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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

アップフロントグループが音源・レコーディングの構築手法を公開中

先日、2015年、”ストック・エイトキン・ウォーターマン”が邦楽ディスコティークの本命に、というエントリーで、KANさんの来週発売のシングル「桜ナイトフィーバー」について触れました。その試聴音源の”完成版”が今週登場、下記リンク先で試聴可能です。それにしても、なぜ完成版なのかというと。

どのような音色がどのように積み重なり絡み合うことで、このアレンジメントが構築されているかを、通常の録音手順とは“逆”に段階的にお聴きいただく斬新な企画です。

各音源の解説をお読みいただきながら、上から順にお聴きいただくことで、完成品では聴き取ることの困難な、さまざまな構成音を認識してお楽しみいただけます。

New Single『桜ナイトフィーバー』“逆”段階的試聴 - KAN オフィシャルウェブサイトより

最終的にディスコティークな楽曲が生まれるまでの”段階”を1日おきに公開(そしてつい先日完成形が公開、という流れ)。ふくよかな肉付けがされていくのがよく分かりますし、全て公開された今となっては完成品と照合する形で一つ一つの音を振り返ることも出来ます。これは楽しいですね。

 

で、KANさんと同じアップフロントグループに所属するアンジュルム(旧:スマイレージ)が今月リリースした最新シングル「大器晩成」では、曲の成り立ちについてより細かく、それも動画で紹介されています(SNSを介して情報を教えてくださった方に感謝申し上げます)。

この「大器晩成」、自分の周囲で大変高い評価を得ているんですよね。非常に軽快なディスコティークでありながら歌詞やリズムが突き刺すかの如くインパクト大な逸曲。

2番サビ直後のブラスの駆け上がり、その直後に強調されるボンゴの音がより疾走感を与え、大サビ後の転調で思わずガッツポーズするくらいとにかく格好良いのです。凄い。印象的なボンゴ使いがインクレディブル・ボンゴ・バンドを想起…と書くと発想が単純かもしれませんが。

 

では、「大器晩成」の制作風景を見てみましょう。

MUSIC+35 アンジュルム「大器晩成」レコーディング#01(ドラム編)他 - YouTube

MUSIC+36 アンジュルム「大器晩成」レコーディング#02 (ギター・ベース・パーカッション編)他 - YouTube

MUSIC+37 アンジュルム「大器晩成」レコーディング#03 (コーラス編)他 - YouTube

MUSIC+38 アンジュルム「大器晩成」レコーディング#04 (トラックダウン編)他  - YouTube

コーラス入れでの中島卓偉氏の腕に目がいってしまいましたがそれはともかく、音色の選定や音の重ね方などがよく分かるドキュメンタリーとなっています。”こんなにネタあかししていいの?”と思うくらいの濃い内容です。

 

今回、偶然にもアップフロントグループ所属の2組が同月発売のシングルにおいてこのような魅せ方をすることに驚きました。そして、(「桜ナイトフィーバー」はサビだけの試聴だとしても)聴いて、見ていくうちに曲に非常に愛着が持てるようになったのだから不思議なものです。この手法、もしかしたらアップフロントグループだけじゃなく他の事務所でも既に行っているのかもしれませんが、今後増えていく予感がしています。

近年はインターネット上で曲を作り公開する方たちも増えていて、その中から既にメジャーのステージで活躍する方もいらっしゃるわけです。彼らにとってはインターネット経由で有名になる方の存在は大きな刺激となっているはず。そんな未来の音楽プロデューサーに曲の構築手法を知らしめることは”大きな教科書”になり得るわけで、その意味でも非常に有益な手段だと思っています。勉強のためにバックトラックを取り寄せようと、シングル購入に至る流れが出来るのならばレコード会社にとっても好いことだと思いますね。