イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

”漢字一文字の曲”流行り?に乗っかって

昨日も触れましたが、今週月曜日に”今年の漢字一文字”が発表されました。それにちなみ、前日の『わがまま WAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で”漢字一文字の曲”という音楽特集をお送りしたところ、今まで以上のリクエストをいただきました。本当にありがとうございます。

さて、担当番組の一つ前に放送されている『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)、12月11日付チャートではトップ10に漢字一文字の曲が3つもランクインしており、漢字一文字の曲がブームなのかもと実感しています。10位に宇多田ヒカル「道」、5位にRADWIMPS「光」、そして4位が星野源「恋」…いずれも今年を代表する歌手による作品ですが、漢字一文字の曲名というところにも共通点があるのですね。

 

ちなみに『わがまま…』ではどうしてもかけたかった曲があり、流させていただきました。それが「爪」という曲。オリジナルはペギー葉山さんによるもの。

昭和32年、平岡精二のリサイタルで初演』された『奥深い愛の別れの歌』と、ペギー葉山さんのホームページに掲載(ちなみに曲名はひらがな表記、なのですが)。その後、シャンソンや歌謡曲の名手がこの曲を取り上げており、たとえばちあきなおみさんによるバージョンは優しさや気品溢れる逸品となっています。こちらもひらがな表記。

そして、「黒い花びら」で第1回日本レコード大賞を受賞した水原弘さんによる「爪」。男性が歌い上げてもしっくりきますね。

 

で、今回番組で取り上げたのは、ピーターさんによる「爪」でした。カバーアルバム『私が愛した女たち』でも聴取可能ですが、今回ご紹介したのは『私が…』同様、2009年にリリースされたベストアルバム、『GOLDEN☆BEST ピーター(オリジナルを歌う+スタンダードを歌う)』に収められた、1970年代録音のバージョン。

このバージョンの凄いところは、艶めかしさ、そして最後の”爪を噛むのは よくないわ”がリフレインされることで増幅される、実は内に秘めていた悔しさや怨念みたいな感情の表出でしょうか。カバー当時10代後半から20代と想像され、その若さがいい意味で曲に現れたように思います。

 

とはいえ、ちょっとリバーブ強めなので初めて聴いた際に驚いてしまったものです…。