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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

cero「Summer Soul」からジャネットを想起する

今年の上半期私的邦楽ベストにて選出したcero「Summer Soul」。遅ればせながらタワーレコードのフリーペーパー『bounce』(先月発刊分)ではじめて彼らの存在を知り、アルバム『Obscure Ride』の音源を入手し一聴してハマったという次第です。

bounce』ではceroを"シティ・ポップ"のくくりで紹介していたのですが、音のいい意味での気怠さがスチャダラパーサマージャム'95」っぽいと思っていた自分には、ヒップホップ臭がより強く感じられたからかシティ・ポップというくくりには若干釈然としない部分が正直ありました。で、下記ブログ記事を見つけ、読んでみて納得。なるほど、彼らは"ジャズ・ネオソウル"なんですよね。

ジャズ・ネオソウルについて超簡単に紹介。今ジャズに関しては去年の春と秋に1本ずつ記事を書いているのでそれを見てくれれば良いのだけど、ネオ・ソウルというのは2000年前後くらいにアメリカで勃興した「ソウルミュージックにヒップホップのサンプリングやプログラミングの要素を加えつつ生演奏でグルーヴ感を獲得していく」アプローチの音楽のことで、昨年末に15年ぶりのアルバムをリリースしたディ・アンジェロやエリカ・バドゥなんかがその代表として挙げられることが多い

cero「Obscure Ride」の次に聴きたい「今ジャズ・ネオソウル+J-POP」 | たにみやんアーカイブより

 

実はスチャダラパーより前に、「Summer Soul」の、特にベースラインに触れた際に真っ先に思い出したのが、完全復活が待たれるジャネット・ジャクソンのこの曲。

ジョニ・ミッチェル「Big Yellow Taxi」をサンプリング。この「Got 'Til It's Gone」はある種、”ジャズ・ネオソウル”マナーに沿った作品なのではないかと。

 

ジャネットも以前からサンプリングを多用しているのですが(特に『janet.』(1993)において)、「Got 'Til It's Gone」での音使いは前作からのファーストシングルとして用意され(当時)明らかに異彩を放っていた「That's The Way Love Goes」(→YouTube)のメロウネスをよりドープにし、生音を用いて、またラッパーのQティップを招きヒップホップ的なアプローチもはかる...これってまさしく”ジャズ・ネオソウル”に入れても遜色ないのかもしれません。ちなみに『The Velvet Rope』がリリースされたのは1997年10月。同年2月にエリカ・バドゥがアルバムデビューを果たしており(シングル「On & On」はその前年)、エリカやディアンジェロ(1995年デビュー)の影響をジャネット側は受け、早々に”ジャズ・ネオソウル”に取り組んだのかもしれませんね。

 

先ごろBETアワードでは多大なセールスを踏まえて彼女に賞が贈られましたが、セールスや(BETアワードでのトリビュートにおける)ダンス(およびダンスミュージック)面のみならず、現代に、そして海を越えて受け継がれる”ジャズ・ネオソウル”の先駆者としても名誉を称えられて然るべき、なのかもしれません。