イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2014年上半期邦楽ベストソング集

あまりにも久しぶりとなる更新です。更新がない間にも、定期的なアクセスがあり、少しでもお役立て出来たならば嬉しく思います。

完全にデイリー的な感じで復活出来るかは難しいところですが、心優しく見守っていただけたならば幸いです。

さて、今回は私的には恒例となった、上半期邦楽ベストソング集を選曲しましたので掲載してみようと思います。

 

<ルール>

・基本的に2014年の作品(一部例外あり)

・シングルはカップリングも対象。アルバムはリードトラック(ラジオオンエアの多い作品)を対象

・基本的に1アーティストにつき1曲

・80分弱にまとめる(1枚のCD-Rに収録できる程度の尺で)

 

それでは、結果です。

 

01. NIPPON/椎名林檎
02. 烈車戦隊トッキュウジャー/伊勢大貴
03. レット・イット・ゴー ~ありのままで~/松たか子
04. 僕はペガサス 君はポラリス/MISIA
05. 明日の歌/aiko
06. 年貢 for you/レキシ feat. 旗本ひろし, 足軽先生
07. 愛はおしゃれじゃない/岡村靖幸小出祐介
08. ディスコの神様/tofubeats feat. 藤井隆
09. 焼氷有りマスの唄/高畑充希
10. 飛ばしていくよ/矢野顕子
11. Shout It Out/BoA
12. グロテスク/平井堅 feat. 安室奈美恵
13. 名うての泥棒猫/石川さゆり
14. グッドバイ/サカナクション
15. 青春の瞬き/椎名林檎
16. ラブサーチライト/柴咲コウ
17. 恋する惑星/花澤香菜
18. 君と踊ろう/LUHICA feat. NABE
total time 78:11

 

椎名林檎が2曲(の他にソングライトで1曲)あるじゃないか!とツッコミ来そうですが。「青春の瞬き」がセルフカバー兼これまでになかったアレンジャーの登用(冨田恵一)という性質上、別と判断して選出しました。

 

正直、ここ数年の自分の選曲はマニアックよりもミーハー度がまさっているというか、いい意味でごった煮だと承知しています。曲の良さには素直に向き合いたいし抗えないよなあという思いを胸に抱いて選んだ結果が、上記の形になりました。

 

①(以下、①、②…等は上記の曲順を指します)および②のストリングスの乾いた音が招く疾走感がスリリングであり勇気をもたらしてくれる音でもあって非常に格好良く(個人的に『トッキュウジャー』にハマっていることも選出理由として非常に大きい)、前半5曲がストリングスが効果的に用いられた曲となっています。MISIAは最近バラッディア且つTBSドラマでの起用が多いというイメージが良くも悪くもありますが④は近年のバラードの中でもとりわけ好きな1曲になりました。

 

レキシは3年前にも「きらきら武士」を年間ベストに選出しましたが(そういえばその時の客演は椎名林檎でしたね)、今回は秦基博いとうせいこうを招いた楽曲。秦基博が以前、「猿みたいにキスをする」でかせきさいだぁを招いていて、オールドスクール的ラップとの相性の良さを示してましたが、今回も非常に相性いいなあと実感。もち政宗こと持田香織との曲も良かったし、レキシ恐るべしです。

 

岡村ちゃん藤井隆の音楽的復活に心躍らされた後はインタールード的意味合いで前後半をつなぐ高畑充希の⑨。『ごちそうさん』で披露されたこの曲、純粋な曲の良さはもちろんのこと、菅野よう子が朝ドラの音楽に起用されるということは実はすごいことなんじゃないかと今になって実感しています。

 

矢野顕子の⑩、NHK『SONGS』で見て一気に惹かれました。ヤマハからユニヴァーサルに移籍しての第一弾が若手を登用したアグレッシブな音になっていて、彼女の本気を感じられたことは嬉しいです。アグレッシブといえば、MISIA同様バラっディアのイメージの強い平井堅安室奈美恵を迎えた⑫も◎。リアーナ「SOS」を踏襲している感じで既聴感があれど歌詞がスリリングで、疾走感の中にはっきりとした違和感を残すという戦略が見事。「CANDY」の確信犯的エロスも含め、もっと平井堅のアグレッシブなアップを聴きたい!と思わずにはいられません。

 

さらにアグレッシブだったのは石川さゆり×椎名林檎(アレンジが斎藤ネコ)の⑬。これも『SONGS』で披露されてましたが、ザ・ピーナッツを意識したサウンドは懐かしくも新しく、加えて”泥棒猫”という表現を用いる椎名林檎のセンスが見事というか。その椎名林檎は⑮で先述したように冨田恵一をアレンジャーに迎え、栗山千明への提供曲を披露していますが、冨田恵一のアレンジがそこまでストリングスを聴かせる方向にもっていくわけではなく、あくまで椎名林檎の声の生々しさを引き立たせるべく、寄り添うように抑制されている、そのバランスが見事でした。椎名林檎のヴォーカルは特にソウルフルというわけでもないし、例えば2番のサビ前で一瞬細くなる声がともすれば上手くはないと受け止められてもおかしくないのですが、演技、感情で魅せるというか、実にカラフルな表情を持っているんですよね。アレンジャーの計算が実に見事だなと実感しましたし、冨田恵一こと冨田ラボの昨年作『Joyous』での椎名林檎との相性の良さは実証済なわけですから、これはぜひアルバム1枚分タッグで作って欲しいなと思った次第です。

 

柴咲コウの⑯での(曲提供した)andropとの相性の良さや3分に収まるという潔さも素敵でしたが、資生堂の⑯CMソングとなった⑱での尾崎紀世彦的ソウル歌謡アレンジには心底驚かされました。LUHICAのシングルの作詞を手がける秋元康のアイデアが反映されているとしたら、アレンジ(の古さというか懐かしさ)を堂々と今の時代に持ってくる潔さには感動すら覚えます。この気持ちよさには抗えません。

 

 

そんなこんなで30分で感想書いてみたので自分の文章にはアラがあるとは思うのですが…選ばせていただいた曲を聴いていいなと思っていただけたならば本当に嬉しいです。