イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

リスナーや歌手との接触を失墜させかねない地元ラジオ局の姿勢

安室奈美恵さんが来週リリースするアルバム『_genic』収録曲、「Golden Touch」のミュージックビデオが話題となっています。指示の通りにタッチしながら御覧ください。

聴き手が”参加する”ことで、聴覚以外の楽しさを感じられるのは非常に面白い試みですね。曲そのものもエイメリー「1 Thing」(→ YouTube)をよりポップにした感じで好印象です(「1 Thing」好きにとっては、あのリズムパターンはいい意味で卑怯)。アルバムが俄然楽しみになってきましたし、アイデアひとつでミュージックビデオが面白くなるんだなと実感しています。今朝の段階で430万再生を記録しており、アルバムの売上枚数、また明日からYouTube再生数の指標が反映されるビルボードジャパンのシングルチャートに「Golden Touch」が登場するのかについても、気になるところです。

 

 

さて、アルバム『_genic』に関して、ラジオ局と連動したキャンペーンがはじまっています。

ニューアルバム『_genic』の発売を記念して、全国のラジオステーション (FM、AM)にてそれぞれのラジオ局に映える、“ラジオ局_genic”な1曲をオンエアプッシュする「Radio Station_genic」キャンペーン開催決定!

あなたの聞いているラジオ局は、どの曲を選ぶのか!?

そして!下記、キャンペーン対象のラジオ局との_genicコラボステッカーもプレゼントします!

全国のラジオ局が、それぞれのラジオステーションにとって“_genic”な1曲を選曲!? 全国「Radio Station_genic」キャンペーン開催決定! | Namie Amuro Official Site(5月29日付)より

全国44のラジオ局との連動キャンペーン。全局とはいかないまでも多数のラジオ局が参加していることに、あらためて彼女やスタッフサイドの力を感じます。リンク先には参加局、もしくは局の一番組のホームページのリンクが掲載されているので是非参照していただきたいのです。

 

が。URLを見て驚きました。エフエム青森だけが番組ブログ、それもGooブログなのです。

番組ホームページの形式がブログであることには問題はありません。しかしながらGooブログを使うことについては、”無料のインターネットサービスを使わないといけないという金銭的事情”が透けて見えます。また、”局のホームページに番組紹介欄がないこと”や、”ブログ形式を局のホームページ内に埋め込めないこと”に関しては、局側がホームページに人手を割けないという人員的事情も見てとれます。いや、邪推を承知で書くならば、ホームページサービスはさほど重要ではないというスタンスなのかもしれません。

しかしながら、今回の安室さんのキャンペーンにおいて各局のURLが貼られたことで、エフエム青森と他局との歴然とした差が、悪い意味で知られる形となってしまいました。

 

 

いや、それでも今回のキャンペーンについて詳細がGooブログに掲載されているならばまだ好かったのでしょうが、現段階でGooブログには未掲載なんですよね。これでは折角安室さんのファンが『_genic』とのコラボステッカーを欲しいと思ってもどうすればよいのか、途方に暮れてしまいますね。

 

 

安室さんのアルバムは、オリジナルアルバムとしては異例となる50万枚前後のセールスをコンスタントに上げており、それだけに注目が集まっていると言ってよいでしょう。「Golden Touch」のYouTubeでの再生数を踏まえれば尚の事。そんな、大ヒットが予想されるアルバムとの連動キャンペーンに参加しながら、一方では連動に遅れが生じるとなると、安室さん側、さらにはレコード会社側からの信頼を局が断ってしまっているのでは?と疑問が生じます。信頼が失墜することで、たとえば安室さんやレコード会社からの新譜やノベルティグッズの提供が減るような事態となれば、最終的に損をするのはリスナーなのです。そういうことをエフエム青森は考えているのでしょうか。

 

尤も、エフエム青森唯一の自社制作による平日生ワイド番組『ラジモット』(未だに正式名称が英語なのかカタカナなのか、大文字なのか小文字なのかはっきりしていませんね)について、4月リニューアルにより18時05分からの15分間がJFN系のニュース『News Delivery - Evening Edition -』に差し替わったためリクエストへの対応が大きく減り、また17時20分からの情報についてはその大半がラジオ通販コーナーとなり音楽情報も減りました。

私見ですが、これらは改編という名の改悪と断言してよいでしょう。18時台前半はAMのRABラジオで県内のニュースが放送され、テレビでもEテレ以外はニュース番組がひしめき合っていることから、音楽主体のままで差別化は図れていたはずで追随の必要はないでしょう。またラジオ通販については、そのコーナーのやりとり自体に面白味がない、もしくは原稿の存在が透けて見えると途端に飽きられる性質があります(聴き応えのあるラジオ通販については、ジャパネットたかたラジオショッピングを踏まえた、ラジオ"原稿レス"化の願い(2013年7月4日付)にて私見を掲載しました)。また、常に17時20分台がラジオ通販と決まっているならばリスナーはそれ相応の対応というか覚悟が出来るでしょうが、ラジオ通販が(その割合は高いながらも放送が)不定期のため、情報コーナー枠がラジオ通販だったときの失望感は強いと思うのです。おそらくは売上の一部が局側に還元されるシステムゆえ、ラジオ通販は局にとっては大事なコンテンツなのでしょうが、それはあくまで短期的な売上増加に過ぎません。リクエストへの対応の減少と相俟って、中長期的に見ればリスナー離れを招き加速させているのではないでしょうか。

 

 

これらの改悪、そして今回の『_genic』キャンペーンにおける対応の非迅速さや他局と比べてのホームページの稚拙さを見るに、さらに以前から指摘していたエフエム青森の問題点(弊ブログでエフエム青森と検索すると出てきます)がほとんど解決されず放置されているのを見ると、無論自分の考えが100%正しいとは思わないものの、あまりの酷さに失望感は募るばかりです。

安室さんのホームページでリンク先が掲載された上、『実施期間などの詳細は、各ラジオ局のHPをチェックしてください』として局(番組)ホームページの掲載が前提となっているならば、まずは早急な掲載が急務であり、大前提です。