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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

サム・スミスの国内盤発売を8ヶ月遅らせたレコード会社への”願い”

昨日のエントリーでは、今のレコード会社の洋楽CD販売動向について辛辣に指摘したのですが、タイムラグがある分より多くの方に受け入れてもらえるべく様々な対応を施しているといえるのかもしれません。だからこそ、”男性版アデル”と評されるサム・スミスの、今年の賞レースを総なめにするであろう『In The Lonely Hour』に関して充実したサポートを用意しているのでしょう。非常に読み応えのある、充実したバイオグラフィーがそれを想起させます。

 

昨年5月26日に輸入盤がリリースされ米英等で大ヒットを記録(全米週間最高2位・年間11位、全英週間最高1位・年間2位。どちらでも120万以上をセールス)、シングルも全米2曲・全英では4曲もトップ10ヒットを記録、更には来月開催されるグラミー賞において主要4部門全てにノミネートという快挙を達成。無論、受賞が決まったわけではないものの、アルバム『19』で最優秀新人賞を、『21』で最優秀アルバム賞とそこからの「Rolling In The Deep」で最優秀レコード賞および最優秀楽曲賞を獲得したアデルを彷彿とさせるサムの勢いは、”男性版アデル”と評されてもおかしくないのです。曲の深さや歌に込めた情感なども。

 

だからこそ、そこまで素晴らしい作品の国内盤が今年の1月21日リリースというのは遅い、実に遅すぎるのです。仮に『In The Lonely Hour』がグラミー賞を獲るだろうと見込んでここまで発売をずらしたのならば、”世間への浸透<自社の利益”という優先構図が見て取れ、苛立ちすら覚えます(無論、邪推ではあります)。国内盤発売のタイミングで、より広く世間に彼の素晴らしさを認知させるべく来日ショーケースの開催やラジオのヘビーローテーションの用意(無論ラジオ局が主体的にかけるべきだったのでしょうが…この辺に関する疑問は後日書きます)などで売れるためのレールを敷き始めています。

 

(他方、Ms.OOJAクリス・ハートによる「Stay With Me」のカバーは、曲の純粋な良さを広めることに意味があるとしても、違和感を覚えるんですよね…歌が巧いというのは重々承知なのですが、もっと情感に訴える歌い手にしてほしかったという思い、そしてカバーが増えることで楽曲の魅力が”単に綺麗な曲”と印象づけられてしまわないかと。しかもレコード会社のアーティストページのトップに登場する動画はサムではなくてMs.OOJA(現段階では)。音が自動的に再生されることも含めて何かがおかしいと思わざるを得ません)

 

 

国内盤では『海外デラックス・エディション・ボーナス・トラックと日本盤ボーナス・トラックが計10曲追加収録されます!』と昨年12月1日にアナウンスされ(日本盤ボーナストラックだけで6曲)、お得感もあることから輸入盤購入者の2枚目購入を促す形になっているのですが、実はここに、グラミー賞にノミネートされた「Stay With Me (Darkchild Version)」のサム単独版が入っていないという問題も発生(メアリー・J・ブライジとのデュエット版は収録)。この事実を知った段階で自分はこんなツイートを。

”怠慢”は言い過ぎかもしれなかったのですが。その思いが通じたのか、レコード会社のディスコグラフィーでは単独版が21曲目として収録されるという記載が。自分のつぶやきが何かしらの形で届いたならば嬉しいですね。お得感にやられ、(無論アーティストには利益になれど、個人的に)不本意ながら”2枚目購入”したからには言いたいことは言わせていただきたいなと。

 

 

遅きに失した国内盤発売。タイムラグはどうしても埋められませんから、レコード会社には徹底してアルバムの、サムの良さを広げるべく努力してほしいものです。”後出し”である以上、厳しい物言いだけど未収録問題のような抜けがあってはなりません。それがサムへの、また国内盤未発売のためにサムの魅力に気付かずじまいだった人たち(更には、待ちきれずに輸入盤を購入して国内盤の豪華さに憂う音楽ファン)への、”罪滅ぼし”だと思います。