イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

田原俊彦×鷺巣詩郎による大人な作品

今日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 毎週日曜17時)。音楽特集は【ジャニーズ事務所所属のアイドル(前編)】と題し、SMAP以前のソロもしくはグループを、番組の独断で選ばせていただきます。なお、共にラジオづくりに参加している大学生が学園祭で店舗運営等を行っているため、今日は選者も進行も自分の予定…実はこれまでにないプレッシャーを感じているのですが。

 

さて、R&B好きだった自分が以前愛読していた雑誌、『bmr』で連載を持っていた鷺巣詩郎さんが、アイドル作品を手掛ける際の心構えを書いていたことを思い出しました。いつの号だかは覚えていませんし記憶違いだったら大変申し訳無いのですが、たしか"アイドルに歌唱力を求めるのが難しい分、アレンジをしっかりしないといけない"的ニュアンスだったかと。

 

その鷺巣さんが手がけたジャニーズ事務所所属アイドル(当時)の作品がこちら。

田原俊彦「Hardにやさしく」(1986)

"大人なトシちゃん"が堪能出来る作品ですね。ベースラインがちょっとファンキーだったりするのは、前のシングル(久保田利伸さん提供の「It's BAD」)を意識しているのかもしれません。アレンジ的にも30年経っても色褪せない作品だと思うのですが如何でしょう。そしてボーカルも、ただ軽いだけではなく曲世界とマッチしているように聴こえ、アレンジの大人っぽさがトシちゃんを牽引したと言っても過言ではないかもしれませんね。

 

実はこの「Hardにやさしく」、自身初のセールス10万枚割れ、およびトップ5内ランクインを初めて逃した作品となってしまいました(【独偏ベストテン 45-3】 田原俊彦 シングル作品 (資料編)|歌謡曲(J-POP)のススメを参考にさせていただきました。問題があればリンク等削除させていただきます)。アイドルファンにこのような大人な曲は響かなかったのか、マーケティングが巧くなかったのかは解りかねますが、大ヒット曲の陰に埋もれさせるのはもったいない佳曲だと思っています。