イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年6月の私的トップ10ソングス+α、選びました

1月からはじめた【私的トップ10ソングス+α】企画。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。過去の私的トップ10ソングスについてはこちらをご参照ください。

 

 

10位 たなかいも。「いしやきいもの歌」

4月に配信、5月にCD化。つい先日知って驚いた曲。元"ぼくのりりっくのぼうよみ"ことたなかさんが石焼き芋を売り出したという話は耳にしていたのですが、そのテーマソング的位置づけの曲が素晴らしいのです(昨年にはライブを行い、今年元日リリースの香取慎吾さんのアルバムにも参加しているので完全に音楽を止めたわけではないんですよね)。香取さんのアルバムで好相性をみせたWONKのメロディやコードを思わせるお洒落な曲でありながら、石焼き芋をフィーチャーした歌詞といういい意味でのミスマッチにハマりました。

 

9位 GOOD BYE APRIL「人魚の鱗」

ズルすぎます、アレンジや曲進行がANRI「悲しみがとまらない」なんですから。「人魚の鱗」から続けて聴いたり、この曲をバックトラックにして「悲しみがとまらない」を歌ってみてひとりで盛り上がってしまいました。上記動画はライブ配信の模様ですが、この曲に合わせてサングラスを装着したボーカルの倉品さんに対し、コメント欄に"オメガトライブ"が散見されるのも納得。

 

8位 テヤナ・テイラー feat. イマン「Wake Up Love」

カニエ・ウェストのレーベルから登場したR&B歌手による3枚目のアルバム『The Album』に収録。ブラック(・アイヴォリー)「808」を引用しミッシー・エリオット&フューチャーをフィーチャーした「Boomin」も素敵ですが(90年代後半のティンバランドサウンドをまぶすのも最高)、楽曲的にはこちらがお勧め。というかアルバムがかなり素晴らしいとのことで、じっくり聴き込もうと思います。

 

7位 ハルカトミユキ「最愛の不要品」

彼女たちの音に触れるのははじめてですが、かなり惹き込まれました。声質的にBONNIE PINKさんっぽい印象もあり、m-floと組んだ「LLove Song」の"陰"的な感じと言えば通じるでしょうか。

 

6位 YOHLU「FLIGHT LIGHT」

福岡を拠点に活動する3人組、YOHLUによる関口シンゴさんのカバー。纏う空気はまさしく都会の夜。COLTECOもそうですが、福岡にはソウルフルなユニットが多いのでは? 大好きな街なのでまた行ってみたくなりました。

 

5位 ジェシー・ウェア「What's Your Pleasure?」

ニューアルバムのタイトルトラックは、カイリー・ミノーグ「Can't Get You Out Of My Head」の2020年版といった趣き。それにしても上半期で3曲目のエントリーなのでどれらけジェシー・ウェアのことが好きなのか自分、と思ったのですが、アルバムは米ピッチフォークで10点満点中8.3の高評価を得ているので、今作でさらに化ける可能性が。

 

4位 ケンジー feat. シーア「Exhale」

先月16歳を迎えたばかりというダンサーで歌手、女優としても活躍するマッケンジージーグラーによるダンスナンバー。シーアの助太刀も頼もしいのですが、サビのシンセの大胆な音使いが格好悪さと紙一重の格好良さ。しかも後半にはジャスティン・ティンバーレイク「Like I Love You」を模した音が施されるのもツボ。

 

3位 三浦大知「Yours」

こちらについては以前記載しました三浦大知さんによる攻めの曲といえば昨年末の「COLORLESS」も見事でしたね。あとは、よりインパクトのあるリリース戦略をスタッフサイドにお願いしたいところです。

 

2位 Omoinotake「夏の幻」

ミュージックビデオ未制作につきタイアップ先のドラマの予告動画を貼付。音楽ジャーナリストの柴那典さんが今年リリースのミニアルバム『モラトリアム』を称賛していたことを機に彼らを強く意識するようになったのですが、こんなに情感たっぷりの、それでいてやさしい夜風のような音を奏でてくれるとは。夏の恋歌に新たな傑作が。

 

1位 H.E.R.「I Can't Breathe」

Black Lives Matter運動はアメリカのみならず世界中に波及。日本における差別の存在も可視化し、差別をなくすためにどうするかを自発的に考えるきっかけになっています。この運動からは、ビヨンセやアンダーソン・パーク、デイトリック・ハッドン等様々な曲が生まれていますが、個人的に最も刺さったのがH.E.R.のこの曲。白人警官の差別の犠牲になったジョージ・フロイドの言葉を用いているのですが、個人的に最も刺さったのがH.E.R.のブレス音。動画の52秒のところで聴こえるのですが、まるで銃を撃つ準備(コッキング)に聞こえてしまい、命の重みをより強く感じてしまうのです。

 

 

以下、次点として10曲。

・君島大空と塩塚モエカ「サーカスナイト」

paris match「Mr. Deckard」

・Shin Sakiura feat. AAAMYYY「NIGHT RUNNING」

・ブルーノ・メジャー「I'll Sleep When I'm Older」

・デイム D.O.L.L.A feat. ラファエル・サディーク「GOAT Spirit」

ジョン・レジェンド feat. ジェネイ・アイコ「U Move, I Move」

・キアナ・レデ「Dear Mr. President」

・リアン・ラ・ハヴァス「Weird Fishes」

・ルーテン「Control」

・MOMOLAND「Starry Night」

Black Lives Matter運動関連ではキアナ・レデ「Dear Mr. President」もランクイン。いや、関連曲は沢山ありますので、聴き込まないといけないと強く感じています。またMOMOLAND「Starry Night」はK-Popにシティポップが極々自然に溶け込み、それでいてきちんときらびやかでもあるのが見事だと思うのです。

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。

「Rockstar」が首位返り咲き、新鋭が好調なチャートアクションをみせる7月4日付米ビルボードソングスチャート…一方で「Trollz」の急落をどう捉えるか

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の6月29日月曜に発表された7月4日付最新ソングスチャート、ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が返り咲き、通算3週目の首位を獲得しました。

ストリーミングは前週比5%ダウンの3790万で同指標6週目の首位、ダウンロードは同7%ダウンの12000(同指標2位)、ラジオエアプレイは同27%アップの3970万(同指標12位)を記録。上記ミュージックビデオが26日金曜に公開されたこと、さらに28日日曜に開催されたBETアワードでもセンセーショナルなパフォーマンスを行ったことで、次週はストリーミングを中心にさらなる伸びを示すかもしれません。下記パフォーマンス動画のサムネイルをみると、彼らが何を訴えているかがよく解ります。

"Black Lives Matter"にちなんだ動きでは、ビヨンセ「Black Parade」が37位に初登場。これでビヨンセにとって通算40曲目となるトップ40入り達成です。ダウンロードは18000を獲得し、この指標を制しています。

なお、ラジオエアプレイのトップはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(総合3位)で前週比3%アップの7680万を獲得。同指標12週目の首位となっています。

 

新鋭の伸びが目立つチャートとなった今週。TikTok人気を受けてトップ10入りしたセイント・ジョン「Roses」は4ランクアップし4位へ。ストリーミングおよびダウンロードは共に前週比3%ダウンするものの、ラジオエアプレイは同19%アップの4190万を獲得し同指標11位に。

8位および9位は共に初のトップ10入り。しかも、ミュージックビデオのサムネイルにあるレモネードのパックで解るように、ヒップホップのプラットフォームであるリリカル・レモネードが制作。ジュース・ワールド「Lucid Dreams」(2018 2位)のミュージックビデオで一躍時の人となったコール・ベネットが手掛けている作品群です。

ジャック・ハーロウ「Whats Poppin」が10ランクアップし8位へ。ストリーミングは前週比21%アップの1980万(同指標5位)、ダウンロードは同92%アップの5000(同指標23位)、ラジオエアプレイは同23%アップの2600万(同指標29位)と全指標が2桁成長を達成。これは6月24日水曜にこの曲のリミックスが登場したことによるもので、リミックスにはダベイビー、トリー・レーンズそしてリル・ウェインが参加。ストリーミングおよびダウンロードの集計期間後半2日分(ラジオエアプレイの同5日分)にリミックスも加算されたことが、大きな伸びに繋がっています。

 

9位にはリル・モジー「Blueberry Faygo」が前週から2ランクアップ。ストリーミングは前週比1%ダウンの1760万(同指標11位)、ダウンロードは同6%アップの3000(同指標50位未満)、ラジオエアプレイは同14%アップの3650万(同指標13位)とこちらも好調。「Blueberry Faygo」では1990年に最高10位を記録したジョニー・ギル「My, My, My」がサンプリングされています。「My, My, My」は公式ビデオがないため、ライブ映像でチェックしてみてください。

 

新鋭が活躍する一方、もはや中堅の域に入ったといえるポスト・マローンは「Circles」が10位にカムバックを果たし、史上最長となるトップ10入り週数を39週に伸ばしています。

 

最新のトップ10はこちら。

 
 
 
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#Hot100 (chart dated July 4, 2020)

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[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

2位 (4位) ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「Savage」

3位 (5位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

4位 (8位) セイント・ジョン「Roses」 

5位 (7位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

6位 (6位) ドージャ・キャット「Say So」

7位 (3位) リル・ベイビー「The Bigger Picture」

8位 (18位) ジャック・ハーロウ「Whats Poppin」

9位 (11位) リル・モジー「Blueberry Faygo」

10位 (13位) ポスト・マローン「Circles」

 

さて、前週初登場で首位を獲得していたシックスナイン & ニッキー・ミナージュ「Trollz」は今週、34位に急落しています。前週初登場で首位を獲得した際のブログエントリーにおける表題に回答するならば、真の社会的ヒットとは言えないというのが厳しくも私見です。

前週も触れましたが、YouTubeをブログにきちんと貼り付けることが出来ない、且つYouTubeでしか観られない仕組みにも違和感を覚えています。「Trollz」がストリーミングのうちサブスクでは順位が高くなく、YouTubeが強すぎるというバランスにも疑問を抱くのは自分だけではないでしょう。

「Trollz」はストリーミングが前週比62%ダウンの1380万(同指標18位)、ダウンロードが同92%ダウンの9000(同指標7位)、ラジオエアプレイは同97%アップするも230万(同指標50位未満)。ダウンロードの急落は前週のフィジカル施策の反動と言えますが、前週3位に初登場したリル・ベイビー「The Bigger Picture」が7位にとどまったのとは対象的な動きです。

首位獲得曲の大幅ダウンといえば、昨年12月21日付でザ・ウィークエンド「Heartless」が17位に急落し記録を更新したばかりでした。こちらもフィジカル施策の反動が表れた形です。

その「Heartless」と入れ替わる形で首位を獲得したマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」は3週間その座に就いた後、1月11日付で急落、しかも100位圏外へと消えてしまいました。実際、首位獲得曲における大幅ダウンの記録保持曲はこちらになります。

しかしながらこれはやむを得ないこと。同週はクリスマスが過ぎたことでチャートからクリスマスソングが一掃されているのです。マライア・キャリーはこの記録に対してこんなコメントを残しています。

「Trollz」は、首位獲得曲の大幅ダウン記録では史上2位となったわけですが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」とはその意味合いが異なるのです。このような記録を達成し、今後ラジオエアプレイが上昇するなどして再浮上するということがないならば、果たして「Trollz」は社会的ヒット曲と言えるでしょうか。1位を目標にすることは理解出来ても、そのために超短期的な戦略を施し、且つ目立つため等を目的として平然と他者非難を行うこと(それも米ビルボードが不正を行ったという糾弾すら辞さない)を是とするシックスナインのやり方には閉口するというのが率直な私見です。

ビルボードには、フィジカル施策に特化しチャートを急上昇しながらその効果が切れると急落する曲が今後乱発されないよう、チャートポリシーの見直しを行って欲しい、少なくとも議論して欲しいと強く願います。

これからはインストゥルメンタルバージョンの時代? インスト版のリリースが増えていくだろう理由を考える

Official髭男dismが昨年の大ヒットアルバム『Traveler』のインストゥルメンタルバージョン(以下、インスト版)を配信リリースしました。

このリリースから半日後、強力なタイアップ曲3曲を含む『HELLO EP』を8月5日にリリースすることをアナウンスしています。

次作の発売までにインスト版を聴いて待っていてほしいという思いもリリースの目的としてあるのかもしれませんが、これからはインスト版の登場がムーブメントになっていくではないか?と個人的には感じています。

 

最近のインスト版のリリースは『Traveler』に限りません。さかいゆうさんが今月リリースしたシングル「Soul Rain」には、3月発売のアルバム『Touch The World』全曲のインスト版が同梱されています。

また4月にアルバム『シン・スチャダラ大作戦』をリリースしたスチャダラパーは、3種類全てに代表曲のインスト版を同梱。和楽器、オルゴールおよびボサノヴァバージョンにアレンジが施されており上記2作品とは傾向が異なりますが、ファンにはたまらない作品かもしれません。

 

このインスト版のリリースからは、歌手側のこだわりが感じられます。

『楽器のプレイを楽しむもよし!』といえば、近年は『関ジャム 完全燃SHOW』の影響で楽器のフレーズにスポットが当たることが増えています。Official髭男dism「Pretender」は昨年の年間ベストに選出され、最近の放送ではギタープレイの格好良さも紹介されています。曲を多面的に聴いて楽しむという見方がこの番組で生まれていることから、インスト版の存在はそのこだわりをさらに楽しむ上で有効ではないでしょうか。「Pretender」をはじめとする『Traveler』のこだわりは、インスト版リリースのタイミングで音楽コンシェルジュのふくりゅうさんも解説されています。

 

また、『歌うもよし!』といえば、歌ってみた動画の人気が浮かびます。昨日、ブログ【選択の痕跡】のしょーごさんが”なかなかない”と言っていた(ことを機に互いの見方を意見交換したのですが)、様々な「夜に駆ける」のカバー動画をYOASOBI自身が紹介するというのが面白かったですね。

個人的には香取慎吾さんの歌声の器用さに注目したいところ。『20200101』でも感じていたことですが、さらに強固になりました。

歌ってみた動画といえば、最新のビルボードジャパンソングスチャートでシングルCDセールスが加算され4位に上昇したあいみょん「裸の心」については、TikTok等での歌ってみたキャンペーンの開催がCDリリースまでの熱の持続に繋がったものと考えています。キャンペーンの目的もあってか、「裸の心」のインスト版も配信されています。

歌ってみた動画人気の高まり、”歌ってみた文化”の確立と言っても過言ではない動きは瑛人「香水」の大ヒットにも表れています。このように、関ジャム 完全燃SHOW』がもたらした曲の多面的な見方、そして歌ってみた文化…このふたつの醸成が、インスト版のニーズを高めているものと考えます。

 

Official髭男dismについてはさらに、今年2月にリリースされたライブアルバムが好調に推移しており、こちらにも注目したいところ。

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ライブアルバムはオリジナルアルバム以上にコアなファン向けという特性がありますが、注目は上記チャート推移(CHART insight)においてオレンジの折れ線グラフで表示されるルックアップの動向。CDセールス加算2週目までは、パソコン等にCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスされる回数を示すルックアップにレンタル分が加算されず、レンタル解禁に伴い3週目(解禁から2日分が加算)にルックアップが上昇することは昨日のブログエントリーでも記載しました。その中で、Official髭男dismのライブアルバムはCDセールス加算3週目に急上昇し、以降最新週に至るまでルックアップは20位以内をキープしています。オリジナルアルバムもルックアップが強いことから合わせ借り(そのような言葉はないでしょうが)が行われているだろうことも考えられますが、彼らの演奏能力の高さや生声の素晴らしさを機にライブアルバムにたどり着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。生の魅力を知るという意味では、ライブアルバムの人気もまた『関ジャム 完全燃SHOW』がもたらした曲の多面的な見方の高まりの結実と言え、インスト版の人気と幾分リンクする気がします。

King Gnu、ヒゲダン、Uru、milet、藤井風…ロングヒットするアルバムの共通項を探る

最新7月6日付ビルボードジャパンアルバムチャート、前週の1位と2位獲得作品に大きな差が生じてしまいました。

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前週、氷川きよし『Papillon(パピヨン) - ボヘミアン・ラプソディ-』がCDセールス首位ながらデジタル未解禁が響き、総合での首位の座を逃したことはお伝えしましたが、今週はCDセールス10位、ルックアップが100位未満(300位圏内)と落ち込み23位に急落しています。演歌の販売手法がCDセールス偏重であること(その手法は今作にも踏襲されたものと考えています)が影響を与えたであろうこのチャートアクション、至極勿体ない動きだと思います。

 

最新アルバムチャートではトップ10内に5作品が初登場。言い換えれば先述のmilet『eyes』ほか4作品がトップ10内にとどまったということに。そして留まった作品には一定の傾向があると感じ、今回のエントリーに記載します。

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個人的には藤井風『HELP EVER HURT NEVER』のトップ10返り咲きに、彼がブレイクしていることの手応えを感じています。

さて、トップ10内に留まった作品には2つの特徴があります。ひとつめは、CDセールスの加算3週目までに勢いがキープされていること。邦楽は基本的にCDリリースの3週(17日)後にレンタル解禁となり、3週目のチャートにはルックアップ(パソコン等に取り込んだ際、インターネットデータベースにアクセスする回数)がレンタル解禁直後の2日分、翌週からは丸一週間分が加算されます。ルックアップはアルバムチャートにおける唯一の接触指標でありレンタルの人気が反映されますが、言い換えればレンタル解禁までに所有指標主体にヒットが続いていれば、後にレンタルによるルックアップが加算されることでロングヒットに繋がりやすいのです。先述したmilet『eyes』は今週レンタル2日分のルックアップを反映し同指標が上昇していることから、次週以降の安定が予想されます。

 

今週トップ10内に残っている作品はいずれも、ひとつの指標だけに特化しているわけではないというのがふたつめの特徴です。リリースから間もない作品はルックアップがそこまで大きくないのですが(しかし藤井風『HELP EVER HURT NEVER』に関してはレンタル店の在庫が過少と感じるゆえ、思ったほどレンタルされていない気がします)、徐々にチャート構成比に占めるルックアップの割合が上昇するという形。Uru『オリオンブルー』は、ベストアルバム『YOUR STORY』が好調なJUJUさんの動きをなぞっていると言えます(リリースは『オリオンブルー』のほうが早いのですが)。

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一方で、ロングヒットを続けるKing Gnu『CEREMONY』やOfficial髭男dism『Traveler』は3つの指標がバランス良く配置されています。ルックアップの好調もさることながら、これらの大ヒット作品は、新曲をリリースすることで旧作に光が当たったり、アルバム収録曲がタイアップに起用されるもしくはテレビでパフォーマンスされることで、所有指標が刺激されています。特にテレビパフォーマンスにより、観た方が即座にデジタルで購入する流れも生まれることから、ダウンロード指標が高くなる傾向があると言えます。

今年度上半期アルバムチャートでは『CEREMONY』『Traveler』がワンツーフィニッシュを飾っていることもあり、今のチャートアクションの理想形はCDセールス、ダウンロードおよびルックアップという3つの指標のバランスの良さではないかと考えます。

 

なお、ロングヒットするアルバムのチャート構成比には例外もあります。

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浜崎あゆみさんのベストアルバム『A COMPLETE~ALL SINGLES~』はチャート構成比の9割程度をダウンロードが占拠。昨年夏の関連本、およびドラマ化により再度チャートを賑わせていますが、元来このアルバムが安価で売られていることが興隆の要因。ブログ執筆現在、44曲入り1000円で発売されており、その手軽さがヒットにつながった形です。

ロングヒット作品のチャート構成比は是非、CHART insightで確かめてみてください。

 

ちなみに、アルバムチャートの構成指標は日本とアメリカで異なります。米ビルボードアルバムチャートではルックアップがない代わりに、曲単位での購入やサブスクでの収録曲の再生について、購入曲数や再生回数(有料サービスと無料とで異なる)が一定数に達すれば1ユニットとなり、CDや(アルバム単位での)ダウンロードの売上と合算したユニット単位で算出します。今年に入り、YouTube公式動画の再生回数も加わることになりました。

では日本でもこの図式を導入するのか…ビルボードジャパンがTwitterにて、”#ビルボードポッドキャスト”を付けて質問を募集する企画を実施していたので投げかけてみたところ、ビルボードジャパンの見解が先週のポッドキャストにて発信されています。質問は以下に。

回答は、カラオケ指標の再開も発表するとアナウンスした先週のポッドキャストで聞くことが出来ます。その部分を書き起こしさせていただきます。

現状その可能性はないとお伝えしておきたいと思います。やりたいなという思いはあったりはするんですが、現状可能性としてはないかな、という。我々、いろんなデータを集めてチャートを作っているんですけれども、そのいただいているデータからこのユニットを察するというのは、結構いろんな類推をしないといけないんですね。推定というか。で、一回の推定ならまだしも、推定した数値を元にさらに推定するみたいな、二段階の推定というのがユニットを出すには必要でして、今現状いただいているデータから出すと。この推定に推定を重ねるというのはデータとして有効なのかというのはちょっと疑問が残るところですので。ある程度正確なデータとしてお出ししたいのでちょっと現状アルバムに関するチャートポリシーを変更するっていう可能性は現状ないということをお答えさせていただければ、というふうに思います。

マニアックな質問でしたが、回答をくださったことに感謝申し上げます。二段階の推測に強く納得した次第です。

仮にデータが正確さを増し、ユニット換算をビルボードジャパンでも採用するとなれば、今日紹介したロングヒット作品はさらに順位が安定することでしょう。

ジャニーズWESTとTwenty★Twentyが共にトップ3入りなるか? 次週ジャニーズ事務所所属歌手のソングスチャート大挙ランクインが予想される理由

ジャニーズ事務所所属歌手の作品がビルボードジャパンソングスチャートで次週何曲トップ10入りするか、楽しみになってきました。

 

ビルボードジャパンではシングルCDセールス、ダウンロードおよびサブスクの再生回数を基にしたストリーミングについて、集計期間開始日の月曜から3日分の数値を”先ヨミ”と銘打ち、速報を発表しています。次週7月1日に発表される7月6日付ソングスチャート(集計期間は6月22~28日)、24日にシングルCDをリリースしたジャニーズWEST「証拠」が同指標でリードしています。

速報値では前3作のシングルCDセールスを上回る好スタート。ジャニーズ事務所発の作品ではKing & Prince「Mazy Night」やKinki Kids「KANZAI BOYA」共にここ数作を上回る初週CDセールスを記録しており、さらにシングルCDセールス初加算週におけるラジオエアプレイも比較的好調なことから、ジャニーズWEST「証拠」についてもここ2作の17000点台を上回るポイントを獲得するものと考えられます。

シングルCDセールスに長けた曲といえば、今週首位の「KANZAI BOYA」は次週シングルCDセールス加算2週目。この数作の動きを踏まえポイント前週比を13%とすれば次週は2600ポイント前後となりそうですが、曲がENDRECHERI感に溢れ、そのENDRECHERIがデジタル解禁していることでもう少し高いポイント前週比となる予感。先週首位だった「Mazy Night」(今週5位)は『CDTVライブ!ライブ!』でのパフォーマンスや、主題歌となったドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』の初回放送も相俟って高止まりしそうな気配。ポイント前週比を55%と見積もれば3600ポイントあまりとなり、「KANZAI BOYA」を逆転するものとみています。

 

これらシングルCDセールスに長けた作品とは別に、次週のチャートで好位置での登場が予想されるのがTwenty★Twenty、通称トニトニによるチャリティソングの「smile」。

8月にCDとしてリリースされるシングルが22日月曜に年内限定としてデジタル解禁されており、ダウンロードでは3日間で5万5千を売り上げています。

iTunes Storeのリアルタイムチャートをみると、月曜早朝に首位を獲得して以来木曜深夜までその座を譲ることはありませんでした。先ヨミの段階で今年度の週間ダウンロード数トップ5入りはほぼ確実としており、どこまで伸ばすかに注目です。またストリーミングは速報値で19位と、こちらも好調に推移しています。

 

その「smile」に変わって現在iTunes Storeのダウンロードチャートを制しているのが、26日金曜リリースの嵐「Face Down : Reborn」。

プロデュースはブラッドポップというのだから驚きです。レディー・ガガの最新アルバム『Chromatica』の大半の曲を手掛けている彼が、嵐と組むことになった経緯がとても気になります。そしてミュージックビデオではないものの、リリースに合わせて上記リリックビデオをきちんと用意しているのも、嵐がデジタル解禁を徹底している証拠といえます(リリックビデオもISRC(国際標準レコーディングコード)を付番していれば動画再生指標にカウントされます)。リリース日は海外標準となる金曜であり、ジャニーズ事務所の他の歌手の作品、そして邦楽全体の傾向とも一線を画しています。

これまでジャニーズ事務所は、所属歌手のシングルCDリリースを同週に実施することはほとんどありませんでした。SixTONESSnow ManのVS企画は二組のクローズアップのために敢えて行ったと言えるでしょうが、その他では嵐「復活LOVE」とTOKIO「fragile」を思い出す程度。嵐は今年いっぱいで活動休止することを表明していることもあり、この一年強は音楽面でかなり自由に動いている印象があります。

「Reborn」シリーズのデジタルシングルは「A-RA-SHI」「Love so sweet」に次ぐ第3弾。いずれも金曜にリリースされたことから、次回のチャートとその翌週とでほぼ同等のポイントを獲得するものと思われます。YOASOBI「夜に駆ける」や瑛人「香水」が上位で安定するだろうことから、「Face Down : Reborn」が「Love so sweet : Reborn」並の5千ポイントを獲得してもトップ10入りは厳しいかもしれませんが、安定した位置が見込まれます。

 

さらに今週木曜、SixTONESが7月22日にCDリリースする「NAVIGATOR」のミュージックビデオを解禁しました。

YouTubeバージョン”と銘打っていることからおそらくはショートバージョンであり、フルバージョンほどの再生回数は見込めないかもしれませんが、前作「Imitation Rain」もシングルCDリリース前にビデオが解禁され、シングルCDセールス加算前週は動画再生指標だけで550ポイント程度を獲得。今年に入りTwitter指標で男性アイドルの高ポイント獲得が目立っていることから、次週は総合で2000を超えるポイントを獲得するものとみられます。

(なお、「NAVIGATOR」はブログ執筆段階でYouTubeの再生回数が170万を突破していますが、ビルボードジャパンソングスチャート動画再生指標の加算対象となるのは日本国内で再生された分となります。)

 

 

ブログ【Billion Hits!】の管理人、あささんはビルボードジャパンの速報を基に、シングルCDセールスにおいては月曜発表の最終結果も踏まえてチャートの予想をTwitterに掲載しています。金曜に発表した予想ではジャニーズ事務所「証拠」がトップを獲得し、Twenty★Twenty「smile」も1万ポイント前後となるとしています。

(勝手ながらツイートを引用させていただきました。問題があれば削除いたします。)

ポイント的にも高レベルで推移するであろう次週のチャートですが、その中でジャニーズ事務所所属歌手の作品で2000ポイントを超えるのは6曲となるのではと考えています。これは極めて珍しいことであり、ジャニーズ事務所側が従来のCD主体の戦略から、デジタルを積極的に用い始めてきていることの結果と言えるでしょう(無論、最終的なチャートの結果を見ないことには断言出来ませんが)。仮にTwenty★Twenty「smile」がジャニーズWEST「証拠」を超えることがあれば、事務所のデジタル姿勢はますます前向きになっていくかもしれません。

次週カラオケ指標が集計再開されるビルボードジャパンソングスチャート、ポイントが上昇傾向にある理由が明確だった

ビルボードジャパンソングスチャート、次週遂にカラオケ指標の集計が再開されます。

コロナ禍でカラオケの利用者が大幅に減少したことを踏まえ、4月20日付から11週間集計が取り止めとなっていたカラオケ指標。新型コロナウイルスは未だ収束していないためカラオケの利用率はコロナ禍以前には戻ってはいないでしょうが、しかしこれでソングスチャートがさらに面白くなりそうです。集計取り止め直前の4月13日付でカラオケ指標トップ10入りした曲の翌週のポイント前週比がおおむね1割以上ダウンしたことから、次週カラオケ指標上位曲は1割近くポイントが上昇するものと考えられます。集計取り止めの間に社会的ヒットとなった曲のカラオケ順位、そして総合ポイントの推移が気になるのですが、YOASOBI「夜に駆ける」がDAMJOYSOUNDの双方で解禁されている一方、瑛人「香水」やyama「春を告げる」は検索しても見つかりません。これでは「香水」「春を告げる」のポイントアップは期待出来ず、またカラオケサービスが流行を追えていないとしてユーザーからの反発を招くかもしれません。尤もこの懸念は以前提示したもので、早期の解決を強く望むばかりです。

 

カラオケ指標の集計再開は他指標に影響を及ぼすことはおそらくありません。バッティングする指標がないため純粋に加点され、ポイントも全体的に底上げされます。

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上記は2018年度以降のビルボードジャパンソングスチャート、50位の総合ポイント推移をグラフ化したもの。カラオケ指標集計取り止め初週となった4月20日付の50位のポイントは前週比7%ダウンしていますが、その後は上昇基調となっています。これでカラオケ指標が再開となれば、50位のポイントは確実にアップすることでしょう。

 

カラオケ指標は2019年度初週から導入されていますが、上記グラフで50位のポイント推移をみると緩やかな上昇が見て取れます。この理由は、サブスク再生回数を基とするストリーミングにあることは明らかです。

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2019年度以降のビルボードジャパン、ストリーミングソングスチャート1位および10位の再生回数推移がこちら。最新6月29日付のストリーミングソングスチャートでは首位のYOASOBI「夜に駆ける」が史上2位となる9686766回再生を記録。またTWICE「MORE & MORE」は3613902回再生され、10位曲の再生回数の最高を更新しています。

およそ1年前の1位の再生回数が300万台だったことを踏まえれば、サブスクの成長(日本での浸透)がポイントの底上げに寄与していることは間違いありません。昨年度末にSpotifyの再生回数も導入されたことで、影響力は尚の事高まっています。

 

他方、コロナ禍の影響でリリース延期が相次いだこともありますが、シングルCDセールスおよびダウンロードは緩やかな減少傾向となっています。2020年度の推移をまとめてみました。

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動画再生指標上位曲の数値は記事等で明示されませんが、これらのグラフを踏まえれば、総合ポイントに占める接触指標群の割合もさることながらその重要度も高くなっているものと考えてよいでしょう。

 

接触指標群に長けた曲にカラオケ指標が加われば勢いがさらに加速するはず。特に今週初の1万4千点台に突入したYOASOBI「夜に駆ける」は最新のDAMおよびJOYSOUNDの週間チャートで共にトップ5入りしていることから、総合ポイントの推移に注目していきたいと思います。

「夜に駆ける」「香水」が他の動画発ヒット曲よりステップアップ出来た理由は? 6月29日付ビルボードジャパンソングスチャートから考える

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

6月15~21日を集計期間とする6月29日付ビルボードジャパンソングスチャート、前週首位のKing & Prince「Mazy Night」は5位に後退、KinKi Kids「KANZAI BOYA」がシングルCDセールスを武器に総合チャートを制しました。

「KANZAI BOYA」はショートバージョンでもミュージックビデオが公開されておらず、ゆえにデジタル指標群(ダウンロード、ストリーミングおよび動画再生)は未加算となっていますが、シングルCDセールスおよびTwitter指標を制覇。他方、ルックアップは2位にとどまり、この指標はKing & Prince「Mazy Night」が制しています。「Mazy Night」のシングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比はデビュー曲「シンデレラガール」(2018)に次ぐ16.2%。ロングヒットに至れるか注目していきましょう。

 

前週2位のYOASOBI「夜に駆ける」、3位の瑛人「香水」は共に順位をキープ。

サブスクの再生回数に基づくストリーミング、および動画再生という接触指標群が強いことが高水準を維持出来る理由ですが、たとえばこの2曲同様に接触指標群で高い、もしくは安定した人気を誇る曲が総合チャートでは思うほど伸びないことが個人的には気になるのです。たとえば。

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yama「春を告げる」は今週トップ10落ち。ポイントも100位以内に登場して以来、はじめて前週を割り込んでいます。また。

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最新チャートの集計期間である19日金曜に『ミュージックステーション』で披露されたRin音「snow jam」はポイント前週比116.0%となりながら、大きく上昇することが出来ませんでした。

Rin音さんにおいてはアルバム『swipe sheep』が6月10日に発売されたことで、ダウンロードを曲単位ではなくアルバム全体で行おうという流れがあったのかもしれません。しかしながらテレビ出演もあり、もっと伸びてもよかったのではないかと思うのです。チャート構成比をみて気になる点が浮かび上がり調べてみて、これらの曲の”弱点”が判明したように思います。

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上記は「snow jam」のチャート分析(ビルボードジャパンのCHART insight)から、総合チャート(黒の折れ線で表示)およびラジオエアプレイ指標(緑の折れ線で表示)の順位だけを抽出したものですが、ラジオエアプレイがこれまで一度として300位以内に入っていないのです。冬の曲ゆえ時期的に敬遠された可能性もあるかもしれませんが、接触指標群のストリーミングと大差が生じていることが、さらなる浮上に至れなかった要因ではないかと思うのです。これは上記「春を告げる」も同様で、ラジオエアプレイは前週まで4週連続で300位圏内(100位未満)に入りながら今週陥落したため、同指標でポイントを獲得することが出来ませんでした。

 

実はこのラジオエアプレイ、「夜に駆ける」や「香水」においてもチャート登場後しばらくは非常に弱い指標でした。5月11日付ビルボードジャパンソングスチャートを踏まえ、さらなるステップアップにはラジオエアプレイの上昇が必須であるとのブログエントリーを記しています。

この段階で2曲とも既に総合でトップ10入りを果たしていたのですが、翌週以降ラジオエアプレイで火が付き、その勢いと比例して総合チャートでも大ヒットに至っていることが、下記CHART insightからも解ります。

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他方、「春を告げる」そして「snow jam」はラジオが未だ強くない状況が続いており、スマッシュヒットから大ヒットへの移行が出来ていないと言えるでしょう。この2曲に限らず、動画発のヒット曲がさらなるステップアップに至れないのはおそらく、このラジオエアプレイの低さが要因だと思うのです。

 

ビルボードジャパンを構成する指標は所有(シングルCDセールスやダウンロー)と接触(ストリーミングや動画再生)に分けられ、ラジオエアプレイは接触指標の一種なのですが、受け手は聴取する放送局や番組を選ぶことは出来ても、聴く曲は選べません。ストリーミングや動画再生が能動的に曲を選べるのとは対照的に、ラジオエアプレイは受動的なのです。尤もストリーミング等でも、プレイリストを選んで聴いたところ予期せずその曲に触れたという受動的なたどり着き方は発生しますが、ラジオについては基本受動的といえます。このラジオ特有の特徴により、曲を知らなかった不特定多数の方に予期せずリーチさせることが出来るのです。以前と比べてラジオエアプレイ指標のウェイトは下がった模様ですが、それでも唯一無二の受動的接触指標にあたるこのラジオエアプレイは重要な役割を持っているものと捉えています。

 

「春を告げる」や「snow jam」等は、若年層を中心に既に高い支持を集めているものと思われ、次週からの集計再開がアナウンスされたカラオケ指標でも好位置での登場が予想されますが、総合的なチャート上昇のためにはライト層を”作る”ことが問われているのではないでしょうか。とはいえ、先のブログエントリーで述べたようにインディ等の歌手がラジオ局に働きかけることには限界があると思われますので、ラジオ局側の能動的な意識の変化も必要ではないかとあらためて感じています。