イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジャニーズNo.1歌唱力ユニット、テゴマスの新曲を待ち侘びて

今週突如シングルCDをリリースした小沢健二さんの"復活"に際し、一昨年の『YELLOW DANCER』に代表される星野源さんのソウル/R&B路線への打倒ではないかという声を耳にしたのです。曰く、”先駆者は自分だ”という。それに対する自分の思いをツイートにしたためました。

で、その上でこうも書きました。

②については、星野源さんが昨年ラジオ番組で行った生ライブ(それを収録した『YELLOW MAGAZINE 2016-2017』)の音源、そして昨日放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系 金曜20時)での小沢健二さんの生声を聴き、その差を実感した次第。また①について、小沢健二さんの名盤『LIFE』経由で、そこで一節丸々取り上げられたジャクソン5やベティ・ライト…つまりはフリーソウルを知ることが出来た、という点においては有難いと思っています。一方で星野源さんはそこまであからさまではないのかな、と(影響源については星野源『YELLOW DANCER』の影響源は他にも(2015年12月14日付)で記載)。極端な話、ネタ元の方から訴えられなければOKと仮定すれば、ふたりの差異は②…つまりは歌唱力だと考えます。

その歌唱力においては、たとえば今年のグラミー賞総括でも触れましたが、賞開催前からその”古さ”を非難し、実際ビヨンセが主要部門の受賞を逃した後にさらなる非難(一部建設的な行動もあれど)を進めるフランク・オーシャンやカニエ・ウェストについても言えます。彼らの歌唱力やラップパフォーマンスはとても巧いとは言い難いのではないかと思うのです。たとえばフランクは以前のグラミー賞でのパフォーマンスが酷評されたほどですから。ちなみに翻訳家の押野素子氏は『blonde』リリース時にこうツイートしています。

押野氏の意見に納得しつつ(海外のライブでは観客の合唱がよく観られるため)、歌唱力が全てではないというのは承知でそれでも、ある程度の歌唱力は最低限持ち合わせないといけないのでは?というのが厳しいながら私見だったりします。もしかしたら自分はゴスペルを習ったゆえか、この歌唱力というものに人一倍こだわってるのかもしれません。それゆえか、たとえばテレビ番組で中居正広さんが、洋楽歌手に対し"アイアムナンバーワンフェイマスシンガー"と冗談で言うことにものすごい違和感(や果ては嫌悪感すら)を覚えたりするのです。過剰と言われればそれまでですがそれでも。

 

 

さて、その中居さんも所属するジャニーズ事務所において、歌唱力に秀でている方は少なからずいらっしゃいます。とはいえ、その方々には独特な癖を持ち合わせていることが少なくなく、堂本剛さんや渋谷すばるさんがその例だったり。特に渋谷さん歌唱は、ソロならまだしも関ジャニ∞においては浮き過ぎてやいないかとすら思うわけです。メンバーのひとりが群を抜いて歌が巧い場合、ソロ曲ならまだしも他のメンバーと共にという場合は、他の方も上手くないとバランスが取りづらいと思うのです。

その点において、NEWSの増田貴久さんと手越祐也さんによるユニット、テゴマスは、手越さんのビブラートがちょっとだけ強いところもあれど、ふたりとも歌が巧く且つハーモニーもきちんとしていて、ものすごく応援したくなるユニットなのです。特に好きなのは「アイアイ傘」(2008)での、サビ入り口のやわらかなメロディからのJ-Pop的な美しい着地の仕方ではあるのですが、着ぐるみで歌う「猫中毒」(2013)の超がつくくらいのポップネスも大好きで、同年上半期の邦楽ベストに選んだほど。

そのテゴマスは先述のシングル「猫中毒」、および翌2014年のアルバム『テゴマスの青春』を最後にリリースが途絶えているのが残念。増田さんは一昨年の『水曜歌謡祭』(フジテレビ系)に多数出演していたことで音楽面でさらなる成長を経たと考えられるゆえ、来たるべきNEWSのアルバムとは別に、テゴマスの作品にも着手してほしいと、純粋な音楽好きとしては思うわけで、ここにその願望を書き記させていただきます。

 

そのNEWSのニューアルバム、『NEVERLAND』(3月22日発売)の通常盤にはメンバー4名のソロ曲が収められており、テゴマスでの曲は未収録なのですが、増田貴久さんがソロで歌うのが、山下達郎さんの楽曲のカバー。それも、音階の幅がありドラマティックなサビが印象的な「FOREVER MINE」というのには驚きました。

伸びやかな高音が魅力的な山下達郎さんの楽曲は歌うのが難しいと思うのですが、そこに挑戦するとは…それも特に難しいであろうこの曲に挑む姿勢は高く評価したいなと。まだ音源を聴いたことないのですが、信頼していいと勝手ながら思っています。

 

(ちなみにミュージックビデオがYouTube等に載っていないのが非常に残念なのですが、このビデオもまた素晴らしく、嶋田久作さんの演技、そして結末には驚き、魅了されること間違いありません。こういう作品をより多くの人に知っていただきたい意味でも、音楽がインターネットとフレンドリーになってほしいと願わずにはいられません。しかもこの曲はiTunes Storeでも売られていませんので、試聴可能なサイトであるAmazon.co.jpのシングルCDページのリンクを貼っておきます。)

 

ちなみに、テゴマスの相方、手越祐也さんのソロ曲のタイトルは「I'm coming」。曲の概要は一切判りかねるのですが、タイトルを知った瞬間に手越さんらしい!と思ったのは自分だけでしょうか。これはこれで気になるところです。