face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ボビー・クリスティーナ・ブラウンへの追悼と、”赦し”ということ

日本時間の昨日午前、この訃報が届きました。意識が戻っていないことは承知していたのですが、もしかしたら...という一縷の望みを抱いていたので、非常に残念です。

 

ホイットニーと娘ボビーの不幸に際し、自分は真っ先に、ホイットニーの夫でありボビーの父であった歌手のボビー・ブラウンに対する怒りの感情を抱いて(再燃させて)しまいました。ホイットニーに堕落をもたらしたのは彼との結婚がきっかけだったと考えているため。また、記憶が確かならば、ゴスペルシンガーのシシー・ヒューストンがボビー・ブラウン家に行き、薬物に陥っていた娘(で当時のボビー・ブラウンの妻でもある)、ホイットニーを引き離しボビー・ブラウンを責めた...という話があり、ゴスペルという”赦し”とはかけ離れた行動に、それだけボビー・ブラウンの存在は非道極まりないのだという思いを抱いたものです。

 

しかしながら、娘ボビーの訃報に接した歌手仲間からの哀悼の意には、娘の父であるボビー・ブラウンに対する思いが見られました。正直言って、意外でした。

ラッパーのミッシー・エリオットは、『悲しい気持ちでいっぱいです。ボビー・クリスティーナ・ブラウン、ママと安らかに眠ってください。ブラウン家、ヒューストン家、双方にお悔やみを申し上げます。』『我が子が先に逝ってしまうなんて想像したくもないでしょうね。父のボビー・ブラウンと祖母であるシシー・ヒューストンへ謹んで哀悼の意を表します。』とツイート。他にも多くの歌手の追悼ツイートが見られるのですが(訳、および追悼ツイートはホイットニー・ヒューストンの娘の死に多くのミュージシャンが哀悼の意を表明 | NME Japan(7月27日付)を参照してください)、ミッシーによるボビー・ブラウンへの思いに、驚いてしまったのです。

 

ところが調べていくうちに、ボビー・ブラウンへの恨みという感情は正しくない、という結論に達しました。ホイットニーの母、シシー・ヒューストンの言葉に触れてそう実感しました。

「ボビーがホイットニーの助けにはならなかったことは承知している。でも、ある程度はみんな自分の行動に責任を持たないと。彼女はきちんと養育された。あんなこと(=ドラッグ)をしない分別はあったはずよ。どうしてあんなことになったのか、私にはさっぱり分からない。」

(省略)

80歳を前に最愛の娘を亡くしたシシーのなんと立派なことか。誰を責めることもせず、「ホイットニーは混乱した状態を嫌っていた、だからドラッグの使用に走ったのかも」と冷静に語ったその母の姿勢に多くの視聴者が感銘を受けたようだ。

故ホイットニー・ヒューストンの実母、「娘の元夫ボビー・ブラウンを責めたりはしない」とキッパリ。 | Techinsight|海外セレブ、国内エンタメのオンリーワンをお届けするニュースサイト(2013年1月29日付)より

シシー・ヒューストンはメディアで、ホイットニー自身の責任にきちんと触れ、一方でボビー・ブラウンを責めることをしませんでした。ボビー・ブラウンからホイットニーを奪取した際はゴスペルの歌い手よりも母としての思いが人一倍強く、それゆえにボビー・ブラウンを責めていたのではないか、と。当事者であるシシーが責めないと言っているのに、第三者たる自分が外野からいつまでもボビー・ブラウンを責めるのは誤りではないかと実感した次第です。しかも自分はゴスペルを数年間歌ってきたこともあり、”赦し”や”希望”を率先して謳わないといけないはずなのに...と反省しています。

 

 

ボビー・クリスティーナ・ブラウンの冥福を祈ると共に、残された家族が立ち直ること、ボビー・ブラウンが父としてきちんと娘を見送り、元妻や子に恥じない人生を送ることを心から願うばかり。これ以上不幸な死が訪れないことを、切に願います。