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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

【掘り師の仕事】収録曲に”?”なR&Bコンピレーションアルバム

中古CDを探すのが好きで、自称”掘り師”として活動しているのですが、昨日ふと訪れたホームセンターでレンタル落ちの中古CDが一律税込102円で売られていたので”仕事”を実施。以前から気になっていたR&Bコンピレーションアルバム、『Nice'N Slow』を購入してきました。

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収録曲はこちら。

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実際のところ、マリオ・ヴァスケス以外はすべて、(その楽曲が収録された)オリジナルアルバムを所有しているのですが、お洒落な選曲だと思い購入。1曲目がベイビーフェイスの超絶メロウな「Tonight It's Goin' Down」というセレクトからして見事だなと。同曲は菊地成孔氏が3年前、自身のラジオ番組で紹介しています(恋とセクシーの処方箋 - 「Tonight It's Goin' Down」(2013年2月17日付)より)。美しいミディアム~スロウチューン満載でいい感じだなと思っていたのです。

が…収録曲をみて”?”と。それはゴスペルシンガー、デイトリック・ハッドンの曲が収録されているということ。このアルバムは官能的な、いわゆる”性愛”を謳う作品集となっているにもかかわらず、デイトリックだけはゴスペル作品であり、”聖愛”というか神様への忠誠等を意味する作品のはず。不安になりブックレットを見てみると。

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おそらくはデイトリック側が、(コンピレーション収録は認めるものの)歌詞掲載を許可しなかったのかもしれませんね。安心したとはいえ、収録されたこと自体に驚いてしまいました。

 

デイトリックによる「Don't Go」の収録理由は、この曲がデバージ「Stay With Me」を用いているからだそう。アシャンティの大ヒット曲「Foolish」でも用いられたサンプリングの定番曲を用い、原曲の空気感を活かしながら美しく仕上げたことが選曲者の目に(耳に)留まったからかもしれません。

・Deitrick Haddon「Don't Go」(2006 from 『7 Days』)

 

それにしても、割愛云々が書かれている写真を見て解る通り、「Don't Go」という超絶美しい楽曲の次が、タイトルに堂々と(カッコ書きながら)”Sex”と銘打たれている、この落差には驚かされます。訳を見ると、

ヤリたいんだ

朝にセックス

夜にセックス

昼にセックス

寝てるときも(ヤリたいんだ)

祝日にセックス

毎週末もさ

R・ケリー「(Sex) Love Is What We Makin'」訳詞より

お盛んすぎます。

 

この曲も含め、訳詞を見ると結構な確率で”ヤリたい”フレーズが登場しているんですね。官能的な作品集だとわかっていたとはいえ、直接的過ぎてちょっと驚きました。調べるとこのアルバムのコンセプトは”チョイエロ”だそうですが(HMV商品説明より)、ちょいどころかかなり堂々とエロを歌いきっている曲の多さには、”まずは歌詞もきちんとチェックしないと真実は見えてこない”というのを、あらためて実感した気がします。

 

”あらためて”と書いたのは、この曲が以前『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』(TBSラジオ)内の特集コーナーで紹介されていたため。訳詞を当時アナウンサーだった小島慶子さんが読んでいて、かなりインパクトがあった覚えがあります。特集をまとめた書籍、『R&B馬鹿リリック大行進 ~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』(スモール出版)はディスクユニオン等オンラインでも予約可能ですので、気になる方は是非チェックしてみてください。先の四六時中セックスソングを生み出したR・ケリー、別名”R師匠”の大活躍っぷりをうかがい知ることが出来るかもしれません。