イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

大原麗子、歌手としての才能(?) 「ピーコック・ベイビー」

好い意味で”昭和臭”を放ち続けるバンド、キノコホテルからの重大発表(予告)。

キノコホテル支配人のマリアンヌ東雲は(中略)“キノコホテル営業終了”の声明文を発表。12月8、9日に東京・東京キネマ倶楽部にて行われる実演会「サロン・ド・キノコ ~四次元の美学ツアー」ファイナル公演を最後に、現在の4人での“営業”を終了するという。声明文では「しかしそれはキノコホテルの終焉を意味するのではありません」ともコメントされており、2013年1月19日にはタワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIOにてアルバム発売を記念した“店頭実演会”の開催が決定している。

・ナタリー - キノコホテル最新ビジュアル公開&支配人から衝撃の声明文(10月31日付)より

12月5日発売のニューアルバム『マリアンヌの誘惑』から、「その時なにが起こったの?」が先行配信されてますが、現行体制の終了予告は、それこそ”その時(キノコホテルに)なにが起こってるの?”状態ではあります。

・キノコホテル「その時なにが起こったの?(Music Video Short Ver.)」

 

自分がキノコホテルを知ったきっかけは、大原麗子さんの「ピーコック・ベイビー」をカヴァーしているのを知ったこと(アルバム『マリアンヌの休日』(2010)収録。コチラで試聴可能)。とんでもない曲を取り上げたなと思いつつ、友人経由でありながら大原麗子さんがその曲を歌っていたことを知っている自分(そしてなによりその友人)にも、あらためて驚愕。

 

大原麗子「ピーコック・ベイビー」

なぜ知ってるのかといえば、『ニッポン・ガールズ~和製ポップス、ビート歌謡&ボサノバ』(2010)というコンピレーションを友人が見つけ、その中に入っていたのがこの曲だったという次第。Amazonによれば、元来はイギリス発のコンピレーション(で日本が逆輸入)とのことで、UKのAmazonチェックすると…たしかに日本盤より1ヶ月以上前の発売となってます。日本音源を掘って紹介した人、凄い。

 

大原麗子さんといえば大河ドラマ『春日局』の主役を務めるなど往年の大女優という印象が強い一方、ウイスキーのCMでの、声の印象と相俟った可愛らしさで知られており、親しみやすい印象があったものの、”歌手だった”というのはコンピレーションを手にするまで知りませんでした。Wikipediaによれば、シングル3枚アルバム1枚をリリース。「顔を見ないで」と両A面だったこの曲のみ、1960年代のリリースとなっています。

 

で、その「ピーコック・ベイビー」…決して巧いとはいえないし、♪パーパパパパーパーの脱力感はともすればやる気の無さに捉えられかねないものの、おそらくはそれこそが大原麗子さんの”愛らしさ”であり、全体をひっくるめて”サイケデリック”として現代で(再)評価され、キノコホテルがカヴァーするに至ったのかもしれませんね。最後の♪ゴーゴーゴゴーゴーの摩訶不思議なフレーズも変に魅力的なこの曲、ちなみに作曲は小林亜星さんというのも驚きです。

 

ちなみに、もっとマニアックな見方をするならば、曲の最後、2分28秒頃の歌い間違いが面白いのです。♪パーパパパパーパーから♪ピーコック・ベイビーに移るはずなのに大原さんだけが再度♪パーパパパパーパーを繰り返した、その頭の♪パーだけがなぜか残ってしまっています。雑な編集ともいえるけど、これもある意味”サイケデリック”の評価の所以、だったりして。