イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

松田聖子の洋楽の"邦楽化"の巧さ

松田聖子さん関連、2曲。

 

Chara久保田利伸両氏もソングライトで参加した彼女のニューアルバム『A Girl in the Wonder Land』。その収録曲のひとつが"既聴感"が強かったのでメモ。

松田聖子「Oh! Darling, Listen to me!!」(from『A Girl in the Wonder Land』(2013))

編曲は聖子さんの音楽的パートナーと言っても過言ではない小倉良氏等によるもの。乾いた弦楽(的?)の音、サビ直前の弦楽のアクセント…これってジェプセン的、ですよね。

イントロのリズムの取り方まで…!

先週のエフエム青森『ラジmott!』(月-木 16:55-18:55、金 16:00-18:55)の金曜冒頭で聖子さんアルバムの紹介時にこの曲をかけてたのですが、これはスタッフサイドの確信犯では?と勝手ながら推測(それも選んだのは音楽に造形の深い横山アナウンサーではないか?とニヤリ)。"既聴感"を抱いたリスナーは少なくないと思われ。

 

 

聖子さん関連では、最近この曲が個人的ヘビロテです。祝・藤井隆さん6年ぶりのCDリリース、そして松田聖子さんが全面参加したシングル収録曲2曲のうちのひとつ。

藤井隆「I just want to hold you」(from『She is my new town / I just want to hold you』(Sg 2013))

こちらも、アレンジは小倉良氏(単独仕事)。これって実はかなりカイリーのコレ、ですよね。

2ヶ月連続で洋楽アプローチ(インスパイア?)の曲を用意したのは偶然なのか確信犯?なのかは分かりかねますが。とはいえこれがめちゃめちゃ格好良いんですよね。淡々と歌い上げる(失礼ながら、決して歌が巧いというわけではない)藤井隆さんの歌声とアレンジとがマッチして、クールネスな中に情熱を内包したセクシーな曲に仕上がっています。また、聖子さんによる歌詞は(訳すと)至極単純だったりするのですが、英語ゆえそこまで気にならなかったりします。

 

 

これら2曲の"既聴感"には当初こそ驚いたのですが、ここで取り上げたのは似てることを決して非難するわけではなく、どちらの曲も制作サイドによる有名曲の邦楽への落とし込みが巧すぎる!と思ったゆえ。聖子さんはかつてアメリカに進出したこともあるわけで、洋楽を邦楽化させる最先端にいるのかもしれませんね。