イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオショッピングに相応しくない言葉を耳にした

最近、ラジオショッピングで”無視できない言葉”に出遭いました。

 

血圧計を紹介したそのショッピングでのこと。一般への認知度があまり高くないかもしれないその血圧計のメーカー。実際には医療機器の病院への販売が多く、病院からの信頼度が高いということらしいのです。ラジオショッピング担当者がそのメーカーを紹介したところで、以下のような発言をしたのです。

 

『もし、今使っている血圧計の数値が、壊れていたらどう思いますか?』

 

え…今持ってる血圧計が問題なのか?と。その言葉を聞いて使用中の商品に危機感を持った方いるでしょうね。でも自分は、紹介するラジオショッピングの担当者に対して違和感というか、悲しみを覚えました。

 

 

先の言葉、厳密な一字一句までは覚えていないので、もしかしたらもう少し柔らかい言葉だったかもしれません。でも、ニュアンスは同じだったと記憶しています。

商品にはメーカーの方が絶対的な自信を持っていることは理解できます。その商品をより多くの人に薦めたいとするラジオショッピング担当者の熱意も解ります。

 でも、商品の良さを伝えるために、今使っている別の(メーカーの)商品にわざわざ不安を持たせるようなことを言っていいのかな…と。

このブログの最初の方で【逆謙譲】について書いたのですが、逆謙譲がまだ有効だと思っている方は少なくないんだろうな、と痛感です。

 

ちなみに、通販で有名なジャパネットたかたは、ラジオショッピングでは原稿を用いていません(TBSの金スマなど、複数のテレビ番組で確認済)。テレビ番組では、原稿がないのはラジオショッピングでは珍しい、という話になっていましたから、逆に言えばほとんどのラジオショッピングでは原稿が予め用意されているものと推測できます。そう考えると、ラジオショッピング担当者と会話するラジオDJの言葉がいかにも原稿読みに聴こえる時があるのは、おそらくそれが理由なのかもしれません。

原稿が用意されているということは、すなわち逆謙譲表現が原稿に盛り込まれているということです。その表現が紹介される商品をより魅力的に思わせる効果があるのかもしれませんが、既存商品を平気で咎めることに自分が抱いたのと同種の悲しみや、それより強い憤りを覚え、お薦めする商品にすら蔑視を向ける方もいるのでは、と思うんですよね。それをきちんと想像して伝えないと、紹介する商品の魅力を削ぐのみならず、最終的にラジオショッピング(枠)自体の信頼も失墜しかねないのでは?と思っています。

 

 

ラジオは商品の外観がわからない分、リスナーにどうイメージを伝え膨らませるかが重要。そこにマイナスの言葉を入れるべきじゃないよな、と思うと同時に、自分も逆謙譲や、謙譲表現でもマイナスの言葉を用いて自分を不当に下にする言葉を用いないよう気をつけねば、とあらためて実感した次第です。