イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【Diggin'】16. "Coming in 2013 ?" R&B Albums

毎週金曜日恒例の【Diggin'】。その週にリリースされる作品からひとつをピックアップし、それを元にちょっと広く、ちょっと深く掘り下げていきます。

 

先週の音楽活動再開宣言後、今週月曜突如リリースされたのがジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)のシングル「Suit & Tie」。ジェイ・Z(Jay-Z)を客演に招きティンバランド(Timbaland)をプロデュースに迎えた同曲は一部でロビン・シック(Robin Thicke)に似てると評されながらも概ね好評の様子(周囲の反応は総じて評価高いですね)。年内にニュー・アルバムをリリースするとも発表されており、年内っていつだよと思いつつも今からとても楽しみだったりします。

さあ、そこで今回はジャスティンをはじめ、今年リリースが予定されているR&B(Pop寄りも含め)ミュージシャンの作品をチェックしてみましょう。果たして今年中に出るのでしょうか?

(尚今回、一部を除きR&B/Hip-Hopサイト"bmr"のニュースを参照させていただきました)

 

 

Justin Timberlake『The 20/20 Experience』(年内?)←前作『Futuresex/Lovesounds』(2006)

(bmrの記事はコチラ。2013年1月14日付)

彼の公式サイト内【Justin's Open Letter】にて『I'm calling it "The 20/20 Experience," and it's coming out this year.』と記載、昨年6月からレコーディングを実施しているとのことなので年内リリースは確実でしょう(おそらくはあと1曲先行でリリース?と推測)。ビヨンセの新譜にも参加しており、そこでの刺激も自身のアルバム(レコーディング)に反映されてそう。ちなみにマックスウェル(Maxwell)がジャスティンの新曲を聴いてかなり興奮している、というのはなんだか凄く微笑ましいところ。

Justin Timberlake feat. Jay-Z「Suit & Tie」

 

Beyonce『未定』(年内?)←前作『4』(2011)

(bmrの記事はコチラ。2013年1月13日付)

ビヨンセも出産後初となるアルバムを製作中。先述した通りジャスティンも参加する新譜では他に、デスティニーズ・チャイルド(Destiny's Child)の久々の新曲「Nuclear」を手がけたファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、ティンバランド、ザ・ドリーム(The-Dream)そして今年のグラミー賞5部門ノミネートのミゲル(Miguel)も参加。そして今作で強く意識しているのは"R&B"と彼女自身が雑誌『GQ』のインタビューで語っています。ビヨンセは2月3日のアメリカンフットボールの最高の舞台、スーパーボウルのハーフタイムショーのライヴアクトで登場しその際新曲披露かと言われていますが、(後述する)デスチャのみ新曲披露…だったりして。

 

●Destiny's Child『未定』(アルバム制作そのものがあるか?)←前作『Destiny Fulfilled』(2004)

(bmrの記事はコチラ。2013年1月11日付)

1/29リリースの"ラヴソングス集"『Love Songs』に8年ぶりの新曲「Nuclear」が収録されるとアナウンス。加えてUS Weekly紙が独占記事として『ハーフタイムショウにケリーとミッシェルが参加、デスティニーズ・チャイルドとしてのパフォーマンスも予定 (中略) ヒット・メドレーに加えて新曲“Nuclear”を披露する構成が予定されている』(bmr記事より)と報道。デスチャ再結成がアルバムにまでつながるのかは不明でも、ショー如何では本格的再結成を願う声が一気に高まる予感。なおケリー(・ローランド Kelly Rowland)、ミッシェル(・ウィリアムズ Michelle Williams)も今年新譜をリリース予定。

・Destiny's Child「Nuclear」

 

Maxwell『blackSUMMERS' night』(年内?)←前作『BLACKsummers' night』(2009)

(bmrの記事はコチラ。2013年1月4日付)

『NOW』(2001)から8年の時を経てリリースされた前作が素晴らしく、第52回グラミー賞でR&B2部門を制し、またミリオンセールスを達成したことなどにより、当初予定されていた"2009年から3年続けて、計3部作をリリース"という予定がいい意味で?狂ってしまったマックスウェル。彼も今年に入って突如、新譜が出ることを匂わせるアナウンスを行なっています。記事にも画像がありますが、トラックリストの一部をTwitterで公開、その画像にもある「Gods」の音も世に放たれました。さて、画像にあるのはトラックリストなのか、今年本当にリリースされるのかは彼のみぞ知ることですが、アリシア・キーズ(Alicia Keys)のアルバム『Girl On Fire』(2012)にて「Fire We Make」の客演は本格復帰の足がかりと言えるかもしれません。

Maxwell「Gods」


Alicia Keys & Maxwell「Fire We Make」

 

●Anita Baker『Only Forever』(春?)←前作『My Everything』(2004)

(bmrの記事はコチラ。2012年9月27日付)

以前ブログで書きましたが、その後の進展がないまま。米アマゾンでは1/15発売の記載がありますが単に消し忘れの模様。前作の翌年にはクリスマスアルバム『Christmas Fantasy』がリリースされ、連続でリリースされたなら次のアルバムまではそんなに間が空かないだろうなと思ったのですが…。大好きな曲を下記に。

(そういえば、『My Everything』の国内盤CCCDでしたね…)

・Anita Baker「You're My Everything」

 

Mariah Carey『未定』(年内?)←前作『Memoirs Of An Imperfect Angel』(2009)

(bmrの記事はコチラ。2012年8月6日付)

なにげに頓挫続き?なのがマライア。前作発売直後に同作のフィーチャリング盤をリリースするとしてR・ケリー(R.Kelly)やトレイ・ソングス(Trey Songz)などの参加がプロデューサーのトリッキー・スチュアート(Tricky Stewart)により語られていた(2009年のbmr記事より)ものの、リリースされずじまい。昨年8月の段階では"14枚目のオリジナルアルバム"が準備中で、そこから8月上旬に「Triumphant(Get 'Em)」がリリースされたものの、ビルボードシングルチャートではチャートインせず(同曲のWikipediaより。ただしR&B/Hip-Hopは46位、ダンス部門では1位を獲得)、そして米Entertainment Weekly誌による2012年の"ワースト・シングル・ランキング"で同曲が3位にランクインという不名誉な記録が続出したからか、その後アルバムのアナウンスは聞かれず。オーディション番組『アメリカン・アイドル』でのニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)との争いもなんだか綺麗とはいえないなあというのが個人的な思い。ガツンと一発目の覚めるような名曲をリリースしアルバム発売にこぎつけてほしいところ。

Mariah Carey ft. Rick Ross, Meek Mill「Triumphant (Get 'Em)」

 

Ashanti『Braveheart』(3/26?)←前作『The Declaration』(2008)

(bmrの記事はコチラ。2012年3月9日付)

何度延期を重ねているのでしょう…実はAmazonで予約したのが上記記事と同じ去年の3/9。発売日がこれ以上延期されないと仮定すれば、1年1ヶ月弱を経てようやく手に入ることに。

自主レーベルからの第1弾となる『Braveheart』。記事の段階では既にトラックリストも決定していました。しかしながら2011年12月に先行シングルとして配信された、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)を客演に迎えた「The Woman You Love」が、先述したマライア同様シングルチャートにチャートインせず(R&B/Hip-Hopでは59位)。彼女のディスコグラフィー(米Wikipedia参照)によれば、その後R・ケリーを迎えた「That's What We Do」も切られたもののこちらもシングルチャートにチャートインしていない模様。そういえば一時期、シングルヒットがないためにアルバム発売に至らずお蔵入り、という例を何度か耳にしているため、いくら自主レーベルといえども不安は募るばかりなのです。なのでシングルヒットを願うばかりですし、もしくはシングルに関係なく出して欲しいですね。

Ashanti feat. Busta Rhymes「The Woman You Love」

Ashanti feat. R.Kelly「That's What We Do」

 

Ciara『One Woman Army』(年内?)←前作『Basic Instinct』(2010)

(bmrの記事はコチラ。2012年9月11日付)

記事には(2012年)12月4日とアナウンスがあるものの、こちらも先行シングルを2枚リリースしながらアルバム発売には現時点で至れず。前作『Basic Instinct』は"失敗"だったと記事では伝えていますが、ディスコグラフィー(米Wikipedia参照)を確認すると、これまでの4枚のアルバムのうち『Basic Instinct』のみ、シングルチャートでのトップ10ヒットが存在しません(最後のトップ10ヒットはジャスティン・ティンバーレイクを迎えた「Love Sex Magic」)。アルバムセールスを牽引するシングルヒットがないのは痛いところ。『One Woman Army』ではロドニー・ジャーキンス(Rodney Jerkins)やジャーメイン・デュプリ(Jermaine Dupri)、さらにはニッキー・ミナージュやリック・ロス(Rick Ross)も参加が噂されています。先行シングルのひとつ、「Got Me Good」の適度な軽さは大ヒットした「1, 2 Step」や「Get Up」に通じるものがありウケると思うんですが。

Ciara「Sorry」

Ciara「Got Me Good」

 

●D'Angelo『未定』(年内?)←前作『Voodoo』(2000)

(bmrの記事はコチラ。2012年6月19日付)

制作に関わっているルーツ(The Roots)のクエストラブ(?uestlove)が2012年8月のリリースを語ってはいたものの、D氏のアルバムは結局は出ずじまい。しかしながら昨年1月のライヴ復帰や同年夏の複数のフェス等参加を踏まえれば、音楽活動自体には精力的といえそう。

そしてクエストラブは今月、どうやらD氏のアルバムの最終仕上げに取り掛かっている模様だと、bmr『[tweets] ディアンジェロ、今年こそ!?』(2013年1月9日付)が取り上げています。ひょっとすれば今年はD氏とマックスウェルという、"ニュークラシックソウル"(懐かしい響きですが)の最重要人物ふたり共アルバムを出すのでは? そう考えると本当にワクワクしますね。

・D'Angelo "Live in Stockholm"(昨年最初のライヴ。これを機に本格復帰)

 

 

ちなみにこの他、ファンテイジア(Fantasia)は当初昨年末のアナウンスだったアルバム『The Side Effects Of You』を3月に(bmrの記事はコチラ)、同じく昨年内リリースを予定していたニコル・レイ(Nicole Wray)とテリー・ウォーカー(Terri Walker)によるユニット"レディ(Lady)"が3月にアルバム『Lady』をリリースすることが決定(HMVの記事はコチラ)。ファンテイジアにとっては2年半ぶり、テリー・ウォーカーは7年ぶり、そしてニコルにとってはなんと14年半ぶりとなります。本当に、おかえりなさい!という感じですね。

ミュージシャンによっては、先行シングルの不調ゆえ先延ばしになっている方も少なくありません。アメリカの場合は先行シングルを1~2曲リリースし反応を見てアルバムをリリース、そしてアルバム販売強化のために更に数曲カットしていくというプロモーションが一般的のため(最近は販売強化のために新装盤等のリリースもありますが)、やはり先行シングルの勢いは大事になってきます。先行シングルがコケて先延ばしだったり先細り?にならないよう願うばかり。今回取り上げたすべてのミュージシャンが今年中にアルバムリリースに漕ぎ着けられることを祈ります。

 

…あれ、そういえばドクター・ドレー(Dr.Dre)はどうなったんでしょう?