イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Yuming Collaborations & "The Only One Missin' "

今週リリースされた松任谷由実、デビュー40周年記念ベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』がセールスチャートで1位発進。このアルバムの発売日は火曜日なので、フラゲ日である月曜日付デイリーチャートで首位。通常のCDリリースが水曜日ゆえフラゲ日となる火曜日の売上動向が気になりましたが(他のアルバムの売上如何では1位が入れ替わる可能性も)、火曜日一日の売上だけでも2位の加藤ミリヤに4倍近い差をつけており、来週発表の週間チャートでの1位はほぼ確実になりました。

 

今回のベストについて、彼女のこれまでのリリース量からすれば、聴く人それぞれに"この曲がベストに入ってない"問題は出てくるでしょう。とはいえ今回の選曲は彼女曰く、『歴代のスタッフ、レコード会社の女性社員たちが1人のファンとして、聴く側の気持ちになって、すべての時代から選んでくれた45曲』とのこと(特設サイト - 40周年記念ベストアルバムにむけて~My Songs, Your Best~より)なので、ある種公平な選曲といえるかもしれません。

 

とはいえ、このベストには、"あの曲"が足りないのではないか…と。発売当時としては珍しい"コラボレーション"によるシングルで、セールスチャートを制覇した、"あの曲"。

 

 

松任谷由実小田和正財津和夫「今だから」(1985)

「今だから」は、『オリコンシングルチャートの1位を獲得した楽曲(A面曲)で未CD化なのは本作のみ』(「今だから」のWikipediaより)であり、"幻の1曲"といっても過言ではない曲。CD化を切望する声も耳にします。

まれに、ミュージシャンにとって封印したい曲というのが存在する場合(いわば"黒歴史)がありますが、彼女にとってこの曲は決して"黒歴史"というわけではないでしょう。というのも、彼女のオフィシャルサイトのディスコグラフィー内、コラボレーション頁にはきちんと掲載されています(だからといって、未掲載曲が"黒歴史"というわけでは決してありません。たとえば桑田佳祐との「Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)」(Wikipediaコチラ)は未掲載ながら、桑田佳祐の今夏リリースのベストアルバムに収録されているため、単純にこの頁自体が完璧ではないというだけではと推測します)。ともすれば、「今だから」はレーベルや著作権(?)の問題で収録に至れなかったのかもしれませんし、先述した選曲者たる歴代スタッフ等にとって、そこまで重要な位置づけにある曲ではなかったのかもしれません。

とはいえ…やはりチャート的にも、そして唯一の売上1位曲の未CD化曲であるという意味でも、この曲の収録は大きなトピックになったのではなかったか、と。

 

今回のベストアルバムでプロコム・ハルムとの共演曲(新録)を収録しており、また先述したコラボレーション頁によれば、「今だから」を含め12曲もコラボ曲があるわけですから(その他、ベストアルバム収録の「Happy Birthday to You ~ヴィーナスの誕生」ではバックコーラスを久保田利伸が担当し、彼の声がかなり目立つように配置しています。ある種コラボ曲といっていいかもしれません)、たとえば山下達郎『OPUS』の初回限定盤でデモヴァージョンの「硝子の少年」等を収録したディスクを封入したように、"ボーナスディスク:ユーミンコラボ集"として封入してもよかったのでは?と思うんですよね。今となっては無理な話なので、近々コラボ集を別途リリースするというのも好いかもしれません。いや、勝手ながら、切望しています。