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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボード速報…4週連続首位入れ替わり、エド・シーランが初の1位を獲得

ビルボードシングルチャートを定点観測。

祝日の関係上、一日遅れて日本時間の水曜早朝に発表された、1月28日付最新チャート。先々週の金曜に発売されたエド・シーランの2曲が共にトップ10入りを果たしました。「Castle On The Hill」は6位、そして「Shape Of You」は首位発進。見事な船出です。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

先週予想した通り、エド・シーランがチャートに戻ってきました。しかも「Shape Of You」で自身初のNo.1ヒット獲得という快挙。

この快挙に、エドは祝杯を上げています(というか酒瓶を持っています)。

「Shape…」はデジタルダウンロードが24万でトップ、ストリーミングは4位、ラジオエアプレイは18位発進。一方「Castle…」はデジタルダウンロードが171,000で2位、ストリーミング11位(ラジオエアプレイは記載なしですが高位置で登場は間違いありません)。2曲で40万超えのセールス獲得というのはとんでもないことです。

さて今回は実に記録づくし。記事から抜粋してみるとざっと以下の通り。

● 歌手として初の1位

エドのこれまでの最高位は「Thinking Out Loud」の2位。他方、ジャスティン・ビーバーに提供した「Love Yourself」で首位を獲得しており(更には昨年の年間チャートを制覇)、歌手として念願の初制覇。ちなみにジャスティンへの提供曲は元来自身の次のアルバム『÷ (Divide)』に収録予定だったそうで、その経緯は下記に。

 

● 2曲同時初登場トップ10入りは初

最近ではアルバム初登場週に収録曲が大挙ランクインすることはよくあることですが、それでも成し得なかったのがこの記録。ビヨンセは昨年5月14日付で「Formation」(10位)と「Sorry」(11位)を。J・コールは昨年12月31日付で「Deja Vu」(7位)と「Immortal」(11位)を送り込んだものの、2曲同時初登場トップ10入りは今回のエドが初。

 

● 客演なしで久々の1位

初登場で1位を記録したのはジャスティン・ティンバーレイク「Can't Stop The Feeling!」以来となりますが、この曲以降ずっと客演有り曲が首位に居続けました。ドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」(9週)、シーア feat. ショーン・ポール「Cheap Thrills」(4週)、ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(12週)、レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」(7週)、ザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」(1週)そしてミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」(1週)…どれだけfeat.だらけなのかと。

(余談ですが、日本のメディアでは未だに、フィーチャリングではなく"フューチャリング"と言ったり書いたりする方が目立ちますね…未来かよ!と思ってしまいます。)

 

● デジタルダウンロードで初登場1,2フィニッシュは初

先述したようにデジタルダウンロードで「Shape…」が1位、「Castle…」が2位を記録。例えば死去後にプリンスが1,2フィニッシュを成し遂げたというようなことはありますが(昨年5月14日付)、初登場週で1,2フィニッシュは初。なお、今回の「Shape…」の24万という数値は先述したジャスティン・ティンバーレイク「Can't…」以来の高水準(ただし「Can't…」は昨年5月28日付で379,000ダウンロードですので如何に凄い数字かが解ります)。

 

エドの地元イギリスで1,2フィニッシュは初

イギリスのチャートでも「Shape…」が1位、「Castle…」が2位を記録。

初登場で1,2フィニッシュは史上初です。

 

というわけで、とんでもない記録が数多く生まれたことに。とはいえ、アメリカで1,2フィニッシュに至れなかったのは、如何にアメリカでの成功が難しいかのを如実に示していると思います。

 

 

さて、個人的には次週のチャートも読めないなと。エド・シーランの勢いが続くか、一方で「Bad and Boujee」が首位奪還に至るか…予測がつきません。「Bad…」は首位を獲得した前週に比べデジタルダウンロードで前週比14%、ストリーミングで同10%、ラジオエアプレイで同61%も上昇。ゴールデングローブ賞でドナルド・グローヴァーが同曲への賛辞を示したことなどがきっかけとなっているでしょうが、とはいえ全指標でプラス、それも一番火がつきにくいラジオエアプレイで大幅アップとなると、しばらく上位に留まり続ける可能性は高いと思われ、このまま高水準が続けばエドといい勝負を展開出来そうな気がします。

 

また次週付ではおそらく、ザ・チェインスモーカーズが先週金曜に発表した新曲「Paris」が比較的高い位置で初登場を果たすものとみられています。

彼らがホールジーを客演に招いた今週5位の「Closer」(→YouTube)は昨年8月20日付で9位に初登場を果たして以降一度もトップ10落ちすることなく、今週が24週目のランクイン。これで"初登場以降連続トップ10入り週数"の単独での最長記録を達成しました。ちなみにこれまでの記録はジャスティン・ビーバー「Love Yourself」の23週であり、ここにもエド・シーランが絡んでいるわけですから、チャートって実に面白いですね。