face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

番組モニターの勧め - 非難よりも提言を

毎週金曜日にお送りしている【Diggin'】は今週はお休みします。

今日は、【番組モニターの勧め】を記してみます。

 

 

私の住む青森県の民放局、RAB青森放送では現在、番組モニターを募集しています。

・RAB青森放送 - 番組モニター募集のお知らせ

4月からの半年間、テレビ10名、ラジオ10名の番組モニターを募集中。締め切りは3月8日(当日消印有効)、Eメールでも募集しています。

 

青森県の場合、民放局では任期が半年のものと1年のもの(10月からの1年間)があり、締切は委嘱開始のおよそ1ヶ月前となっています。一方NHKでは全国の放送局で一斉に募集しており、4月からの半年間と10月からの半年間の募集締切はいずれも前年の12月と非常に早く、注意が必要です。

 

 

さて、なぜ今回番組モニターを紹介したのか、ですが。そこには多くのメリットがあるため、なんですよね。というわけで、以前経験した立場になって判ったことを書いてみます。ただし、地元の放送局の経験に基づく記載であり、あくまで参考として受け取っていただけるならば幸いです。

 

メリット① 番組や局の内部を見ることができる

放送局のスタジオや、ましてや会議室などの内部はなかなか視聴者からは見えないものです。全てとは限りませんが、局によってはスタジオや副調整室の見学が出来たり、モニター同士の交流会の際に会議室等で局の役員やアナウンサーの方の話を伺えるなど、貴重な体験が出来ます。

 

メリット② 報酬を得ることができる

最大の動機はこの点だとする方は最も多いかもしれません。民放局の場合、月に3~5番組の視聴が課され、放送後数日以内に提出という締切が設けられます(何気にタイトです)。そしてその報酬として、1番組もしくは月単位での委嘱料が与えられます。1番組単位で1,500円、もしくは月単位で5~6,000円が通常でしょうか。一方NHKの場合は、視聴課題は1ヶ月12本程度と極めて多いのですが、報酬は1ヶ月15,000円と非常に高額。本数が満たない場合は減額されるようですが、きちんとクリアすれば半年で9万円となります。

 

メリット③ 意見を伝え、時に改善に繋げることができる

そもそもの番組モニターの目的は『番組についてご意見・ご感想をいただき、 今後の放送に反映させるためのもの』(NHK - NHK放送番組モニター 募集案内より。ただし現在、2013年度の募集は締め切っているためリンク先に記載はありません)。その目的の通り、実際に声が反映され番組の変更(改善)につながった例は何度か体感しています。意見が通るのは大きな喜びで、"あ、言ってみるものだな"と実感できます。また意見が通るか否かに限らず、番組モニターの声は局内全体で閲覧される模様。更には、局によっては指定された番組のみならず、その局で放送したどの番組でもよいから気づいた点を挙げてください、と意見を募るところもあります。

 

 

 

と書いてきたところで…これらメリットは経験しなくてもほとんど想像できるものかもしれません。これらを踏まえて今回書きたいのが、【特に若い人に積極的に参加してほしい】ということ。

 

もしかしたら県域局だけがそうなのかもしれませんが、番組モニターに参加している方は過半数が女性、そして過半数が中高年の方です。実際にモニター同士の交流会で顔を合わせると(平日開催のため参加できない方もいますが)、若い人が極めて少ないことに驚かされます。"視聴率獲得には20-34歳男性(M1層)や同年女性(F1層)を取り込むことが最重要"などと言われますが、番組モニターの層とは乖離しているように思います。

ともすれば、指定する番組が(地元放送局制作の番組…特に平日夕方帯のローカルニュースが中心となるため、)中高年層をターゲットにしたものが多いことが一因となっているかもしれません。または、キー局とは異なり地方局の主たる視聴者層が中高年なのかもしれません。とはいえ、モニター採用人数に占める若い人の数が少なすぎるのはともすれば、番組モニター募集に対してそもそも若い人の応募が少ないのではないかと思うんですよね。番組モニターに若い人を取り込みたくても応募自体が少ないから採用できないという可能性は否定できません。

 

 

さて、実際に応募する際、コツがあります

・ほめてけなす・良い点、悪い点を半々で

・特定のタレント・司会・芸能人に対して、好きとか嫌いといった内容を盛り込まない。採用担当者と趣味嗜好が違う場合、不採用になる事があるそうです。

・視聴者と製作者の両方の視点から書くようにする。

・他の人とは違う視点から見た意見を、より具体的に書く。

●モニター専門サイトMONITTO - 放送モニターに採用されるコツより

自分はこのコツを見つけ、踏襲した上で応募した結果採用してもらいました。ただ、引用した中で『ほめてけなす』に関してはちょっと違うなあと思い、以下のように解釈し実行しました。

【まず好い点を列挙する→次に好ましくない可能性のある点を記載し、理由を添える→どうすればより好くなるかを考え、自分の意見を添える】

つまり、強くけなすという表現方法は避けました。これが功を奏したのかもしれません。

 

採用する局の担当者も、当然人間です。番組モニター募集の課題原稿の中に、平然と対象をさげすんだ表現があれば快くは思わず、言いたいことの主旨は解ったとしても気持ちよく受け入れたいとは思わないでしょう。まして、そのような方と半年間(長い場合は1年に渡って)、付き合い続けることに難色を示すと考えるのは自然なこと。選ぶ側の立場になって考えれば、より実感できると思います。

実際は、若い人のみならず幅広い年代でこのような相手をさげすむ表現を多用する方はいらっしゃいます(Twitterや掲示板などを見るとそういうさげすみはより際立って見えてしまうものです)。しかしながら、これはあくまで私見ですが、マスメディア非難に特に散見される”マスゴミ”表現は、主に若い人が多用しているように感じています。それゆえ、若い人が実際に番組モニターに応募していたとして、"マスゴミ"等の非難表現により不採用になる率が高いのかもしれません。

 

 

あくまで私自身の考えとして、”批判”とは相手の改善を真摯に願い、たとえ相手を快く思わなくとも敬意をもって提言するもの…と定義付けているのですが、”マスゴミ”という表現を用いる段階で、どんなにもっともらしい提案であれどそれが暴力的で相手を意に介さない”非難”になりうるのではないかと。その非難の典型たる言葉、"マスゴミ"を目にした段階でマスメディア側の人間がハナから敬遠しかねないのは容易に想像できます。ゆえに、"マスゴミ"と嬉々として用いる人は自らの手によって有益かもしれない提案を、そして提案を発する自分自身(のグレード)ですらランクダウンさせてしまっているように思うのです。それは機会損失という点で非常に勿体ないなあ、と。

 

Twitterをやっていて思うのは、トレンドに登場するのはテレビやラジオ発の話題が多いということ。そこからは、たとえマスメディアを普段から快く思っていなくとも”観るものは観る”という人が少なくなく、生活の中でマスメディアの存在は欠かせないという人はきっと多いでしょう。しかしながら、マスメディアで問題が生じた際、"マスゴミ"等非難ワードが散見される一方で、果たして真摯にマスメディア(やその関係者)に改善の思いを届けようとする人はどれだけいるのかなあ、と不安になります。"マスゴミ"と平然と揶揄する人には、改善は二の次もしくはそもそもそんなことは期待しておらず粗捜しをして叩きまくればいい…という構図すら見て取れます。悪い方向に考えすぎてもいけないですし、また全員に改善を真摯に提言せよと願うわけではないのですが、"観るものは観る、責めるものは責める、でも何も言わない"という人の多さは結局同じ事の繰り返し、負のスパイラルを招くだけじゃないかなと思っています。

 

…そういう態度を取ることで、発し手であるマスメディアと受け手である視聴者とが徐々に乖離してしまいかねないという危惧感を抱いています(ちょっと違うかもしれないけど、非難を集中的に投下された結果、マスメディアで活躍する方がTwitterなどを離れた例も少なくないですね)。そうならないためにも、若い人にとりわけ番組モニターになっていただきマスメディアとより深く触れてほしいと思うのです。それでもし意見が通り改善につながったのならば、きっと大きな手応えになるはず。実際思った以上に意見が通るのですから、どうせ変わるわけないと思って何もしないのは非常に勿体無い。非難より批判、提言の形の方が何倍も有益だっていう手応えになる。それでいて(下世話な書き方だけど)お金になるのなら、番組モニターへの応募は一石何鳥にもなる可能性を秘めている、と考えます。

 

 

 

長くなりましたが、そんなわけでまずは(地元の放送局で募集がかけられていたならば)応募してみることをお薦めします。