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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

藤井隆の名盤、『COFFEE BAR COWBOY』に至るまでの7曲

藤井隆さんの11年ぶりとなるオリジナルアルバム、『COFFEE BAR COWBOY』の評価が一段と高まっているのを感じます。昨日は『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』(TBSラジオ 毎週土曜22時)の冒頭でRHYMESTER宇多丸さんが"名盤認定"。自身の番組でいち早く藤井隆さんを再評価し、その縁で自身も今作に参加しているということも評価基準にあるのかもしれませんが、そういった経緯を知らなくとも聴けば純粋に素晴らしいアルバムであることに疑いの余地はありません。前週リリースされリピートしまくりだった安室奈美恵さんの『_genic』を置いといてまで、『COFFEE BAR COWBOY』に激ハマリしています。

 

さて、藤井隆さんの音楽活動の本格化、知っている方はどのくらいいらっしゃるでしょう。もしかしたら「ナンダカンダ」以降の作品を知らない方が少なからずいらっしゃるのでは?と思い(同曲で紅白歌合戦出場しているのでよりそのイメージは強固かもしれません)、今作『COFFEE BAR COWBOY』へ興味を持っていただくべく、同作へ至る道筋となったであろう7曲を選んでみました。

 

 

藤井隆「ナンダカンダ」(from『ロミオ道行』(2002)→iTunes Store)

動画はコチラから。浅倉大介×GAKU MC両氏によるデビュー曲。ジェイソン・ドノヴァン「Too Many Broken Hearts」(1989 全英1位)に酷似との声もありましたが(ナンダカンダ - Wikipedia参照)、重要なのはそこではなく、藤井隆さんが【レイト80'sへの憧れ】を音楽活動初期の段階から抱いていたことにあるでしょう。

 

藤井隆「わたしの青い空」(from『オール バイ マイセルフ』(2004)→iTunes Store)

動画はコチラから。「ナンダカンダ」をボーナストラック扱いに据えるほど、ファーストアルバム『ロミオ道行』では松本隆氏プロデュースによるシティポップを極めた藤井さん。続くアルバムでも同様の流れを踏まえつつ、キリンジ堀込高樹さん(現KIRINJI)がソングライティングした同曲で【哀愁漂うダンスミュージック】を完璧にこなしています。また、ミュージックビデオでの【可笑しみと不思議さ同居】するところは、今作での警官コスプレに活かされているのではとも。そういえば現在、シティポップムーブメントが再燃中とのことで、いち早く取り入れた藤井さんの先見の明たるや。

ちなみに【ジャケットの連続性】という事実も判明。なんという粋な計らいなのでしょう。

 

藤井隆「Oh My Juliet!」(from『Oh My Juliet!』(2005)→iTunes Store)

動画はコチラから。「ナンダカンダ」同様にレイト80's、ストック・エイトキン・ウォーターマンを強く意識し、【キュートなポップス】 を極めた仕上がり。振り付けを完璧にこなしている姿に、藤井さんのエンタテインメント力の高さ、音楽への本気度の高さを実感します。ストック・エイトキン・ウォーターマンへ曲をくださいと直談判したいと言っていた夢は叶いませんでしたが、ストック~のエッセンスが強いブロス「I OWE YOU NOTHING」を、後述する西寺郷太さんと共にカバーするに至っています

 

藤井隆「I just want to hold you」

  (from『She is my new town/I just want to hold you』(2013)→iTunes Store)

一昨年の私的年間ベストに入れたほど大好きな曲(2013 JP Songs Best(2013年12月31日付参照)。「真夏の夜の夢」(2007)で共演した松田聖子さんの洋楽センスの高さたるや(特にインディ発の『Area62』(2002)に唸った藤井さんが、自身が大好きな洋楽を数十曲渡してソングライトを依頼した作品。松田聖子の洋楽の"邦楽化"の巧さ(2013年6月12日付)でも言及しています)。この【松田聖子さんとの邂逅】が今作に至る音楽活動の再出発点のひとつであることは間違いないでしょう。

ちなみに『COFFEE BAR COWBOY』には、同曲のRAM RIDERさんによるリミックスが収録。これがオリジナルとは完全に異なる現行EDMを踏襲したリミックスで驚かされるのですが、それでいてボーカルおよび松田聖子さんのコーラスを際立たせ、擬似デュエットの赴きしていることでよりセクシーになっているんですよね。オリジナルと完全に異なりながら、こちらも大好きな作品です。

 

⑤ Small Boys feat. 藤井隆「Selfish Girl」

  (from Small Boys『Smoll Boys II』(2013)→iTunes Store)

Small Boysは西寺郷太堂島孝平両氏による"アイドルユニット"。そのコンセプトに一瞬驚きつつも、特にジャニーズ愛が伝わる作品群に純粋に唸ったものです。そこに藤井さんが参加したのが同曲。コンセプトの(いい意味での)おふざけ感に説得力が増した気がします。ここでの【西寺郷太さんとの邂逅】が『COFFEE BAR COWBOY』の藤井さん、西寺さんそして冨田謙さん共同プロデュースという形につながったと言っていいでしょう。

 

tofubeats feat. 藤井隆「ディスコの神様」

  (from tofubeats『First Album』(2014)→iTunes Store)

松田聖子さんの手による「She is my new town」を『COFFEE BAR COWBOY』内でリミックスしているのがtofubeatsさん。昨年のメジャーデビューアルバムからの先行シングルであるこの曲で、藤井隆さんの【ディスコティークとの相性の良さ】をあらためて示してくれたように思います。この曲も私的年間ベストに取り入れています(2014 JP Songs Best(2014年12月31日付)参照)。

また、この時期に顕在化したクラブへの風営法の問題におけるアンセム的な意味合いで、この曲や同じくtofubeatsさんの「朝が来るまで終わることの無いダンスを」が用いられていたことも印象的でした。声を荒げて政治や警察を非難するのではなく、ピースフルな雰囲気を作り多くの方に楽しんでもらえる存在としてのクラブを提示することが重要だということを、tofubeatsさんが自身の音楽でもって示してくれたと思いますし、藤井隆さんの存在はその良好な雰囲気作りに極めて大きい存在になっていたのだと考えます。

 

 ⑦ Like A Record Round! Round! Round!「kappo!」

  (from 『kappo!』(2014)→iTunes Store)

真夏の夜の夢」以降CDリリースは途絶えていましたが、その間に椿鬼奴さん、レイザーラモンRGさんとのユニット、Like a Record round! round! round!を結成。同名の洋楽カラオケイベントおよび洋楽カバーの配信リリースを行っていった後、KOJI1200の「ナウ ロマンティック」に続いて【自身初のソングライティング】による作品を昨年リリース。グラマラス・ディスコと評された作品でソングライト能力の高さを示し、今作『COFFEE BAR COWBOY』でも多くの曲を自身で書き(もしくは共作して)います。

 

 

以上7曲。いずれも『COFFEE BAR COWBOY』への布石となっているものと実感しています。気に入った曲があったなら是非、アルバムを手にとってみてください。心から推薦します。

藤井隆「YOU OWE ME」(from『COFFEE BAR COWBOY』(2015))

※現段階で『COFFEE BAR COWBOY』のiTunes Storeでの配信はありません(「YOU OWE ME」は先行配信されていましたが)。YouTubeでもトレイラーは用意されていますが、iTunes Storeでも早めに用意して欲しいなあと願うばかりです。