face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ギタリスト上條頌、初リーダー作『Let's Go Together』から見える濃厚ソウル

ギタリストとして日本のR&B界に欠かせない存在となっている(ことは参加作品からも明らかである)、上條頌さんの初リーダー作がいよいよ明日リリースされます。オフィシャルサイトはコチラ。自分は恥ずかしながらリリース直前までアルバムの存在を知らなかったのですが、YouTubeでの5分程の動画で虜になってしまいました。

 

上條頌さんを検索すると関連ワードに三浦大知さんの名があり調べていくと、J-WAVEの生放送(JK RADIO TOKYO UNITED』『PARADISO』など)で上條さんのアコースティックギターをバックに大知さんが歌うカバー曲が出てきました。そのカバー曲、スティーヴィー・ワンダーRibbon In The Sky」やシンディ・ローパー「True Colors」の美しさたるや! 大知さんの巧さは勿論、上條さんのテクニックの素晴らしさを実感出来ます。つい先週も『JK RADIO~』に登場し、中島みゆき「糸」を披露。カバー対象として近年特に好まれる曲ですが、このカバーでの心の込め方はとりわけ説得力があり素敵です。

 

上條さんの初リーダー作の収録曲全てを手掛けるのがMANABOON氏。日本のR&B界に欠かせないプロデューサーのひとりと言っても過言ではない方ですが、今作における"R&B濃度"は桁違いと言えるかもしれません。

客演ボーカル陣で一番名前が知られているであろうMay J.さんは現在の地位を築く前、レコード会社移籍以前はR&Bアプローチの楽曲が多く、彼女の出自を知っている方なら納得の人選と言えます。彼女をはじめとする参加ミュージシャンの人選もさることながら、上記の試聴音源を聴くと目が覚める程に本場のR&B感が高いなと実感。同じギタリストということでロニー・ジョーダンや、個人的にはインディ界で活躍するU-Nam(好きが高じてジョージ・ベンソンのトリビュート作までリリースするくらい。ティム・オーウェンスをボーカルに迎えた「Give Me The Night」のMVはコチラ)と遜色ない作品となっています。昨年のレコ大受賞曲を手掛けたSTY氏をして、MIHIROさん参加曲を"クソドープなR&B"と言わしめるくらいの"濃さ"なのです。

 

そしてラストに用意されたのがゴスペル曲。個人的にはこの選曲にやられてしまいました。自分がゴスペルクワイア所属時代に歌っていた、エドウィン・ホーキンス「I Love You (Lord Today)」(→YouTube)をカバーしているのですから。至極個人的ながら、クワイアに所属していた在京時代の想い出とリンクし感慨に浸ってしまいました。MANABOON氏がゴスペルバンドに参加したライブを拝見したことがあり彼のゴスペルへの理解度の深さは存じ上げていたのですが、実は上條さん、『クリスチャンホームに生まれ幼い頃から教会音楽に慣れ親し』んでいた方なのです(オフィシャルサイトのバイオグラフィーより)。そして教会での出会いが現在の道へとつながっていきます。

体験「人が神に出会うとき」 - 新城教会ニュース2009年3月号

これらの背景を考えればゴスペル曲を取り上げるのは自然なこと。またアルバムの最後にゴスペル曲を用意することは、邦楽R&B界の先駆者であるプロデューサーチーム、GIANT SWINGによるアルバム『GIANT SWING DELI』(2007 iTunes Storeにて一部試聴可能)における「LIFE TIME STORY」~「CAN'T LIVE WITHOUT YOU」の流れを想起させるに十分。邦楽R&B界の重要作を意識せずにはいられません。

 

R&Bの濃厚さ、そしてゴスペルへの真摯な取り組みが詰まった上條頌さんによる(そしてMANABOON氏が全編手掛けた)アルバム『Let's Go Together』。手にとってみようと思います。

(ちなみに価格は洋楽とほぼ同額の2,376円(税込)タワレコオンラインでは本日11時から期間限定でポイント10倍キャンペーンを開催しますので、活用してみてはいかがでしょうか。)