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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

米ソングスチャート、ケンドリック・ラマー制覇&アルバム全曲トップ100入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の4月24日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、5月6日付最新チャート。エド・シーラン「Shape Of You」が遂に12週間の首位から陥落。代わってトップに立ったのは、アルバム『DAMN.』が今年最高のポイントを叩き出し同日付アルバムチャートを制したケンドリック・ラマーによる「Humble.」でした。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

とにかくケンドリック・ラマー強し!の今週。アルバム『DAMN.』はセールスおよび単曲ダウンロードのアルバム換算、ストリーミングポイントのアルバム換算により今年最高となる603,000ユニットを獲得して首位に到達。とりわけストリーミングが牽引する形となり先行曲「Humble.」が今週1位を獲得したわけですが、その他アルバム『DAMN.』収録の全14曲がソングスチャート100位以内にランクインしました。

最も下に位置した「Duckworth.」でも63位というのですから、如何に勢いがあるかが解ろうというもの。トップ10内には「DNA.」が4位に初登場を果たしています。

 

ミュージックビデオが制作された上記2曲はそれぞれ、「Humble.」が6740万回、「DNA.」が5100万回という高い再生回数を獲得。ビデオが作られないものでも14位に初登場を果たしたリアーナ客演による「Loyalty.」が3220万回という数値を叩き出しており、如何にストリーミングで強いかが理解出来ます。またミュージックビデオを立て続けに公開したことでアルバムセールスを牽引する効果も持ち合わせており、今回のアルバムリリースの流れにおける巧みな戦略も解ります。なお、「Humble.」のストリーミング再生回数は歴代2位の記録となりますが、歴代1位のバウアー「Harlem Shake」が2013年3月2日付にて1億300万回という数値を上げているのですから、よほどのことがない限り今後バウアーを超える曲は生まれないのではないかと。

 

大事なのは次週以降、「Humble.」が首位の座に留まり続けるかどうかだと思われます。ストリーミング以外の指標をみてみると、デジタルダウンロードは前週比3%ダウンの56,000、ラジオエアプレイは同26%アップの2800万回。ラジオエアプレイには伸びしろがあると言えるでしょう。そのラジオエアプレイの牽引により通算12週(連続11週)もの間首位の座を維持したエド・シーラン「Shape Of You」は今週、総合チャートで陥落したと同時にラジオエアプレイでも遂に下降に転じました。とはいえその下降幅は1%。他指標でもストリーミングで5%ダウン、デジタルダウンロードでは前週比変わらずとなっていることを踏まえれば、中1週での首位再浮上も十分有り得そうです。そして首位の座をじわりじわりと狙っていたブルーノ・マーズ「That's What I Like」は「Humble.」に飛び越される形で3位にダウンしましたが、ラジオエアプレイでは1億6000万回に到達し、デジタルダウンロードでも前週比9%の上昇。勢いが未だ衰えていないことから次週は三つ巴となりそうな予感がします。

 

その他、今週のトップ10内初登場作品をチェック。

EDMプロデューサーのゼッドとシンガーのアレッシア・カーラによる「Stay」が7ランクアップで7位に到達。2組にとって共に3曲目となるトップ10入りを果たしました。この上昇はiTunesStoreでの69セント販売、および4月18日に上記ビデオが公開されたことによるデジタルダウンロード・ストリーミングの牽引が大きく貢献したゆえ。

そして今回、アレッシア・カーラがトップ10に入ったことで"途絶えた"記録が。実は先週のトップ10、女性歌手が一組も入っていなかったのです。これは実に33年ぶりとなる大記録。アレッシア・カーラの登場はその記録にある種終止符を打った形になりました。

上記にはその33年前、1984年2月11日付のトップ10が掲載。カルチャー・クラブ「Karma Chameleon (カーマは気まぐれ)」が制したチャートでは確かに女性歌手はいません。それ以来となる記録なだけに、それだけ現在のチャートは男性が元気なのかもしれませんね。

 

最新チャート、トップ10初登場組に話を戻すと、ラテン歌手のルイス・フォンシとレゲトン歌手のダディー・ヤンキーによる「Despacito」が前週の48位から大きくジャンプアップして9位に登場しました。このジャンプアップの要因は最近日本でも露出度が高い、ジャスティン・ビーバーが新たに参加したバージョンが公開されたゆえ。

デジタルダウンロードが前週比510%もの上昇を果たしたというのですから、まさにジャスティン様様といったところでしょうか。ちなみに"ゆっくりと"を意味するこの曲名はスペイン語ですが、スペイン語による曲のトップ10入りはあの全世界を席巻した「Macarena (Bayside Boys Remix)」以来実に21年ぶりとなります。

 

このようにチャートが毎週のように混沌となりながらも、ランクインし続けているのがザ・チェインスモーカーズ。「Paris」はトップ10から脱落しましたが、コールドプレイとの「Something Just Like This」は3ランク落としながらも今週8位にランクイン。順位は落としたものの、ラジオエアプレイで前週比22%も上昇し遂に1億回再生に達したことで、ザ・チェインスモーカーズにとって通算51週連続のトップ10入りを果たし、連続トップ10入り記録でドレイクに並び歴代2位となりました。今後この曲が伸びていけば歴代トップの座も見えてくるかもしれませんが、歴代トップとなるケイティ・ペリーの記録はなんと69週…壁はまだまだ高いようです。