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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

アナウンサー退職時にみえた、Win-Winの関係

青森朝日放送(ABA)の藤岡勇貴アナウンサーが3月末をもって退職することが発表されました。自身の担当番組に加えて、局内のブログでも報告。

皆様にご報告です。13日(金)のJチャンネルでお伝えしましたが、

私は、3月末をもって青森朝日放送を退職することになりました。

8年間お世話になりました! - ゆうきのYou!きまじめ(2015年3月17日付)より

4月からは兵庫の放送局で働くという藤岡アナウンサー。転職という苦渋の決断や感謝の思いなどを切々と、真摯に綴っています。ブログの言葉からは彼の人柄がにじみ出ていて、その人柄ゆえに担当外の番組(あべこうじさんがMCを務める『ハッピィ!』など)にも呼ばれるほど愛された方なんじゃないかと実感です。新天地での活躍を願っております。

 

 

藤岡アナウンサーのブログを読んで、そして『ハッピィ!』などでの様子を見て思ったのは、ここまで愛されるアナウンサーはいないんではないかということ。いや、愛されるアナウンサーはいたとして、その思いがここまで表立って登場することはないのではないかと。

 

アナウンサーとして就職したからといって、生涯一放送局のアナウンサーで居続けられる人は限りなく少ないのが現状です。局内の異動によってアナウンサー職から外れる方、一定のスキルを身につけフリーになる方もしくは別の局へ移籍する方(最近は実家のある局へ戻るという形での移籍が多いですね)が多いように見受けられます。そのような方で、担当番組(それも生放送)を抱えている場合ならば降板時に挨拶などを言うことが出来るとして、そうではない場合、”ひっそりといなくなる”ということが実は多いように思われます(状況は少し異なりますが、結婚報告もひっそりとというか、突っ込まれないうちにさらっと、という場合が多いですね)。

退職や移籍の場合は個人の理由、異動は局の都合が要因として大きいでしょうが、理由や都合はどうあれ、”ひっそりといなくなる”際に一番困るのは、その理由や都合を知らされぬままいつの間に居なかったことにさせられた(ように捉えてもおかしくない)視聴者や聴取者ではないでしょうか。感謝の言葉を言いたくてもいつの間にかいなくなったり、退職後の状況が分からず途方に暮れたり…その度に、なぜこっそりといなくなったという思いが募り、放送局のドライさに疑問を抱くのは自然なこと。特に放送局のホームページにおいて、アナウンス部の在籍を解かれた瞬間にプロフィールやブログが削除されるのですから、それが当然だとわかっていても勿体無いと思います。

その点において、藤岡アナウンサーの今回の退職は、藤岡アナウンサーがお別れを言う機会(放送時間やブログなどの場所)を放送局が手厚く用意してくれたという点において非常に画期的なことだと思うのです。放送局によってはベテランの層が厚かったり、むしろそのベテランが(非常に言葉は悪いのですが)アナウンススキルなどの実力に乏しくとも残り続けることが多いために有望な若手が離れざるを得ないことがままあります(あくまで私見ですが)。特に後者においては変化を嫌がる保守的な風潮が高いゆえに、実力のある若手アナウンサーの退職時にお世話になった視聴者(聴取者)へお別れの機会を言う機会すら用意させないように思うのは穿った見方でしょうか。そういう点において、青森朝日放送は風通しの良い放送局だといえそうで、以前より好感度が増したように思います。

 

 

今回の藤岡アナウンサーの退職アナウンス。藤岡アナウンサーにとっても好かったでしょうし、きちんと教えていただいた視聴者も胸のすく思いがしたはず。そして放送局も好感度が上昇し、いわゆるWin-Winの関係が成立したように思います。この最良の形が、局に関係なく今後の最良の手本になることを願っています。