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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「I LOVE...」「Bad Guy」はロングヒット確定? 2月17日付ビルボードジャパンソングスチャートにみる大ヒット曲との共通項

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

 

2月3~9日を集計期間とする2月17日付ビルボードジャパンソングスチャートはOfficial髭男dism「I LOVE...」が制しました。昨日シングルCDがリリースされたこの曲は、昨年6月17日付の米津玄師「海の幽霊」以来となるシングルCDセールスおよびルックアップの2指標未加算での首位獲得となりました。

翌週CD関連指標が加算されポイントが増加、その翌週には反動が生じることが予想されるものの、急落には至らないというのが私見。というのも、「I LOVE...」および2週連続でトップ10入りを果たしたビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(今週8位)にはロングヒット中の曲との共通点を見出すことが出来るのです。

 

・1位 Official髭男dism「I LOVE...」

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2位 Official髭男dism「Pretender」

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3位 King Gnu「白日」

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5位 LiSA「紅蓮華」

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8位 ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

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9位 菅田将暉まちがいさがし

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10位 Official髭男dism「宿命」

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ロングヒット中の5曲(「Pretender」「白日」「紅蓮華」「まちがいさがし」「宿命」)と「I LOVE...」および「Bad Guy」は、その比率に若干の差はあれどストリーミング指標がチャート構成比のおよそ5割を占めています(「紅蓮華」は4割に満たないものの、CD関連指標が他の曲より高く、ストリーミング指標を補強出来ていると言えます)。ストリーミング指標は各種サブスクリプションサービスの再生回数を指し、有料サービスと無料とで1再生回数あたりのウェイトに差が設けられています。この、有料と無料とでのウェイト差については以前紹介しています(→こちら)。

ストリーミング指標において、1再生あたりどれだけのポイントを獲得しているかを算出してみると。

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円グラフにおけるストリーミング指標の割合を目視でしか測れないため(測る手段を知っている方がいらしたら、教えていただけたならば幸いです)、また有料と無料との再生比率が曲によって異なるため、1再生あたりのポイントはあくまで目安でしかありません。しかしながら、100万再生で700回を超えるポイントを稼いでいることがここから理解出来ます。

 

接触指標群は上昇こそ急激なこともありますが、下降が緩やかなのが特徴。動画再生指標も「I LOVE...」「Bad Guy」および「紅蓮華」以外はチャート構成比の20~25%程度を占めていることから、これら2つの接触指標群だけで7割強を占める曲がロングヒットするという法則が成り立つと言えるでしょう(それゆえ、ミュージックビデオをフルバージョンでアップしていない「紅蓮華」の勿体無さが際立ちます。短尺版が再生回数を伸ばさないことは以前から弊ブログで言及しています)。下記リンク先のCHART insightより確認出来るチャート構成比から、その曲がロングヒットの法則に則っているかをチェックすることが真のヒット曲を知る上で重要であり、著しく乖離しているならば改善点を見出すことが必要です。無論、サブスクリプションサービス未解禁ならば解禁に動く必要があります。

デジタル環境に乏しい演歌歌謡曲、テレビ番組も少ない現状でどう打開するのか

Official髭男dismが今日リリースするシングルCD「I LOVE…」は、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS 火曜22時)の主題歌に起用されデジタル先行解禁。今日発表の2月17日付ビルボードジャパンソングスチャートを制する可能性も出ています。

理由として、2月7日金曜に『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜21時)に出演したことは間違いなく大きいと思われます。ダウンロードの伸びが見られたことはチャートをチェックする方がSNSで指摘していましたが、さらに。

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上記は「I LOVE…」のSpotifyデイリーチャートの推移。()内は再生回数、その左は順位を指します(リンク先はこちら)。ストリーミング指標を構成するサブスクリプションサービスのひとつ、Spotifyのデイリーチャートは土日に伸びる傾向にあるのですが、その伸びが大きくなっているのは番組効果と言えるでしょう。

 

ミュージックステーション』や『NHK紅白歌合戦』といったテレビ番組でのパフォーマンスがチャート上昇に影響するのは、チャートを追いかけるとよく解ります。ならばそのようなテレビ番組が増えるべきというのが歌手やレコード会社の声だと思うのですが、いわゆるゴールデンタイムやプライムタイムにおける音楽レギュラー番組はわずか。まして、演歌や歌謡曲を中心に取り扱う『うたコン』(NHK総合 火曜19時57分)の休止回の多さにはやきもきする音楽関係者が多いはずです。

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昨日までの『うたコン』放送回数はわずか3回。1月21日は番組開始からの総集編となり、翌週から通常モードに戻るも放送からほぼ1ヶ月が経過した『NHK紅白歌合戦』の振り返りに時間が割かれています。さらに昨日2月11日は祝日だったためかバラエティ番組に差し替えられています。

この『うたコン』は地上波ゴールデンタイムで演歌歌謡曲の新曲が披露される貴重な番組ですが、今年リリースされた新曲で披露されたのは三山ひろし「北のおんな町」、椎名佐千子「丹後なみだ駅」(いずれも1月8日発売)、氷川きよし「母」(2月4日発売)のみ。「母」以外はオリコン週間演歌・歌謡シングルランキング(→こちら)でトップ3入りを果たし、「母」は今日発表の最新ランキングで高位置に登場することが期待されます。が、「母」こそ発売前日(いわゆるフラゲ日)にタイミングよくパフォーマンス出来た一方、「北のおんな町」「丹後なみだ駅」は発売から3週間を待たないと披露出来ず、まして今年発売されたシングルが同ランキングでトップ3入りを果たした曲のうち一条貫太「北海の篝火」(1月20日付 3位)、中澤卓也「北のたずね人」(1月27日付1位)、真田ナオキ「恵比寿」(2月3日付 1位)、斬波「言羽」(同日付 2位)、丘みどり「五島恋椿」「白山雪舞い」(ダブルAサイド 2月10日付 1位)、川上大輔「永遠に覚めない夢」(同日付 2位)はすべて『うたコン』で披露されていない状況であり、これではとても今の演歌歌謡曲を押さえた番組とは呼べないのではないかというのが私見です。しかも丘みどりさんは2月4日放送回に出演していながら新曲を披露出来ないというのはあまりにも無礼ではないでしょうか。

 

以前、演歌歌謡曲のデジタル化は必要だという提案を行いましたが、それが厳しいならば既存メディアでの露出は必須とも書きました。

実は『ごごウタ』も先週ようやく新年1回目の放送となりました。”新年1回目の放送”という言葉が2月にならないと用いられないこと自体レギュラー番組としておかしいと思うのですが。しかも今週放送回が国会中継に差し替えられ同日深夜に放送が移行する可能性があります。

 

番組が少ない、放送回数が少ない、放送されたとしても演歌歌謡曲の新曲が披露出来ない、そしてデジタル環境に乏しい…この状況で演歌歌謡曲は新曲をどうやってヒットに導いていくのでしょう。メディアと歌手やレコード会社が共通の危機意識を持ち、話し合う場を設ける必要があると考えます。

ひとりで書いた曲のヒットは難しい? 2月15日付米ソングスチャート、トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」のトップ5入りから考える

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の2月10日月曜に発表された、2月15日付最新ソングスチャート。ロディ・リッチ「The Box」が5連覇を達成しました。

ストリーミングは同指標6週目の首位を獲得したものの前週比6%ダウンの6320万。一方、ダウンロードは同7%アップの12000(同指標9位)、そしてラジオエアプレイは同34%アップの4610万で同指標15位に上昇。ストリーミングが微減する一方、ラジオエアプレイがそれを補い盤石の体制を整えています。2位のフューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」のストリーミングが同指標2位をキープしながら前週比13%ダウンとなっており、「The Box」の首位はしばらく続くかもしれません。ちなみに「Life Is Good」における初登場以降4週連続での2位キープという記録はマライア・キャリー「Always Be My Baby」(1996)以来。ちなみに同曲は後に首位の座に就いています。

今週はラジオエアプレイにおいて前週首位のマルーン5「Memories」(総合4位)からポスト・マローン「Circles」(総合3位)がその座を奪還。前者が1億230万、後者が1億360万となり共に1億超えを達成、「Circles」は同指標通算7週目の首位となりました。

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ロディ・リッチ「The Box」

2位 (2位) フューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」

3位 (3位) ポスト・マローン「Circles」

4位 (4位) マルーン5「Memories」

5位 (7位) トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」

6位 (5位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

7位 (8位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

8位 (6位) ダン+シェイ&ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」

9位 (9位) デュア・リパ「Don't Start Now」

10位 (10位) ビリー・アイリッシュ「Everything I Wanted」

トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」が遂にトップ5入りを果たしました。

ストリーミングは前週比2%アップの2280万(同指標4位)、ダウンロードは同2%ダウンの16000(同3位)、ラジオエアプレイは同2%アップの5460万(同11位)と安定した動きをみせています。

自分がReal Soundに以前寄稿した記事は昨年9月末のもの。当時は彼女に関する情報がそこまでなかった記憶がありますが、この数ヶ月で状況は一変。出身地のオーストラリアでは首位の最長記録を更新し、イギリスでは女性歌手で最長となる首位を記録。そしてアメリカでもブレイクし日本でも…?という段階に来ています。

さて注目すべきは、この曲がトーンズ・アンド・アイことトニ・ワトソン単独で書かれているということ。米ビルボードはこの事実に関して、あるチャートファンの方によるツイートを取り上げています。

事実、単独のソングライターによる作品は珍しいのです。こと女性となると、「Dance Monkey」以前にトップ5入りを果たしたのはホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」。2012年3月に3位を獲得したこの曲は、同年2月11日(奇しくも8年前の今日)にホイットニーが亡くなって再浮上を果たしたわけですが、この曲は元々カントリー歌手のドリー・パートンがオリジナルであり、ドリー単独で書かれています。

ホイットニーによる「I Will Always Love You」以前に女性単独でペンを執った曲となると、10年前のテイラー・スウィフトによる「Mine」(2010年8月 3位)、「Today Was A Failytale」(2010年2月 2位)が該当。更に首位獲得曲となると、アリシア・キーズ「Fallin'」(2001)まで遡ることに。いずれも歌手自身が書いています。

男性もしくは作者不明となると、ジョニー・マークスによるクリスマスソングのクラシック曲、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」およびバール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」が該当しますが、これらはクリスマスの度にチャートインし続け今年初めのチャートにも登場(今年1月4日付チャートはこちら)。その前はJ・コール「Middle Child」(2019)が単独でペンを執った作品となるわけです。なお、男性単独執筆による直近の首位獲得曲はエド・シーラン「Perfect」(2017)となるのですが、2000年以降に首位を獲得した247曲のうち、ひとりで書かれた曲による首位到達はわずかに11曲、率にして4%というのはあまりにも少ない気がします。

 

この”あまりにも少ない”というのは捉え方次第であり、あくまで私見に過ぎない部分もあります。現在はソングライターにプロデューサーが共にクレジットされていることや、複数のソングライターによる作品が珍しくはありません(特にスウェーデンの作家陣がその分野に長けています)。ストリートミュージシャンから大成したトーンズ・アンド・アイもこの先プロデューサーを起用することにより単独執筆からスタイルを変えていくかもしれません。今回のブログエントリーの直前にSNSのフォロワーさんによるリツイートで知ったこのグリーン・デイの宣伝は、そんな現代に対するアンチテーゼの一種と言えるでしょう。私見を書くならば、比較対象者の他者否定を持ち込まないと自身の良さを伝えられないとも言えるこの宣伝文句には首をかしげてしまうのですが。

 

サブスクリプションサービス、邦楽のみならず洋楽もラインナップは完璧と言えない?

サブスクリプションサービスで日本が遅れを取っているのは事実だと思う一方、必ずしも海外の国々がすべてを網羅しているとは限らないということを、下記作品に触れて痛感しています。

先月中旬にリリースされたR&Bコンピレーションアルバム『Luxury Soul』は、イギリスを中心に良質なR&B新作を収めたエクスパンション発の作品。秋にリリースされる『Soul Togetherness』同様、好事家の支持を集めています。しかし、このリンク先にもあるSpotifyのアルバムを辿ると、聴取不可な曲が少なくありません。

35曲中10曲、実に3割近くが抜けています。サブスクリプションサービス自体に解禁していないのか、解禁してはいてもSpotifyには出していないのか、それとも日本だけ除外されているのか…の理由は分かりませんが、しかしながら残念なことに変わりありません。

その10曲の未解禁曲のうちのひとつが、グレン・ジョーンズによる「Better Man」。1980年代から活躍するR&B歌手と同一人物と思われます。日本では、エターナルがカバーしラジオを中心に大ヒットした「Stay」(1993)のオリジナル歌手(アルバム『All For You』(1990)収録)といえば分かる方もいらっしゃるかもしれません。 

この「Stay」、エターナルによるカバーはSpotifyにあるのですが(アーティストリンクはこちら)、グレン・ジョーンズによるオリジナルはアルバム『All For You』ごとありません(アーティストリンクはこちら)。日本に比べれば海外は開かれていると思っていたゆえ、このつまずきはショックでした。

もしかしたら、『All For You』のリリース元が現在はレーベルとして機能していない(はずの)ジャイヴだからではないかと思い、同レーベルを代表するアリーヤの作品を調べると。

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アルバムは最近リリースされた作品から遡る形で表示されるのですが、出てきたのはジャイヴからリリースされたファーストアルバムのみ。ジャイヴ発の作品がSpotifyに解禁されていないというわけではないことに安堵した一方、『One In A Million』(1996)および『Aaliyah』(2001)という、彼女そしてプロデューサーのティンバランドの人気を確立した作品群がないのは音楽を享受する側にとって大きな損失でしょう。ちなみにこれら不足分のリリース元であるブラックグラウンドからは、たとえば一時期在籍していたトニ・ブラクストンによる『Libra』はSpotifyにはなく、レーベルの意向もやはりあるのかも?と混乱してしまいます(しかもその『Libra』収録曲は『Midnite』と名前を変えて?昨年リリースの作品として登場しています→こちら)。 

他にも、昨年『Jimmy Lee』をリリースしたラファエル・サディークが以前所属していたトニー・トニー・トニーはオリジナルアルバムが『Sons Of Soul』(1993)1枚のみ(アーティストページはこちら)、ミント・コンディションは『Life's Aquarium』(1999)以降のアルバムは網羅されているものの、初期3作品はSpotifyで見当たらず(アーティストページはこちら)。2組ともベストアルバムが用意されているとはいえ、これではさすがに十分とは言えないでしょう。

 

さて、先日のラジオ番組『アフター6ジャンクション』ではこのような特集がありました。

lightmellowbuによる『オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド』は手に取りたいと思いつつ近隣の書店に在庫がないこと、それ以上に”CDでしか聴けない”という表現に対する違和感が少なからずあることから、ネット取り寄せに至れない自分がいます。”CDでしか聴けない”のは事実だとして、”CDで手に取るとより味わい深い”となるべくデジタル環境が整備されるべきだ…と思うのです(その考えに立てば、”デジタル環境が整備されていないゆえこの本で情報を補える”と紹介したほうがいいよなあと思うなど)。しかし、例に挙げたように海外の作品も似た状況であることが解り、著書を手に取ろうと考えるに至っています。どこの国でも程度の差こそあれ、デジタル環境が完璧とは言えないのは共通しているのかもしれません。ただ、仮に海外では解禁されていながら日本だけNGだとしたら、流石に許せません。

この1年での環境の変化を、買ったもの等を軸にまとめてみる

環境を積極的に変えることは如実に良い効果をもたらしますね。

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この1年でアップデートしたモノたちに助けられています。

 

ちょっと重い話になりますが、自分は体型へのコンプレックスがありながらそのストレスを食に費やすという矛盾を、生まれてから数十年繰り返してきました。大学1年の極端なダイエット(40日で40キロ超)を経てから"食べたら太る"という考えに支配され、そこからの四半世紀でトイレに流れた金は多い時で年100万以上。しかしここ最近はその症状も無くなりつつあります。生まれ持ったネガティブさはひょっこり顔を出すことしばしですが、それを小さくしたりもしくは覆い隠すためにも、モノを更新することは有効だと思った次第。買ったりはじめたことを並べてみます。

 

・ファーウェイ MateBook13

アメリカとの対立云々はあれど、性能は十分。メインの仕事がWindowsオンリーで、しかしMacBookのスタイリッシュさに惚れ込む身にこのいいとこ取りは重宝。これまでは15.6インチで重いノートを持ち歩いていましたがそこからも解放されました。これまでは壊れない限り買わなかったのですが、ふと切り替えたくなったんですよね。

ちなみに自分の思考回路は先述したネガティブさゆえか、"自分は犠牲になって仕方ないのだ"というもので、当たり前のように15.6インチを使い続けていました。しかしこの軽さ(物理的にも、そしてサクサク動く点でも)を手に入れるともはや抜け出せません。あとはこの昨年春に買ったパソコンがどれだけ"持つ"のか気になるところ。

 

・Anker Soundcore Liberty Neo ワイヤレスイヤホン

パソコンを持ってカフェに入った際やジムで愛用。前に使っていたソニー製(ブログにも載せました→こちら)が思ったよりもっさりしておりそろそろ脱出したいと思っていたとき、親友が別メーカーのワイヤレスイヤホンを買ったらそれが良かったとのことで、パソコン購入直後に新たに買ったバッテリーが想像以上に使えたというのを踏まえAnkerを購入。実はファーウェイもAnkerも最初に不具合があったのがちょっと引っかかるものの、それが解消され慣れてくると、使い勝手の好さに納得。

 

Spotify

長きに渡りApple Music派だった(ゆえにブログエントリーのリンク先もそちらでした)自分が、Real Soundさんからお声掛けをいただいたことでSpotifyと正面から向き合う機会を得たのですが、インターネットブラウザでも操作出来るという"軽さ"はiTunes起動がデフォルトのApple Musicにはあり得ないこと。SNSでシェアされているサブスクリプションサービスもSpotifyが最も多いものと捉えており、やはり軽さや使い勝手の好さは最優先選択事項に。新曲チェックと鍛錬とを同時に出来るのは大きいですね。

 

・ジム

弘前市の公共施設から月会費制のジムに、先月から通い始めています。鍛えなくとも温泉に入れること(なにげにこれは使える!)、スタジオを使用したプログラムで様々な有酸素運動が楽しめること、親友や知り合いと切磋琢磨出来ること…等メリットは様々。これにより身体への気遣いが出来るようになり、ストレスの矛先が過食から運動になったので本当にオススメです。諸事情で半月ほど通えなくなったのは辛いですが、ここでめげてはいけない!というポジティブな思いが強くあるのはこれまでの自分には考えられないことですね。

 

 

無論環境を変えるには(特に今回取り上げたものについてはすべて)金銭が必要となるのですが、エイヤッと飛び乗ってみると思わぬ副作用が生じることは自分自身が証明済み。今年はこれらを使い倒し、もっともっと音楽を身体に染み込ませていきます。

ゴスペルあれこれ2020年1月振り返り号

クワイアとして歌ってきた経験を持つ自分が、月単位でゴスペルの動向を書いていければと思い、【ゴスペルあれこれ2020年1月振り返り号】を用意してみました。出来れば毎月記載していこうと考えています。

 

グラミー賞、カーク・フランクリンが受賞

楽曲パフォーマンス部門は「Love Theory」、アルバム部門は『Long Live Love』と、カーク・フランクリンが制覇しています。

尤もカーク・フランクリンがパフォーマーとして、主演曲ではないとはいえ賞本編に登場したことを踏まえれば、彼の受賞は確実だったのかもしれません(ゴスペル部門の発表はテレビ中継された本編より前でしたが)。そのカークが参加したのが、昨年他界したラッパー、二プシー・ハッスルへのトリビュート。DJキャレドにジョン・レジェンド共々参加した「Higher」のパフォーマンス後半にカークが登場し、高揚感と追悼の思いを高めていました。「Higher」のオリジナルは下記に。

またルーツゴスペルアルバム部門はグロリア・ゲイナー『Testimony』が受賞。

冒頭の「Amazing Grace」はゴスペルでおなじみの…と思って聴き始めるとほとんど別物ゆえ驚かされるのですが、ブルースの要素も採り入れつつクワイアと三拍子とを極々自然に融合しており聴き心地は抜群。

グロリア・ゲイナーは「I Will Survive」(1978)で米ビルボードソングスチャートを制しているのですが、この曲は2013年にリリースされたゴスペルアルバム『We Will Survive』にてリミックスが収められています。

 

・ステラー賞、最多ノミネートはドナルド・ローレンス

3月27日に開催されるゴスペル専門の音楽賞、ステラー賞のノミネーションが先月発表されました。今回の司会はコリン・ホーソーンとジョナサン・マクレイノルズという若手2名が務めます。

先述したカーク・フランクリン、およびターシャ・コブス・レナードが8部門にノミネートされたステラー賞で、最多の9部門ノミネートされたのは、ドナルド・ローレンス presents ザ・トライ・シティ・シンガーズ。ドナルドとシンガーズの、実に12年ぶりとなるリユニオンアルバム『Goshen』(2018)が今回の主役となるかもしれません。

ドナルド・ローレンス presents ザ・トライ・シティ・シンガーズはカーク・フランクリン、ターシャ・コブス・レナードおよびJJ・ヘアストンと共に、最優秀アルバム賞そして最優秀アーティスト賞を争います。今回のノミネーションリストはこちらをご参照ください。

 

・”ゴスペル的J-Pop”、1月も続々

数はそこまで多くはないものの、J-Popの有名曲にはゴスペル的アプローチを施したものが多いことを、昨秋ラジオ番組およびブログエントリーにて紹介しました。

ここで「Stand By You」を取り上げたOfficial髭男dismは、先月デジタル先行で配信した「I LOVE...」(今月12日にCDリリース)にもゴスペル要素を導入。2番サビ前でハンドクラップを挿入し、アレンジも途端に力強くなります。

ゴスペルはチャンス・ザ・ラッパーやカニエ・ウェストも取り上げており流行にも即したものと言えます。ミュージックビデオにおける女性同士のカップルを取り上げることも含め、Official髭男dismは間違いなく今の時代をきちんと捉え、柔らかく示していると言えます。あくまでも極々自然な表現であり、過度に配慮したとは思えません。

また、ラジオを中心にヒットしているのがiriさんの今年最初のシングル「24-25」。こちらでもゴスペル的アプローチに挑戦。

2番終わりからのゴスペルコーラスの高揚感が、iriさんが持つクールな歌声と好対照となり、楽曲がふくよかになっています。今回ゴスペルアプローチを試みたのが初とのことですが、しかしとても堂々としていますね。下記にて今作のインタビューが掲載されています。

ラジオでゴスペル的アプローチを施したJ-Popがヒットするのは、昨秋のeill「SPOTLIGHT」もそうでした。

これらゴスペル的J-Popはラジオエアプレイが好調に推移おり、もしかしたら相性が良いのかもしれません。2月2日付の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)チャートで2位を記録した雨のパレード「BORDERLESS」のコーラスはどちらかといえばスポーツのアンセム的な感じが強いですが、先月リリースされた同名アルバムに収められ、昨秋先行配信された「Story」ではイントロ等に薄いながらもゴスペル的コーラスを取り込んでいます。

ともすれば、この1年でゴスペル的アプローチに挑戦するJ-Popはかなりの数になるのかもしれません。非常に楽しみです。

ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」、日本のブレイクは世界一遅い? その現状に思う

ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」が最新2月10日付ビルボードジャパンソングスチャートで7位に入りました。

久々の洋楽トップ10入りですが、色々思うことがあり、記載します。

 

日本時間の先週月曜に開催された第62回グラミー賞は、ビリー・アイリッシュが「Bad Guy」で最優秀レコード賞および最優秀楽曲賞、『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』が最優秀アルバム賞、自身が最優秀新人賞を獲得し主要4部門を総ナメ。クリストファー・クロス以来39年ぶり、史上2組目の快挙を達成しています。

このタイミングで彼女の作品にはじめて触れるという方も少なくなかったでしょう。昨年のクリスマスに日本限定でリリースされたアルバムのデラックス・エディションは入門編としてピッタリといえますし、米ビルボードソングスチャート首位獲得に貢献した「Bad Guy」のジャスティン・ビーバー参加バージョンもこのタイミングでCD化されたので尚の事です。デラックス・エディション商法には疑問を覚えますがそれは一旦置いておきます。

2月10日付ビルボードジャパンソングスチャートの記事(→こちら)はグラミー賞の結果についても触れているため、「Bad Guy」がグラミー賞効果で上昇したのは明白。実はこれ、日本のみならず海外でも見られる現象で、最新2月8日付米ビルボードソングスチャートでは41→17位に上昇。ただし米ビルボードではミュージックビデオ公開効果により「Everything I Wanted」が23→10位と、「Bad Guy」よりも目立つ動きをしているのですが。

現地時間で1月26日日曜夜に発表されたグラミー賞により、米では「Bad Guy」が翌27日月曜のSpotifyデイリーチャートで6位に上昇し、翌28日も順位をキープ。この上昇は世界中でみられ、多くの国で26日より27日、さらに28日火曜と順位もしくは再生回数を伸ばしているのですが、グラミー賞直後の月曜もしくは火曜で「Bad Guy」が"1日あたりの再生回数"および"デイリーチャートの順位"の双方を更新したのは日本だけなのです。この動向は、Spotifyデイリーチャートをまとめたサイトにおける「Bad Guy」のページから判ります(→こちら)。

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非常に細かなデータですが、上記はSpotifyデイリーチャートでランクインした「Bad Guy」の国毎および世界合計データ。”Peak”はデイリーの最高位と最高再生回数を指し、必ずしも両方が同じ日に更新されるとは限らないのですが、日本の場合は1月28日火曜に両方を更新し、翌29日水曜には順位は変わらずも、最高再生回数は更新されています。

日本における最高記録の更新については、「Bad Guy」がドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ 日曜22時30分)のエンディングテーマに用いられていることも影響しているとはいえます。しかしながら「Bad Guy」が昨年世界を席巻し、コーチェラ・フェスティバルでのパフォーマンスが話題となり、遂には米ソングスチャートを制する等トピックが多かった昨年ではなく、タイアップを獲得した今年でなければ記録更新に至れなかったという状況に、無論グラミー賞効果もあるとはいえこの事実には違和感を覚える自分がいます。

 

タイアップは楽曲の認知度を高める上で重要な要素ではありますが、日本で洋楽がリリース直後にタイアップに用いられることは多くないように思います。たとえばエド・シーラン「Shape Of You」は2017年1月リリースながら、同年夏クールの連続ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ)に用いられ、タイアップまでに半年を要しています。

世界中で大ヒットしながら日本では当時認知度がそこまで高くなかったかもしれない(とはいえビルボードジャパンソングスチャートではトップ10入りしていた)「Shape Of You」をタイアップに用いることは、以前から曲を知る方をドラマ視聴に誘導するというスタッフの意図があるのではと思ったのですが、邪推と前置きした上で言い換えるならば、新しい曲を用いてドラマ共々ヒットさせるという意気込みが高くないのではとも思ってしまう自分がいますし、タイアップがなければヒットに至れないのかとも考えてしまうのです。

 

さらには、ラジオの影響力の弱さも気になります。

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上記「Bad Guy」のCHART insightをみると、ラジオエアプレイ指標(緑の折れ線グラフで表示)を制したのは今回が2回目。昨年5月20日付で首位を獲得した際は総合(黒)は17位という成績でした。当該週において、ストリーミング(青)は以前から幾分盛り上がれど21位止まり、そして動画再生(赤)はようやく盛り上がりはじめ66位という状況。ラジオはそれ以前から強さをみせるものの他指標が追いつかないという状況でした。最新チャートにおいてはラジオエアプレイ以外の接触指標群(Twitter含む)、さらには所有指標のダウンロードも伸びており、いわば全方位的なヒットとなったわけです。言い換えればラジオエアプレイ単独では大ヒットに至れないという状況だと捉えることも出来ます。

そういえば先月、『ザ・ベストテン』(TBS)のイントロ曲紹介についての興味深いコラムがあったのですが、そこでこんなことを思った次第。

ラジオ人の選球眼ならぬ選曲眼を研ぎ澄ませ、良い曲を自信を持って紹介し、その際きちんとイントロ乗せを行いリスナーにより刺さるように届ける…こういったことがなおざりになっていることで、リスナーが曲に触れたとしてもより好い印象を抱けず接触や所有につながらないのではないかと考えています。ラジオがいわば”響かなくなった”と思うのです。ビルボードジャパンにおけるラジオエアプレイ指標のウェイトは低く、ラジオから社会的ヒットに至る曲が減っているように思うのですが、昔はビルボードジャパンに毎週ラジオエアプレイ指標のチャートが掲載されていたわけで、それを省いたということはつまりラジオエアプレイ指標のウェイトを下げるチャートポリシー変更をが行われたものと推測します。ラジオが他指標へも波及するよう、OA曲のサブスクリプションサービスプレイリスト用意等環境を整えることも大事ですが、ラジオDJの技術力上昇等の質の向上も洋楽浮上の鍵だと考えます。