イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

実力派ボーカルグループ、エクスケイプの復活が嬉しい

1990年代、その高いコーラスワークによりR&B界で一世を風靡した女性ボーカルグループ、エクスケイプが遂にリユニオンを果たします。しかもその初陣を飾るのが、R&B/ソウルミュージックフェスの最高峰、エッセンスフェスティバルというのですから、より高い注目が集まること必至。先頃公開された、フェスに向けてのインタビュー動画を観ると、期待感が高まらずにはいられません。なんせ、アドリブ(その場のノリ?)で「Tonight」を歌っているのですから!

「Tonight」は、ファーストアルバム『Hummin' Comin' At 'Cha』(1993)に収められた、ほぼアカペラによるバラード。

なにより、オリジナルのリリースから四半世紀近く経ち、またリユニオンに至るまでに十数年もの月日が流れたにもかかわらず、全員が原キーで、あの声の伸びやかさをキープしているのは凄いこと。2010年代に入りSWVがアルバムを2枚リリース、TLCが待望の復活作を来月リリース予定など、女性ボーカルグループ復権の流れが生まれている中にあって、米ビルボードの総合ソングスチャートで5曲ものトップ10ヒットを持ち名実ともに女性ボーカルグループを代表する彼女たちの再結成は、パフォーマンスを観る前から感涙モノです。

フェスには行けませんが、個人的には、彼女たちのレーベルオーナーだったジャーメイン・デュプリによるミニマムな音数の「My Little Secret」や、ジョーが手掛けた美しい「Softest Place On Earth」(共に『Traces Of My Lipstick』(1998)収録)を一度生で聴いて、聴き惚れてみたいなと思っています。

 

ちなみに今回、彼女たちのCDを引っ張り出して、国内盤ライナーノーツを久々に読んだのですが...特にセカンドアルバム『Off The Hook』(1995)におけるキャラ立ちの表記、あれは失礼だろうと痛感。詳細は控えますが、ちょっとさすがに女性に対して述べる言葉じゃないなと。美化への過度な称賛がないからこそ、アメリカの音楽産業は本物がきちんと売れ、きちんと残るのだと思いますし、逆に日本では過度ゆえに...と思うんですよね。