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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

安藤裕子のカバーセンスの良さに唸る

昨日入った店からふと流れてきた曲に、胸を撃ち抜かれました。80年代のヒット曲をこんなに洒落た感じでカバーしているのか!と思い帰ってきて調べてみると、安藤裕子さんによるC-C-Bのカバー、「ないものねだりのI Want You」でした。LITTLE CREATURES鈴木正人さんがアレンジを手掛けたこの楽曲は、作詞家の松本隆さんをトリビュートしたカバー作品集、『風街であひませう』(2015)に収録されています。iTunes Storeのリンクを下記に。

元々カバーには定評があり、シングルのカップリングを中心に収録されたカバー曲集『大人のまじめなカバーシリーズ』(2011)も素晴らしかった安藤裕子さん。キラキラ感とアンニュイとが同居した独特のボーカルは、どんな曲をも自分の世界に引き込めるという印象があったのですが、今回の「ないものねだりのI Want You」でも証明されたように思います。原曲と安藤さんがとにかく合っているんですよね。

アレンジにおいて、近年の80年代ムーブメントが色付けされている点も面白いのです。オリジナルは80年代の真ん中、1986年の作品ですが、2015年のカバー版で敢えて今の時代における80年代感を施すことで、”懐かしくも新しい”感がより強くなっている印象があります。このアプローチ、昨年特に日本で人気を博したタキシード(Tuxedo)や、日本のアイドルグループのEspeciaを彷彿とさせ、彼らの曲と「ないものねだりのI Want You」とをDJミックスでつなげてみるのも面白いかもしれません。それだけ80年代感の咀嚼の仕方が見事ゆえ、昨日この曲に出会えたことに感謝すると共になぜこのカバーをリリース当時に聴き込まなかったんだと反省しています。

 

ちなみに昨日入った店ではこの曲の直後、キリンジ「汗染みは淡いブルース」が流れてきて、選曲の良さに脱帽しました。