今週開催されたグラミー賞で、父親の曲をカバーして最優秀トラディショナル・R&B・パフォーマンス賞に輝いたレイラ・ハサウェイ。その楽曲、「Little Ghetto Boy」については以前弊ブログにて取り上げています。
レイラのライブアルバム、『Lalah Hathaway Live!』から次にシングルカットしたのは、今度はアニタ・ベイカーのヒット曲「Angel」のカバー。こちらは現在、最新2月27日付の米ビルボードアダルト・R&B・ソングスチャートで2位まで上昇しました。赤丸は外れていますが、もしかしたらグラミー効果で(レイラと同賞を争い、レイラに敗れた)タイリース「Shame」から首位を奪取する可能性もありますね。
・Lalah Hathaway「Angel」(2015)
オリジナルはこちら。
・Anita Baker「Angel」(1983 from『The Songstress』)
アニタ独特の艶と深みは唯一無二ゆえ、カバーは至難の業では考えていたのですが、低音の深みを活かし1オクターブ下げて一番を歌い上げたレイラのバージョンは彼女にしか出せない味わいで、本家と負けず劣らずの素晴らしい仕上がりだと思います。
レイラ、実は以前アニタ・ベイカーのトリビュートライブおいて「Angel」をカバーしていました。それもアニタの目の前で。
こちらも素晴らしいのですが(曲の終わりにアニタが立ち上がっているのがレイラの素晴らしさを物語っているのではないかと)、同じライブでも数年経つとこんなにも深みや落ち着きが増すのか…というのが自分の見方。アニタの目の前で歌うことに緊張していたのかもしれませんが、数年で実力が格段に増したと実感しています。
この動画の関連で、父ダニーも挑戦した「A Song For You」(→YouTube)のレイラによるライブバージョンが出てきて、そちらにも酔いしれた次第。彼女、どこまで進化していくのでしょう…いつか一度生で聴いて、心を揺さぶられたいと思っています。
・Lalah Hathaway「A Song For You」