イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオ業界、今月のスペシャルウィーク開始直前に変化が起きている件

毎週金曜に書いているラジオの話。今週は今日火曜に。ちなみに米ビルボードソングスチャート速報は、現地時間2月20日月曜が祝日により発表が一日ずれることから、明日お伝えします。

 

 

首都圏のラジオ局は今週が聴取率調査週間。多くの方にリアルタイムで聴いてもらうべく、豪華ゲストやプレゼント等を用意するのが恒例で、通称”スペシャルウィーク”と呼ばれているのですが、今回その動きにちょっとした異変が起きているように感じるのです。

 

たとえば先週触れた、赤江珠緒さん妊娠発表の件。

発表日の先週木曜には朝日新聞ラテ欄に広告を打っていたたまむすび。スペシャルウィークでもないのに広告を打つなんて赤江さん同様にスタッフもポンコツになっちゃったのかなあ(笑)…などというリスナーの声もあるようですが、実はこれ、きちんとした計算だったんだなということを後になって理解した次第。

というのも、スペシャルウィーク直前になってサプライズ的な発表なり番組が複数みられたのです。たとえば、スペシャルウィークのまさに直前、19日日曜25時から放送されたのがこちら。

この枠は通常は放送休止(偶数月第4日曜のみ『文化系トークラジオ Life~社会時評サブカルチャー』(25-28時)を放送)。そこに10年越しの最終回を入れてきたのはTBSラジオの義理堅さとも言えますが。

またはこの特別番組も。

選曲は山下達郎さんのホームページ内、サンデー・ソングブックから確認出来ます(直近のみの模様ですが)。通常この枠は『鈴木敏夫ジブリ汗まみれ』~『Hellosmile Lounge』であり、それぞれ一回分休止して特別放送に至ったという次第。

 

で、これらの特別番組や発表はスペシャルウィークにやることでより集客(聴取率上昇)が見込めるんじゃないか…と思ったのですが、最後に取り上げたサンデー・ソングブックの告知を見て、前週の放送に納得した次第。というのも、次回2月26日付の特集が【昼間の珍盤奇盤】となっており、前週の特別番組での特集【夜のサンデー・ソングブック ~珍盤奇盤 R-18~】と呼応するのです。つまりはスペシャルウィーク前の特別番組なりサプライズな発表は、”この流れでスペシャルウィークも聴いてね、前の週の特別編は本編に至るプレリュードなんですよ”という位置付けなのではないか、と。

 

赤江珠緒さんの妊娠発表の件については(これは推測も多分に含まれますが)、出産前に一旦退くことも含めて前週発表することで、今週の副題である”赤江珠緒アナウンサー生活20年記念”に箔が付きます。また発表が前週木曜だったため、発表後まだ顔合わせしていない月~水曜の各パートナー(カンニング竹山さん、山里亮太さん、博多大吉さん)がどうリアクションするか、気になるリスナーも多く生まれます(現に自分はそのひとりです)。

『吠え魂』については、スペシャルウィークが偶数月第4週目で『Life』放送週にあたるため今週持ってくることが出来なかっただけかもしれませんが、スペシャルウィーク直前に持ってきたことで、翌日のネットニュースでは”一夜限りの復活”が数多く報じられており、ラジオ自体への注目が俄然高まったように思います。その点では十分効果あったと言えるでしょう。

(また、TBSラジオが『吠え魂』をスペシャルウィーク中、通常番組を削ってまで持ってくることをしなかったのは好感が持てます。弊ブログでは以前から、ニッポン放送スペシャルウィーク中番組(およびパーソナリティ)差し替え等を問題視していました。)

 

 

個人的には、スペシャルウィークにおける豪華ゲストやプレゼントによるいわばドーピングを快く思ってはおらず、中身(企画)そのもので勝負してほしいという思いが強くあるのですが、スペシャルウィーク前の事前告知を伴ったドーピングはアリなんじゃないかと思うのです。スペシャルウィークの前にも強力企画を用意することで、最終的にはスペシャルウィーク以外でもラジオに接する機会が増えるならば何よりではないかと。プレゼントも特段用意しなくて済みますし、このようなスペシャルウィーク前企画はまた行ってほしいと思います。

 

それにしても…達郎さん、夜のサンソンでこれかけたとは…しかも自らリマスタリングを施して。素晴らしいです。