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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

【追記有】 ケンドリック・ラマーの米英1位獲得新譜『To Pimp A Butterfly』、果たして国内盤は出るのか

(追記)

下記のエントリーを書いた数時間後、国内盤発売のアナウンスがありましたので報告いたします。

ニュースリリースも登場しています。

全米・全英初登場1位の最強リリシスト、ケンドリック・ラマーの国内盤発売が決定! - UNIVERSAL MUSIC JAPAN (3月27日付)

まずは一安心といったところです。というわけで、国内盤が出ないという前提で書いた下記のエントリーは良い意味で裏切られました。

 

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 (以下、今朝アップしたエントリー本編)

 

またも国内盤がいつ出るのか、いやそもそも出るのか否か、モヤモヤする事態が発生しました。今週、米英双方のアルバムチャートを制覇したケンドリック・ラマーの最新作、『To Pimp A Butterfly』について、国内盤がリリースされる気配がないことを憂いています。

 

『To Pimp A Butterfly』は、ラッパーのケンドリック・ラマーが放つメジャー2作目となるアルバム。前作『good kid M.A.A.D. City』(2012)が高く評価され、今年のグラミー賞ラップ部門では新作からの先行曲、「i」で2部門を制覇、そしてさらなる新曲を発表した後、3月上旬にアルバム発表をアナウンス(これらはケンドリック・ラマー、注目の新作は2週間後に発売 | bmr(3月8日付)より)。3月23日にリリース予定だった同作品は、音源リークの影響を受けてか発売を一週間前倒ししています(ケンドリック・ラマー、注目の新作を1週間前倒しで配信先行発売 | bmr(3月16日付)より)。

あくまで個人的には、米産ラップを熱心には聴かない傾向にあったのですが、昨年のグラミー賞でのイマジン・ドラゴンズとの共演に度肝を抜かれ、また今年のグラミー賞の翌日に配信を開始した「The Blacker The Berry」が、昨今の人種差別問題に基づく曲であることから、(今年のグラミー賞における人権問題を訴えるパフォーマンスからの流れで)どういう内容なのか、とりわけ和訳と照らし合わせて聴きたいと思う気持ちに。ゆえに、特に詩的と評される(らしい)ケンドリック・ラマーの国内盤を手にしてみたいという思いに駆られているのです。

 

前倒しされながらも、結果的に『To Pimp A Butterfly』はケンドリック・ラマーにとって初の全米1位を獲得しました。

リンク先の米ビルボードによると、セールスだけで32万4000枚、ストリーミングなどを含めると36万3000ユニットを記録し、2位の『Empire 成功の代償』(11万ユニット)の3倍強という圧倒的な強さで首位に。この、セールス面でも好成績を収め、多くの方が注目していることが証明されたケンドリック・ラマー。無論、日本でもファンは多いのではないかと思うのですが…。

国内盤は発売未定、リリース情報すらない状態なのです。というより、快挙です!!とつぶやいているのが国内盤(がリリースされた場合の)販売元であるユニバーサルなのですから、奇妙な感覚を抱かずにはいられません。

そのユニバーサルでのケンドリック・ラマーのページは下記に。

Kendrick Lamar | ケンドリック・ラマー - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

 (ニュースは現段階で3月13日付のものが最新となっており、英米1位については触れていません)

 

突如のリリースアナウンスを経ての販売という流れにおいては、最近ではビヨンセBeyonce』(2013年12月中旬に配信、同下旬に輸入盤フィジカル販売→2014年2月中旬に国内盤販売開始。ディスコグラフィー参照)やディアンジェロ&ザ・ヴァンガード『Black Messiah』(2014年12月中旬に配信、同下旬に輸入盤フィジカル販売→2015年2月上旬に国内盤販売開始。HMVより)という前例があり、ケンドリック・ラマーにおける”3月上旬突如アナウンス→中旬に配信→下旬に輸入盤フィジカル販売開始”という流れは、これら前例とさほど変わらないものと思われます。なのでネームバリューは(ケンドリック・ラマーには失礼ながら)ビヨンセディアンジェロに比べれば高くないかもしれませんが、3ヶ月以内に国内盤がリリースされるとは思いたいものです。

 

しかしながら逆に言えば、いくら突如のリリースアナウンスとはいえどもビヨンセは日本でも広く名の知られた存在、ディアンジェロは寡作(1995年の処女作からこれまで合計3枚のアルバムリリースにとどまる)ながらもR&Bの伝説的存在となっており、彼らでさえ国内盤発売に至るまで2ヶ月前後のタイムラグがあるということに、あらためて振り返ってみて正直驚いています。そう考えると、ケンドリック・ラマーの今作の国内盤はもしかしたら難しいかもしれません。

 

ちなみに、ケンドリック・ラマーのメジャー第一作となった『good kid M.A.A.D. City』は、輸入盤フィジカル販売の5ヶ月半後に国内盤がリリースされています(ユニバーサルのディスコグラフィーより)。セールスがどのくらいだったかは不明ながらも、国内盤発売の実績があるゆえに今作も国内盤がリリースされてもよいはずですが、未だに何一つとしてユニバーサルから話が上がらないことに不穏な空気を感じます。ラップの場合、ましてや詩的と評されるケンドリック・ラマーにおいては注釈もかなり必要なため和訳が難しいのかもしれませんが。

 

先述した”障壁”についてですが、国内盤リリースが遅いという件は今年に入ってから何度かエントリーしました。その中で、アリアナ・グランデの処女作国内盤を例としたエントリーにおいて、国内盤の(敢えて、かもしれない)遅れ、およびリリースの際における時に大量のボーナストラックの付随についてのレコード会社側のいくつかの理由を推測した上で、『後出しに長けるようになっ(てしまっ)たレコード会社は、"冒険心が失せた"、”度胸がなくなってしまった”のだと思います』と結論づけました。先程はビヨンセディアンジェロといったビッグネームを例示したのですが、いくらアナウンスから配信リリースまでのタイムラグがなかったとして、それでも彼らですら2ヶ月前後も国内盤販売まで待たされるのは、単に和訳に時間がかかるからという理由にとどまらず、ともすれば度胸がなくなってしまったと言えるのではないかと。ましてや日本では、(チャートでは上位であれど)ラジオエアプレイが伴わないラップソングについては尚の事、国内盤販売に至りにくいのが現状ではないかと思うのです。

 

無論これらはネガティブな視点に基づくものと言われればそれまで。ですが、国内盤を販売するしないのアナウンスをせず、ただ”快挙です!!”とつぶやくだけのユニバーサルには、国内盤を渇望する音楽ファンの声を聞いてくださっているのかどうか、疑問に思ってしまいます。

 

 

(以上、本編終わり)

 

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ちなみにユニバーサルインターナショナルのTwitterアカウントでは、国内盤発売のアナウンスを本日17時過ぎの段階ではツイートしていないんですよね。最初に引用したタワーレコードのツイートを公式RTはしているのですが。きちんとニュースリリースのリンク先を掲載したツイートを発信したほうが良いと思います。

 

国内盤の到着までは、下記を参照しながら待ちわびることとします。

そして、ケンドリック・ラマーの国内盤発売に関するツイートで一番自分の思いに近いツイートを、DJのyanatakeさんが発していましたので引用させていただきます。

ビヨンセディアンジェロ&ザ・ヴァンガード、そしてケンドリック・ラマー…突如リリースされる作品の、国内盤のフィジカル化には2ヶ月とちょっとかかるのですね。もしかしたらレコード会社にとってそれが限界なのかもしれませんが、インターネット社会にあってそのタイムラグはちょっと遅すぎる気がする、というのが正直なところです。その分、歌詞和訳および解説が充実したものであることを願うばかりです。