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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

『テレフォン人生相談』 ドリアン助川氏の新加入が非常にしっくり来た

テレフォン人生相談』(ニッポン放送)のパーソナリティにドリアン助川氏が加入することが報じられました。

ドリアン助川、15年ぶりにラジオで人生相談「皆さんと輝く時間を創造」 | ORICON STYLE

 

若者向け人生相談番組、『ドリアン助川の正義のラジオ!ジャンベルジャン』(1995-2000 ニッポン放送)以来、15年ぶりの登板。自分は当時番組を聴いてはいませんでしたが、ドリアン助川氏の名前はラジオ好きの間で話題になっていたことを思い出します。”若者向け”のイメージが強いために中高年が主要聴取層となる『テレフォン人生相談』には合うのかと思いつつも、人生相談番組の経験を踏まえれば(そして専門家の立場ではなく聞き手という立場であるならば)最良の人選と言えるでしょう。それ以前に、そもそも人材の起用そのものが急務だったと考えています。その理由を3つ挙げるならば。

 

 

①パーソナリティが不足していた

現在は心理学者の加藤諦三氏(主に月曜と木曜)、医学博士で登山家の今井通子氏(主に水曜と金曜)、そして最も新しいパーソナリティとして2012年4月から勝野洋氏(主に火曜)が参加し3名のパーソナリティが番組を進行しています。一方、2011年4月までは俳優の児玉清氏が、そして2012年1月までは脚本家の市川森一氏が共にパーソナリティを務めていました(Wikipediaより)。児玉氏は降板の翌月、そして市川氏は降板の前月に亡くなっています(児玉氏については未放送分を2011年6月に放送。市川氏については追悼特集として2012年1月に放送)。市川氏の死後しばらくは加藤・今井両氏の2名体制というタイトな状況でした。勝野氏が加入後は3名体制ではありますが、それでも以前よりパーソナリティは減少。早急な人材の確保は急務だったと思われます。

 

②後継者問題を考慮しないといけない

児玉清氏は享年77歳、市川森一氏は享年70歳。ラジオで聴く限りは年齢に違わず元気な印象がありましたが、どんな人間であれ年齢を重ねるにつれて体力は衰えてくるものです(そしてそれは例えば声に表れます)。加藤諦三氏は1938年生まれで現在77歳、そして今井通子氏は1942年生まれの現在73歳。まだまだ頑張ることが出来るとは思っていますしそう信じたいのですが、およそ10年前は週1,2回だった担当回が現在では週2回(スペシャルウィークにおいてはそれ以上。後述します)のペースであり、負担はないのかと思ってしまいます。児玉氏、市川氏が共に降板前後に亡くなっていることを考えればその際の制作スタッフの混乱っぷりは想像に難くないわけで、前もって後継者を用意しておくことは必要だと思っていたのではないでしょうか。

 

③ビシッと締める人の存在が必要

上記を踏まえてなのか、勝野洋氏(現在65歳)が新加入したのですが、正直なところ朴訥過ぎるというか、そんなに温度が感じられない(ように聴こえる)のが気になるところなのです(自分が担当する番組の別のスタッフも同様の印象を抱いていました)。だからなのか、とりわけスペシャルウィーク(聴取率調査週間)となると、曜日担当に関係なく加藤氏が週3回以上ということもあり、加藤氏の登板の多さはそれだけ人気であり、言い換えれば勝野氏の人気はまだまだ…ということなのでしょう。(一方で、今井通子氏は冷静沈着、クールな感じですがはっきり言い切るのが好印象。勝手ながら”ユーミン声”だと思っています)。

加藤氏の凄いところは、他者に問題がある前提でどうすればいいかと問う相談者に対し、実はその人に自身に宿っている問題を見抜き、問題の根本を浮かび上がらせ焼き付けさせるところにあります。その過程を踏まえての”締めの一言”は、同様の問題を抱える方の光明になったり気付きになったり、もしくは相談者と同様に問題を内に抱えていた方に対してハッとさせられる言葉だったり…”締めの一言”は重く、変な表現かもしれませんが気付かされた側からすれば快感なのです。

加藤氏は心理学者ゆえにその格言的な言葉を端的に示すことの出来る特別な存在なのかもしれませんが、そのくらいに相手を見抜き、ズバッと言える人(それでいて無闇矢鱈に相手を叱責し過ぎない人)が求められているのだと思います。語り口調を聴いたことがないので自分の捉え方は間違っているかもしれませんが、その点においてドリアン助川氏は、(以前の担当番組の内容を調べる限り)『テレフォン人生相談』に合致しているのではないかと思っています。ドリアン助川氏の最初の登場は4月1日とのことなので楽しみです。

 

 

最後に、ドリアン助川氏を初めて耳にする方はその名前の特殊さに戸惑うのでは、と一瞬思ったのですが、相談の回答者に占星術者でエッセイストのマドモアゼル・愛氏がいらっしゃるのでその点は安心ではないでしょうか。