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face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

薬物報道ガイドラインの記者会見を報じるメディアの少なさを憂う

今日もラジオの話。

 

定期的に追いかけていこうと思っているのが、『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ 月-金曜22時)で生まれた【薬物報道ガイドライン】。このガイドラインの作成の理由等については以前ここでも触れています。

そのラジオ番組で推敲された【薬物報道ガイドライン】を1月31日、霞が関にある厚生労働記者クラブにて発表、荻上チキさんなどが会見を行っています。

会見上では、会見する側から集まったメディアに対し来場の御礼を申し上げ深く一礼したとのこと。その様子を、これまでの会見ではなかったことだと荻上さんは話していました。たしかにこのガイドラインの作成の最終的な到達点はメディア自身が常に省みるようになる、いわゆる"反芻"が出来るようになることであり、ゆえにメディアを敵視するわけにはいかないのですが。

 

とはいえ、あくまで個人的にと強く念押しした上で書くならば、この【薬物報道ガイドライン】会見を報じるメディアの少なさには疑問や、はっきり言って哀しみすら禁じ得ないのです。

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Yahoo!JAPANのニュースにて"薬物報道 ガイドライン"で調べた結果、今朝の段階で出て来る記事がわずか4件。うちアゴラの記事は会見した側の田中氏自身によるものであり、実質的に報じたのは弁護士ドットコム、BuzzFeed JapanおよびAbemaTIMESの3件にとどまるのみ。新聞紙上での掲載や今後の雑誌等での掲載は不明ですが、ネット上でわずか3件しかないものが、テレビや新聞という市井により強く影響を与えるであろうメディアで報じられていないだろうことは容易に想像がつきます。会見した側の思いとは裏腹に、至極個人的な意見と何度も書くようで申し訳ないのですが、メディア側には反芻する気概がないということを如実に証明してしまった気がしてなりません。

 

 

実は2月2日にYahoo!JAPANに登場していた個人発信による記事において、自分が抱くメディアの"反芻する気概がないのでは"という疑念をより深めることとなりました。

 メディアの仕事にも関心がある彼女は、テレビ局の取材班とは違って、最初はカメラなしでSさんと言葉を交わし、礼を尽くして数回通って信頼を得て、そこから撮影を開始している。

 しかし取材が職業であるはずのテレビ局の取材班は、だいたいアポなしでいきなりSさんが犬たちと住む場所を撮影するという乱暴な取材を繰り返し、決まって「迷惑行為」だという姿勢で伝えるだけだった。

 相手がホームレスで法令違反をしている、という一点を口実に勝手に人間が居住している空間に侵入する。勝手に撮影する。

(上記記事より)

記事に"!"等を用いることも煽りメディアと変わらないと思うと苦言を呈しつつ…とはいえこの取材の方法、メディアに都合の良い切り取り方はまさに、【薬物報道ガイドライン】を生むきっかけとなった、薬物からの更生施設を運営する上岡氏が『Session-22』で話したメディアのアプローチと同一だと実感しています。この日の書き起こしは下記に。先述した田中氏も出席しています。

 

2件の例をもってすべてと決めつけるのは早計でしょうが、しかしながらたとえば基礎/不起訴が確定した有名人のヘリコプターによる追跡等の取材方法の気味悪さは多くの視聴者が感じているでしょうから、やはり以前弊ブログで書き記した"メディアへの罰則"の用意も必要だと思うのですが如何でしょう。

ホームレスの方へのヘイト放送だと水島氏が指摘した番組はTBSテレビ制作によるもの。ラジオとテレビは異なれど同じ建物内にあるのならば、一度是非『荻上チキ Session-22』に担当者を呼び、"報道番組の現状とは何か?" "なぜ過剰な演出を施さないといけないのか?"を掘り起こしていただきたいところです。それによって見えてくるものはきっとあると思いますし、同様にTBSテレビ側に、"現行の報道番組が【薬物報道ガイドライン】を受け入れないように見えるその理由は何か"を探ってみるのもいいかもしれません。

 

 

メディアに変わっていただきたいと願う気持ちは『Session-22』サイドと同様ですが、このままでは【薬物報道ガイドライン】のみならずすべての"メディアへの提言"が突っぱねられ跳ね返されるばかりだと悲観しています。