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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、「Closer」12週目の首位をキープ

ビルボードシングルチャートを定点観測。日本時間の火曜早朝に発表された、11月19日付最新チャート。ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」が遂に12週連続で首位を獲得。またトップ10内には2曲が新たにエントリーを果たしました。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

「Closer」は先週に引き続き、デジタルダウンロード、ストリーミング、ラジオエアプレイの3指標全てで首位を獲得(ただしストリーミングのうち、定額制音楽配信サービス (サブスクリプションサービス)に基づくオンデマンドソングスストリーミングチャートを除く)。12週首位という記録は、これまで1位を獲得した1057曲中わずか17曲しかなく、「Closer」が如何に凄い記録を樹立したかが解ります。

とはいえ各指標の勢いが衰えているのは事実。指標全体での落ち込み幅は前週比8%ダウン。2位のザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」が3%のダウンに留まっており、来週は入れ替わるのではないかとビルボードは報じています。なにより、「Closer」がここにきて遂にラジオエアプレイが下降傾向に突入したのはこの曲にとって一大転換点と言えるでしょう。

 

ちなみに上位5曲は3週連続で順位が変わらず。この凪の状態は2014年4月付の4週連続以来の記録(当時はファレル・ウィリアムス「Happy」、ジョン・レジェンド「All Of Me」、ケイティ・ペリー feat. ジューシー・J「Dark Horse」、ジェイソン・デルーロ feat. 2チェインズ「Talk Dirty To Me」、イディナ・メンゼル「Let It Go」の順)。しかし今回は来週もトップ5安泰...とはならない予感がします。トップ10下位で着々と力を付けている「Side To Side」や「Juju On That Beat (TZ Anthem)」以上に、今回新たにトップ10入りした2曲が怖い存在ではないかと。

 

9位には先週から7ランクアップで、レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」が登場。レイ、グッチ双方にとって初となる総合チャートトップ10入りとなりました。各指標全てで前週比3割以上の上昇(デジタルダウンロードに至っては58%)というのは勢いの表れですね。

実はこの曲のチャート上昇のきっかけも動画のチャレンジモノ。元々はある高校生がアップした"マネキンチャレンジ"(詳細、および動画は下記サイトをご参照ください。勝手ながらリンクさせていただきます)。その流れに乗ってレイ・シュリマーがライブ中、この曲の最中にチャレンジに挑戦。それが人気に拍車をかけた模様です。

レイ・シュリマーのメンバー、スウェイ・リーによる動画付ツイートは現段階で5万7千近くものリツイート。このライブは(現地時間の)11月3日(木曜)に行われているのですが、木曜がデジタルダウンロードおよびストリーミングの締め日となっており、ライブ中のマネキンチャレンジがチャートに及ぼした影響は今週付においては限定的かもしれません。となれば、来週のチャートでどこまで爆発するか、注目したいところです。

ちなみに、"Beatles"が付いた曲での最高位を「Black Beatles」が更新しました。それまでの記録はビートルズ自身による「The Beatles' Movie Medley」の12位(1982)でしたので、ある意味本家超えを果たしたと言えますね。

 

10位の勢いも凄まじいです。来月に年内2作目となるアルバム『More Life』をリリース予定のドレイクが、トップ10内に「Fake Love」を送り込んできました(先週24位から14ランクアップ)。先週初登場したこの曲、今週は1週間丸々集計期間があったことでチャートを駆け上がり、ストリーミングのうち定額制音楽配信サービス (サブスクリプションサービス)に基づくオンデマンドソングスストリーミングチャートで5曲目の首位を獲得。2012年にはじまった同チャートにて、ジャスティン・ビーバーを抜き首位獲得曲数の最多記録を樹立しました。

(きちんと公開されているミュージックビデオが見当たらないのでこちらで)

ドレイクはニューアルバムから3曲を既にトップ100内に送り込んでおり、21サヴェージをフィーチャーした「Sneakin'」が10ランク上昇して28位に、そして「Two Birds, One Stone」が73井に初登場を果たしています。「Fake Love」はドレイクにとって18曲目のトップ10入りとなり、ジェイ・Z(21曲)、リル・ウェイン(19曲)に次ぐラッパー3位の記録を達成(ちなみに同じく18曲でリュダクリスが、また17曲でエミネムがドレイク等に続いています)。ドレイクの勢いが解ろうというものです。

 

来週は「Closer」が首位を死守するのか、「Starboy」が奪還するのか、それとも新鋭が急伸するのか...全くもって読めないなというのが私見です。