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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

洋楽新譜、邦楽旧譜…TOTO「Georgy Porgy」使用曲あれこれ

昨日に引き続き、最新1月28日付の米ビルボードアダルトR&Bソングスチャートからひとつかみ。

 

先週と変わらず22位ながら赤丸となっているのがジョシュ・X feat. カーティ・Bによる「Heaven On My Mind」。体格の割に軽やかで甘い声だなあと思った直後、聞き覚えのあるメロディライン…?と思ったら、TOTO「Georgy Porgy」じゃないですか。

なんという大ネタ使い…と思いこのジョシュ・Xについて調べると、一昨年に『Isley Brothers"Between The Sheets"をサンプリングした"Real Chick"をリリース』したとのことで(『』内はJadakissらとコラボしてきたNYのR&BシンガーJosh Xが、最新シングル"Heaven On My Mind"をリリース。ToTo"Georgy Porgy"をサンプリング。 - r&b SOUrCE(2016年9月8日付)より)、元から彼は大ネタ使いが好きなのかもしれませんね。

 

さて、海外のサンプリングソースのデータベース、WhoSampledで先述した「Georgy Porgy」を検索したところ、同曲を用いた作品が18曲出てきました(ただし「Heaven On My Mind」は未掲載)。その中に日本語が出てきたことに一瞬目を疑ったのですが、【まわれ まわれ (Round and Round) by Ryusenkei and Atsuko Hiyajo (2009)】という表記に思わず懐かしい!と思ってしまいました。

・流線形と比屋定篤子「まわれ まわれ」(2009 from『ナチュラル・ウーマン』)

"シティ・ポップ"に長けたクニモンド瀧口氏による流線形の第3弾アルバム。ボーカルに比屋定篤子さんを招いて制作された作品の中でもとりわけ確信犯的なアレンジだったなあと当時思っていたことが蘇った次第。これまでの3作ともそういう遊び心に溢れており、70~80年代の音楽好きならニヤッとすること間違いありませんのでぜひ聴いていただきたいものです。

 

で、実は比屋定篤子さん、ベストアルバムを先月リリースしており、この「まわれ まわれ」も収録…と思いきや、実はベストアルバム収録版のほうが古く、元来彼女のシングルとして1998年にリリースされたもの。『ナチュラル・ウーマン』では(セルフ)カバーしたということに。恥ずかしながら知りませんでした。オリジナル版は「Georgy Porgy」を用いていません。

ベストアルバムの情報は下記に。

昨日と違う今日~比屋定篤子ベスト&レアOTONANO powered by Sony Music Direct (Japan) Inc.

不思議なのは、長らく"流線形と比屋定篤子"バージョンに聴き馴染んできたからか、比屋定篤子さんのオリジナル版に"「Georgy Porgy」が入ってない、違和感が拭えない"と思ってしまうこと。それだけ流線形によるアレンジが、大ネタ使いとはいえしっくりきているということなのかな、と。

 

大ネタの安易過ぎる使用には苦言を呈したくもなりますが、それでも抗えない魅力があるのは確かかと。で、流線形の新譜はいつになるのかも気になるところでして…それまでは旧譜を聴き込もうと思った自分です。