イマオト - 今の音楽を追うブログ -

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第二の浜田麻里が生まれなくなる? 青山学院大学学園祭からのメタル追放問題

昨夜、Yahoo!トップページに登場したニュースが非常に興味深かったのでご紹介。

毎年10月、青山学院大学相模原キャンパスで行われる大学祭「相模原祭」が早くも話題を集めている。きっかけは、青山学院大学相模原祭実行委員会(以下、実行委)の打ち出した「ヘヴィメタル禁止令」だ。

青学で「ヘヴィ」な炎上騒ぎ 「学園祭からメタル系追放」に大反発 : J-CASTニュース(5月21日付)より

『「メタル系のバンド団体は募集しませんので、ご了承ください」との注意書き』が学園祭説明会の配布資料に明示された一方で、『ハードロック、ハードコアパンクなどヘヴィメタルに比較的近い音楽の演奏も禁止するのか』は明示されていないという曖昧さ、反発に対して謝罪を表明しながらも、現段階ではまだ『演奏の可否については触れていない』という実行委員会の姿勢(『』内はいずれも記事より)には疑問を抱きます。

 

仮にメタルバンド側に問題があるならばそのお達しにはまだ納得は出来るものの、そのような事実はどうやらないでしょうし、あるとすればそのことを実行委員会が謳ってもいいはずです。そのような演奏(募集)禁止をやむを得ないとする客観的な事実が見えていないため、私見と前置きした上で書くならば、おそらくは実行委員会の中に、もしくは権力者(たとえば学長等)の中に、極度にメタルを嫌う者がいるのではないかと推測します(そしてこのまま演奏の可否に触れないのだとしたら、これら邪推が巨大化し、最終的には学校自体のイメージダウンにつながりかねないでしょう)。この推測が正しいならば、私的な嫌悪感と公的な祭とを混同しているゆえ、そういった方には公的行事の管理からは離れていただきたいものです。

 

ちなみに実行委員会側は、『幅広い年代の方が多く来場してくださる相模原祭に合った演奏』をメタル禁止の理由として挙げていますが、それに対し『上智大の音楽サークルは、「ヘヴィメタルは60年代に源流を持ち、様々な派生ジャンルを生み出しながら現在まで脈々と受け継がれてきた音楽、つまりむしろ『幅広い年代の人々に愛されてきた』音楽です」と実行委の言い分を批判』し論破しています(いずれも記事より)。どちらが客観的且つ説得力があるかは一目瞭然ですね。炎上させるのではなくこういう冷静な指摘を続ける上智大学のような姿勢を支持しますし、それでも動かないならば賛同者を集め、数の上で圧倒させる方策を採るのが好いでしょう。陰ながら応援しています。

 

ちなみに、この記事で気になった点が最後のほうに。

青山学院大は「麻里ちゃんはヘビーメタル」というキャッチコピーで1983年にデビューし、「ヘヴィメタル・クイーン」の異名を取ったロック歌手・浜田麻里さんの母校でもある。メタルファンにとっても思い入れの強い大学だ。

青学で「ヘヴィ」な炎上騒ぎ 「学園祭からメタル系追放」に大反発 : J-CASTニュース(5月21日付)より

浜田麻里さんといえば、ソウルオリンピックNHK各番組のテーマソング「Heart and Soul」(1988)や、カネボウ化粧品'89 夏のキャンペーンソング「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」(1989)が有名な方。その頃から圧倒的な歌唱力を放っていたのですが、年齢を重ねるにつれてそのヴォーカルは衰えるどころか、一段とパワーアップしているのです。2012年のライブで披露した「Return to Myself」、後半での歌ヂカラは圧巻の一言。

 

浜田麻里さんの最近の歌唱力については、ミッツ・マングローブマツコ・デラックスさんがラジオ番組の中で絶賛しています(『小島慶子ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送 毎週水曜22時) 2014年2月5日放送分より。ポッドキャストコチラ。その部分だけあがっていましたのでコッソリと。なお現在はミッツ・マングローブさん単独の番組に。また、この日の放送では小島慶子さんがオーストラリアにいたため休まれています)。  ミッツさんとマツコさんが絶賛するのも、上記動画を見れば納得ですね。

 

もしかしたら今後、メタル系のサークルから第二の浜田麻里さんのような才能溢れる方が出てくるかもしれませんし、既にサークルに所属しているのかもしれません。メタル系を学園祭から追放することは、その才能を多くの目に触れさせることで我々が見つけることも、その方が成長することも出来なくなってしまうという意味で機会損失であり、あまりに勿体無いと思うのです。実行委員会側はそういうところを果たして把握しているのでしょうか。