イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

NHK青森放送局に異動したアナウンサーに望むこと

今月、NHKではアナウンサーの大きな異動があり、青森放送局でも動きがありました。まずは安定感のあった高瀬登志彦アナウンサーが東京へ。スポーツ中継の実況を担当する、と月曜日付のブログに書いています。

実は今回の異動に気付いたのは、平日20時45分から放送されている『ニュースあおもり845』を観てのこと。今週に入り見慣れぬアナウンサーが原稿を読んでいたことに驚いたのですが、Wikipedia情報を元に読み手を確認。下記の報告とビジュアルから南山吉弘アナウンサーと判明しました。茨城放送局での異動報告は下記に。

(それにしても、放送局のアナウンサーページよりもかなり前にWikipediaのページが更新されているのは不思議でした。もしかしたらWikipediaを、放送局内部の方が更新しているのでは?とふと。)

 

そしてもう一人、森下和哉アナウンサーも今週同時間帯のニュースを担当しているのを確認。南山アナウンサーの2年後輩で共に50代前半とのこと。京都放送局時代のプロフィールはこちらに。フルマラソン完走50回以上というのですから若々しい…と思ったら、『『ファイナルファンタジーX』にブリッツボールのアナウンサー役でNHKアナウンサーとしては異例の声の出演』とのこと(『』内はWikipediaより)。年齢を感じさせない声の若々しさはそういうところにも活きているのだなあと感じるなど。

 

 

ここまでは昨日夕方までに記載したのですが、その際更新されていなかったNHK青森放送局のアナウンサー・キャスターのページが、今朝までに新アナウンサーを含めたものに変更されていました。

森下アナウンサー、フルマラソンの完走回数が72回に増えています。NHKアナウンサー随一の鉄人ですね。

 

 

さて、今回NHK青森放送局のアナウンサーは2増1減となりました。しかもベテランアナウンサー2名の補強というのは異例ではないかと思ったのですが、個人的にはこんなことを抱いた次第。 

森下アナウンサーのページ、担当番組欄には『青森放送局のアナウンサー・キャスターの仕事の取りまとめをしています』とあり、確信を得た次第です。

 

弊ブログでは以前、平日夕方帯のローカルニュース『あっぷるワイド』(月-金曜 18時10分)におけるアナウンサー/キャスター(特に後者)の実力における問題を、厳しく指摘させていただきました。

現在は池間昌人アナウンサーと亀谷渉子キャスターが固定となっているのですが、池間アナウンサーの安定感、声の通りや滑舌の良さなどが見事なのに対し、亀谷キャスターは緊張ゆえか声の通り等不明瞭という印象。また亀谷キャスターと同期となる都倉悠太アナウンサーは先月『旅ラジ!』(NHKラジオ第一 月-木曜12時30分)を担当していましたが、滑舌の良くなさもさることながら緊張しまくっている様子が聴き手にも伝わってきて、以前出世街道に乗ったと書いたものの…と強く思っていたところでした。

 

若手のアナウンサーやキャスターが育っていない状況は、ベテランアナウンサーが固定せず指導者がいないという点にあると思います。ベテランの良し悪しが若手に大きく関わってくるというのは以前他局の例で記載しましたが、NHKの場合はアナウンサーが3~5年で異動することを踏まえれば、たとえ指導者が素晴らしくともその方が代々換わるのは若手育成にとって痛手ではないかと。ゆえにNHKの異動システムこそが最大の問題ではあると思うのですが、その現状にあって南山・森下両アナウンサーが共に、少なくとも3年は青森に留まるであろうことを踏まえれば、今のうちにアナウンサーやキャスターを鍛え直し、同時にアナウンスの磨き方マニュアル的なものを作成しておくというのもいいかもしれません。それだけ、今のアナウンスレベルは平均すると厳しい状況といえます。ベテランアナウンサーの活躍を強く期待したいところです。

エフエム青森の春改編という”改善”に聴き応えを感じる

弊ブログを定期的に追いかけてくださっている方ならば、自分がエフエム青森に厳しい見方をしていることはご存知かもしれません。詳しくはこれまでのエントリー群をご確認いただきたいのですが、決して非難するのではなく批判や提言という姿勢を採ってきたつもりです。言葉が強過ぎる等の理由で非難されたことがありますが、自分の意識についてはご理解いただければと思います。

さて、そのエフエム青森。最近になって風向きが変わったと感じることが強くなりました。いや、自ずと風向きを変えたというのが正しいかもしれません。良くなってきているのです。そのひとつがこの春からのradikoプレミアムの開始でした。

それだけにとどまらないのが今のエフエム青森。たとえば平日昼帯に『ヒルモット!』(月-金曜 11時30分 後述するタイムテーブルと番組ブログとでタイトル表記が異なるのは以前から指摘させていただいているのですが)がはじまり、帯の生放送が2つになったことは挑戦する姿勢の表れだと思っています。番組には気になる点もあるのですが、まずはその攻める気持ちが好いなと思うのです。

 

また、平日夕方の帯『ラジmott!』(月-木曜16時55分 金曜16時)の金曜を、この春からベテランの鈴木耕治アナウンサーが担当。16時台最初の20分についてスポンサーがなくなったはずで、それ自体は局としては悲しいことだとは思うのですが、その20分を活かし、鈴木アナウンサーが毎週こだわりの選曲や、音楽やラジオへの思いを熱く語ってくださるのが、聴いていて気持ちいいのです。たとえば今月に入り、DJの秀島史香さんによる著書や、ギターマガジンにインスパイアされたギターフレーズが格好良い歌謡曲等を紹介していたのですが、単に著書や曲を紹介するのみならずそこに鈴木さんが著書や曲に刺激されたこと、ワクワクしたという思いが込められることで、より深く頷けるのです。個人的にラジオ、特にFM局のDJに求められるものはその声の良さ(滑舌や通り具合等を含む)のみならず、曲紹介等の技術、曲への知識、曲への愛情だと思っており、鈴木アナウンサーの回は非常に安心出来ます。鈴木アナウンサーを週1回でも生ワイド番組に起用したことは大きな意義があります。

 

そして、タイムテーブルが細かいながらも巧く変更されたこともまた嬉しいのです。下記に4月以降のタイムテーブルを、勝手ながらキャプチャさせていただきました(問題があれば削除させていただきます。記録という意味で引用させていただくことをご了承ください)。実は以前から、JFN系で、TOKYO FMでは未放送の生ワイド番組(いわゆるBライン)において、エフエム青森では本編のエンディング前に先に終了させたり(いわゆる”飛び降り”)、また途中で別番組が挿入されることが少なくなく、それが聴き心地を悪化させると指摘したことがあります。たとえば2015年春はこのような形でした。

それがこの春からは。

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有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(日曜20時)、『FRIDAY GOES ON! ~あっ、それいただきっ!~』(金曜13時30分)がフルOAに変更されたのです。前者はもしかしたら以前からだったかもしれませんが、後者においては『Hello Radio サウスランド』がこの春から金曜15時から13時へと時間帯を変更したこと等によりフルOAが実現しました。たとえばネタ投稿番組の場合、紹介されることに喜びを感じる(そのために投稿する)リスナーが少なくないであろうことを踏まえれば、飛び降り等でネタが採用されたか確認出来ないモヤモヤを払拭させるフルOAは素晴らしい判断だと考えます。また、以前は曜日によって19時台のほか20時台にもまたがっていて統一感のなかった『A・O・R』が、月-木曜19時からの1時間に統一されたことも嬉しい配慮ですね。これにより、20時台が基本的にミュージシャン担当の番組であるという認識をリスナーに抱かせることも出来るわけです。

 

 

今回改善したとして取り上げた点はいずれも、弊ブログで以前から指摘させていただいたことですが、自分の意見が受け入れられたのかは分かりません(し、反映されたと考えるのは自分の奢りだよなと思ってしまいます)。しかしながら、番組モニター制度がなく意見を提示する場所がないためにここで様々な改善要望を出し続けてきた身としては、リスナーにとってより親切で、また攻めの姿勢が感じられるこの春からのエフエム青森にはワクワクしています。少しずつ、チャンネルをエフエム青森に合わせている自分がいます。

最後は必ず正義が勝つ

タイトルの、あまりにもストレートな表現に一瞬、”これ、格好いいのか...?”と思ったのですが、『ミュージックステーション』でのパフォーマンスを観て、歌詞のフレーズに強く惹かれた次第。

【何か気に入らないとすぐ キレる 脅す バックレる】...ドラマのテーマソングとして用いられているとはいえ、このフレーズが特に示唆しているのは、こちら側が真摯に議論したくとも至らせてくれない支配者のことではないかと思ってしまいます。会話が出来ないことは、言い換えるならば”話にならない”、ですよね。それが今の世界の支配者の共通姿勢になりつつあるのが、本当に恐ろしいことだと思います。

 

 

最近はほぼ毎朝ランニングを課した後、飼っている犬の散歩をクールダウンを兼ねて実施。その際、ウートピに掲載された精神科医、名越康文さんのエッセイを一日にひとつ、スマートフォンを片手に立ち止まりながら読み進めています。今日読んだ項目は、今の状況を打破しないといけないと頑張っている人達に敬意を表する一方で、より好い方法はないかと模索する(そしてその考えをおぼろげながら最近つぶやいている)自分には、納得することばかりでした。

ほならね、1年後とか、そんなセコいことは言わない。本当に強い敵やったらね、20年越しとかの長い目でリベンジを考えたほうがいい。なぜそうしたほうがいいかというと、そのためにいっぱい努力するでしょう。努力すると、自分の実績が上がるでしょう。実績が上がると、協力者が増えるでしょう。そうしたら自分の相対的なステイタスが上がるんですよ。もしかしたら、ふと気づいた時には相手よりステイタスが上がっているかもしれない。

こうなれば、もうわざわざリベンジしなくてもいい。本当の意味での満足感を得られるんですよ。

「この人、見返してやりたい」精神科医が教えるスカッとする復讐法とは?|ウートピ(2017年3月24日付)より

【何か気に入らないとすぐ キレる 脅す バックレる】短絡的思考の方に対し、短絡的思考で歯向かうようにしか見えないのが賛同を得にくい理由だと思うのです。敵の、言ってしまえば幼稚なやり方に同調する必要はありません。蔑視ありきではなく、こちら側は常にオープンであるという姿勢を続けることが信頼を勝ち取る最善策ではないかと。ただ長期的ではなく中期的、いや短期的に...とより短いスパンで信頼を得ないといけないという考えも理解出来なくはないため、短時間でより有効的な訴求が出来るべく、心理学的な面でのアドバイザーをつけることが必要でしょう。

 

 

世の中、なんだか悲しくなることばかりだと嘆いてしまいたくなりますが、いつの日か短絡的思考の支配者をきちんとした議論のテーブルに引っ張り出して本音を導き出せるよう、その礎を今日から築き上げていかないといけませんね。

R&Bベテランシンガーのチャーリー・ウィルソン、初のゴスペルソングスチャート制覇

チェックが漏れていましたが、これは驚きの記録です。

 

先週発表された6月17日付米ビルボードゴスペルソングスチャートを、R&Bのベテランシンガー、チャーリー・ウィルソン「I'm Blessed」が制していたのです。しかも初登場での首位獲得。昨日発表された最新6月24日付チャートでも首位をキープしています。

この曲にはラッパーのT.I.が参加したバージョンも存在しており、そちらにて4月22日付の米ビルボードアダルトR&Bソングスチャートを制覇。そのタイミングで一度ブログで触れたのですが(チャーリー・ウィルソンと日本における彼の"直系"(4月12日付)を参照)、今度はフィーチャリング名義なしのバージョンでゴスペルソングスチャートを制覇しました。

このチャートでの首位到達はチャーリーにとって初の出来事。チャーリーがゴスペル...と驚いたのですが、なんでもこの曲、現在ゴスペルのラジオ局でプロモートされているそうで(『The song is now being promoted to gospel radio』と米ビルボードの記事にはあります)、なるほど初登場で1位というのは積極的なプロモーション、およびアダルトR&Bチャートを制していたことによる事前の浸透度の高さゆえかもしれません。

確かに歌詞を読むと、冒頭から”God”が登場したり、ましてやタイトル自体がゴスペルでよく用いられるフレーズなわけで、ゴスペルチャートでのランクインも自然といえるでしょう。この曲に限らず、またチャーリーの曲でなくとも、たとえば恋愛を歌った曲であれど解釈によっては神様への賛美を歌うとも捉えられるものもありますよね。「I'm Blessed」の歌詞は下記に。

 

 

チャートの観点からみると、ゴスペルチャートにおいても”チャート上昇の施策”がなされているのが面白いなと思うのです。現在の総合ソングスチャートではミュージックビデオやリミックス、iTunes Storeにおける69セントでの安価販売といった仕掛けが見られるのですが、上位に来る曲はいずれもそれを仕掛けるタイミング、いつ解禁すれば爆発するかが的確なのです。今後プロモーターに求められるのはその仕掛け方であり、複合指標に基づくチャートが少しずつ浸透してきたように思える日本でも今後この仕掛け方という意味でのマーケティングがより重要になるでしょう。

米ソングスチャート、ジャスティン・ビーバーがあのビートルズ超えを達成

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の6月12日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、6月24日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が5週目の首位に。数値的に安定しており、長期政権の可能性がみえてきました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

トップ10内での変動はありながらも、トップ10内外の入れ替えはなし。トップ3も変動はなく、この3週間は膠着状態が続いています。

 

1位をキープしている「Despacito」はもはや安定期に。

デジタルダウンロードは141000、ストリーミングは6830万。両指標とも1位を記録しながら前週比は前者が5%、後者が2%ダウン。一方でラジオエアプレイは前週比11%アップの1億1200万回再生を記録しており(同指標7位)、デジタルがピークを越えたあたりでラジオエアプレイが補完するというある種理想形を描き始めています。なお総合2位のブルーノ・マーズ「That's What I Like」はラジオエアプレイ部門トップの1億6500万回。前週と変わらぬ数値をキープしており、ラジオエアプレイでの人気が安定政権を作るということをこの曲が体現しているように考えます。

 

1位曲にも客演参加するジャスティン・ビーバーは、今週遂に”ビートルズ超え”を果たしました。

3位には客演参加した「I'm The One」もランクイン。その結果、トップ3に2曲(以上)を送り込んだ週数が13となり、ビートルズを抜いて単独1位となったのです。

今年の2曲は共に客演での記録ですが、この記録は主演/客演を問わないもの。なお昨年1月から2月にかけては8週もの間、共に主演曲となる「Love Yourself」と「Sorry」をトップ3内に送り込んでいます。これまでの記録は先述したビートルズの、1964年および1969年における12週。うち前者ではトップ5を独占という記録も。なお、トップ3独占については今のところビートルズしか成し遂げていません。他方ジャスティン・ビーバーは、6月9日に公開しされたデヴィッド・ゲッタの新曲、「2U」に客演参加しており、仮にこの曲が来週トップ3内に入りブルーノ・マーズがランクダウンすれば、ジャスティン参加曲でトップ3独占ということもあり得るかもしれません。

 

 

11位以下をみると、日本でもスマッシュヒットしたジェイムス・アーサー「Say You Won't Let Go」が登場33週目にして再び最高位の11位に、イマジン・ドラゴンズ「Believer」が13位、そしてショーン・メンデス「There's Nothing Holdin' Me Back」が18位にと、それぞれ上昇しています。また初登場組では、4人体制となって初のシングルとなるフィフス・ハーモニーの、グッチ・メインを客演に迎えた「Down」が42位に、今月23日にリリースされるアルバム『Grateful』から「I'm The One」に次ぐ先行曲となる、ドレイクを迎えたDJキャレド「To The Max」が53位にそれぞれ登場しています。

DJキャレド『Grateful』のトラックリストが公開されましたが、ヒップホップ/R&Bの豪華キャストがこれでもか!というほど参加しており、注目しないわけにはいきませんね。

 

さて来週はこの3週の凪状態を誰が打破するのかそれともこのままなのか...気になるところです。

結婚式場のみなさん、BGMを今一度確認してください

先日出席した結婚披露宴。新郎新婦の仲睦まじさと、特に新郎の大らかで穏やかな人柄に包まれ、楽しい一夜となりました。キャンドルサービス等のBGMはおそらく新郎新婦が選んだであろう、二人の青春時代のヒット曲等が流れており、ラジオを担当する身としては職業病ゆえかついついそちらも気になったり。

 

さて、結婚式のBGMでいうと、♪エンダーイ...が未だに用いられていると聞きます。

質問者の質問が自己完結しているという問題はあれども紹介させていただくならば、映画『ボディガード』に用いられたこの曲はその結末通り、別れてしまった後も貴方を思う...という歌詞。おそらく中居正広さんなどが幸せなエピソードを聞いた瞬間に♪エンダーイ...とネタ的に発したこと等が誤解を生み、果ては曲のイメージを一変させたのかもしれませんが、この曲はさすがに用いてはいけないはずです。

今回出席した結婚披露宴ではさすがにこういう曲は流れませんでした。おそらくは結婚披露宴の会場(運営会社)に、披露宴中のNG曲マニュアルみたいなものがあるのかもしれません。しかし目ざとい、いやこの場合は耳ざとい自分は開場前のロビーのBGMでこの曲が、オルゴールバージョンでかかっているのを発見し、複雑な心境に...。

別れたのみならずそれを激しく後悔するという、松任谷由実さんの代表曲のひとつ。さすがに披露宴中ではないBGMにまでは新郎新婦が手を付けていないでしょうから、これは明らかに披露宴会場側のミスだと断言していいでしょう。いやいやそこまでこだわらなくとも...と大らかな新郎新婦は赦すかもしれませんが、結婚という儀式において、”別れと後悔”を想起させるものを配置することは式場としてあってはならないはずです。

 

 

オルゴールBGMというのはその音の心地良さゆえ安易に用いられがちですが、音の心地良さに誤魔化されてはいけませんね。自分が伺った会場のみならず全ての結婚式場、披露宴会場には今一度確認していただきたい、そういうアウトなBGMを実は堂々と流していないか、チェックしてもらいたいものです。BGMなのですから早急に差し替え可能なはずですよね。自分の知り合いで今後誰かが、結婚するのだけどお勧めの式場がないかと問われたならば、少なくとも今回の式場は避けるように勧めることでしょう。

アイズレー・ブラザーズ&サンタナが発信する”平和への思い”アルバムから先行曲が公開

コラボアルバム。最近ではドレイク&フューチャーや、ベイビーフェイス&トニ・ブラクストンなどありましたが、今度登場するのが『キャリア50年のサンタナと同60年のアイズレー・ブラザーズというロックとR&Bの巨頭ががっぷり四つに組んだ』(下記サイトより)というものすごいアルバム。双方のキャリアを合わせればなんと110年というのですから驚きです(なにも足す必要はないのですけどね)。

この度、8月4日に発売(国内盤は8月23日)される『Power Of Peace』から、2曲の先行トラックが先日公開されました。共に平和にちなんだカバー曲です。

 

The Isley Brothers & Santana「Total Destruction To Your Mind」

オリジナルはスワンプ・ドッグによる、1970年にリリースされたファーストアルバムの巻頭を飾るナンバー。

 

そして。

The Isley Brothers & Santana「What The World Needs Now Is Love Sweet Love」

1966年にディオンヌ・ワーウィックが放ったことで有名な、バート・バカラックがソングライトした(ことが一聴して分かる)楽曲。邦題は「世界は愛を求めている」。

ディオンヌはこの曲のレコーディングを一度拒んだとのことでジャッキー・デシャノンがオリジナル版を1965年にリリース。そのあたりについては下記サイトに掲載されています。

これはWikipedia情報です、と前置きして取り上げるのですが。

1968年6月5日、ロバート・ケネディがロサンゼルスのアンバサダーホテルで撃たれた折、彼が翌日に死ぬまでの間、同市のラジオ局は夜を徹して繰り返し本作品をかけた。死亡後も数日間その行為は続けられた。

世界は愛を求めている - Wikipediaより

ジャッキー・デシャノンのバージョンは、民主主義の危機の際に祈りとして用いられ、それが叶わなくなってしまった後も希望(を捨てない思い)として流れ続けたということなのですね。時代が変わり、当時撃たれた立場に位置する人間がことごとく横暴になり、その影響でどんどん不寛容になりつつある今の社会にこそ、処方箋として必要な楽曲なのかもしれません。

 

この曲は最近、野宮真貴さんが取り上げています。スウィング・アウト・シスターのコリーン・ドリューリーを招いたバージョンは下記Apple Musicより聴取可能。また日本語バージョンも用意されており、その和訳を努めたのはピチカート・ファイヴ時代の相方、小西康陽さん。シンプルな訳ながらそのメッセージをひしひし感じられるはずです。こちらも是非。