イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ロビン・シック、大ヒットの陰にTwitterアリ? (Twitterを音楽(タイトル)に取り入れる part.2)

イギリスの来週シングル・チャートを制するのはロビン・シック(Robin Thicke)になる、との報道が。

Meanwhile, the current Number One 'La La La' by Naughty Boy looks certain to be replaced by Robin Thicke's 'Blurred Lines', a track that has already sold over 100,000 copies this week. 

・NNE - Daft Punk on course for second week at Number One with 'Random Access Memories'

       Meanwhile, Robin Thicke set for singles success with 'Blurred Lines'より

日本のラジオ局でもヘビロテになりつつあるノーティ・ボーイ(Naughty Boy)「La La La」に代わって1位になる、とのこと。

 

ロビン・シックは10年前のデビュー以降、これまでに5枚のアルバムをリリースしておりもはや中堅の域に達しているもののイギリスのチャートアクションは芳しくなく、最高記録は2枚目の『The Evolution of Robin Thicke』での30位。シングルにおいても100位以内のランクインは2曲のみで、先の2枚目からシングル化されたファルセット全開のバラード「Lost Without U」が最も高く、それでも11位。この曲はアメリカのビルボード・シングル・チャートでも過去最高の14位(R&Bチャートでは1位)で、これまで英米共にトップ10入りが無かったわけです(チャートアクションはWikipedia参照)。

・Robin Thicke「Lost Without U」

 (from『The Evolution of Robin Thicke(2007 リンク先はデラックス・エディション))

 

それがイギリスで1位、アメリカでも現段階で11位まで上昇し、一気に最高記録を更新…この突然のブレイクとは一体??

・Robin Thicke feat. T.I. & Pharrell「Blurred Lines」(from『Blurred Lines EP(2013))

(EPのCD盤は今月リリースですが、表題曲とそのリミックス、新曲と既存のヒット曲3曲収録で、予習編としてもオススメです(トラックリストはHMV参照)。)

 

プロデュースは客演にもその名を連ねるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)。デスチャのプロデュース、ダフト・パンクのリード曲のヴォーカル…と今年に入ってからの活躍は特筆すべきものがあり、そこにさらにT.I.も客演という豪華な布陣となっています。しかもミュージック・ヴィデオの監督がダイアン・マーテル(Diane Martel 氏の作品群にはグラミー賞受賞曲等重要曲が沢山!)で、赤を基調としたスタイリッシュな作品に仕上がっているのですが、そのヴィデオを観ると、そこには何度も…

#THICKE

#BLURREDLINES (サビの途中、このフレーズが出るタイミングに限って)

が登場。赤を基調としたヴィデオの中でもとりわけ赤く、そしてインパクトあるフォントで画面全体に堂々と表記する状態で…これって"#"を用いているわけで、確実にハッシュタグ表記、ですよね。

このハッシュタグを前面に押し出した演出、確実に刷り込み効果があると思うのです。サブリミナルのように一瞬(だけど知らず知らずのうちに刷り込みされるの)ではなく、明らかに狙って打ち出しされたわけで。ここまで堂々と出されると、一度は調べてみようという気にさせられるものかもしれません。そして調べて聴いてみて気に入り配信にて購入する人が増えた結果としての"10万枚以上のセールス"だとしたならば、その効果は絶大でしょう。

 

無論それ以外にも売れた理由はあるでしょう(タイアップがあったかもしれない、純粋な曲の良さ、これからの季節にピッタリの曲である等)、けれどもハッシュタグが大ヒットの最大の要因だとしたならば、この演出は今後間違いなく増えるでしょうね。