アース・ウインド&ファイアーのモーリス・ホワイトが亡くなったと知ったのは、昨日のブログエントリーを書き上げる直前でした。
偶然とわかっていても、デヴィッド・ボウイ、イーグルスのグレン・フライに次ぐ訃報に、今年は”巨星墜つ”が多すぎる…と思ってしまいます。これ以上悲しい出来事が続かないことを願わずにはいられません。
自分がこの訃報に接したとき、真っ先に思い出したのがDREAMS COME TRUEのシングル、「WHEREVER YOU ARE」(1994)でした。オリジナルアルバム未収録(翌年発売のアルバム『DELICIOUS』には日本語バージョンで収録)のこの曲には、中村正人さんが師と仰ぐモーリスがバックコーラスで参加しているのです(愛情が深すぎて、このようなコンピレーションアルバムもリリースするほど)。こんな貴重な作品、是非とも昨年リリースしたベスト盤に収録していただきたかったものです。
実は、モーリスの訃報に関連して注目を集めたツイートがあります。その中村さんに関する内容です。
ドリカム中村正人「私はあなたの作った音楽をさんざんパクって日本で今売れちゃってます」
— タワーレコードSOUL/CLUB/RAP (@TOWER_Soul_Rap) 2016, 2月 5
モーリス・ホワイト「それでいいんだ」「私もジョン・コルトレーンやFunkadelicやKool & the Gangからいろいろ盗んでる」 https://t.co/s0BrBPqcEK
引用された発言の引用元(リンク先)は、音楽ナタリーに昨年掲載された中村正人×大森靖子「私とドリカム2」対談。中村さんはこの中で『「決戦は金曜日」も俺はEarth, Wind & Fireの「Let's Groove」とシェリル・リンの「Got to be Real」っていう2曲の曲を合体させて作った』と告白、そのことを以前モーリスに伝えています。モーリスはこれを了承した上で、こう述べたそう。
中村 「私もジョン・コルトレーンやFunkadelicやKool & the Gangからいろいろ盗んでる。そこにオリジナリティを足して次の世代に受け渡すのがお前たちの仕事だ」って。それ聞いて俺もうめっちゃうれしくって大泣きして(笑)。
その”赦し”を得られた後はあまりパクらなくなった、と中村さん。『パクっていいぞってお墨付きが出た瞬間、ここからはオリジナリティを積み重ねないといけないんだって思い始め』たそうですが(『』内は上記対談より)、その自発的なスタンスの切り替えという道標もまた、モーリスがもたらしたものといっていいでしょう。
自分は、「決戦は金曜日」がアースの「Let's Groove」に似ていると知って以来、アース・ウインド&ファイアーが気になるようになってきました。音楽家ではない自分にも、ドリカムを介してアースの素晴らしさを知ることが出来た(ドリカムがアースの素晴らしさを”受け渡してくれた”)わけで、それこそモーリスが語るところの”仕事”なのではないか、と思うのです。
ドリカムにはぜひとも、モーリスの、アースのトリビュートソングを制作していただきたいものです。モーリス(アース)愛に溢れた楽曲を世に放つことで、自分と同じようにドリカムを介してアースの素晴らしさにあらためて、もしくははじめて触れる人が多いのではないかと。中村さん、今は深い悲しみの中かもしれませんが、いずれは…と、勝手ながら思っています。
モーリス・ホワイトのご冥福をお祈りします。