イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードの本気…日本は追随出来るか

アデル、待望のニューアルバム『25』からの先行シングル「Hello」が11月14日付の米ビルボードのシングル総合ランキング、Hot 100チャートを制したことが解りました。

複合指標のHot 100を構成する一要素、配信部門において「Hello」は初週111万ダウンロードという新記録を達成。『25』への期待の高さが伺えます。そして2位にはその『25』の前週にニューアルバム『Purpose』をリリースするジャスティン・ビーバーの「Sorry」がこちらも初登場。上位2曲がいずれも初登場となるのは複合指標で構成されるHot 100では非常に珍しく、2003年にオーディション番組『アメリカン・アイドル(シーズン2)』で優勝したのルーベン・スタッダード「Flying Without Wings」が2位、準優勝だったクレイ・エイケン「This Is The Night」が1位に初登場して以来、2度目の出来事だそうです(当時の『アメリカン・アイドル』の影響力の高さが伺えます)。

 

個人的に驚いたのは、無論アデルの初登場1位というのもそうなのですが、ホームページ上で日本時間の火曜夜でなければチャート全体が刷新されないのに対し、トップ10に関してはいち早く"カウントダウン動画"をビルボード側が用意している、という点。

速報という意味合いが強い動画だとは思うのですが、『COUNT DOWN TV』(TBS系)や『Billboard TOP40』(テレビ神奈川)を好んで観ていた自分にとっては、前週との比較やトップ10にランクインした曲のミュージックビデオが短尺でも確認出来る点において優れていると思います。そしてなにより、カウントダウンのワクワク感が味わえて楽しいですね。いち早くトップ10を知ることで、その後公開されるトップ100も気になるようになり、動画は一石数鳥の意味合いを持っているといえるでしょう。

 

ビルボード・ジャパンでもこういう動きを追随してほしいとは思うのですが、事務所によっては未だ動画(どころか静止画)使用すらNGのところもあるわけで、一石数鳥どころか一鳥すら獲得出来ない機会損失が起きていると思うのです。それは非常に勿体無いなと。ネットの速報性を活かし動画を作成すれば、チャートそのものへの注目が高まるのみならず、動画を観た人が歌手やレコード会社へ少なからず関心を持つのではないかと思うのです。ハードルは極めて高いと思うのですが、ビルボード・ジャパンには是非とも頑張っていただきたいところです。