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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

AMラジオで最新曲をかけることの意義

今週のブログエントリーで、Sugar's Campaign加藤ミリヤさんの新譜に触れましたが、自分が彼らの曲にはじめて触れたのが、AMの平日ワイド番組、RABラジオ『GO!GO!らじ丸』(月-金 11:55~16:00)。日替わりの地元ローカルタレントと女性アナウンサー(2名による交代)の掛け合いが楽しめるラジオ番組で、昨秋スタートしたばかり。

で、『~らじ丸』のコンセプトの一つが、新曲を流すこと(必ずしも銘打っているわけではありませんが)。ですが、ある地元ローカルタレントからは”最近の曲はわからない”などという発言が出たり、匿名掲示板では”AMなんだから新曲流しても聴いている層は毛嫌いする。有名な曲流せよ”という書き込みがあったり…と、必ずしも好意的に受け止められていないようです。そのためか、番組開始当初は予定していなかったリクエストを募集したり、昔のヒット曲をかける傾向が最近では生まれています。

 

 

しかしながら、最新曲をかけることを大歓迎しています。先週かかったイマジン・ドラゴンズの新曲、その衝動に駆られるようなアレンジに素直に感動を覚えたりも。新譜出るということをここ経由で知りました。

 

個人的にと前置きした上で、AMラジオで最新曲をかけることを歓迎する理由を述べるならば。

 

一つは、【最新曲をかける番組が減っている】点。J-WAVEで以前クリス・ペプラーさんが担当していた『PIONEER FUTURE TRAX』(2000年前後、平日22時からの30分番組)のような、新曲をきちんと紹介する番組が減ってきたことを憂慮しており、さらにはテレビのゴールデンタイムでの音楽番組の減少も相俟って、だからこそ『~らじ丸』は貴重なのです。

YouTubeとかアーティストのホームページとか見ればいいのでは?”との声もあるはず。ですが、YouTubeなどはあくまで見る人の”主体的、能動的な行動”によって聴くことが出来るもの(動画再生中に画面横に表示されるお勧めを辿って曲に触れる、という手段はありますが)。普段の生活の中で”受動的に音楽に触れてその好さを知る”という機会は、普段の生活でラジオを流しているときにこそ発生しますよね。自分が知らなかった(なんなら毛嫌いしてすらいた?)歌手やジャンルに触れてその好さを知るというのは、自分が普段聴く音楽を自分主観でのみ選ぶ場合には得られない喜びだと思います。

 

二つ目の理由は、【AMがFMと遜色なくなってきた】ということ。radikoの登場によるクリアな音質の確立という面もあります。

また、たとえば『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』(TBSラジオ)のように、AMラジオでDJミックスや音楽特集が行われる番組もあります。首都圏の局だけではなく、RABラジオでは『土曜ワラッター!』においても音楽特集(歌手との対談等)も行われており、音楽に重きを置いた番組や特集は局を問わず、以前からありましたしまた増えてきています。AMだからトークの比重を増やせというのは前時代的になったとも言えるでしょう。

 

さらに、最初の理由に関連しますが、【普段最新曲を聴かない人にきちんと知らせる】という意義は大きいんですよね。

”今の曲はどれ聴いても一緒”という言葉が、メディアからも周囲の人間からもよく聴かれます。たしかにEDM等近年のトレンドは分かりにくいかもしれませんが、それって曲やジャンル自体が分かりにくいという側面がある一方で、厳しい物言いを敢えてすれば、聴き手の柔軟性や感性の低下も強く存在するのではないでしょうか。AMを聴くと思しき年齢層(中心は中高年)にある、”今の若いもんは…”という口癖で、最新曲に触れなくなることを当然とするのは至極勿体無いですよね。最新曲から自分が好む曲を見つけることを契機に、感性の低下を認めて素直に向き合うことが出来たなら、今の音楽をもっと楽しむことが出来るようになるはずだと思うんですよね。その点でも最新曲をかける意義は大いにあるはずです。

 

 

と強引に書いてみましたが、いかがでしょうか。むしろ自分のほうが中高年をステレオタイプで捉えていると言われればそれまでですが。

 

『GO!GO!らじ丸』には、上記の理由でもって最新曲をかけ続けることを願っていますし、他の局でも同様の流れになってほしいものです。ただし、その場合にはきちんと、最新曲の情報(きちんとしたアーティスト名や曲名の提示は勿論のこと、発売日や収録アルバム等)を教えていただきたいなと(オンエア情報等の掲載がなく振り返りが出来ない局なら尚更)。

その点において、『~らじ丸』に関して言えば、(曲を紹介する立場の)女性アナウンサー2名の中でも上野アナウンサーの丁寧な曲紹介は突出しています。逆に言えば、筋野アナウンサーにおいては、せめてアーティスト名だけでもきちんと把握していただきたいものです。この1週間だけでも、Nothing's Carved In Stoneやキュウソネコカミなどがきちんと言えず…いや、噛むことはまだ許されるとしても、発売日等を提示せず(これは上野アナウンサーが音楽に造詣が深く、それゆえに自主的に調べているだけなのかもしれませんが)、最低限の情報をよく間違えるというのは、ともすれば曲をかけることを小休止的な意味合いにしか考えていないのでは?と邪推してしまいます。丁寧な曲紹介があればリスナーによりきちんと伝わるのになあと。発し手の曲へのスタンスはリスナーの曲への捉え方に比例すると考えており、仮に自分の邪推が合っているとしたならば、”AMなんだから…”という冒頭で書いた不満が発生するのは致し方ないことか…と考えると、やはり勿体無いと言わざるを得ませんね。