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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

レコード会社等のサポート不足のために埋もれてしまいそうな良質コンピレーションアルバム

2月、レンタル店の洋楽コーナーにて見つけたコンピレーションアルバムに驚かされました。最新ヒット曲を見知らぬ歌手がカバーしたようなありがちな盤かと思ったのですが、これがスルー厳禁の代物。良質なインディ作品を多数輩出するPヴァインが、レンタル限定で同月リリースした作品だったのです。タイトルは『NOW ON AIR』。色違いで三作品が用意されており、ジャンルの隔て無く近年ラジオフレンドリーだった曲を中心に多数収録されています。

そんなわけで、その『NOW ON AIR』曲目を紹介します。写りは悪いですし勝手ながらではありますが、ブックレットの中身を掲載させていただきます。

 

『NOW ON AIR Version Red』

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コケティッシュでもあり可憐な声で浮遊感溢れる、ミシェル・シャプロウによる「Back Down To Earth」

またトヨタレクサス"ストロボ編"CMソング、コンピューター・マジック「Running」など収録。

 

『NOW ON AIR Vesion Blue』

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ベテランR&Bグループ、インコグニートによる、ファレル・ウィリアムス「Happy」を多分に意識したと思しき「Hats (Makes Me Wanna Holler)」、

ファミコン時代のスーパーマリオの様々な効果音が挿入され、ミュージックビデオ内の格闘シーンも面白いエスコ・ウィリアムス「New Challenger」など収録。

 

『NOW ON AIR Version Yellow』

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音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが以前担当していたラジオ番組で紹介、J-WAVEでも大量エアプレイされたメイリー・トッド「Baby's Got It」、

出だしの声がスティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせる、ジェレミー・パッション「Undefined」など収録(下記動画はアコースティックバージョン)。

 

自分が好むR&Bを中心に紹介してみましたが、如何でしょうか。正直言ってこのコンピレーションに出会うまで知らなかった曲も多く(エスコ・ウィリアムスなどは自分にとって新たな発見でした)、非常に勉強になりました。また、先述したように自動車メーカー最大手のCMに起用された曲も収録されており、お得な作品集と言ってもいいでしょう。

 

しかしながら、リリースの4日後に借りたものの、iTunesにインポートしようとしてもCDDB未登録のために一から入力せざるを得なかったのは非常に痛かったですね(入力後、送信はしたのですが)。Pヴァインのホームページに『NOW ON AIR』のトラックリストがあるだろうからそこからコピペしよう…と思ったものの、Pヴァインはおろかレンタルチェーンのホームページにもなんら情報がない状態でした(たとえばTSUTAYAによる『NOW ON AIR Version Red』の情報はコチラ)。はてなブックマークに同様の疑問を寄せている方が居て、これは明らかにレーベル等のサポート不足だよなと思った次第です。

 

現在のレンタルチェーンでは、先述したような最新ヒット曲の"見知らぬ歌手によるカバー集"コンピレーションが非常に多く見受けられます。中には、ノラ・ジョーンズグラミー賞受賞曲「Don't Know Why」を、作者のジェシー・ハリス本人が参加したカバーバージョンというサプライズもあったりはしますが、基本的には"それっぽい声の人がそれっぽいアレンジでそれっぽく歌えばOK"という作品があまりに多く、コンピレーション棚における"本人歌唱盤"が非常に少ない状態であり、個人的には大変憂いています。だからこそ良質レーベルであるPヴァインによる上記コンピレーションの登場は、その側面においてもありがたいのですが…しかしそのコンピレーションの情報は店舗ポップでしか分からず、ライナーノーツは無い、ましてネット情報がないというのは明らかに機会損失だなと思うんですよね。これでは、"見知らぬ歌手によるカバー集"の勢いに飲まれること間違いありません。

どのような経緯で出したのかは定かではないのですが、出すならば最低限の情報は提示してほしかったですね。コンピレーションを聴けばお気に入りの歌手が見つかりPヴァイン発の各歌手のアルバムを手に取ろうとする人が間違いなく出てくると思うのですが、今の状態ではコンピレーションを聴くという入口にすら辿り着けない気がします。それって非常に勿体無い気がするのです。