶やし希望の光を注ぐことに成功している...そんな気がします。

 

さて、上記リンク先の解説ではソウルミュージックにおける"Family Song"がいくつも例示されていました。

これらソウルミュージックのみならず、90年代以降のR&B/ヒップホップにおいても"Family"は重要なキーワード、テーマのひとつとなっています。今回はそれらの楽曲を紹介し、"Family"が指すものについてチェックしてみましょう。

 

 

・パフ・ダディ & ザ・ファミリー feat. フェイス・エヴァンス & 112「I'll Be Missing You」

  (from パフ・ダディ&ザ・ファミリー『No Way Out』(1997))

凶弾に倒れたザ・ノトーリアス・B.I.G.に捧げたナンバー。ポリス「Every Breath You Take」という大ネタ使いが当時のパフ・ダディらしさ全開で大ヒット。ザ・ノトーリアス・B.I.G.の妻フェイスの他、レーベルメイトの112も参加し、"ザ・ファミリー"の結束の高さを示しています。ここでのファミリーとは【レーベルメイト】であり【同士】のこと。

 

メアリー・J・ブライジ「Family Affair」

  (from『No More Drama』(2001))

R&B界で四半世紀活躍し、クイーンの座に就いたメアリーによる2001年の全米No.1ヒット。ドクター・ドレーによる重めのビートが格好良いですね。タイトルを直訳すれば"家庭の問題"となるのですが、下記の楽曲解説ブログによると【仲間(次第)】という意味合いに。もしくは、白か黒かなんて関係ない、人種間の問題なんて音楽そしてメアリーの前では意味のないことと謳っているわけですから、【(人種の壁を越えた)愛】の歌なのかもしれません。

(勝手ながら引用させていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

 

ホイットニー・ヒューストン、シシー・ヒューストン、ディオンヌ・ワーウィック&ファミリー「Family First」

  (from サウンドトラック『Daddy's Little Girls』(2007))

当時の夫、ボビー・ブラウンとの生活により薬漬けになってしまったホイットニーを母シシーがボビー家から"奪い去る"ことを機に、ホイットニーのカムバックに向けて動き出した中での一曲。声は正直戻っていない(いや、最後まで戻らなかった)のですが、家族や親族(ディオンヌ・ワーウィックはホイットニーの従姉妹)に支えられている姿に感動を覚えます。ここでの"Family"は【家族・親類】の意。

 

・キンドレッド・ザ・ファミリー・ソウル feat. スヌープ・ドッグ「You Got Love」

  (from『Love Has No Recession』(2011))

歌手名が示すように、ここでの"Family"は【家族】。フィリーソウルの歌い手として準メジャーで精力的に活動中。そしてどんな歌い手とも積極的にコラボレートするスヌープ・ドッグの対応もまたいいなあと。

 

アリシア・キーズ feat. エイサップ・ロッキー「Blended Family (What You Do For Love)」

  (from『Here』(2016))

この曲の背景にある、アリシア・キーズと夫スウィズ・ビーツ、そしてスウィズの前妻マションダの関係等は下記に。

前妻との間の子、カシーム・ジュニアとアリシアは血がつながってはいないものの、前妻も含め仲睦まじい関係、"ブレンド家族"であることをこの曲で示しています。記事にある通りここでの"Family"は【(血のつながりよりも大切なのは)愛】であり、これこそ星野源「Family Song」に通底するものとほぼ同じなのではないかと実感します。

 

 

他にもまだまだ"Family"にまつわる曲がありますので、気になった方は是非探してみてください。

ちなみに自分がスタッフの一員となって時にDJも担当する『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)、次回8月20日の音楽特集は【家族/Family】です。今回紹介した楽曲がかかるかは未定ですが、様々な素晴らしい"Family Songs"をお送りしていきますのでどうぞお楽しみに。下記FMアップルウェーブのホームページ経由で、サイマル放送でもお楽しみいただけます。

ゴスペル歌手リアンドリア・ジョンソン、R&Bソングスチャートにランクイン

ビルボード、最新8月26日付のアダルトR&Bソングスチャートで29位に初登場を果たしたのがリアンドリア(・ジョンソン)「All I Got」。

80'sサウンドっぽいはじまりの曲ですが、音の薄さを何ら感じさせないのは、リアンドリアの歌唱力の確かさゆえでしょう。地味ではありますが良曲。昨年、32歳の若さで亡くなった弟のグレゴリー(・A・ジョンソン)に捧げられています。

 

この「All I Got」、R&B部門のチャートに登場しているのですが、リアンドリア・ジョンソンはゴスペル畑の方。「All I Got」を収録したアルバム、『Bigger Than Me』(先月発売)の商品内容にリアンドリアのバイオグラフィーが掲載されていますので、下記リンク先を参照してください。

オーディション番組出身ということで実力は確かなもの。それを証明するのが、レーベルメイトでありアメリカを代表するゴスペルシンガー、マーヴィン・サップのトリビュートにて、彼の代表曲「Never Would Have Made It」を歌う姿。

魂のすべてを出し切るような歌唱の逞しさたるや。最前列で聴いていたマーヴィン・サップのリアクションも含め、どれだけ素晴らしい内容か理解出来るはずです。今年のはじめにシングル化されています。

 

この素晴らしさに押され、アルバム『Bigger Than Me』を手にしてみようと思います。収録曲は下記に。