もの凄い画...ですがこれはアルバム『"Awaken, My Love!"』(2016)のジャケット写真。そして機械的に聴こえる声は、実は無加工。それを証明するのが昨年末、テレビ番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』でのパフォーマンス動画。
ひたすらに格好良く、ただただひれ伏すしか無いというような空間ですね。
『"Awaken, My Love!"』は米R&Bアルバムチャートで初登場1位(総合5位)を獲得。アルバムの詳細等は後述するbmrの記事に詳しく掲載されているのでそちらを是非。そしてこのアルバムは先月発売された『新R&B教本~2010sベスト・アルバム・ランキング』、2016年分において上位にランクインしています。何位に入っているのかは是非手に取って確認していただきたいと思います。
音楽ジャーナリスト、林剛氏のツイートを勝手ながら引用させていただきましたが、その林氏が『"Awaken, My Love!"』についてレヴューしています。「Redbone」を、とある曲の換骨奪胎と評しているのに激しく納得した次第で、まさしくチャイルディッシュ・ガンビーノは、今の時代にファンクを蘇らせんとしているのですよね。
その「Redbone」。最新5月27日付総合ソングスチャートで前週の44位から上昇、36位に達したことで、遂に自身初となるトップ40入りを果たしました。今後の動向が気になるところです。そういえば「24K Magic」「That's What I Like」でチャートを賑わせているブルーノ・マーズも80年代以降のR&Bの換骨奪胎といえそうですし、そう考えればチャイルディッシュ・ガンビーノに追い風が吹いているのかもしれません。
ちなみにここに至るまで、ケンドリック・ラマー「Humble.」(5月6日付)→ブルーノ・マーズ「That's What I Like」(5月13日付)→DJキャレド等「I'm The One」(5月20日付)→「Despacito」と、4週連続で首位が交代。1990年秋の7週連続以来となる交代劇ですが、次週「Despacito」を揺るがす存在は見当たらないと思われます。なお、1990年の毎週交代劇に終止符を打ったのはマライア・キャリー「Love Takes Time」。1990年11月10日付で首位に立って以降、3週連続1位をキープし連続交代劇が潰えました。
ルイス・フォンシとダディー・ヤンキーにとっては初の全米制覇、ジャスティン・ビーバーは5曲目の首位獲得となる「Despacito」。ホットラテンソングスチャートではリミックス登場前から首位の座を射止め、最新週で15週連続の首位を獲得したこの曲ですが、主にスペイン語で歌われた曲が総合チャートでトップに上り詰めたのはロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」以来実に21年ぶりなのです。
一方、1週天下に終わったDJキャレド等による「I'm The One」はデジタルダウンロードで前週比53%、ストリーミングでは同15%の大幅ダウン。ラジオエアプレイでは一気に53%上昇し5400万回オンエアされ同部門で14位につけていますが、ラジオエアプレイの伸びがもっとあれば(それこそ「Despacito」の5700万回を上回っていれば)、首位の座をキープ出来ていたのかもしれません。ブルーノ・マーズ「That's What I Like」のラジオエアプレイは175万回、前週比1%上昇しており総合で2位をキープしているのですから、「Despacito」「I'm The One」がラジオエアプレイでどこまで伸び、他指標を補完出来るかがロングヒットの鍵と言えそうです。
さて、ゴスペルの世界でもクロスオーバーヒットの兆候を持つ楽曲が登場しました。3年前にメジャーデビューを果たしたマリ・ミュージックがこの春リリースした「Gonna Be Alright」が、最新米アダルトR&Bソングスチャートで30位に初登場。一方、同日付ゴスペルソングスチャートには上位25位以内に入っておらず、聖俗のうち後者で先にヒットを獲得したことになります。
出来れば2番まで流すべきだと個人的には考えていますが、どうしても尺の都合でという場合には最悪⑤が適切でしょう。もしくは、サビで同じメロディを二度繰り返す場合は2番サビ後半の頭で…というのもアリかもしれません(ちなみにこの方法は、『J-WAVETOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)でクリス・ペプラーさんが採っている手法です。クリスさん、ディレクターどちらのタイミングかは判りかねますが、そこまで違和感を抱くことはありません)。