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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

山下達郎から辿ってみたら演歌にまで行き着いた、”サンプリングされた邦楽”集

ヒップホップ界のプロデューサー、ジャスト・ブレイズがテレビ番組の中で山下達郎『SPACY』(1977)を紹介しています。レコードコレクションと音楽を語る番組内でのもので、番組ではこの他、10年前に亡くなったアリーヤとの、彼女の死の直前の”予定”についても語っています。

膨大なレコードのコレクションを誇るジャスト・ブレイズは、山下達郎の『Spacy』(1977年)も番組中で紹介、「クールな曲がたくさん入っているけど、“Dancer”が一番だね」とコメントしている。

bmr.jp - ニュース - ジャスト・ブレイズ、あの事故当日にアリーヤと制作予定だった(11月9日付)より

 こちらにも番組の動画を。10分54秒から『SPACY』が紹介。

 

さて、ジャスト・ブレイズが『SPACY』の中でも一番と語る曲、「DANCER」。以前R&Bアーティストのニコル・レイがサンプリングネタとして用いていたことを思い出した次第。あらためて聴いてみると、実に格好良いんですよね。

・Nicole Wray feat. Beanie Sigel「Can't Get Out The Game」

アルバム『SPACY』のWikipediaページによれば、このニコル・レイの曲は2004年に制作され、しかも『"Can't Get Out Of The Game" はレイの 1st アルバムとなるはずだった "Lovechild" に収録』(Wikipediaより。なお、ニコル・レイは1998年にアルバムを発売しており、引用した中の”1stアルバム”とはロッカフェラレコード(ディストリビューション担当はデフ・ジャム)に移籍後の最初の作品、という意味)とあるので公式音源化されるはずだったものの、アルバム自体が頓挫し日の目を見ずじまいという状態。推測の域を出ないものの、サンプリングの権利関係がクリアになってなかったのかもしれませんね。

(ちなみにR&Bでは、頓挫というより”アルバムのお蔵入り”が少なくないんですよね。アンソニー・ハミルトンやアディナ・ハワードなどを思い出した次第。ニコル・レイも不運の人で、彼女の米版Wikipediaによれば『Lovechild』のみならずその前の2001年には『Electric Blue』もお蔵入り。Wikipediaでは『the album would never see the light of day』と表記されていて、アメリカでも”日の目を見ず”という表現があるんだなあと…しみじみする場合ではないのですが)

 

 

さて、ニコル・レイをあらためて調べるうちに、こんなまとめサイトに出会いました。サンプリングされた邦楽と、サンプリングした洋楽の好まとめ。山下達郎/ニコル・レイも記載されていますが、浜崎あゆみも坂本真綾も、Perfumeきゃりーぱみゅぱみゅもサンプリングされているのには驚きです。

NAVERまとめ - 【邦楽/洋楽】海外でサンプリングされた日本の音楽まとめ

で、ここで載っていない強力な音源もあります。以前TBSラジオ『高橋芳朗 HAPPY SAD』(この秋まで放送)の特集内でOAされていたので紹介します。

・TBSラジオ『高橋芳朗 HAPPY SAD』 - 放送後記 - 後記 2012.02.26

 

◯サンプリング元:葵司郎&日野美歌「男と女のラブゲーム」

 ◎サンプリング先:Fonzworth Bentley「Since I was 9」

格好良い、格好良いとは思うんですが、「男と女のラブゲーム」のサビ前の♪テテテテ、テテッテッ がなんだか滑稽に聴こえてしまったり。

 

◯サンプリング元:童謡「ふたあつ」

(注:リンク先以外のヴァージョンによる「ふたあつ」がサンプリングされている可能性は大です。曲そのものの紹介として取り上げさせていただきます)

◎サンプリング先:Edan「Sing It Shitface」

曲途中で執拗に繰り返される「でしょーでしょーでしょーでしょー」のループの奇怪さもあって強烈なインパクトを残してくれました! 川瀬さんも最初は「ふええええー! やめてー!」と怖がって耳をふさいでたけど、最終的にはけっこう気に入ったみたい!? 意外と病み付きになるでしょーでしょー?

・TBSラジオ『高橋芳朗 HAPPY SAD』 - 放送後記 - 後記 2012.02.26より

♪でしょ~が、フレーズ毎に微妙に音程を変えていて、それが子どもの声や昔の録音状態の良くなさと併せて、気持ち悪さすら覚えます…いい意味で。なので川瀬良子さん同様、なぜか癖になってしまう?から困ったものです。

 

 

私たちには聴きなじみのある邦楽、それもヒップホップとはまるっきり畑違いであるはずの演歌や童謡が、まさかヒップホップとスムーズに馴染んでいるというのは面白いですね。日本人以外が演歌や童謡に触れて”クール!”と感じるのならば、その解釈はとても楽しいなと。

権利関係や海外への配信の問題が(それ以前に、国内での配信の足並みの揃わなさが問題ですが)よりクリアに、分かりやすくなれば、どんどんこのような音楽は生まれてくると思いますし、是非生まれてほしいと願っています。