face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ラジオが生き残る可能性

昨日13時台、全国のラジオ局でTHE YELLOW MONKEYの新曲が一斉に解禁されました。

自分の住む青森県では『デイリーフライヤー』(JFN系 月-金曜13時 ※エフエム青森では月-木曜の放送)の冒頭でオンエア。通常この番組では、水曜および木曜担当の井門宗之さんがその日のテーマ紹介等を経て13時04分前後に一曲目を紹介する流れなのですが、昨日は完全にこの曲用のシフトが組まれ、イントロ乗せは行わずにフルオンエア。その曲、「ALRIGHT」はイントロ、歌詞ともまさにイエモン節で、長き不在という穴が一瞬にして埋まったかのよう。今年の活動が俄然楽しみになってきました。

 

この「ALRIGHT」、全国70以上ものラジオ局の賛同を経て一斉解禁されたのですが、この動きってもしかしたら【ラジオが生き残る可能性】の光明になるのでは?と考えています。つまりは、新曲をいち早くラジオで公開するという方策。

いやいや、”ラジオが生き残る可能性”という表現は大袈裟だよ…と思われるかもしれません。が、金銭面でも厳しい事態となっており、中には停波した局もあります。以前引用したピーター・バラカン氏の考えを再掲させていただきますが、これを読めば少しは認識できるものと考えます。

 

実は今年に入ってから何度か、『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 毎週日曜13時)内で新曲が初公開に至っています。クリス・ペプラーさんが言うところの”抜け駆け先駆けOA!”というやつです。

”抜け駆け先駆けOA!”は大体15時前後に行われるため、いわゆる15時”またぎ”(15時になって他局へチャンネルを替えることを食い止める)という意味合いも強いかと思うのですが、仮にその目的があったとしてもそれ以上に、このようなプレミアを用意することは、その歌手のファンでありながら普段ラジオを聴かない人にとっては聴いてみようという動機付けになりますし、音楽好きの人にとってもラジオが積極的に新曲を解禁している姿勢を好意的に捉え、より意識してラジオを聴くようになると思うのです。そうして”抜け駆け先駆けOA!”の結果、ラジオを聴く人が徐々に増えていきラジオ自体へのプレミア感が増すことによって最終的には生き残ることが出来る…そう考えるに至りました。

思うにここ数年、ラジオでの新曲解禁あまり行われていない印象がありました。いや、新曲解禁があったとしてもその歌手がDJを務める番組での解禁が主であり、それって半ば必然だと思うのです。そのケースではその歌手のファンは積極的に聴くとしても音楽好きを取り込むことは難しいかもしれません。そうではなく、『TOKIO HOT 100』のように歌手以外の方がDJを務める、もしくは様々なジャンルの音楽を扱う番組にて解禁される意義は大きいと思います。

 

 

新しい音楽に触れる環境には、能動的か受動的かの二種類があると考えています。文字通り、前者は自ずと触れようとする姿勢であり、たとえばCDや配信で買う、新曲をYouTubeで探す行為。後者はふと耳にするなどによって自然と刷り込まれることであり、新曲がかかるラジオ(局、もしくは番組)を流している行為と言えるでしょう(他方、YouTube等での"オススメ"経由で曲を知ることはある種受動的だったり、ラジオ局を聴く(ためにスイッチを付ける)行為自体は能動的だったりはするのですが)。

”33歳までに音楽的嗜好が固まる”という研究結果から思ったこと - face it(2015年5月20日付)

自分は以前のエントリーでこう書きました。最近のラジオは、特に地方のFM局において、以前ほど音楽に比重を置かなくなったからか、特に若い人が音楽に接する媒体がインターネットに取って代わられているように思います(CD店の減少によりネット経由で音楽を買うのと似た動きかもしれません)。新曲のラジオ先行解禁はリスナーのラジオを聴いてみようと思う心理をくすぐる行為として有効でありラジオ局の活性化に繋がるかもしれません。が、そこから先…ラジオにいわばステイチューンしてもらうためには、”ラジオを聴けばいい音楽に触れられる”という信頼感を局が作る必要があります。起爆剤だけではダメなのです。この点において良質な音楽番組が減少していることは危機的状況だと理解して改革に着手すれば、つまり新曲解禁方策は有効だけどその先は自主努力だと考えます。自発的な行動を望みます。