イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

R&Bの新鋭、ケヴィン・ロスに注目

昨日は11月26日付米ビルボードシングルチャート(速報)を紹介しました。

日本時間の昨夜、トップ100がネットで発表されたのですが、ピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が4週ぶりにチャートに返り咲き、82位にリエントリーを果たしています。この再チャートインの理由が気になるのですが、今回は同日付別チャートにおける新人について。

 

アダルトR&Bソングスチャートで前週から4ランクアップし8位にランクインしたのがケヴィン・ロス「Long Song Away」。モータウン所属の新人ミュージシャンで、非常に歌える方なのです。

少しいなたいギターが印象的なミディアム。サビの着地点がどことなくマーヴィン・ゲイ「I Want You」だったり、大サビはマイケル・ジャクソンを想起させる感じがします。そして肝心のケヴィンは、溌剌さと憂いという、矛盾と思われてもおかしくないふたつの感情を持ち合わせたボーカルの持ち主ではないかと。

 

ケヴィン・ロス、動画を探しているうちに昨年のヒット曲集を一人多重録音で"歌ってみた"作品を発見。その動画はbmrでも紹介されています。

曲目リストも上記に。主旋律、二声のハーモニーとパーカッション(勿論彼の声)というシンプルな構成ですが十分聴かせてくれます。

 

バークリー音楽大学で学んだ後、ノエル・ゴーディンやジョニー・ギル、SWVといった実力派R&Bアクトと仕事をしてきたケヴィンは、後にソロミュージシャンとしてモータウンと契約。一昨年、T.I.やニーヨを客演に招いた4曲入りデビューEP『Dialogue In The Grey』をリリースし、またクリスマスアルバムも出しているそうですが、日本のApple Musicでは両作品ともストリーミングされていない模様。とはいえ「Long Song Away」やチャズ・フレンチを客演に招いた前シングル「Be Great」などは日本でもデジタルダウンロード/ストリーミング可能なので、もしかしたら近いうちに本格的にアルバムデビューがあるかもしれません。それまではYouTubeなどで彼の音楽に触れて待つことにしましょう。

 

bmrでも紹介されたメドレーがアップされているYouTubeアカウントにおける、最も古い動画がこちらでした。

この曲のオリジネーターレオン・ラッセルの訃報が今週届いたばかりなんですよね。

エントリー記載以降、個人的に「A Song For You」をよく聴くようになったのですが、このカバーも非常に素敵です。アルバムリリースの際には是非とも音源化していただきたいと願っています。