face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。

地元青森県弘前市にあるFMアップルウェーブのラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(日曜17時)のスタッフのひとりとして曲の持ち込み、選曲、DJ(ブレストコナカ名義)を担当しています。毎週様々な音楽特集とメッセージテーマを設け、弘前大学ラジオサークルのメンバーと大人とでわんさか語り合う番組です。少なくとも東北イチ、珍盤をかける頻度の高い番組を自負しています。

またチャート愛好家として、ビルボードジャパン最新チャートを様々な視点から分析し、弊ブログに記載しています。

お問い合わせやご意見、ご依頼などがございましたら、faceknk @ gmail.com宛にお願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

「Old Town Road」が遂に陥落、ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」が首位を獲得した理由は新たな”投入”にあり…8月24日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の8月19日月曜に発表された、8月26日付最新ソングスチャート。史上最長となる19週連続首位を記録していたリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が遂に陥落…首位の座を奪取したのはビリー・アイリッシュ「Bad Guy」でした。

遂に首位が交代しましたが、実は前週この「Bad Guy」はストリーミングで22%ダウンする等、全体で12%もの大幅ダウンとなっていました。ジャスティン・ビーバー参加バージョン投入後の退潮が影響していたゆえもはやこれまでかという見方もありましたが、今週はストリーミングが前週比10%アップの3910万(同指標3位)、ダウンロードが同11%アップの20000(同6位)とデジタル2指標が共に二桁成長を達成(他方ラジオエアプレイは前週比3%ダウンの9300万(同指標6位)に)。この急伸、特にストリーミングにおいては今回の集計期間(デジタル2指標は先週木曜まで、ラジオエアプレイは今週日曜まで)の終盤に新たなミュージックビデオが投入されたことが功を奏しています。

縦型ミュージックビデオの投入はスマートフォンに即した手法であり、今年はじめにホールジー「Without Me」が首位に返り咲いた際にも用いられています。これからの時代、テコ入れ等に縦型ミュージックビデオが投入されることが増えてくるかもしれません。

9週もの2位在籍を経ての首位到達は、ザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」(2017)、ジャスティン・ビーバー「Sorry」(2016)およびアウトキャスト feat. スリーピー・ブラウン「The Way You Move」(2004)の8週を上回る新記録達成。またオルタナティブのジャンルによる楽曲が首位を獲得したのはロード「Royals」(2013)以来。そのロードは16歳で首位の座を掴みましたが、ビリー・アイリッシュはそのロード以来となるティーンエージャーでの首位獲得。それも2001年12月8日生まれであり、21世紀生まれの歌手が初めて米ビルボードソングスチャートを制覇したことに。収録アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』も米ビルボードアルバムチャートを4月13日付で制しており、今回遂にソングス/アルバム双方で首位を獲得しました。

 

リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」は3位に交代。ストリーミングは前週比10%ダウンの5310万、ダウンロードは同23%ダウンの26000でデジタルに指標共に1位。ただしラジオエアプレイが同13%ダウンの3420万となり同指標28位に後退しています。ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」はデジタル2指標を縦型ミュージックビデオ投入等で底上げし、ラジオエアプレイが堅調に推移したことで「Old Town Road」を逆転した形となったのです。

その「Old Town Road」を破ったもう1曲はショーン・メンデス feat. カミラ・カベロ「Señorita」で、1ランクアップの2位に浮上。ストリーミングは前週比4%アップの3620万、ダウンロードは同4%アップの23000とデジタル2指標が共に4位、ラジオエアプレイは同7%アップの9610万で同指標3位となり全指標上昇。この影響でしょうか、ショーン・メンデスは「If I Can't Have You」も1ランクアップで10位に再浮上を果たしています。なお、ラジオエアプレイを今週も制したのは総合5位のカリード「Talk」ですが、前週比5%ダウン。それでも1億2360万と高い数値をキープしています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

2位 (3位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

3位 (1位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

4位 (4位) リゾ「Truth Hurts

5位 (5位) カリード「Talk

6位 (6位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

7位 (7位) エド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」 

8位 (10位) リル・テッカ「Ran$om」

9位 (9位) ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」

10位 (11位) ショーン・メンデス「If I Can't Have You」

次週は「Bad Guy」が、縦型ミュージックビデオが集計期間フルカウントされる影響で首位の座は堅いかもしれませんが、「Señorita」にも首位獲得のチャンスはありそうです。

毎週更新される音楽チャートを取り上げる番組が3週連続で休止…ニッポン放送の姿勢に感じる強い不信

音楽チャートをブログで取り上げる者として大事にしているのは、”毎週紹介する”姿勢。流行の音楽の傾向をつかめるのみならず、後にヒットする曲のブレイクや瞬時に旬が過ぎてしまった曲のタイミングを見つけることが出来ます。動向を追いかけるには定点観測が必須なのです。

しかし、音楽チャートを紹介する番組をぞんざいに扱う放送局があります。それがニッポン放送です。

”ビルカン”こと『BillboardJAPAN HOT100』はニッポン放送で土曜13時から3時間半の生放送。たとえば”HOT100”と銘打った『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)も4時間枠ですので、尺が決して長いというわけではありません。しかしこの番組は以前からスポーツ中継等で削られており、言葉は悪いでしょうがニッポン放送は『BillboardJAPAN HOT100』を”都合の良い番組”化していると捉えていました。その”都合の良い番組”扱いがさらに加速化。一昨日から3週連続で潰れることになるのです。

そして。

聴取率が高い平日帯の”テレフォン人生相談”コーナーのスペシャル版、そして笑福亭鶴光さんの番組が8月31日土曜、共に『BillboardJAPAN HOT100』の枠でOA。8月最終週(8月26日から9月1日まで)の1週間は首都圏のラジオ局が2ヶ月に一度の聴取率調査週間であり、TBSラジオ等が豪華プレゼントやゲストを投入する”スペシャルウイーク”をやめた一方でニッポン放送は番組差し替えも実施する形を維持。今回の”テレフォン人生相談”等の番組はこの一環として放送されます。人気コーナーの枠拡大や懐かしの番組の復刻をすることが問題ではありません。安易に差替し過ぎではないか?それも週毎に上位陣の顔ぶれが変わる音楽チャートを紹介する番組を3週も…というのは番組のみならず今の音楽も大事にしていないのでは?というニッポン放送の姿勢が見えてくるかのようです。ならば『BillboardJAPAN HOT100』はニッポン放送での放送を終了し、そのコンセプトをより信頼に足る他局で取り上げてほしい(そしてその際にはビルボードジャパンが強く関わってほしい)…と提案します。

 

ニッポン放送が大事にしないのは何も番組だけではなく、番組の”中の人”もそうなんですよね。

以前『たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜13時)にて、過去にレギュラー出演していたニッポン放送スペシャルウイーク時の対応を、ネタにしつつ批判していたのが山里亮太さん。

その山里さんのライバル的立ち位置になるのでしょうか、同番組の木曜パートナーにはこの春まで真裏でニッポン放送『レオなるど』を担当していたRAG FAIR土屋礼央さんが就任することに。

ピエール瀧さんから正式交代する前、一度木曜パートナーとして登場した5月16日の放送での土屋さんの話を聴くと、『レオなるど』の番組担当者交代の話等、番組が聴取率面等で芳しくないとあからさまな態度を採るニッポン放送の姿勢が伝わってきます(無論土屋さんは面白おかしく表現していましたが)。『たまむすび』ではライバルとなるであろう山里・土屋コンビは共にニッポン放送に苦汁をなめさせられたこと、また『たまむすび』でのびのび担当している土屋さんの様子をみるとどうしても、ニッポン放送聴取率面で勝てないのは同局が番組や人を信頼しようとしない姿勢が出演者にも、そしてリスナーにも伝わってきているからだと思うのです。ならば、なぜそのことを未だ解ってくださらないのでしょう。仮に今回のスペシャルウイークでも結果が出なかったならば、ニッポン放送にはまず”体質”を改善することを強く勧めますし、求めます。

 

最後に、今回のスペシャルウイーク特番についても。

聴取率調査週間時の”テレフォン人生相談”については以前から違和感を抱いています。4年前の春の同週間時に、”テレフォン人生相談”が1週間通して放送した相談の”コンセプト”から抱いた違和感を再掲します。

それと、たしかに最良の企画を用意とは書いたものの、その結果が今週の【誰にも言えない”家族の秘密”】だとしたならば、ニッポン放送側にとっては先に書いた"不謹慎さ"こそ数字(聴取率)が見込めるコンテンツとして捉えているということではないかと。相談者の深刻な悩みを、ともすれば安易にネタとして軽んじて用いてやしないかという違和感を抱かずにはいられません。無論、相談する以上は(相談者の声を加工することなく)世間に発表されるわけで、それを理解の上で相談者が相談しているということなのでしょうが。考え過ぎと言われればそれまでですが、違和感は拭えないんですよね。

”安易にネタとして軽んじて用いてやしないか”というのは他の相談番組にも当てはまることですが、ニッポン放送は特に酷いという印象があります。その点からも信頼に足る放送局ではないという印象を抱くのは自分だけでしょうか。

”ハレルヤ”はJ-Popにどう落とし込まれているかを比較してみる

遅ればせながら昨日気付いたのですが、今月からOAされているNONIOのCM、カバーバージョンですがYUKIうれしくって抱きあうよ」を取り上げているのですね。NONIOのセンスに惹かれます。

CMに過去の楽曲が用いられる場合、その曲を愛聴した世代をメインターゲットにすると聞いたことがあります。とはいえ、YUKIさんの数多くの楽曲の中で「うれしくって抱きあうよ」を選ぶというのはなんと素敵なことなのでしょう。

CMバージョンはユニゾンで多くの方が歌う、尺に合わせるという理由からBPM速め且つ疾走感強めなアレンジになっており元のバージョンとは結構異なります。個人的には曲を取り上げてくださったことは嬉しいながらも、原曲が気になったならばオリジナルバージョンから溢れ出るフリーソウル感も是非聴いてほしいなと。フリーソウルなコンピレーションアルバムを過去にリリースしたNONA REEVESのメンバーがレコーディングに参加しているからでしょう、ピースフルな雰囲気が尚の事溢れ出ていると思うのです。

 

さて、「うれしくって抱きあうよ」の歌詞についてはセクシーな方向に深読みすることも可能ですが、”ハレルヤ”というフレーズが楽曲に美しさを纏わせているように思います。”ハレルヤ”、元来はキリスト教で用いられる言葉で神様を褒め称えよという意味があり、ゴスペルでは歌唱中の掛け声等で用いられているのですが、J-Popにおいては宗教的にではなく、神々しさや美しさを示す際に用いられる傾向があるのではないでしょうか。そんな”ハレルヤ”が印象的な楽曲をいくつか集めてみました。

 

 

・米津玄師「パプリカ」(2019)

Foorinに提供しロングヒットとなっている楽曲のセルフカバー。コード進行やメロディの改変でアレンジに不穏さが生まれたことで、”ハレルヤ”を含むサビ全体がより強く希望を謳うように聴こえてきます。

 

Da-iCE「パラダイブ」(2016)

突き抜ける明るさ! 夏到来!という感じがサビ頭の”ハレルヤ”に込められています。元来の言葉の意味からいい意味で大きく逸脱している点ではベッド・イン「ジュリ扇ハレルヤ」(2017)も同様。アイドルソングにおける”ハレルヤ”の使い方は面白いですね。

 

鈴木彩子独立戦争」(1990)

高見沢俊彦さんが楽曲を提供した、鈴木彩子さんのデビュー曲。学校を舞台とした歌詞はドラマ『テニス少女夢伝説!愛と響子』(1990 フジテレビ)主題歌に起用されたからとも言えそう。若さゆえの衝動と脆さが”ハレルヤ”に表れているかのようです。

 

奥井亜紀「晴れてハレルヤ」(1995)

”ハレルヤ”をダジャレ的に用いるのはゆず「雨のち晴レルヤ」(2013)も該当しますが、30~40代にはこの曲が刺さるかもしれません。アニメ『魔法陣グルグル』(テレビ朝日)に用いられ彼女最大のヒットとなっています。

 

畠山美由紀「若葉の頃や」(2006)

この7年後にレナード・コーエンの有名曲「Hallelujah」をカバーした畠山美由紀さんによる楽曲(「ハレルヤ」として配信リリース)。「Hallelujah」はオリジナルバージョン共々、ジェフ・バックリィによるカバーも有名です。

「若葉の頃や」の作曲は堀込泰行さん。キリンジ在籍時代には”ハレルヤ”がサビに登場する「スウィートソウル」(2003)を発表しています。キリンジらしい言葉の紡ぎ方が美しく、今日紹介した楽曲の中では”ハレルヤ”の元来の意味を最も強く踏襲したように思います。

 

この他にもMr.Childrenサザンオールスターズといった日本を代表するバンドから、SMAPやAAAといったアイドルまで様々な歌手が”ハレルヤ”という言葉を用いています。それぞれの楽曲における言葉の意味を比較してみるのも面白いかもしれません。

ちなみに”ハレルヤ”が元の意味と最もかけ離れて用いられたのは郷ひろみ「Hallelujah, Burning Love」(2000)ではないかと。聖愛ではなく完全に”性愛”を謳う上に、ゴスペルで用いられる”pray (祈る)”も用いるというのが凄いなと。そして2000年リリースを意識した歌詞、噛み締めたくなりますね。紹介したいのですがデジタルに一切明るくないのが実に残念です。

サザンオールスターズ「愛はスローにちょっとずつ」の販売戦略を思う

ここ最近、サザンオールスターズの公式Twitterアカウントによるプロモーションが目立つと思うのは自分だけでしょうか。

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”プロモーション”と記載されていますが、自分のタイムラインに幾度となく登場したこれらのつぶやきはプロモツイートと呼ばれるもの。ラジオ番組企画の紹介もさることながら、主目的は今週月曜に配信開始となった新曲「愛はスローにちょっとずつ」の宣伝とみられます。

配信限定シングルといえば昨夏の「闘う戦士たちへ愛を込めて」および「壮年JUMP」も同様ですが、この2曲は後にリリースされたアルバム『海のOh, Yeah!!』に収録。今回はCD化されても書籍に付属する形で流通され、書籍そのものも一般に流通するものではありません。

8月12日に配信リリースされるほか、8月下旬より発送されるサザンのアーティストブックSOUTHERN ALL STARS YEAR BOOK『40』」にこの曲を収録したCDが封入される。

SOUTHERN ALL STARS YEAR BOOK『40』」は通販サイト「アスマート」での受注限定販売商品で、今回の新曲CD封入の決定を受け追加予約の受付がスタートした。

書籍としての扱いのためCD化されながらもCDセールスとしてカウントされず、一方でルックアップは加算対象となるでしょう。というのも、マキシマムザホルモン「maximum the hormoneⅡ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」(2018)という前例があるため。ちなみにマキシマムザホルモンの書籍は一般流通されていました。

シングルCDとしてのリリースが見送られたのは、今回の書籍に『40周年ツアーを通してファンとともに作られた』新曲CDが入ることにより『サザンオールスターズ40周年最後のピースがはまり、その軌跡がすべて詰まったと同時に、新たなサザンの始まりの一歩といっても過言ではない』というコンセプトを優先したためと言えそうです(『』内はサザン新曲「愛はスローにちょっとずつ」CD封入される40周年記念本の詳細解禁 | Musicman-net(8月5日付)より)。また、所属事務所のアミューズが昨年から”シングルCDを出さない”方向性を打ち出していることも、シングルCD化見送りの一因と捉えることが出来ます。

後日リリースされるだろうオリジナルアルバムに収録されるか、いやそれ以前にオリジナルアルバムがいつ出るかは不明な状況。さらにストリーミングもレンタルも未解禁のため、サザンオールスターズのファンというわけではないものの「愛はスローにちょっとずつ」に興味があるライト層は、書籍を予約するかダウンロードしない限り音源を手に入れることが出来ません。他方サザンオールスターズ側にとっても、楽曲への接触手段がほとんどないことに加え、先述した『海のOh, Yeah!!』収録の2曲のようなタイアップがあるわけではないため、話題性を高めるべく今回のTwitterプロモーションに至ったものと思われます。しかも、ダウンロード購入画面のスクリーンショットを用いたキャンペーンを展開しており、その締切が明日日曜いっぱい。

締切日時を踏まえるに、月曜はじまり日曜終わりというチャート集計期間をフルに用いてダウンロードを盛り上げたいという思いがみえてきます。書籍を予約済で後にCDの形で音源が手に入る方でも参加可能なこのキャンペーンも踏まえるに、チャートで好成績を残したいという強い姿勢が見えるように思うのですが、いかがでしょう。

 

次週、サザンオールスターズ「愛はスローにちょっとずつ」はどの位置に登場するでしょうか。最新8月19日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいてラジオエアプレイでは既に今週3位となっており、次週はダウンロードが牽引してトップ10入りを果たすかもしれません。しかしながら同じく次週には、”突如”リリースされた米津玄師「馬と鹿」も上位に入ることが予想され、サザンオールスターズは「馬と鹿」と闘うことに。米津さんもストリーミング未解禁ですがダウンロードに長けた歌手であり、また「Lemon」で功を奏した戦略を今回も踏襲しているためこちらも月曜に配信を開始しています。

集計期間前半3日間のダウンロードセールスが昨日報じられましたが、「馬と鹿」が「愛はスローにちょっとずつ」をおよそ10万近く上回り、独走しています。

サプライズ配信(いや、これ自体計画的だと思うのですが)の「馬と鹿」が勝つか、以前から配信日を決めて動いていた「愛はスローにちょっとずつ」が土曜のラジオ番組に合わせたYouTube生配信で話題となり迫ることが出来るか…結果は来週水曜に判明します。仮にサザンオールスターズ側がソングスチャート首位の座を狙うべくプロモーションを徹底したとして、さすがに「馬と鹿」が出てくるとは想定しなかったのではないかと思うのですが、果たして。

この1ヶ月で生まれた様々なゴスペル的邦楽が沁みる

昨日、最新8月19日付ビルボードジャパンソングスチャートを取り上げた際に紹介したOfficial髭男dism「宿命」(ソングスチャート4位)の、新たなミュージックビデオが公開されました。

このブラスバンドバージョンは、ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM/JFN 月-金曜22時)で生まれたもの。

良い意味で意外だったのは、コーラスの挿入。オリジナルバージョンでも入っていましたが、このコーラスが入ることで祈りや願い、己を信じることといった前向きな力がより強く表現されているように思います。この前向きな力を示したコーラス隊…いわばゴスペル(的アプローチ)導入の判断は実に見事だと思うのですが、Official髭男dismにとっては昨秋のシングル「Stand By You」でこのアプローチを実行していたんですよね。

とりわけ、この曲のアコースティックバージョンがよりゴスペル感を強くしていたのでそちらも是非。下記ブログエントリーにて取り上げています。

 

偶然かな、この1ヶ月間でゴスペル的な作品群に触れる機会が増えています。映画『天気の子』に用いられているRADWIMPS feat. 三浦透子「グランドエスケープ」もそのひとつ。先週放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)ではゴスペルクワイアのBe Choirがバックを担当していました。

(※この動画は公式ではありませんが、昨日のブログエントリーに貼付した(ものの今朝までに削除された)動画同様、RADWIMPSの所属事務所名が動画説明欄にクレジットされており、違法アップロードされたものが所属事務所の承認を経て”半ば公式に”ミュージックビデオと化しただろうことを踏まえ、紹介させていただきます。もしかしたらレコード会社が削除を依頼しているのかもしれませんが、ならばレコード会社側が”公式に”ミュージックビデオやリリックビデオを用意してほしいと願います。)

 

そしてクワイアの登場はありませんが、中村佳穂さんが今月リリースした「q」は、優しい歌声と”Trust you”という言葉が背中を押してくれるかのようです。

 

不安且つ不安定、混迷を極める時代。他者を卑下しないと自己を保てない(とはいえそのアプローチによる自己の確立はあまりに脆いものですが)…そんな人が増えた現代にあって希望を、前向きな力を謳う音楽はより深く沁み込むかのようです。その力を授かり、純粋に自己を高めていけたなら好いですね。

8月19日付ビルボードジャパンソングスチャートにも大きな影響を与える『ミュージックステーション』への願い

8月5日~11日を集計期間とする、8月19日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、ソングスチャートは三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE feat. Afrojack「SCARLET」が首位に立ちました。

「SCARLET」のシングルCDセールス指標は2位。同指標の首位をBEYOOOOONDSのデビューシングル「眼鏡の男の子」に譲りながら『シングル・セールス26,783枚差をダウンロードとストリーミングが牽引した他指標で逆転』した形(『』内は上記記事より)。4指標がトップ10入りしている「SCARLET」に対し、「眼鏡の男の子」はルックアップ11位となるなどシングルCDセールス以外にトップ10入りした指標がなく、次週の動向が気掛かりです。

 

今週特筆すべきは、『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)の影響力。まず、Official髭男dismの動向を見ると。

「Pretender」は通算11週目、「宿命」は初の7000ポイント超え。良曲を牽引する指標はストリーミングおよび動画再生であり、その理由は集計期間中に『ミュージックステーション』出演したことにあります。

「Pretender」は、ストリーミングでは前週5,358,332再生から当週5,754,179再生と再生数を伸ばして12週連続で1位を守り、動画再生数も前週4,011,480回から当週4,466,744回へと数字を伸ばしている。テレ朝系『Mステ』出演効果も後押しして「宿命」はダウンロードを前週12,053回から当週19,629回へ、ストリーミングは前週2,631,150再生から当週3,431,577再生へ、動画再生は前週1,561,547回から当週2,821,465回へとポイントを伸ばし、ロング・ヒットのフェーズに移行しつつある。

番組で披露したのは「宿命」ですが、「Pretender」も併せて聴取/視聴する流れが出来ています。これは新曲リリースのタイミングで過去曲が伸びる動向と似ていますね。

同じく先週放送の『ミュージックステーション』に出演したRADWIMPSにおいては、「愛にできることはまだあるかい」が5位をキープし、三浦透子さんとの「グランドエスケープ」が1ランクアップし9位に。ストリーミング未解禁曲はポイントを維持しにくい傾向がある中、ゴスペルクワイアを採り入れたパフォーマンスもインパクトを与えたか、「グランドエスケープ」のポイントは前週比107.6%を記録しています(ちなみに「愛にできることはまだあるかい」は前週比88.6%)。

ちなみに「グランドエスケープ」には公式なミュージックビデオはなく、YouTubeでつみさんという方のアカウントが発信している動画が最上位に来るのですが、動画説明欄の”この動画の音楽”にRADWIMPSの所属事務所名がクレジットされていること、この曲の動画再生指標が今週4位に入っていることやランクインしたタイミングを踏まえれば、おそらく違法アップロードされたものが半ば”公式”ミュージックビデオと化したことで、ヒットの一翼を担っているものと思われます。

 この2組と共に、『ミュージックステーション』に出演したフジファブリックも話題に。

志村正彦さんの映像を交えて披露された「若者のすべて」がチャートを急伸。

歌詞の”最後の花火に今年もなったな”の影響か、この曲は毎夏チャートを上昇する傾向があります(チャートアクションは若者のすべて / フジファブリック | CHART insight | Billboard JAPANをご確認ください)。今回は昨年9月10日付の35位以来となる高位置に登場しています。

 

これらを踏まえるに、『ミュージックステーション』がチャートに与える影響は非常に大きく、レコード会社や芸能事務所そして視聴者の双方を大きく動かしていると言えます。チャートを良方に動かすならば、『ミュージックステーション』に出演する意義は大きいと捉えるのは自然なことでしょう。

そんな『ミュージックステーション』が今秋から時間帯を1時間遅らせると言われています。関係者発言レベルであることや、移行すれば毎週ジャニーズ事務所所属歌手が出演する『ミュージックステーション』と同事務所所属の中居正広さんの番組とが完全に被るという問題もあり、ゆえに移行は信じ難いという印象が拭えません(尤も、近年のジャニーズ事務所所属タレントは最近被りがちな印象があり、大きな問題ではないのかもしれません)。しかしながら、現段階においても一昨年と昨年との『総放送回数を比較すると約10%減(32回→29回)』であり、また『そもそも最近のMステ自体が迷走気味と言いますか、何を基軸にするかよくわからないまま“音楽バラエティ番組化”が進んでいる』(『』内は数字が物語っていた!『ミュージックステーション』出演回数で見る、AKB48・乃木坂46・欅坂46の勢い – 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(8月12日付)より)状況を踏まえれば、仮に放送枠が移行したとしてもこの姿勢は変わらないかもしれません。ですが、テレビ朝日の特番攻勢等の影響で放送回数が5週に3回のペースで推移し、現在毎回挿入されるバラエティコーナーの影響で出演枠が1枠以上減っていると思しき状況は、音楽業界的には死活問題と言えるかもしれません。

 

仮に枠を移行させるならば、19時および20時台に据えられるらしい2つのバラエティ番組を特番化させる際には『ミュージックステーション』枠を侵食しないでほしいものです。また『ミュージックステーション』の視聴率が局の平均視聴率を下回るとしても、テレビ朝日全体で視聴率が好調に推移しているため他の番組で視聴率を補ってほしいですし、利益面においても他の番組にみられないようなレコード会社やサブスクリプションサービス等のスポンサーを獲得すれば、視聴率に頼らずに済むものと考えます。バラエティ化をやめてよりストイックに良質な音楽を伝える番組を目指せば一時的に視聴率は下がるかもしれませんが、視聴率以上の信頼を勝ち得ることが出来るでしょう。

先週放送の『ミュージックステーション』がチャートを大きく動かしたという自負を番組側が抱き、より良質なものを作る原動力にしてほしいと切に願います。