face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

はじめに

ブログ【face it】担当のKeiと申します。ラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)のスタッフのひとりを担当しています。

お問い合わせやご意見などは、Twitterアカウント(@Kei_radio)宛にダイレクトメッセージにて、お願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いいたします。

マーヴィン・ゲイの遺族側はやはり、あらゆるクリエイティビティを壊しかねない悪例を築いてしまった

ちょっとおかしすぎやしませんか…というのが正直な私見

昨日付の記事における裁判、その初期の段階でこのブログでも取り上げました。

この裁判の2015年における(ロビン・シックおよびファレル・ウィリアムスが一度敗訴に至った)流れは下記ニュース(2015年3月11日付、下段に続報有)をご参照ください。

昨日の判決は、『著作権を侵害していると陪審員が出した判決を2018年3月に裁判所が支持したことを受け、再審理請求が連邦第九巡回区控訴裁に提出された』、その上での結果(『』内は下記リンク先より)。結局あのような判決が出たわけですが、弁護士のキャスリーン・サリバン氏が再審理請求の際、訴え論じた内容はやはり重要だと考えます。

「創造的表現の自由陪審員の気まぐれと雇われた音楽学の専門家に翻弄されていいのかという制度的な課題も同様に重要だ。裁判所による客観的な比較もないまま、自曲の要素が告発された曲に”かなりよく似ている”と述べてくれる専門家を著作権所有者が差し出すだけで陪審員を動かすことができるなら、どんな楽曲も著作権に関する法的責任から逃れることができなくなる」と訴えている。

ファレル・ウィリアムスとロビン・シック、著作権侵害訴訟の再審理を請求 | Daily News | Billboard JAPAN(4月13日付)より

 事実、3年前の段階で『訴訟においてゲイの遺族側は過去の判例を無視、音源比較を行わず、あたかも怒りの感情丸出しで陪審員の心を押さえつけ成功に至った』(マーヴィン・ゲイの遺族側はあらゆるクリエイティビティを壊しかねない悪例を築いたかもしれない(2015年3月21日付)より)わけですが、今回も覆ることはありませんでした。3年前、ロビン・シックが過去にもマーヴィン・ゲイと似てる曲を出していたとマーヴィン・ゲイの遺族側が主張し、施した印象付けは最終的に有効となってしまったわけです。本来ならばその曲が出た段階で訴えるのが通常だと思うのですが…結局ヒットしなかったその曲(「Love After War」)と今回の「Blurred Lines」では著作権収入に雲泥の差があり、訴えて勝てば利益になるものと考えたその金銭的打算がマーヴィン・ゲイの遺族側にあったという自分の見方は、今回の判決でより強固なものとなりました。

 

この裁判がきっかけになってか、サム・スミスブルーノ・マーズ、はてはレッド・ツェッペリン「天国への階段」までもが訴えられ、裁判で負けたり、訴訟に巻き込まれる前に手を売ったり…という流れが生まれています。今回の裁判以前からのものもあるでしょうが、今回の判決は今後のエンタテインメント業界全体のクリエイティビティに少なからず、いや大きな影響をもたらすものと危惧します。マーヴィン・ゲイの遺族側に、今回の裁判を終えての感想を伺ってみたいものです。

日本のチャートで上昇するクリスマスソング、牽引するのはやはりストリーミングである

最新12月17日付のビルボードジャパンソングスチャートでは、クリスマスソングが100位以内に複数ランクインしています。

12月に入り、ラジオ、ダウンロード、ストリーミング、カラオケ指標でクリスマス・ソング各曲が活発化してきている。back number「クリスマスソング」(総合19位)、スキマスイッチ「クリスマスがやってくる」(24位)、BoA「メリクリ」(40位)、マライア・キャリー恋人たちのクリスマス」(41位)、山下達郎「クリスマス・イブ」(45位)、ワム!「ラスト・クリスマス」(94位)、ペンタトニックス「サンタクロースがやってくる」(98位)などがチャートイン。

【ビルボード】16.7万枚を売り上げたSexy Zone「カラクリだらけのテンダネス」がシングル、ルックアップ、Twitterの3冠で総合首位獲得(※12/12訂正) | Daily News | Billboard JAPAN(12月12日付)より

アメリカでは既にマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (恋人たちのクリスマス)」がトップ10内に入り、また同曲を含め複数曲が最高位を更新しています。その理由はストリーミングにあり、と分析しました。

では日本の場合はどうか…各曲の最新チャートの動向をビルボードジャパンが誇るサービス、CHART insightで主な曲を調べてみましょう。

・back number「クリスマスソング」(19位)

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BoA「メリクリ」(40位)

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マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (恋人たちのクリスマス)」(41位)

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山下達郎「クリスマス・イブ」(45位)

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取り上げた4曲のうち、チャートを構成する指標において「メリクリ」および「All I Want For Christmas Is You (恋人たちのクリスマス)」で最も順位が高いのはストリーミングであり、どちらも総合ポイントにおける4割ほどが同指標(のポイント)で占められています。そして「クリスマスソング」は前週突如、ストリーミング指標が登場。

「LINE MUSIC」では、平成最後のクリスマスを迎えるにあたり、人気アーティスト「back number」とのコラボレーションをスタート。本コラボレーションでは、TVCMでも起用している『クリスマスソング』をはじめとする「back number」の楽曲を11月29日より独占先行で配信開始しました。

「クリスマスにこの曲はズルいよ。」LINE MUSIC、back numberの名曲『クリスマスソング』を起用した新TV CMを本日より放映開始|LINE株式会社のプレスリリース(12月7日付)より

ベストアルバム『アンコール』以前の楽曲をストリーミングで遂に解禁したことで急上昇を果たしたわけです。back numberは来年2月11日までLINE MUSIC独占先行配信ということなので、その後他のサービスでも解禁すれば、今後のチャートアクションはほぼ全指標から取り込めることになります。

そしてこの動きは山下達郎さんにおいても。

既にApple Musicでは配信されていましたが、Amazonでもという形に。

尤も上記2件の解禁においては、LINEやAmazonがそれぞれのサービスや商品を紹介したいという意図があるとはいえ、そのタイミングであれストリーミング解禁に至れたのは好いことだと考えます。おそらくは「クリスマス・イブ」もストリーミングが次週以降はさらに伸びるだろうと考えれば、提供元の定額制音楽配信サービスが増えることはユーザーフレンドリーだと言えますね。

 

面白いのは、これらのクリスマスソングはいずれも、シングルCDセールス指標がほぼ加算されていないということ。山下達郎さんは毎年シングルを再発(今年のパッケージ分は今週リリース)するので以前の再発分がCDショップにあるとはいえ、ダウンロードでの購入増加、アルバムやクリスマスコンピレーションでの音源確保(そしてそれではソングスチャートに加算されないこと)、CDショップ自体の減少等を踏まえればシングルを再発しないほうが自然であり、過去曲が上昇するにはシングルCDセールス指標以外をどう充実させるかが鍵だと考えます。そしてストリーミングは欠かせないということもまた理解出来ます。

クリスマスソングにおいてはチャート上昇をストリーミングが牽引していたり、また今年のビルボードジャパンソングスチャートで年間2位に入ったDA PUMP「U.S.A.」はストリーミングデジタルダウンロードが2位ながらシングルCDセールスが65位であることを踏まえれば、今の時代もまた、シングルCDセールスにあまり頼らない戦略が求められそうです。

ジャニーズ事務所所属歌手の曲、次週がデジタル解禁に至る最良のタイミング?

昨日発表された、最新12月17日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位をAKB48「NO WAY MAN」は大きく後退しました。

近年のAKB48のシングル(前作「センチメンタルトレイン」を含む)の総合ポイントにおけるシングルCDセールス加算週と翌週の比較については以前、坂道グループとの対比も含め掲載していますのでそちらを是非。

 

さて、今週チャートを制したのはSexy Zone「カラクリだらけのテンダネス」でした。

上位4強はいずれもシングルCDセールス指標の順位がそのまま総合チャートにも踏襲されていますが、「カラクリだらけのテンダネス」はルックアップも制しており抜きん出た形となりました。とはいえデジタル未解禁のため、仮に解禁していたら2万ポイント前後になったのでは…と考える自分がいます。

というのも、今月がデジタル解禁に至る最良のタイミングだと考えるゆえ。

これは12月9日日曜につぶやいた内容。10日~16日を集計期間とする12月24日付ランキング(19日発表)から、オリコンは複合指標を用いることになります。現段階では未だ、シングルCDと複合指標のどちらのランキングが優先されるか、ビルボードジャパン同様シングルCDセールスランキングに係数を用いるのかがみえてこないという問題はありますが(下記エントリーにて掲載済)、走り出すのは事実です。

エントリーで触れたオリコンジャニーズ事務所との密な(と思われてもおかしくない)関係性を踏まえるに、ならばオリコンが複合指標ランキングを発表するその1回目でデジタル化を進めてくる可能性がある(つまり初回の集計期間の初日に一斉解禁する)と思ったのですが、結果は解禁されないまま。しかし一昨日のオリコンデイリーシングルランキング(昨日発表)の上位初登場組にジャニーズ事務所所属歌手がいないことを踏まえるに、仮に今週解禁したとしても事務所側にはメリットはないと思ったのではないかと。そして、次週こそそのタイミングではないかと思っているのでは?と。

来週19日、KinKi Kidsがシングルをリリースするのです。発売日は複合指標ランキングの初回発表日と重なるゆえ、先述した両者の関係性を踏まえれば、19日にデジタル解禁をアナウンスすれば両者にとって最良のタイミングではないかと。オリコンは複合指標ランキングをはじめたことの、ジャニーズ事務所にとってはデジタルを前向きに捉え出したことの訴求につながります。

 

無論、これはあくまで仮定であり、デジタルダウンロード等を永遠に行わない可能性だって否定出来ません。ただ、今年を代表する、そしてメディアでも高い露出を誇ったKing & Prince「シンデレラガール」をはじめ、今年(デジタルを指標に組み込んだ)ビルボードジャパンの年間チャートで事務所所属の歌手がトップ10を逃したのは至極勿体無いと思うのです。

事務所側が、デジタル解禁に伴いシングルCDセールスが減ることを懸念していたとしたら、個人的にそれは微減で済むものと考えています。ジャニーズ事務所所属歌手には固定且つ強固な結びつきのファンが大勢いらっしゃるわけで、その方々にとって(グッズ的な意味で)ジャケットもシングルCD購入の目的と考えれば、ライトユーザー(特段そのアイドルのファンではない方)がCDからデジタルに移行するぐらいで、シングルCDセールスがそこまで落ち込むことはないでしょう。むしろ「シンデレラガール」や今週首位の「カラクリだらけのテンダネス」等の高いルックアップを踏まえれば、ライトユーザーにとってはCDレンタルに加えてデジタルダウンロードという選択肢が増え、よりユーザーフレンドリーとなります(しかもCDレンタルが100~200円台に対し、デジタルダウンロードは1曲250円。それぞれの利益等は解りかねますが後者のほうがレコード会社に好いのかもしれません。そしてデジタルダウンロードのほうがルックアップよりビルボードジャパンソングスチャートにおけるウェイトが大きい可能性も)。そして、既にシングルCDの購入を決めたファンにとって、仮にシングルCDリリースに先駆けてデジタルが先行配信されたならばファン心理的にそちらも購入等するのではないかと考えると、総合的な売上は増える可能性だってあるのです。

 それらを考慮すれば、デジタルダウンロードをしないことのメリット、フィジカルに固執するメリットは高くはないと思うのです。何事もやり方(戦略)次第ではないでしょうか。

マライア、ワム!…米ソングスチャート最高位を大挙更新するクリスマスソング、その理由は

最新の米ビルボードソングスチャートでマライア・キャリー「All I Want Is Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が7位に入り最高位を更新したことは昨日紹介した通り。

そしてクリスマスソングといえば、日本でお馴染みのあの曲も遂に最高位を更新。34年目にして初のトップ40入りです。

記事は米ビルボードの記事を訳したもの。発表当時商業用のシングル化がされていなかった(また、仮に発表当時シングル化されていたとしてもクリスマスソングは総合チャートにはランクインしなかった可能性があった)こともあり、一昨年になってようやくランクインを果たしています。

 

それにしても、最新12月15日付ソングスチャートでもクリスマスソングが強いですね。マライア、ワム!をはじめ50位以内には9曲もエントリー。そして前週付ではアンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」とバール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」が最高位を更新したと先週のブログで紹介したのですが。

最新週では9曲中、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」以外が全て最高位を更新しています。最新週で50位以内に新たに登場したのがワム!ジーン・オートリー「Rudolph the Red-Nosed Reindeer (邦題:赤鼻のトナカイ)」(36位)、ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」(41位)で、ワム!以外は初登場。そのうち「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」は1949年に発表された当時1位を記録しましたが、ビルボードが今のチャート方式になってからは最高位を更新した形です。

 

今年は昨年よりも早くクリスマスソングがソングスチャートを駆け上がっている気がする、そして『もしかしたらストリーミングの浸透、使用者の増加が前倒しを呼んだのではないか』と先週ブログで仮説を立てたのですが、事実その通りかもしれません。最新12月15日付のストリーミングソングスチャート、50位以内にはクリスマスソングが総合チャートより多い11曲もエントリー。ヒップホップが強い同チャートにおいては今週、ラッパーのミーク・ミルおよびリル・ベイビーがアルバムチャートで初登場を果たしたこともあり2組で合計12曲も送り込んでいる中、クリスマスソングが全曲赤丸且つ上昇(トップ10入り2曲は前週と変わらずですが)というのは凄いことです。やはりストリーミングの勢いが総合チャートを牽引していると言っていいかもしれません。

 

ストリーミングが年を追うごとにユーザーを増やしていることもクリスマスソング人気拡大の理由だと思うのですが、もしかしたらアメリカの店舗等でストリーミングを店内BGMとして使用したことで、最終的にチャート上昇に至ったのかなとふと。日本の有線放送的なサービスがアメリカにあるのかは分からないためあくまで仮説でしかないのですが、これまでCDを流していたものをストリーミングに切り替えたことで伸びている…と考えればしっくりくるなあと考える自分がいますが、果たして。

米ソングスチャート、アリアナ・グランデがストリーミング女性歌手新記録で首位奪取、そしてあのクリスマスソングが最高位更新

ビルボードチャートを定点観測。

現地時間の12月11日月曜に発表された、12月15日付最新チャート。アリアナ・グランデ「Thank U, Next」が記録的なストリーミングポイントを叩き出し首位に返り咲きました。そしてあのクリスマスソングが再登場且つ最高位更新です。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

 (※米ビルボードのトップ10動画については、アップロードされ次第紹介します。)

1位 (2位) アリアナ・グランデ「Thank U, Next」

2位 (1位) トラヴィス・スコット「Sicko Mode」

3位 (4位) ホールジー「Without Me」

4位 (3位) マシュメロ & バスティル「Happier」

5位 (5位) パニック・アット・ザ・ディスコ「High Hopes」

6位 (初登場) ミーク・ミル feat. ドレイク「Going Bad」

7位 (14位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

8位 (7位) コダック・ブラック feat. トラヴィス・スコット & オフセット「Zeze」

9位 (8位) リル・ベイビー & ガナ「Drip Too Hard」 

10位 (9位) マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」

アリアナ・グランデ、ミュージックビデオ効果でストリーミング大記録達成です。

11月30日金曜にミュージックビデオが公開され、アップロード後24時間で新記録を樹立したのは先日お伝えした通りですが。

その後も堅調に推移し、またミュージックビデオ効果で定額制音楽配信サービスでの聴取も増えたこともあってか、ストリーミング(動画再生および定額制音楽配信等)は前週比121%アップの9380万を記録しました。これはドレイク「In My Feelings」(1、2、6位)、「God's Plan」(4位)およびバウアー「Harlem Shake」(3、5位)に次いで、週間ストリーミング数で歴代7位、女性歌手ではテイラー・スウィフト「Look What You Made Me Do」の8450万を抜き歴代最多となりました。

ミュージックビデオ効果は他指標にも波及し、デジタルダウンロードは前週比146%アップの43000、ラジオエアプレイは同44%アップし5700万を獲得。ストリーミング1位、デジタルダウンロード2位、ラジオエアプレイ11位…全指標が大幅にアップ(チャートにおける"グレイテストゲイナー"を獲得)したのはドレイク「In My Feelings」(7月21、28日付)以来となります。

女性歌手で4週目の首位を記録は2016年夏のシーア feat. ショーン・ポール「Cheap Thrills」(4週)以来、また客演なしとなるとアデル「Hello」(2015-2016)の10週以来となります。次週は今回ほどストリーミングは稼げないとしても、現地時間の12月6日木曜に行われた【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】でウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞、さらに「Thank U, Next」を披露したことで、極度の下降はないものとみられます。

 

さて面白いのは、今週は上位3曲がいずれも全指標を伸ばしているということ。前週初の1位を獲得したトラヴィス・スコット「Sicko Mode」は今週1ランク落としたもののストリーミングが前週比16%アップの4330万(同指標2位)、デジタルダウンロードが同5%アップの25000(同3位)、ラジオエアプレイが同1%アップの6570万(同8位)を記録。ワンランクアップでトップ3入りしたホールジー「Without Me」はストリーミングが前週比29%アップの3270万(同指標4位)、デジタルダウンロードが同75%アップの50000(同1位)、ラジオエアプレイが同10%アップの7170万(同6位)。ホールジーの勢いが物凄く、次週は2位と3位が入れ替わる可能性もあります。

 

今週6位に初登場を果たしたのは、ミーク・ミル feat. ドレイク「Going Bad」。

アルバム『Championships』からのナンバーがストリーミング3600万(同指標3位)、デジタルダウンロード17000(同6位)を叩き出しトップ10入り。ミーク・ミルにとっては100位以内に29曲目となるエントリーで初のトップ10入りを果たしました(これまでの最高位はクリス・ブラウンおよびニッキー・ミナージュをフィーチャーした「All Eyes On You」(2015)の21位)。そして客演参加のドレイクにとってはこれが33曲目のトップ10入りとなり、トップ10入り曲数で歴代2位のビートルズにあと1曲と迫りました。マドンナが38曲で最多記録を保持していますが、ドレイクが破るのは時間の問題でしょう。さらにドレイクは今年これで13曲目のトップ10入りとなり、ビートルズが1964年に記録した11曲の記録を更に引き離しています。ドレイクの場合は客演が4曲あり、ビートルズは全て主演曲という違いはあれど、ドレイクは今年通算29週もの首位を獲得していることもあって、如何に愛されているかが解ります。

 

さあ、クリスマスの時期になりました。

マライア・キャリーによるクリスマスの定番曲、1994年発表の「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が昨シーズンに次いで再びトップ10入りを果たしました。しかも昨シーズンは最高9位だったため、最高位を更新した形です。前週今シーズン分がスタートしたクリスマスソングチャート(Holiday 100)で首位に立ち、今週もキープしたことで、同チャートが2011年に始まって以来37週のうち32週もの間トップに立っているこの曲は、ストリーミングが前週比29%アップの2850万(同指標8位)、デジタルダウンロードが同28%アップの15000(同9位)、ラジオエアプレイが同11%アップの3040万(同32位)を記録。デジタル、特にストリーミングが総合チャートを牽引しています。子どもたちがこの曲を歌ったときの動画をマライアがアップしたのを紹介した際、『ツイートされたことで、「All I Want For Christmas Is You」がストリーミング中心に伸びるものと思われます』と以前書きましたが(下記にリンク先を貼付)、実際その通りになっています。ストリーミングが時流を反映しやすい(ラジオエアプレイより伸びるまでのスピードが早い)ことが、この曲のアクションから証明されたような気がします。

 

さて次週はアリアナ・グランデが首位を守るのはほぼ間違いないと思われます。ミーク・ミルはヒップホップに多い2週目のジンクス(デジタルが急降下しラジオエアプレイが追いつかない)でランクダウンする可能性が。そして上位5曲が強いと思われ、そこにマライアのクリスマスソングがどこまで食い込めるか…注目しましょう。

TBSラジオの"スペシャルウィークやめます"宣言から考える、3つの願い

今週のラジオ業界は聴取率調査週間。今日からの1週間、東名阪のラジオ局が賑やかになります。各局が"スペシャルウィーク"と称して賑々しくお送りする中、首都圏放送局で103期(17年4ヶ月)連続で聴取率トップの座に君臨し続けるTBSラジオが、スペシャルウィークやめますと宣言。今日からも通常放送の形を採ります。

TBSラジオのホームページでもスペシャルウィークの宣伝はなし。現段階で、スペシャルウィーク|TBSラジオの頁をみると10月の内容が出てきます。

スペシャルウィーク終了の理由は『聴取率目当てでどれだけプレゼント攻撃を仕掛けようと、ラジオ業界に勢いが出ない現状』ゆえ(『』内は上記記事より)。またこれは私見ですが、たとえば過去のスペシャルウィークにおいて、通常放送にはないゲストが登場してもお送りするのがレギュラーコーナーだった場合、ゲストに時間や気を遣いすぎるあまりかコーナーの魅力が薄れるということがあり、ゆえに過度なゲスト作戦も排したほうが好いと思っていたところです。これはひとつに限らず、様々な番組で起きていたことです。

 

ちなみに、テレビ業界では視聴率至上主義が過ぎるゆえか、レギュラー放送回より長時間スペシャル(逆に他番組のスペシャル化による休止)が目立つ編成になっていますが、その中で10月からレギュラー化された『ポツンと一軒家』(テレビ朝日 日曜19時58分)は現在まですべての回で二桁視聴率を獲得。裏番組の問題(なのかどうかは判断が分かれますが)等あれど、『最近のテレビ局は長時間のスペシャル番組を連発して、視聴習慣を身につけさせられていないこと。テレ朝の日曜の編成もその傾向が強かった。その反省からなのか、『ポツンと一軒家』は10月7日の開始以来、毎週放送』(『イッテQ』やらせ報道で今後の視聴率への影響は?│NEWSポストセブン(11月17日付)したことが功を奏したならば、今後はドーピングのない視聴/聴取習慣が数字と信頼獲得の鍵になるのかもしれません。

 

そんなわけで、今日からはじまる聴取率調査週間は、王者TBSラジオと挑戦者とで態度が大きく異なります。しかしその双方やラジオ業界全体に対し"願い"があるゆえ、ここに記載します。

 

① 挑戦者たる放送局は無礼にならないでほしい

スペシャルウィークでよくみられるのが、豪華プレゼントや豪華ゲストというドーピングであることは書いてきた通り。しかし、最近では"レギュラー放送を休止してまでスペシャル番組をOA"という傾向もみられます。その最たる動きがニッポン放送。たとえば本日月曜については、通常『ココリコのオールナイトニッポンPremium』(月曜18時)だったものをビートたけしさん、"ほぼビートたけし"さんこと松村邦洋さん(および、双方とも相方として高田文夫さん)が担当。また今週の『オールナイトニッポンPremium』は全曜日20分延長されるため、平日20時30分からの20分枠が休止されるのです。21時台も同様に、中島みゆきさんのスペシャル等により『スポーツ伝説』以外が全て休止となってしまっています。

これでは休止されたレギュラー放送がどれだけの力を持っているかを数字で確認することが出来ません。また、差し替えられる番組が不憫でなりません。たとえばココリコ側にスケジュールでやむを得ない理由があったのかもしれませんが、スペシャルウィークに差し替えられるというのは局の都合だと想起出来るのは自然なことであり、以前から書いてきたことの再掲にはなりますが、ニッポン放送の姿勢がレギュラー放送を待っているリスナーにも、そしてレギュラー放送を担当する方に対しても失礼なのでは?と思わずにはいられません。そういう局が首位に君臨したところで、信頼度は生まれないのではと強く思います。

 

聴取率データはきちんと発表してほしい

これまではTBSラジオが、そしてTBSラジオが頂点に立つ前は首位の座にいた放送局が聴取率の結果を発表していましたが、TBSラジオ今年8月の調査結果を最後に結果を公表しなくなりました。10月の結果がトップだったことは上記記事や首都圏ラジオ10月聴取率/TBSラ首位 - 文化通信.comから解るものの、放送局や番組上位のランキングを知ることが出来なくなってしまいました。

数字はただの数字でしかない、営業用のツールでしかないと言われればそれまでですが、であればなぜ公表し続けてきたのでしょう。聴取する局や番組を決めるひとつの選択肢として、リスナーにも示すのが親切ではないかと思われますし、実際に聴く基準にしてきた人も少なくないはずです。聴取率首位の放送局の公表する/しないのスタンスに託すのではなく、調査機関であるビデオリサーチがで公表していただきたいものです。

 

radikoのデータも公表してほしい

日刊スポーツの記事では、『代わりに三村社長が番組作りの参照データとして注視するよう社内に通達したのが「ラジコ」のデータ』とあります。誰がどこからアクセスし、どの時間に聴かれた/聴かれなかったかはデジタルのradikoのほうが、従来のアナログ調査よりも精度が高いのは間違いないでしょう。

しかしながら、radikoが従来調査の"代わり"になると考え過ぎるのは危険かと。ラジオは車でも聴かれるメディアであり、radikoを立ち上げず従来のカーステレオで聴かれた場合は反映されません。そういったところを踏まえないといけないと思います(しかしながら、プロ野球中継から撤退したTBSラジオは、他社に比べればradikoデータがより参考にはなるのかもしれませんが)。

ならば、従来の聴取率調査、およびradikoデータの双方を参考にすべきと考えます。そして同時に、従来の聴取率調査が今後も発表され続けるならば、radikoのデータもある程度は発表していただきたいものです。

テレビ業界については視聴率イコール良質な番組とは限らないことは多くの方が実感していることでしょう。が、タイムシフト視聴も含めた総合視聴率が登場したことで、口コミで評判のドラマを中心にリアルタイム視聴率をはるかに超える総合視聴率を獲得してきている(リアルタイム<タイムシフトという事態も度々発生する)ことが分かってきました。テレビが複数の数値指標を用いることで人気作品の基準が変わってきたこともあり、ラジオも従来のアナログ調査とradikoデータの双方を参照することが大事でしょう。そして、従来の調査がリスナー側にも発表され続けて来たのであれば、radikoのデータも発表しないと不公平な気がします。

 

 

フェアな戦いをすること、数字は双方のデータを参照すること、そして数字をきちんと見える化すること…ラジオ業界が信頼を勝ち得るためにはこれらが必要だと考えます。