ストリーミングは9週連続で1億を突破していたのですがここに来て失速。前週比14%ダウンし9990万となりましたがそれでも巨大な数字であることには間違いなく、同指標トップ。デジタルダウンロードも同18%ダウンしながら71000を獲得(同指標1位)。そしてラジオエアプレイは前週から1つ順位を落とし3位となりましたがこちらは前週比1%近く上昇し9910万。やや失速傾向にはありますがトップはまだまだ安泰と言えるかもしれません。次週はテイラー・スウィフトの新曲「You Need To Calm Down」が登場しますが、勢いからするに仮にトップ10入り出来ても首位奪取は難しいでしょう。
今日の解禁からいろいろ見えてくるものがありますし、他のストリーミングサービスでの解禁も願うところですが、まずは安室奈美恵さんの音楽を楽しみたいと思います。無論ベストアルバムも素敵ですが、『Finally』で録り直しに選ばれなかった作品にも素晴らしいものが…詳しくは以前ラジオ番組で特集したものがありますので、気になったら是非。こちらで紹介した「toi et moi」(1999)もデジタルダウンロード等解禁されています。
「予定は未定で。」はMIGHTY CROWNがプロデュースしたRHYMESTER初のレゲエチューン。人間交差点で初公開されたにもかかわらず”歌って!”と無茶ぶりされながら、一聴して口ずさめる”ダララレイ”の心地よさたるや…でも待てよ、これどこかで聴いたことあると思ったらトニー・トニー・トニー「If I Had No Root」(アルバム『Sons Of Soul』(1993)収録)のアレだよなあと。
「予定は未定で。」が『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)で初OAされた後、リスナーの方からトニー・トニー・トニーの”ダララレイ”ですねというリアクションが届いたのに対し宇多丸さんがKRS-ワンからだと答えていたのですが、「If I Had No Root」がサンプリングした「Remix For P Is Free」(1987)はKRS-ワンも在籍したブギー・ダウン・プロダクションズの作品。なるほど、トニー・トニー・トニーもRHYMESTERも源流はここだったのですね。
(自分の想像は厳密には間違っていたものの)トニー・トニー・トニーを想起するきっかけとなった「予定は未定で。」にライブで触れた後、またも彼らの名を耳にする機会が。『松尾潔のメロウな夜』(NHK-FM 月曜23時)の中で、山下達郎さんが彼らの「Thinking Of You」(アルバム『House Of Music』(1996)収録)を紹介、それも平成を代表するR&Bの1曲として選んでいたのです。
(『House Of Music』はApple Musicにはありませんでした。というか、『Sons Of Soul』以外の作品はiTunes Storeにもない状況です。)
達郎さんによると「Thinking Of You」はアメリカで酷評されたそうですが、bmrでのトニー・トニー・トニー紹介ページでは『Sons Of Soul』および『House Of Music』は傑作と記載されており、どちらの見方が正しいのかは判りかねます。しかし平成一桁台にリリースされた「If I Had No Root」と「Thinking Of You」がエバーグリーンな魅力を放ち、今聴いても格好いいことは間違いないと思っています。
今週初登場、もしくは前週からランクインしていた曲で「Lemon」を逆転したのはデジタルダウンロード解禁した米津さん自身の「海の幽霊」(1位)、ミュージックビデオとストリーミングを解禁した菅田将暉「まちがいさがし」(2位)、デジタル先行ながらシングルCDセールスが今週初めて加算されたMAN WITH A MISSION「Remember Me」(5位)、そしてシングルCDセールス初加算の影響で初登場した3曲(V6「ある日願いが叶ったんだ」(3位)、MAG!C☆PRINCE「ゴメン、、離したくない」(6位)およびJuice=Juice「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」(7位))。そのうち、初登場の3曲についてはいずれもチャート構成比におけるシングルCDセールス指標が極端に高く、V6は8割以上、Juice=Juiceは9割近く、そしてMAG!C☆PRINCEに至っては95%以上が同指標で占められています。そのような作品はシングルCDセールス加算2週目のランクダウンが激しいことは以前述べた通り。