イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャートは凪状態、そして再来週からフィフス・ハーモニー”4対1”の戦い?

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の5月29日月曜(日本時間の火曜早朝)が祝日だったため、翌日に発表された、6月10日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が3週目の首位に立ち、磐石の布陣を築きつづあります。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

最初に謝罪を...先週は”波乱の次週...?”と予想したのですが、トップ10内の初登場はなし(1曲のみ再浮上)という状態でした。現地時間の5月21日(日本時間の22日)に開催された【2017 ビルボードミュージック・アワード】(以下BBMAs)の影響が色濃く反映されると思ったのですが予想が甘かったですね。反省です。

 

「Despacito」は全指標を大幅に伸ばしてきています。ストリーミングは前週比10%上昇し6540万回、デジタルダウンロードは前週比19&上昇し137000で両指標とも首位に。ラジオエアプレイでは順位こそ先週と変わらぬ7位でしたが、前週比21%もの大幅アップ。同部門で首位を獲得したブルーノ・マーズ「That's What I Like」(総合2位)は前週比5%ダウンとなり、「Despacito」の勢いがキープ出来れば、数週後にはラジオエアプレイ指標での首位交代もありそうです。

 

さて今週は新記録達成の報告が。

ビルボードの”中の人”のツイートの通り、エド・シーラン「Shape Of You」が【5位以内に初登場して以来、5位以内を連続してキープ】の新記録を達成しました。この20週という記録は前人未到で、エルトン・ジョン「Candle In The Wind / Something About The Way You Look」(1997-1998 16週)、マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996 17週)、ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009 17週)、マルーン5 feat. ウィズ・カリファ「Payphone」(2012 17週)、ジャスティン・ビーバー「Sorry」(2015-2016 19週)を上回る記録に。「Shape Of You」は1月28日付で1位に初登場し、一度陥落するも再び首位に返り咲いて今に至っており、年間チャートでもトップ5入りすることはほぼ間違いないでしょう。

 

 

さて、BBMAsで披露された曲で目立った動きはというと。

・ジュリア・マイケルズ「Issues」(前週14→11位)

ユニバーサルミュージックバイオグラフィーこちら。先述したジャスティン・ビーバー「Sorry」(2015 全米1位)やセレーナ・ゴメス feat. エイサップ・ロッキー「Good For You」(2015 全米5位)、フィフス・ハーモニー feat. フェティ・ワップ「All In My Head (Flex)」(2016 全米24位)をはじめ、シャキーラリンキン・パークジョン・レジェンドグウェン・ステファニーブリトニー・スピアーズなどの中堅~ベテランの作品を書いてきた彼女。いよいよ満を持して自身の作品を...と思ったのですが実はこの曲、既に今年1月にリリースしているのです。ここにきてようやくブレイクしつつあり、そのタイミングでBBMAsに出演し最高位を更新という状況に。なお、イギリス版ヒットコンピレーション『Now 96』に収録されています。


・イマジン・ドラゴンズ「Believer」(前週20→15位)

「Radioactive」(2012 全米3位)、「Demons」(2013 全米6位)のヒットを持つロックバンド、イマジン・ドラゴンズ。来月23日にリリースするアルバム『Evolve』からの先行曲で既に米ビルボードロックソングスチャートを制覇しています。BBMAsでのパフォーマンスがアルバムの出足へのいい布石になるかもしれません。

 

 

他にも初登場等がある中で、個人的な注目はフィフス・ハーモニー対”元”フィフス・ハーモニーの争い。脱退したカミラ・カベロによる、単独名義では初のシングル「Crying In The Club」が47位に初登場。

一方、4人体制になったフィフス・ハーモニーの新曲「Down」が6月2日に解禁されるそう。金曜解禁とのことですから、デジタルダウンロードおよびストリーミングが1週間分丸々、再来週付のチャートに反映されます。

”女の戦い”だと焚き付けるつもりは個人的にはないのですが、タイミングがほぼ合致したとなればそういう見方をする人は少なくないかもしれませんね。