イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオ等における、"曲の落としどころがぞんざい過ぎる"問題と、その実例

今週火曜の午前、『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)を共に担当する大学生スタッフのつぶやきに端を発し、今のラジオ番組が音楽を雑に扱っていないか?というやり取りに至りました。発端は某番組における、OA曲の2番サビでのフェードアウトに対する指摘だったのですが、自分はもっとひどい例を近年様々な場所で聴いてしまっているのです。

たとえば。

番組名特定は申し訳ないのですが、以前つぶやいたので引用。1ヶ月前の『ヒルモット』(エフエム青森 月-金曜11時30分)において、桜シーズンを先取りする形でOAした中島美嘉「桜色舞うころ」。2番のサビ終わり前でまさかのフェードアウトしCMへ。10秒位待てなかったのか?と思わずにはいられません。

上記ビデオはショートバージョンゆえ1番しかなく、実際は2番まで流れたのですが、例えるならばこの曲の1分16秒で急にフェードアウトするようなものです。

 

また、ラジオ番組や局ではないものの、最近とりわけひどいと思ったのはブックオフの店内放送。ゴールデンウイーク中に何度か通ったのですがこちらはもっと酷かったですね。実は以前も同様の指摘をさせていただいたのですが。

今回も様々な曲でサビ終わり直前にDJが割り込むというスタイルが。たとえばB'z「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」は下記ビデオの1分25秒のところ、"僕と君だけよ消えないで"という1番最後の一節に被る形でトークが挿入されるのです。あまりにも強い不快感を覚えてしまいます。

ブックオフに関しては全て1番しか流さない(実際は1番すらきちんと流さない、ですが)というのもまた問題ですが。

もしかしたらこういう考えもあるのかもしれません。とはいえ、好きな歌手や曲が同様の扱いを受けたときのことを想起出来るならば、このような扱い方はあまりにも無礼だと思うはずです。想像力の欠如、と言っても過言ではないでしょう。

 

 

さて、これは個人的な感触ではあるのですが、最近のラジオ等での曲の取扱のずさんさは、以前にも増して高まってしまっているように思うのです。その要因を考えると。

ダウンロードや定額制音楽配信サービスの普及を、イコール"(金額的な意味等で)音楽の価値が下がった"と捉える向きがありますが、音楽の作り手にとっては昔も今も、少なくとも自身の作品に対してはそのような考えを抱かないはずです。ネット/デジタル時代で音楽が(たしかに安価で)手に取りやすくなったのは事実でも、だからといって雑に扱っていいというのはあまりに失礼、ましてそれを制作側と受け手の仲介役であるラジオが行ってしまえば、受け手はその誤った解釈を正しいものと思い込んでしまいかねないのでは?と。せめてラジオ側が曲を、しっかりと愛情を持って流すことが大前提だと思うのですが、その大前提がどんどん薄れてしまっているような気がします。

 

 

とはいえ、自分が十数年前に学んだラジオDJセミナーでは、イントロ乗せについては学んでも、曲を流した後どのタイミングでトークを挿れるかについては学ばなかったと記憶していて、もしかしたらこの、【ラジオにおける曲の落としどころ】ついての教科書はないのかもしれません。自分自身はJ-WAVE、2000年代前半の番組群から体感し自然に身についたようなものなので、ラジオを沢山聴くもしくは実際にやってみるという経験でしか学べないのかもしれませんが、それでは今後ラジオ人を目指す方にとってはアドバイスが抽象的になってしまいます。

というわけで明日、曲へのトークの挿入やフェードアウトといった【曲の落としどころ】について、自分なりにまとめて書き上げてみます。