イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

平成を総括する前に解決しませんか?問題、少年隊のオールタイムベストアルバムをあらためて切望する

自分がスタッフの一員を務めるラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時。サイマルラジオでも聴取可能です)。次回4月21日の音楽特集は”平成”総括”企画として【平成元年のヒット曲】をお送りします。単にオリコン1位の…ばかりではなく、選曲もこの番組らしい斜め目線でいく予定です。

 

さて、こういう企画があると音源をすべて手にしたいと思うのが自分の性ゆえ、まずはオリコン(当時は売上がほぼイコール人気だったと捉えても問題ないと考えます)のランキングを追いかけているのですが、手に入れにくい音源が数点。平成元年のオリコン年間シングルランキング上位100作品では、たとえばHOUND DOGの数曲がベストアルバム未収録且つオリジナルアルバムにはバージョン違いが収録という問題がありますが、こちらはAmazonで中古CDを安価で購入可能だったり。またこの頃複数ランクインしていた演歌は、ベスト盤等で比較的容易に音源が手に入ります。が、しかしどうしても手に入らないのが少年隊。「じれったいね」(98位)および「続・じれったいね」(99位)が入手困難な作品なのです(一方、「まいったネ今夜」(42位)はコンピレーションアルバム『青春歌年鑑』シリーズに収録)。この少年隊、これまでベストアルバム『BEST OF 少年隊』が出てはいるものの、その内容がとても充実しているとは言えない…ということは以前記載したことがあります。

これを書いたのが3年前ですが、未だオールタイムベストアルバムの発売がアナウンスされることはありません。実は今日のエントリーを書く直前に発見したのですが、上記ブログエントリーのおよそ半年前に少年隊のシングル作品音源入手困難問題をアップされた方がいらっしゃいましたので勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。

こちらのエントリーでは1990年以降の音源についても述べられていますが、エントリーの最後に『「まいったネ 今夜」の青春歌年鑑収録はシングルとは多少違う部分があるようです。こちらもシングル音源にはシングルCDが必要みたいです』とあり、「まいったネ今夜」もなのか…と愕然とする自分がいます。

(ちなみにこちらのエントリーを書かれた方が、『青春歌年鑑』シリーズ収録曲におけるバージョン違いについても記載されています→青春歌年鑑シリーズ: Single is Best!?(2015年6月20日付)参照)。

 

今やフィジカルではなくデジタルでの購入、そして所有も一般的になった時代にあって、デジタルを敬遠するどころかフィジカルにも明るくない歌手(それも高い知名度を誇りながら)が存在すること自体、時代に逆行しているように思えてならない…というのは言い過ぎでしょうか。先述した少年隊について、仮にAmazon経由で中古CDを購入するとなると「まいったネ今夜」が1650円、「じれったいね」と「続・じれったいね」が共に収録された『続・じれったいね (海外版)』(この”共に収録”についてはDiscography(少年隊) | Johnny's netをご参照ください)が715円からとなっています(どちらも今朝の段階の価格であり、また送料が別途プラスされます)。1650円はさすがに安くはなく、デジタルがあればそちらを…と思うのですが、所属事務所がデジタルを認めていないことを踏まえれば、やはりフィジカルでの再発を切望しますし、オリジナルシングルの復刻よりオールタイムベストアルバムのほうがはるかに作りやすいし売れるだろう気がします。このオールタイムベストアルバムの切望は、単にラジオ業務として使いたいという自分のみならず、他の放送局も抱いていることでしょう。そしてなにより、少年隊のファンの多くが切望しているだろうことは、『BEST OF 少年隊』のAmazonに寄せられたカスタマーレビューを見れば一目瞭然です。

(追記あり) コーチェラ・フェスティバルでのBLACKPINK配信/Perfume未配信に思う→Perfume配信決定しました

世界の音楽フェスを代表する、アメリカのコーチェラ・フェスティバル(以下コーチェラ)がいよいよはじまり、日本でもYouTubeの生配信により出演者のうち何組が観られるようになりました。Twitterで圧巻のパフォーマンスと評判だったチャイルディッシュ・ガンビーノ、後追いした自分もひれ伏した次第です。

さてこのコーチェラの初日、自分がTwitterのタイムライン等から最も強い印象を受けたのは【BLACKPINKが素晴らしい】、そして【日曜に出演するPerfumeはなぜ生配信しないのか】との喜怒哀楽でした。Perfumeについては激昂による言葉(の刃)が見られるなど…たしかに未配信という結果は、Perfumeを昔から追いかけていた身には残念ではあるのですが、ふざけるな的リアクションに正直悲しくなりました。むしろ、”もしPerfumeが配信していたならば、今後の彼女たちの知名度は上昇し、チャートアクションは良好になるはず…その機会を逃したのはただただ勿体無い”と思う、そんな自分がいます。というのも、Perfumeの動きと真逆なのがBLACKPINKゆえ。

BLACKPINKは4月5日金曜にミニアルバム(EP)『Kill This Love』をリリースし、カムバックを果たします。

タイトルトラックのミュージックビデオも公開され、YouTubeでは公開後24時間の再生記録を更新、1億再生に至るまでの最短記録も樹立しています。

さらには先週、18日にアメリカのテレビ番組へ出演することもアナウンスされました。同番組のK-Popアクトの出演はBTS以来とのこと。

これら話題が多い中でコーチェラの初日に登場した彼女たちですから、アメリカでの注目の高さ、そして知名度上昇は間違いありませんし、何よりYouTubeを介して観られる以上、世界中で話題になることは必至。無論日本でもSNS上で好リアクションが見られています。

日本を例に取ると、BLACKPINKのネットでのリアクションの良さは、チャートに既に表れています。

f:id:face_urbansoul:20190413224525p:image

現段階で最新となる4月15日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「Kill This Love」が14位に初登場。集計期間が4月1~7日であり、発表から実質3日間しかないにもかかわらずストリーミング6位、Twitter7位そして動画再生5位と3指標で10位以内に入りました。これはBLACKPINKのカムバックを望む日本のファンが多かった、仮に多くなかったとしても熱心な方の割合が高かったゆえとみることが出来るでしょう。そしてコーチェラ初日の映像で彼女たちに触れノックアウトされた方がストリーミング等接触することで、次週のチャートでは上昇することが予想されます。

無論アメリカでも似た動きを見せることでしょう。次回発表される4月20日付ソングスチャートの集計期間はデジタル2指標(デジタルダウンロードおよびストリーミング)が4月5日から、ラジオエアプレイが8日からの1週間。YouTubeでは動画再生回数記録を樹立したとはいえアメリカでの再生回数がいくらかはわかりかねるのですが、おそらくは3指標合計で前作のリード曲「DDU-DU DDU-DU」の最高55位を超えてくるものと感じています。コーチェラの反響はチャート登場2週目以降に表れるゆえ、チャート登場後急降下する可能性は低いものと思われます。さらに言えば、テレビ出演は主に3週目以降のチャートに反映。先述したBTSの場合、昨年アルバム初登場首位を果たした際、リード曲が同日付のソングスチャートでも初登場で上位に入りながら、翌週急降下していました。この弱点をBLACKPINKはメディアやライブ戦略で克服出来るかもしれません。

 

コーチェラがチャートアクションにどこまでの影響を及ぼすかは判りかねますが、しかしながらSNSの高評価を見るとプラスに作用することは間違いないでしょう。となるとストリーミングや動画再生が上昇するのは自然なこと。しかも、運営側か所属事務所やレコード会社側からか、どちらかの働きかけかは不明でもYouTubeでの生配信の対象になったことで、おそらくは省コストで世界へその名を轟かせることに成功しているのですから、日米のみならず世界中のチャートで好リアクションとなることは間違いないでしょう。

 

コーチェラがチャートや知名度上昇へ反映する可能性を踏まえれば、Perfumeのコーチェラ未配信は、彼女たちが世界を目指すならばなおのこと勿体無いと思うのです。なぜ未配信なのかは判りかねますが、仮に権利関係でNGだったならば著作権等を柔軟にしないといけませんし、事務所側のNGならばストリーミングや動画配信、そしてなによりPerfumeの世界進出に後ろ向き過ぎると言わざるを得ません。チャンスをみすみす逃してしまったのではないかと考えてしまいます。今後同種の機会損失は起こしてほしくないですし、BLACKPINKの今後のチャートアクションが好調ならばそれを証明にして各所を説得したいと思うくらいです。

 

最後に、Perfumeのコーチェラ未配信を責める一辺倒な方々に対しては、責めるよりも提言を…と願う自分がいます。特に音楽業界で活躍される方が疑問を呈して終わるだけなのは、Perfumeが配信しないことと同じくらい勿体無いと思うのです。その立場にいらっしゃるならば、なぜ彼女たちが配信に至らなかったかを調査し、関係者を問い質し(関係者と接触出来る可能性は高いはずです)、このほうが好いと投げかけ好い方向に導いたほうが、圧倒的に未来は明るいと思うのですが。

 

 

※追記 (4月16日10時28分)

コーチェラ・フェスティバル、今週末開催の2週目でPerfumeの配信が決定したそうです。

どうやら昨年は2週目のライブストリーミング配信はなかったそうなので、今回は拡大措置の可能性が。音楽関係者等には今回の配信に至った流れを是非とも解明していただきたいものです。そして何より、Perfumeライブストリーミングを楽しみたいと思います。

(追記あり) オリコンの平成セールスランキングと米ビルボード60年チャート、どちらが説得力を持つか

(※追記(2023年3月31日5時30分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り替えました。)

 

 

 

一昨日のブログエントリーでも紹介した、今週オリコンが発表した”平成セールス”ランキングについて。

特に平成30年シングルランキングについて書くならば、平成30年強の歴史におけるフィジカル(主にCD)の社会への影響度に大きな差がある以上、同列に並べることはあまり意味をなさないと思うのです。それでも発表に至ったのは平成総括という現在の流れに乗ったのか等と考えたのですが、こちらのブログエントリーに深く納得したので勝手ながら紹介します(問題があれば削除します)。下記エントリー曰く、『「オリコンはそもそもレコード会社関係者や芸能事務所等に向けた業界誌である」という点にその根本がある』ということ。

一方、日本における複合指標(シングルCDセールス指標等”所有(売上)”に加えて、ストリーミングや動画再生指標等”接触”も加算)に基づくビルボードジャパンソングスチャートはその歴史が浅く、平成全体を総括することは出来ません。また以前は、シングルCDセールス指標に係数を用いなかったため売上枚数がそのまま踏襲された形であり、この10年強の合算チャートを作成すれば偏りが生じることは確かかと。その点でビルボードジャパンがオリコンランキングと対比可能なチャートを作成出来ないことを、勝手ながらもどかしくも感じています。

 

ではアメリカはどうでしょう。昨夏米ビルボードソングスチャート(Hot 100)が今の形になってからちょうど60年となったタイミングで、米ビルボードはオールタイムソングスチャート上位600曲を発表しています。一度弊ブログでも紹介していますがあらためて。

ビルボードジャパンでもこのチャート、上位100曲を紹介しています。

1958年8月4日付から2018年7月21日付までを集計したこのランキングで、上位100曲中最も古いのはトミー・エドワーズ「It's All In The Game」(47位)、最も新しいのは2017年の4曲。時代と共にチャートを構成する指標が変わっていく中で(この点については、上記で紹介したブログエントリーでも引用されている、4.音楽メディアとランキング・システム|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくまに詳しく記載されています)、にもかかわらず1958年と2017年の楽曲を同列に並べることが出来るのはなぜか。

60周年を記念し、“Hot 100”にチャートインした楽曲のオールタイムTOP100ランキングを算出した。期間は1958年8月4日~2018年7月21日で、No.1が最大値となる逆ポイント・システムを採用し、時代とともに算出方法が変化しているため、チャートにおけるターンオーバー比率を考慮し時代ごとに調整した。

米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”60周年記念 チャートイン楽曲オールタイムTOP100 | Daily News | Billboard JAPAN(2018年8月3日付)より

この”逆ポイント・システム”等の算出方法でも問題はあるかもしれませんが、しかしながら多くの方が納得出来るチャートになったのではないでしょうか。アメリカにもレコードやカセット、CDそしてデジタルダウンロードに至るまで所有(売上)の対象は変化しており、また時代によって売上枚数が異なるゆえ(特にここ数年でデジタルダウンロードは極端に減ってきました)、それだけを比べると大きな偏りが出ることでしょう。しかしソングスチャートではその開始当初からラジオとジュークボックスの指標を導入しており、これら”接触”が大きく影響して週間チャートでも突飛な動き(1週目首位、2週目100位圏外等)が出にくいものとなっていることから、オールタイムチャートを作成しても納得いくものが出来たのかもしれません。そして当初から接触に基づく指標が含まれていることを踏まえれば、米ビルボードソングスチャートは業界紙的な側面以上に、音楽に触れる人々全体へ向けたチャートとなっているのではないでしょうか。

 

ビルボードジャパンについては先程、『この10年強の合算チャートを作成すれば偏りが生じることは確か』とは書いたのですが、たとえば過去のシングルCDセールス指標に係数を用いて再計算出来たならば、米ビルボードと同じ要領でローンチ後のオールタイムソングスチャートは作れなくはない気がします。そうすればシングルCD未発売の松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」やRADWIMPS前前前世」等チャートインするはずであり、オリコン以上にリアルなチャートが出来るのではないでしょうか。大変なのは承知で、しかし取り組む価値はあるものと考えます。

藤井隆と「少年ケニヤ」、そして個人的な願い

博多華丸さんが舞台のため先週から『あさイチ』をお休み。その代役として今週は4日間、藤井隆さんが出演していたのですが、これが見事なまでの隆ワールド全開。料理コーナーでの駒村多恵さんとの小競り合い(これは本当にクレーム来たかもしれず、木曜最後に両者謝罪、そして最後の”大団円”での見事な回収!)も面白かったのですが、冒頭のいわゆる朝ドラ受け、そこからのVTR振りが見事でした。

個人的に一番笑ったのが水曜日。

一通りのやり取りを終え、大吉が「さあ、藤井さん。今日の特集はなんでしょうか?」と満を持して質問。すると藤井は「はい。その前に今朝の一曲目。渡辺典子さん、『少年ケニヤ』です」と3日連続で“昭和ネタ”をぶち込んだ。

さすがに大吉も慣れたのか?「ねえねえ、どうぞじゃない、渡辺典子さんが一番ビックリしてる」と突っ込み「今日の特集、打ち合わせしましたよね?『気づきにくい水道トラブル』です」と注意。これに藤井は負けじ?と「少年『水道トラブル』ケニヤです」と苦し紛れのコメント。大吉は笑いながら「もういい、(VTR)行って下さい」と流していた。

藤井隆、お約束の昭和ボケ 3日目は「少年ケニヤ」 大吉も「打ち合わせしたよね?」/芸能/デイリースポーツ online(4月10日付)より

これには伏線が。前日冒頭で『仙道敦子さんをお迎えして『湯殿山麓呪い村』についてうかがいます』(上記記事より)とボケていたのですが、この仙道敦子さん出演の映画『湯殿山麓呪い村』(1984)の同時上映が渡辺典子さん主演の『晴れ、ときどき殺人 (キル・ミー)』というなんとも物騒なタイトルの作品だったのです。そして映画タイトルと同名曲の主題歌も本人歌唱でありセカンドシングルとしてリリースされたのですが、その前、つまりデビュー曲が「少年ケニヤ」だったというわけです(ちなみにデビュー曲は両A面、今で言うダブルAサイドであり、もう一方は「花の色」)。「少年ケニヤ」をはじめとする作品群については下記に詳しく掲載されています。

 

それにしても、藤井隆さんの”渡辺典子愛”は物凄く、これまでもその片鱗をうかがわせてきました。

藤井は取材会で「アイドルの歌番組やCMを見て育ってきた。夕方は家でテレビばかり見ていた」と幼少期を回想。松田聖子など代表的なアイドルの名前を挙げながら「渡辺典子さんや、つみきみほさんのように、女優さんが歌っているのが好きだった」と個人的な嗜好を明かした。

藤井隆が懐かしアイドル語る新番組、スクールメイツ踊る - お笑いナタリー(2013年9月26日付)より

この日の『マイ プレイリスト』(ニッポン放送)の曲目リストはこちらつみきみほ「時代よかわれ」もOA。そして渡辺典子さんは「少年ケニヤ」ではないものの、この曲もあまりに衝撃的で、自分がスタッフの一員を務めるラジオ番組で後日OAしたほどでした。この番組のインパクトゆえか、歌謡ポップスチャンネルのレギュラーが決まったかもしれませんね。そしてこの番組でも。

そろそろ音楽業界が称えるべき「国産シティポップ最良の遺伝子を受け継ぐ男」こと藤井隆さん。 実はこの企画は2014年2月に1度お送りした企画。当日は渡辺典子さん特集のような形で「女優が歌う楽曲の魅力」について掘り下げました。

藤井隆はプロデュースの天才?鈴木京香の歌手デビュー・アルバム秘話がスゴい【国産シティポップ最良の遺伝子を受け継ぐ男】

(3月13日付)より

『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)内特集コーナーで、自身がプロデュースした鈴木京香さんの作品を紹介した藤井隆さん。この特集は2014年2月8日以来2度目ですが、最初の特集時(前番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で放送)は『結局、渡辺典子さんの曲だけを流して持ち時間が尽きた』わけで、なにげにカオスだったんですよね。

そして、好き過ぎるあまり、ご自身で歌ってもいます。

星野源オールナイトニッポン』の特別企画で、昨年12月に放送され大反響を呼んだ、「源と隆のクリスマス!2時間ぶっとおしカラオケパーティー」が、今年も行われた。

(中略)

藤井が歌った“少年ケニヤ”は、1984年に公開された角川映画のアニメーションの主題歌だが、この曲は藤井が「いつもカラオケで博多華丸・大吉の大吉さんにリクエストされる曲なんです」と言って披露。星野も「素晴らしい曲」と聴き入っていた。

星野源と藤井隆のカラオケパーティーを聞いて、ふたりの音楽の「裏」ルーツを感じた (2017/12/16) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)より

実は「少年ケニヤ」、司会が博多大吉さんだから用いたボケだということが解ります。よくよく観ると大吉さんも藤井隆に続けてメロディを口ずさんでいたわけで、藤井さんから大吉さんへの敬意や愛情ゆえの「少年ケニヤ」ボケだったのでしょう。そしてラジオ好きな身としては、”遂に地上波で「少年ケニヤ」出してきたか!”と喜ばずにはいられなかったのでした。

 

この流れで、藤井隆さんのNHKでのレギュラー番組起用を希望します。特に。

また音楽プロデューサーとして…たとえばおでかけLIVEを担当する藤原薫さんがなんとなく藤井隆さんと似ている気がするのですが(これは賛否両論ありそうですが)、実は藤原さんはかなり歌が上手いので藤井さんプロデュースで作品作って欲しいなどと思っています。そして何より、タレントとしても音楽プロデューサーとしても、藤井さんと渡辺典子さんとで作品を作り上げてほしいと願っています。

新元号発表はムーブメントに至らなかった? 4月15日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

4月1~7日を集計期間とする、4月15日付チャートが昨日発表されたビルボードジャパン。総合ソングスチャートはKing & Prince「君を待ってる」が制しました。

総合ポイントは30649。デビュー以来3作連続で、シングルCDセールス指標加算初週に3万超えを果たしました。また前作「Memorial」と比較すると前作比95.0%と若干減ったとはいえ好調。次週、この勢いをキープ出来るかに注目。

キープといえば、日向坂46「キュン」がシングルCDセールス指標加算2週目で2位と好調。カラオケ以外の7指標を順当に獲得し、シングルCDセールス指標全体の4割強にとどまりました。シングルCDセールス指標に特化しがちなアイドルの中で同指標に偏らない理想形を描いています。他方、前週2位のMONSTA X「Shoot Out」は今週早くも100位圏外に脱落。シングルCDセールス指標が全体の8割以上となっており、シングルCDセールスに頼らず如何にしてポイントを獲得するかがアイドル等には求められます。これは、コアなファン以外から支持されるための戦略を練ることとほぼイコールなはずです。

 

さて、今週個人的に気になったのはゴールデンボンバー「令和」のチャートアクション。初登場6位という数値は、あくまで私見と前置きして書くならば低い気がします。

いや、前作「ガガガガガガガ」の最高位は44位(→ガガガガガガガ / ゴールデンボンバー | CHART insight | Billboard JAPAN参照)ゆえ、前作より遥かに上昇しているのですがしかし、新元号と同日発売、楽曲およびミュージックビデオの制作過程の公開(またテレビでも地上波で伝えたこと)、新元号および関連ワードがTwitterで複数トレンド入り、新元号発表が集計期間開始日となる月曜だったゆえ「令和」の集計期間はほぼ1週間丸々…これらを踏まえるに、もっと上位に来ても良かった気がします。

シングルCDは一部店舗先行で昨日発売ゆえ、シングルCDセールスおよびルックアップ指標はカウント対象外。その他6指標のチャート構成比をみると。

f:id:face_urbansoul:20190411084031p:image

カラオケ配信は遅れることが予想されるため300位以内に入っていませんが、その他5指標をみるとデジタルダウンロード5位、ストリーミング56位、ラジオエアプレイ31位、Twitter2位、動画再生1位という状況。各指標の構成比は、デジタルダウンロードおよび動画再生が各3割程度、Twitterがおよそ25%という状況で、総合ポイントは4951となっています。

今週デジタルダウンロードの首位はback number「HAPPY BIRTHDAY」。既にアルバム『MAGIC』がリリースされているため同曲をアルバム経由で手に入れるもしくはシングルCDのレンタルで…という方も多いだろうことを踏まえれば、「令和」がその「HAPPY BIRTHDAY」に敗れたのが気になるのに加え(尤も他の歌手の楽曲でも同様のことが言えますが)、ストリーミングが異様に低い気がします。たとえばK-Popは動画再生、Twitterに加えストリーミングも強く、ストリーミングに有償サービスもあれど無償もあることを踏まえればこれら3指標の伸びは若年層の支持と比例していると言っていいかもしれませんが、一方でゴールデンボンバーの場合はストリーミング指標が思った以上に弱いため、デジタルダウンロードの高くなさも考慮するに、若年層に限らず新元号発表の祭りには乗っかるけれどそれ以上の行動には進まない(購入は幾分見られるもののストリーミングにまでいかない)という心理が作用しているのかもしれません。ちなみにデイリーランキングを掲載しているオリコンによれば、今週火曜(いわゆるフラゲ日)のシングルCDランキングにおいて「令和」は初登場13位と、決して高いとは言えない位置にいます。

 

さてそのオリコンでは今日、平成時代(はまだもう少しあるのですが)のセールスランキングが発表されました。

CDに特化したランキングゆえCD未リリース作品が登場しないランキングであり、またCDバブルと言われた平成一桁とCDが売れなくなりデジタル等へ移行した現在と比較するのは難しいにもかかわらず”平成ランキング”を作成するのはさすがに強引かと思いますが、世の中の平成総決算の流れに乗り、またオリコンの名を印象付ける意味では必要なことだったのかもしれません…が、発表の意義は今は置いといて。

注目はシングルランキングを制したSMAP世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)」。唯一のトリプルミリオンを達成しています。実は新元号発表の際この曲のタイトルが談話の中で用いられたことで、春の選抜高校野球入場行進曲として起用され2週前にTwitter指標9位を獲得して以来上位に登場するのでは、ふたたび同指標トップ10入りするのでは?とみていたのですが。

f:id:face_urbansoul:20190411084045p:image

結果は22位。それも9→17→22位と2週連続でダウンしています。そう考えると、新元号発表以降”令和”がムーブメントかのように取り上げられていますが、内実そこまでではない(ブームとはいえどムーブメントというほどではない)のかもしれません。

とはいえ「世界に一つだけの花」については春の選抜高校野球に用いられて以降3週連続でカラオケ指標がアップし今週同指標72位に。シングルCDセールス指標も300位以内に復活し、総合では89位にランクイン。19週ぶりに100位以内に返り咲きました。先程は新元号(発表)のムーブメントを内実そこまでではないかもと書きましたが、もしかしたらそれはネットの世界だけであって、ネット以外ではやはりムーブメントは見られるのかもしれません。ただ、SMAPジャニーズ事務所所属(だった)ゆえデジタル配信していないことを踏まえれば、ネット上のムーブメントではないと言い切ることは出来ませんが。

今週発売、イギリス発最新ヒット曲コンピレーション『Now 102』トラックリスト

前作からおよそ4ヶ月半ぶり、イギリスの最新ヒット曲をまとめた『Now』シリーズ最新作が今週金曜にリリースされます。

前作はこちらに。

以下に今作、『Now 102』のトラックリストを掲載します。 

4/12発売『Now That's What I Call Music! 102』(UK版) トラックリスト

(順位は全英(UK)、全米(US)とも総合チャートのもの。4/10の時点でのWikipediaを参照。曲名のリンク先はYouTube)

(disc-1)

01. アリアナ・グランデ「7 Rings」(UK1位・US1位)

02. エイヴァ・マックス「Sweet But Psycho」(UK1位・US19位)

03. マーク・ロンソン feat. マイリー・サイラス「Nothing Breaks Like A Heart」(UK2位・US43位)

04. カルヴィン・ハリス & ラグンボーン・マン「Giant」(UK2位)

05. ピンク「Walk Me Home」(UK8位・US54位)

06. サム・スミス & ノーマニ「Dancing With A Stranger」(UK3位・US15位)

07. トム・ウォーカー「Just You And I」(UK3位)

08. ジョナス・ブラザーズ「Sucker」(UK4位・US1位)

09. ジョージ・エズラ「Pretty Shining People」(UK36位)

10. ジェイムス・アーサー「Empty Space」(UK22位)

11. ルイス・キャパルディ「Grace」(UK21位)

12. ジェイソン・デルーロ × デヴィッド・ゲッタ feat. ニッキー・ミナージュ & ウィリー・ウィリアム「Goodbye」(UK26位)

13. リトル・ミックス feat. タイ・ダラー・サイン「Think About Us」(UK22位)

14. マシュメロ feat. チャーチズ「Here With Me」(UK14位・US53位)

15. カーディ・B & ブルーノ・マーズ「Please Me」(UK12位・US3位)

16. カリード「Talk」(UK12位・US39位)

17. メイブル「Don't Call Me Up」(UK3位・US92位)

18. チャーリーXCX & トロイ・シヴァン「1999」(UK13位)

19. シクリッド「Don’t Feel Like Crying」(UK13位)

20. キャメルファット × クリストフ feat. ジェム・クック「Breathe」(UK36位)

21. ジャックス・ジョーンズ & イヤーズ&イヤーズ「Play」(UK8位)

22. ゼッド & ケイティ・ペリー「365」(UK37位・US86位)

23. ザラ・ラーソン「Ruin My Life」(UK9位・US76位)

24. デュア・リパ「Swan Song (from the Motion Picture ‘Alita: Battle Angel’)」(UK24位)

25. アリアナ・グランデ「Thank U, Next」(UK1位・US1位)

 

(disc-2)

01. ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」(UK1位)

02. レディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」(UK1位・US1位)

03. キアラ・セトル & ザ・グレイテスト・ショーマン・アンサンブル「This Is Me」(UK3位・US58位)

04. ジェス・グリン「Thursday」(UK3位)

05. フレイヤ・ライディングス「Lost Without You」(UK9位)

06. ジェイムス・アーサー & アン・マリー「Rewrite The Stars」(UK16位・US70位)

07. ジャック・サヴォレッティ「Candlelight」(UK70位)

08. The 1975「It's Not Living (If It's Not With You)」(UK46位)

09. ウエストライフ「Hello My Love」(UK13位)

10. テイク・ザット「Everlasting」

11. ホージア「Almost (Sweet Music)」(UK82位)

12. ブライアン・アダムス「Shine A Light」

13. マイケル・ブーブレ「Love You Anymore」

14. ロッド・スチュワート「Look In Her Eyes」

15. ヒュー・ジャックマン、キアラ・セトル、ザック・エフロンゼンデイヤ & ザ・グレイテスト・ショーマン・アンサンブル「The Greatest Show」(UK20位・US88位)

(以下は"35th ANNIVERSARY NOW 2 THROWBACK!"として、35年前にリリースされ4月12日に再発される『Now 2』の収録曲をこちらにも収録)

16. フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド「Relax」

17. ニック・カーショウ「Wouldn't It Be Good」

18. マシュー・ワイルダー「Break My Stride」

19. シンディ・ローパー「Girls Just Want To Have Fun」

20. カルチャー・クラブ「It’s A Miracle」

21. トンプソン・ツインズ「Hold Me Now」

 

※一部、日本語表記不明な歌手についても出来る限り日本語にて表記しています。またランクイン不明曲もありますが、日本語表記に誤りがあったり、ランクインしていないものが実際はしていたならば申し訳ありません。

※収録曲は”クリーンバージョン”となるため、仮に収録曲で気に入ったものがそちらだった場合は元の楽曲を購入することをお勧めします(特にヒップホップ)。

イギリスで首位を獲得しながら収録されなかったのは2曲。アリアナ・グランデ「Break Up with Your Girlfriend, I'm Bored」は既に他2曲が収録されているため見送られたと思われます(次作に収録の可能性も)。またYouTuberであるラドベイビー(Ladbaby)の「We Built This City」は"シスコはロックシティ"の邦題でも知られるスターシップの替え歌カバー。チャリティシングルという性質ゆえ、収録は厳しかったかもしれません。

今回はディスク2に、今週再発される『Now 2』(1984)から数曲を再収録。

またチャート上ではあまり話題にならなかったであろうベテランの曲を配する等、曲数を埋めようとしたと邪推されてもおかしくない選曲となっています。が、たとえばブライアン・アダムス「Shine A Light」は今年3月にリリースされたアルバムからのタイトル曲であり、アルバムはイギリスで2位を獲得。しかも共作者にあのエド・シーランがクレジットされていることを踏まえれば気になる方は少なくないでしょう。同じくロッド・スチュワート「Look In Her Eyes」が収録されたアルバム『Blood Red Roses』(2018)はイギリスで首位を獲得していることから、シングルでチャートを沸かせられずともアルバムで特筆すべき動きがあればフォローするというのが『Now 102』のポリシーかもしれません。

個人的に引っ掛かったのはビリー・アイリッシュの未収録。ファーストフルアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』は最新チャートで首位を獲得し、その流れで「Bury A Friend」も最高位となる6位に上昇しましたが、この曲は2月の段階で7位に初登場を果たしており収録されてもおかしくなかった気がします。もしかしたら『Now』シリーズにおけるアデルやエド・シーランの流れを受け継いでいるのではと危惧するのは自分だけでしょうか。

 

今やストリーミングが主流になったとはいえ、ヒット曲をコンパイルした作品が手軽に、CDで手に入るのは好いことと考えます。気になった方は是非手にとってみてください。

リル・ナズ・X首位、ビリー・アイリッシュ7位…新鋭の勢いがすさまじい4月13日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。

現地時間の4月8日月曜に発表された、4月13日付最新ソングスチャート。前週その勢いからトップ10入りを予想していたリル・ナズ・X「Old Town Road」が、トップ10どころかなんと1位に到達。また17歳の新鋭、ビリー・アイリッシュが同週アルバムチャートを制した流れを受け、「Bad Guy」を初登場7位にランクインさせる等、新鋭の活躍が目立っています。

リル・ナズ・X「Old Town Road」に関しては、前週15位に急進した際に注目と書きました。

この曲はカントリーソングスチャートから外されるという出来事がありましたが、ベテランカントリー歌手のビリー・レイ・サイラスが助っ人となったリミックス版も登場しています。

アメリカではオリジナルとリミックスが合算される性質であり(日本とは異なります)、リミックス版は次週4月20日付で加算(その際、オリジナルよりも上回っていればクレジットにビリー・レイ・サイラスの名も加わることに。なお、ラジオエアプレイでは4月7日まで加算対象のためリミックス版も一部加算されています)。それを待たずしてチャートを制するのですから、如何にこの曲に勢いがあるかが解ります。デビューシングル且つソロ名義の楽曲が首位を獲得したのはカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」(2007)以来となります。

ストリーミングは前週比60%大幅アップの4660万で同指標首位、デジタルダウンロードは同83%アップの22000で同指標3位。ラジオエアプレイは50位未満ながら前週比190%アップし1190万を記録しており、次週のリミックス版加算によりさらなる加速も見込まれます。

この「Old Town Road」はナイン・インチ・ネイルズの「34 Ghost IV」(2008)をサンプリング。

この曲を書き、プロデュースしたトレント・レズナーおよびアッティカス・ロスが「Old Town Road」の共同ソングライターおよび共同プロデューサーにクレジット。ナイン・インチ・ネイルズでのソングスチャート最高位は「The Day the World Went Away」(1999)の17位であり、今回、ナイン・インチ・ネイルズ名義ではないもののレズナーやロスにとって関連作品の初の首位獲得ということにもなります。

 

7位にはビリー・アイリッシュ「Bad Guy」が初登場。

ビリー・アイリッシュは17歳の新鋭。先月末にリリースされたファーストフルアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』が今年歴代2位となる313000ユニットを獲得し4月13日付ビルボードアルバムチャートで首位発進。うちアルバム実売(デジタルおよびCD)が170000でありストリーミング換算分も多かったことから、ソングスチャートにもこの勢いが反映され、アルバム収録曲のうちこの曲を含め5曲がトップ40入りを果たしました。「Bad Guy」はストリーミング3470万で同指標2位に登場。デジタルダウンロード(単曲として)は16000で同指標7位となっています。

 

前週まで通算8週もの1位を記録していたアリアナ・グランデ「7 Rings」はポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」にも破れ3位に後退。また、ヴィクトリア・モネとの新曲「Monopoly」は初登場70位と低い位置にとどまっているのは個人的に気掛かりです。

さらに気掛かりなのがラジオエアプレイの勢いのさらなる低下。「7 Rings」は今週ラジオエアプレイ指標を初めて制し、アリアナ・グランデにとっても最初のラジオエアプレイホルダーとなったのですが、その数値は前週比3%ダウンの8870万。ここ最近1億未満になったことに危機感を覚えていたのですが、今回遂に9000万も切ったことから、ラジオエアプレイとストリーミングの勢いならびにウェイト付けの差を痛感せずにはいられません。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (15位) リル・ナズ・X「Old Town Road」

3位 (2位) ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」

3位 (1位) アリアナ・グランデ「7 Rings」

4位 (2位) ポスト・マローン「Wow.」

5位 (4位) ホールジー「Without Me」

6位 (5位) カーディ・B & ブルーノ・マーズ「Please Me」

7位 (初登場) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

8位 (9位) ジョナス・ブラザーズ「Sucker」

9位 (6位) マシュメロ & バスティル「Happier」

10位 (7位) J・コール「Middle Child」

次週、「Old Town Road」がビリー・レイ・サイラスの加勢を受けてどこまで伸びるか、注目です。