イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、ビルボード・ミュージック・アワードでの披露曲が上昇

ビルボードシングルチャートを定点観測。

 

アメリカでは今週月曜が祝日だったために一日延期され、日本時間の水曜早朝に発表された6月11日付最新チャート。ドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」が3週目の首位を獲得。そして5月22日に開催されたビルボードミュージック・アワード(以下BBMa)にてパフォーマンスしたアリアナ・グランデ「Dangerous Woman」がトップ10内に返り咲きました。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

 

「One Dance」の強さはデジタルセールス等のダウン幅が10%以内に収まっていることに加え、ラジオエアプレイを1割以上伸ばして同部門を制したことにあります。ラジオエアプレイでの首位獲得は自身3曲目(「Best I Ever Had」およびリアーナへの客演となる「What's My Name?」)で、1億3400万という再生数は総合2位のデザイナー「Panda」のほぼ倍。ラジオエアプレイは他指標に比べて反応が遅い分、ラジオで愛される曲がロングヒットになる傾向を踏まえれば、「One Dance」は長期政権となる可能性があるかもしれません。他方、先週と変わらず今週も3位につけているジャスティン・ティンバーレイク「Can't Stop The Feeling!」はラジオエアプレイで2割以上も上昇し「One Dance」との差が遂に200万回という僅差に。初登場で首位を獲得した「Can't...」が再浮上する可能性も十分考えられます。

 

BBMa関連でいえば、フィフス・ハーモニー feat. タイ・ダラー・サイン「Work From Home」が最高位となる4位を記録(フィフス…にとっての自己最高位でもあります)、ルーカス・グラハム「7 Years」は2ランクダウンの6位(デジタルセールスは増加した一方でラジオエアプレイ部門では首位から陥落)。そしてアリアナ・グランデ「Dangerous Woman」が再びトップ10入りを果たし、最高位となる8位に登場。リアーナは「Needed Me」が1ランクアップの9位となり、ドレイクとの「Work」(10位)と並んでチャートイン。この結果、初登場以来16週連続トップ10入りを果たしていたゼイン「Pillowtalk」はトップ10から陥落しました。

 

他にも、最高位9位のDNCE「Cake By The Ocean」が3ランク上昇し14位、ニック・ジョナス feat. トーヴ・ロー「Close」が9ランク上昇し最高位となる15位に。ジョーとDNCEのメンバーであるジョー・ジョナスは兄弟で、以前ジョナス・ブラザーズとして活動した同士。バンドの解散を経て、互いがチャートで並び合うという複雑な(?)チャートアクションとなりました。

 

そして、BBMaの中でミュージックビデオがプレミア上映されたアデル「Send My Love (To Your New Lover)」が26位に再登場。デジタルセールスでは343%もの大幅上昇となり、BBMaのチャートへの影響が強く反映された形です(収録アルバム『25』自体も15位から9位へ)。前のシングル、「When We Were Young」が14位止まりだったことを踏まえれば、マックス・マーティンとシェルバックというヒット請負人(ジャスティン「Can't...」も担当)が手掛けた「Send...」がアデルにとってシングルチャートにおける起死回生の一曲となるか、注目です。