イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記等有り) DA PUMP「U.S.A.」、全指標好調でビルボードジャパンソングスチャートトップ3入り

先日弊ブログでも触れたDA PUMP「U.S.A.」が絶好調です。

6月18日付のビルボードジャパンソングスチャートで前週の81位から3位に大きく躍進。『ラジオ6位、シングル10位、ダウンロード2位、ストリーミング10位、ルックアップ30位、Twitter2位、週間動画再生2位(約400万回再生)』(上記リンク先の記事より)とまんべんなく高水準となっています。ビルボードジャパンのCHART insightをみると、総合チャートトップ10にランクインした楽曲のうちセールス&ストリーミング(この場合のストリーミングは定額制音楽配信サービスを指し、米ビルボードのような定額制音楽配信&動画再生合計とは異なります)、ラジオエアプレイ、ルックアップ、ツイートおよび動画再生の並び替え対象全てでランクインしているのは「U.S.A.」の他に米津玄師「Lemon」(5位)とTWICE「Wake Me Up」(9位)のみ。「Lemon」が未だストリーミング未解禁であることを踏まえれば、「U.S.A.」は様々な聴かれ方に対応し、実際にチェックされている楽曲といえます。

 

今後ロングヒットになっていくかどうかは、まずはミュージックビデオの伸びにまずかかっていますが、現段階で760万以上の再生数を獲得しており次週も高水準を保つでしょう。

また一昨日には、教則ビデオ的な"鏡バージョン"も公開されました。仮にこのバージョンが動画再生指標のカウント対象であればさらなる伸びが期待出来ます。

加えて、「U.S.A.」がより強くなるには次の2点が必要と考えます。まずはバズる条件としてのテレビ出演。所属事務所を踏まえれば、最も影響力を持つ音楽番組である『ミュージックステーション』(テレビ朝日系 金曜20時)への出演は事務所関連の事情で可能性は低いかもしれませんが、今月放送の番組においてそのCM中に「U.S.A.」の宣伝が流れたゆえ期待したいところ。バズり方を踏まえるに、番組側は無視出来ないはずです。

そしてもうひとつはチャート構成指標の中で最も低い順位であるルックアップ(30位)をどう押し上げるかという点。指標の中で唯一トップ10入りを逃したどころかかなり低い数字となりましたが、ユニークユーザー数が少ない可能性もありつつ(インストアイベントにて店舗購入者限定の握手会等を実施すればするほどユニークユーザー数減少の可能性は否めません)、レンタルCD店での在庫の少なさも影響しているはずです。自分が住む青森県津軽地方において、TSUTAYA5店舗全てレンタルCD取扱なしという状況でした。

(※ 9時55分 追記および一部訂正。TSUTAYAについてはネットにて店舗毎の在庫が検索可能。◯や×ではなく−で表示される場合は取扱無しという意味です。またGEOの場合、店舗毎の在庫検索機能が無い模様です。津軽地方最大規模の青森市内の店舗に日曜行きましたが在庫はありませんでした。ただ、本日弘前市内のGEOにてレンタル在庫を確認しました。)

TSUTAYA青森中央店ではレンタルCDコーナーにてポータブルDVDプレイヤーで「U.S.A.」を流していながら在庫なし(実際日曜に確認済)の状況で、これでは顧客に対しあまりにも無礼だと思った次第(プレイヤーを取り下げていただきたかったところです)。どうもテレビでの露出の少なさもあってか、DA PUMPのみならずヴィジョンファクトリー系の男性歌手、いやはっきり言えばジャニーズ事務所所属歌手以外の男性アイドルグループについてはレンタルCD取扱が少なすぎる気がします。レンタルCD店側に猛省を促したい思いもありますが、事務所側も、買ってほしい思いは解れどもっとレンタルCD店への営業を強化してほしいと思います。

 

弱かった指標を押し上げるための施策、そしてなによりテレビの音楽番組への出演が叶えばロングヒットも見込めますし、最終的には『NHK紅白歌合戦』出場もあり得るかもしれません。

改悪をはっきり言わない態度は予想以上のイメージダウンを招くかもしれない

自分の住む場所はとりわけ田舎で、最寄りのタワーレコード3店舗がいずれも車で3時間程度。対してHMV青森県つがる市柏の店舗まで1時間強なのですがマニアックな品揃えに乏しいという面からほとんど通わず、ゆえにタワーレコードHMV共にオンライン購入が大半となっています。オンラインでの支払総額をHMVでは確認出来るのですが、およそ90万使っていて我ながら使っているなあと実感です。とはいえこれはまとめ買いで◯%オフ等のサービスを使い、良い作品を安く購入してきた結果ゆえ。輸入盤の安さはHMVが勝っており、気に入っていました。

そのHMVの配送料の制度が変更になります。

【重要】配送料変更とHMV MOBILE終了についてのご案内

(中略)

■変更日

2018年7月10日(火)午前0:00 以降 ご注文受付分より

■変更前

全国一律350円(税込378円) ・商品代金2,500円(税込)以上、または本を含む1,000円(税込)以上ご購入の場合は配送料無料 ・コンビニ受け取りサービスご利用の場合は配送料無料

■変更後

全国一律200円(税込216円) ・コンビニ受け取りサービスご利用の場合は配送料無料

【重要】配送料変更とHMV MOBILE終了についてのご案内|HMV&BOOKS onlineより

"配送料が安くなる"という声もありますが、1回の支払でまとめ買いにて常時2500円以上使っていたいた身には、いくら買っても配送料がかかるのは堪えます。コンビニエンスストアでの受取を促し(ローソンと組んでいるので尚の事やりやすいのでしょう)物流コストを抑えるのは解るとして、ではコンビニの近くに住んでいない人は?とも思ってしまうのです。ただこれは極端に言えば配送料負担すればいいことですし、むしろ物流コストを踏まえれば税抜200円でも安いと言われればそれまでのこと。ですが、やはり個人的には堪えます。

そしてそれ以上に、個人的に最も引っ掛かっているのはこの部分なのです。

Twitterで"HMV 配送料"と検索して今回の改正の最初のつぶやきが登場したのが6月11日(自分は同日、HMVのトップページにて発見しつぶやきました)。そして翌12日夕方にはHMV&BOOK onlineより"【重要】配送料変更とHMV MOBILE終了についてのご案内"という、先に引用したものと同じ内容のメールが届きました。しかしながら。

必ずしもTwitterでまで謳う必要はないのかもしれませんし、会社によってTwitterの活用方法は様々だとは思いますがそれでも。

f:id:face_urbansoul:20180613070842p:image

上記スマートフォンでの画面には案内が出ているもののもっと大きく訴求していいと思いますし、これがパソコン画面ではより訴求度が低くなっていることを踏まえれば、ともすればHMV側は今回の改正を改悪だと捉えて(解って)いて、それを隠したいという気持ちが今回の案内の仕方にあらわれているのではないかと思うのです。穿った見方は承知で書かせていただきました。

 

改悪をきちんと訴求しない、隠そうとする姿勢が受け手にみえてしまうと少なからずイメージダウンを抱かせてしまうものと考えます。CDが売れなくなり岐路に立っている小売業界のその大変さは理解出来ても、伝えるべきことはきちんと伝えましょうよ…と強く言いたいところです。今回の件がHMVファン離れを呼ばないか心配ですし、少なくとも自分にとっては、ツイートしたように"うーん"という思いでいっぱいです。

米ソングスチャート、ドレイク陥落、カニエらトップ10入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の6月11日月曜に発表された、6月16日付最新チャート。通算6週間首位を記録していたドレイク「Nice For What」が遂に陥落、ポスト・マローン feat. タイ・ダラー・サイン「Psycho」がはじめて首位の座に就きました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

正直言って驚きました…ドレイクの勢力が急速に衰えているように感じたからです。先週も触れましたがラッパーのプッシャー・Tとのビーフがドレイク離れに繋がってしまっている気がします。しかもそのプッシャー・Tのプロデューサーであるカニエ・ウェストのアルバム『Ye』が今週のアルバムチャートを制し、収録曲となる「Yikes」が8位に初登場を果たした他収録曲が軒並みランクイン(11位に「All Mine」、16位に「Ghost Town」、25位に「Wouldn't Leave」、27位に「Violent Crimes」、28位に「I Thought About Killing You」そして36位に「No Mistakes」)。またカニエ・ウェスト関連作が今月相次いでリリースされることを踏まえれば"ドレイク降ろし"の空気が一層高まるんじゃないか…というのが私見です。アルバムについては下記Apple Musicからもチェック出来ます。

ye

ye

  • Kanye West
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1300

なおカニエ・ウェストは「Yikes」が16曲目のトップ10入りとなり、ラッパーにおいてはニッキー・ミナージュと並び歴代6位となりました。ちなみに首位はドレイクの26曲です。

 

そのドレイク「Nice For What」が2位、「God's Plan」が5位に落ちる中で首位の座に就いたのはポスト・マローン feat. タイ・ダラー・サイン「Psycho」。登場15週目にして初の首位獲得となり、ポスト・マローンは「Rockstar」に次いで2曲目の、タイ・ダラー・サインにとっては初の1位作品となりました。

前週デジタルダウンロードの69セント安価販売を実施していた同曲ですが、今週も実施し続けたことにより前週比18%上昇し37000のセールスを記録(同指標3位)。ストリーミングは10位(前週比5%ダウンの3030万)、ラジオエアプレイは2位(同4%アップの9820万)と、3指標においてどれ一つとして首位を獲得していないものの総合で首位を獲得しています。ちなみにストリーミング首位はカニエ・ウェスト「All Mine」ですが総合は11位、またストリーミング指標トップ10はわずか600万の差の中でひしめき合うという接戦…ですが言い換えればトップが3000万台という低い数字では、同指標が高い影響力を持つ総合トップ10がしばらくはごちゃごちゃ入れ替わる気がします。

そんな状況の中で強いのがカーディ・B。3位には前週トップ10入りを果たしたカーディ・B feat. バッド・バニー&J・バルヴィン「I Like It」、そして4位には逆に自ら客演参加したマルーン5 feat. カーディ・B「Girl Like You」とトップ5内に2曲送り込んできました。

この「Girls Like You」は前週94位から、ミュージックビデオ公開に伴い90ランクのジャンプアップ。デジタルダウンロードは前週比331%もの大幅アップで1位(82000のセールス)、ストリーミングでは同527%アップし2450万で同指標12位に登場しており、ミュージックビデオの勢い、そしてカーディ・B効果を感じずにはいられません。この90ランクのジャンプアップは、ケリー・クラークソン「My Life Would Suck Without You」(2009年2月7日付で97→1位 96ランク)、ブリトニー・スピアーズ「Womanizer」(2008年10月25日付で96→1位 95ランク)、ビヨンセシャキーラ「Beautiful Liar」(2007年4月7日付で94→3位 91ランク)に次ぐ歴代4位の記録となりました。

 

そして新たにトップ10入りしたのはジュース・ワールド「Lucid Dreams」。前週15位から9位に到達です。

前週のもうすぐトップ10で触れましたが、バイラルチャートで伸びたことやスティング「Shape Of My Heart」使いということで老若男女にウケるだろうこの曲は、ストリーミング2位(前週比24%アップの3590万)がランクアップに大きく貢献しています。ファーストアルバム『Goodbye & Good Riddance』が今週2ランクアップの6位につけており好調なこともあって、ストリーミングがこの勢いを保てば次週は大化けする可能性もあります。

 

なお、ラジオエアプレイ首位は今週10位のゼッド、マレン・モリス&グレイ「The Middle」。前週比1%ダウンの1億1420万を獲得しているのですが、同指標2位の「Psycho」が1億を切っている現状を踏まえるとラジオエアプレイの影響力が若干薄れてきているのではと感じます。ただその補完要素になりうるであろうストリーミングも、同指標トップが4000万を下回っていることを踏まえればやはりチャート全体が低調なのかもしれません。この状況を打破する新しい音の登場を期待したいところです。

DA PUMP、マイケル・フォーチュナティ、リック・アストリー…全て今夏の新譜なのです

DA PUMP復活作「U.S.A.」が好評ですね。

インストアライブでの大盛況、しかもこの曲のみ撮影OKという姿勢はよりそのバズりを加速させるに十分な仕掛け。事務所が得意とする”カバー×ダサかっこいい”の法則はMAX「Tacata'」(2013)を彷彿とさせます。

そして今回は、ハロー!プロジェクトファンの”援護射撃”も。

一般ファンのみならず、各界著名人たちもハマっているのを次々と公言し始めているが、本曲のMVがYouTubeで公開された5月16日以降、DA PUMPのファン以外で最初に興味を示したのはハロプロファン=ハロヲタたちと言われている。曰く、「U.S.A.」が放っている“ダサい”魅力に、つんく♂の作り出すハロプロ楽曲と同じ匂いを感じる、というのだ。

DA PUMP「U.S.A.」に似ている曲はどれ? ユーロビート系ハロプロ楽曲をチェック - Real Sound|リアルサウンド(6月10日付)より

いわば”ダサかっこいい”つながり。書き手であるピロスエ氏の熱量の凄さに圧倒されますが、シングル曲程度の知識しか持ち合わせていなくとも納得させられることだらけ。しかも最初に紹介されたのがハイエナジー系であり、DEF.DIVA好きすぎて バカみたい」(2005)や後藤真希「やる気! IT'S EASY」(2002)といったストック・エイトキン・ウォーターマン楽曲を彷彿とさせるナンバーを例示したことにいっそうときめいた次第。カイリー・ミノーグのデビュー時を知っている自分のようなアラフォー世代にしっかり届きますし、その方々が家族を築いて土日買い物に訪れるショッピングモールでDA PUMPがインストアライブするということで、場所的にもバズる条件が整っていると言えそうです。

 

さてそのストック・エイトキン・ウォーターマン関連でいうと、昨日ラジオの先輩に聞いて驚いたことが。

マイケル・フォーチュナティの日本独自リリースのアルバムが出るということ。BaBeのカバーとしても馴染み深い「Give Me Up」(この曲自体はストック・エイトキン・ウォーターマン直でプロデュースというわけではないものの、この曲に刺激を受けてバナナラマ「I Heard A Rumour」(1987)を制作したそう)のセルフカバーをはじめ、ストック・エイトキン・ウォーターマン制作によるデッド・オア・アライブ「You Spin Me Round (Like A Record)」(1985)やリック・アストリー「Never Gonna Give You Up」(1987)をカバーするというのですから無性に気になります。

そしてマイケル・フォーチュナティにカバーされる側のリック・アストリーも動き出すというのです。

7月20日に発売されるアルバムからのリード曲。アルバムは2年ぶりで、その前作『50』は全英週間1位、年間18位という大ヒットに。今作のリード曲は近年のダフト・パンクジョルジオ・モロダーを彷彿とさせ、ギターは薄くながらナイル・ロジャースっぽい感じも。声は少し枯れた感じがしてそれがストック・エイトキン・ウォーターマン制作時と大きく異なりますが、いい意味でいえば年相応になったのかもしれません。

 

マイケル・フォーチュナティとリック・アストリー…方向性は異なれど同時期に作品をリリース。日本ではDA PUMPユーロビートをカバー。そうなると、今年の夏は”ダサかっこいい”がキーワードですね。しかも来月にはこちらも控えているのですから尚の事です。

『RABニュースレーダー』の改編による変化を残念に思う

今日はいつも以上に"私見"だと前置きして書きます。

昨日の段階で1万以上のリツイートが集まることについて、そしてそれ以上にニュース番組の"質"が変わってしまったという点において、非常に残念です。

『RABニュースレーダー』(青森放送 月-金曜18時15分)はこの春から、メインキャスターを務めていた秋山博子元アナウンサー(部署異動により"元"となります)に替わり、最も若い猪股南アナウンサーがサブに、そして秋山元アナウンサーのパートナーだった菅原厚アナウンサーがメインキャスターに就くことになりました。そのタイミングでセットもより白が際立つようになり、またかなりの割合で立ったままニュースを伝えており、もしかしたら局側はリニューアルを機により一層のフレッシュさを求めたのかもしれません。しかし、番組冒頭でネタになりやすい(言い換えればそこまで速攻で伝える必要があるわけでない)事項を冒頭で伝えることは(そしてそれにより重要な報道を後回しにすることも含め)、”フレッシュ”とはまったくもって違う、と断言します。

最も視聴率の高い『RABニュースレーダー』は、2006年10月から秋山博子・菅原厚両アナウンサーによる体制を維持しています。キャスティング面では最古参となるわけですが、その抜群の安定感と軟派ではない作りゆえにトップを独走し続けていると言えます。他局と違って天気予報を気象予報士が担当しているわけではないのですが、アナウンサーの基礎である技術面がしっかりしていることが視聴習慣につながっているものだと考えます。この視聴習慣は、イコール信頼性と呼んでも差し支えないものでしょう。

NHK青森放送局は夕方のニュース番組を育てる”つもりはない"(2015年4月7日付)より

元来『RABニュースレーダー』が長く愛されてきたのは、他局と比較してアナウンス技術と硬派な作りに長けていたゆえ。これは自分が以前同局の番組モニターを務めた際、局員の方が仰っていたことです。それが、局員の声を伺った数年後に大きくリニューアルし、"軟派"になるのは時代の変化かもしれませんが、あまりにも寂しいと思わずにはいられません。

しかも、秋山元アナウンサーに替わって登壇したのが最年少の猪股南アナウンサーであることについて、先輩を抜き飛び級で採用される理由が浮かばないのです。特に滑舌において未だ不明瞭な点は少なくありませんし、逆に明瞭にしようとすればするほど言葉が尖って強く聞こえ、ほっこりするニュースでもハートフルになりにくいというデメリットがあります。そして秋山元アナウンサーはラジオディレクター専任になったとも聞き、その人事異動(配置)ははっきり言って理解に苦しむのです。

 

尤も、猪股アナウンサーの喋り、また『RABニュースレーダー』の作りはまだ青森県の他の放送局に比べて、それでも比較的優れているといえます。が、その双方においてこの春から池間昌人アナウンサー&成田りえキャスター体制となった『あっぷるワイド』(NHK青森放送局 月-金曜18時10分)のほうがアナウンスレベルが上回っている気がします。成田キャスターにはアクセント狂いが若干あるもののここ数年では田中知子元キャスターに劣らない高いレベルですし、とりわけ池間アナウンサーによる、技巧の素晴らしさのみならずほっこりした話題を伝えるときの声のトーンも秋山博子元アナウンサーを彷彿とさせる上手さであり、青森県のみならず全国のNHK若手アナウンサーの中でも高いレベルといえます。『あっぷるワイド』がワイドショーやバラエティ番組的コーナーが少なくないゆえまだ『RABニュースレーダー』のほうが硬派とは言えますが、もしかしたら両者の視聴率は以前に比べて差が縮まっているのではと考えます。

(ちなみに昨日『RABニュースレーダー』を拝見したときのツイートを載せます。

『ZIP!FRIDAY』(青森放送 金曜15時50分)同様、同所から吉崎ちひろアナウンサーが『RABニュースレーダー』に向けてリポートしていたのですが、ならば二度に分けず『ZIP!FRIDAY』一本に伝達内容を集約出来なかったのかと思いますし、『RABニュースレーダー』を情報バラエティ化させる必要はないと思うのです。)

 

青森放送ではこの春、アナウンサーが2名他部署に異動し、1名が退職。代わりに1名が復帰し新人1名が入局しました。もしかしたら上野由加里元アナウンサーの退職が青森放送にとって予期していなかったことから、それによる調整が不可解な(と個人的に考えている)交代劇等の原因になっているのではと推測します。

(ちなみに上野由加里アナウンサーはもしかしたら”退職”ではないかもしれません。詳しくは上野由加里元アナウンサーが青森放送所属として今週末イベントに登場…?(6月6日付)をご参照ください。)

特にラテ兼営局におけるラジオ生ワイド番組の、"帯番組なのに人がコロコロ入れ替わる感"はその人材不足等を察するに余りあります。その点は後日述べるとして、しかし『RABニュースレーダー』を観る習慣をつけていた視聴者にとっては、予想を遥かに上回る変化に未だついていけないという声もきっとあることでしょう。

ちなみにこれは知人から聞いた話ですが、以前とある中年男性が”女性キャスターは若いほうがいい”と言っていたそうで、自分はそれを聞いて呆れ、お会いしたことないもののその人を強く見損なったものです。アナウンス技術は加齢による衰えもあるでしょうがそれは早くて50代以降であり、鍛えれば鍛えるほど脂が乗り、信頼感も増すもの。その人は単に女性アナウンサーをいわば”女子アナ”と形容するときと同様の価値観しか求めていないのではないかと思いますし、ならばその方が逆に”中年男性はいないほうがいい”と言われたらどう思うかと聞いてみたくなります。そういうハラスメント的物の見方が、優秀有能なアナウンサーを追いやることになるわけで、”女子アナ”ブランドな視点は本当に無くなってほしいものです。

 

…と、ここまで書きましたが『RABニュースレーダー』はすでに走り出して3ヶ月目になるわけで、今からリニューアルかけることは厳しいでしょう。ならば少しずつでも軟派な演出を硬派に切り替え、そして秋山博子元アナウンサーに少しずつでもキャスター2名が近づけるよう、常日頃から人一倍の研鑽を続けてほしいと強く願います。

花*花「あ~よかった」はゴスペル(的)だった

ラジオの嬉しいところは、不意に素晴らしい音楽に出逢えるということ。新曲は勿論のこと、懐かしい曲の(リリース当時には分からなかった)新たな側面を教えてくれることもまた然り、なのです。

久々に花*花の音楽を聴いたのですが、「あ~よかった」(2000)でのコール&レスポンス、歌詞の世界…曲後に宇多丸さんが言っていた”ゴスペル的ですらある”という感想になるほど!と。

Apple Musicでストリーミング聴取可能ですので是非。ライブはキーボードのみでしたのでよりゴスペル感が高まっていましたが、オリジナルアレンジもゴスペルっぽいなあと実感。2000年リリースということで自分がゴスペルを歌う数年前の作品ゆえ当時は気付かなかったのですが、遅ればせながら今気付けたことに感謝します。

ちなみにこの曲はサンプリングされています。

2009年にKanadeさんが引用。アレンジを聴くに、1990年代前半のR&Bっぽさも感じられつつ、ソウルフルな歌唱でよりゴスペルらしく仕上がっています。

 

それにしても、昨日の花*花のソウルフルさといったら。ベテランって強い!と思った昨日の放送でした。『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)の19時台ライブコーナーでは若手が招聘されることも多い一方、このような方が出ることでベテランならではの力を感じることが出来ますし、昨日の自分のように曲に新たな気付きが生まれることもあるかもしれません。今後も聴き続けようと思います。

井上陽水の面白さはタイアップ先との”矛盾”?

井上陽水さんがポカリスエットのCMタイアップというのには正直驚きましたが、夏らしくていいですね。

今回はフィジカルリリースに先駆けて、ストリーミングも解禁。

あくまで書き下ろしのシングルとしては9年ぶり(昨年「夢の中へ」が再発されているため)の「care」ですが、CMとの乖離?に驚かされます。♪子どもたちは真夜中にイヤフォン、と歌っているのですが。

(限定公開につき動画は消える可能性有り)

これでは真昼にヘッドフォン、なんですよね。なんという矛盾。

 

そういえば近年の楽曲でもこうした矛盾がありまして。

2015年作収録の「女神」は『ブラタモリ』(NHK総合 土曜19時30分)のオープニングテーマ。その歌詞の出だしには♪TVなんか見てないでどこかへ一緒に行こう、とあります。しかしながらブラタモリはテレビ番組。番組を観て興味を持った視聴者がそれを踏まえて現地に赴くならばまだしも、最初から矛盾というか否定?と思ってしまうのは…自分の穿った見方なのでしょう。

 

その見方ついでに書くならば、両者ともタイアップ先側からオファーを受けて井上陽水さんが書き下ろし(『ブラタモリ』についてはこちら)。CMには絵コンテがあるか、そもそもポカリスエットという段階で太陽などのイメージが想像出来る(CM放映期間を踏まえれば夏の曲だと解る)ため、敢えて逆の作品を下ろしたのかと想像してしまいます。陽水さんならやりかねないなあと勝手ながらニヤリ、なのです。そしてその矛盾に触れた人がツッコミを入れつつタイアップ先の世界に引き込まれる(テレビを観る、商品を買う)ことは、実はタイアップ先も当初から織り込み済みなのかもしれません。